モンスター/【ユニコーン】

Last-modified: 2023-06-24 (土) 10:10:22

原語は「Unicorn」。
ユニコーンの事で、一角獣と訳される事が多い。
小柄な白馬の身体にライオンの尾、額に一本の螺旋状のツノを持つという姿をしている。その姿に似合わず性質は獰猛で、敵には猛然とその角と蹄で攻撃する。ただし乙女にだけは心を許し、従順になると言われている。
ギリシア・ローマ時代にインドや中東に棲息する珍しい動物として記録されたが、欧州の神話などに取り入れられ現在の姿に落ち着いたとされる。貞潔の象徴とされるが、その一方で七つの大罪の1つ「憤怒」の象徴とも言われている。
ユニコーンの特徴である額の角は、強力無比な治癒能力を秘めているとされ、王侯貴族がこぞってその角を欲したとされる。
知名度はそれなりにあるもののユニコーンの性質から作品中で扱いにくいせいか、ユニコーン自体が登場することはあまりない。AD&D発祥の小説『ドラゴンランス戦記』では少しだけ登場場面がある。またユニコーン自体が登場しない作品でも、ユニコーンの角が材料や回復アイテムとして出てくる事例は少なくない。
メタルフィギュアでは乙女や女戦士が騎乗している造形が多い。D&D公式メタルフィギュアとしてはラルパーサ社からユニコーン単体の物が製造されていたことがある。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットで解説される。
外見は「額から角を生やした、すらりとしたウマである」と解説されている。
ヒットダイスオグルと同程度。移動速度は速いが、さらに乗り手を含めて限定距離ながら自分を瞬間移動させることができる。
戦闘では蹄2回と角1回による攻撃を行う。
アライメントはローフル。内気だが、いざとなれば勇猛に戦う。なおユニコーンに話しかけたり、騎乗できるのは清純な乙女限定。


この版では角のことは特に触れられておらず、ユニコーン自身も特殊な治癒能力を持っていない。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版の表記は「ユニコーン(一角獣)」。
種別はモンスター知力4。サイズL。荷重は2000cn/4000cn。
解説文では他の生き物から身を隠すため深い森に隠れていること、邪悪なウィザードが錬金術の霊薬や魔法研究のためにユニコーンの角を欲しがっていることが追記されている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版モンスターコンペンディウムでは1ページを費やして解説されている。亜種はいない。
外見は「きらめく純白の毛に包まれた強靭な馬であるユニコーンの目は、普通は深い海のような青か燃えるようなピンクである。長い絹のような毛がたてがみと膝の下から房となって垂れている。ユニコーンの額からは、一本の象牙色の長さ2~3フィートの角が突き出ている。」と記述されている。
オスとメスが存在しており、オスは顎の下から白い髭が生えており、メスはオスよりも優雅で細身。
気候/地形は温帯の森、出現頻度は希、社会構成は家族、活動時間は日中、食性は草食性、知能は人間並み、アライメントはCG(カオティック・グッド)。サイズL。
ユニコーンは決めた相手と添い遂げて家族を作り、森を守護する。孤独なユニコーンは、時折純粋な心を持つ人間やエルフの乙女に飼い慣らされることがあり、この場合は背に乗ることを許す。またさらに気に入れば森の外にまで同行して忠実な騎馬となることすらある。
ユニコーンは感性が鋭く、敵の存在を遠くから感じ取る。また足音を立てずに移動するができる。
戦闘では蹄2回と角1回の3回攻撃を行うが、十分な移動距離がある場合は角を突き出して突撃することができる。突撃を行うと蹄攻撃はできないが、角による攻撃のダメージは3倍に増幅する。
アーマークラスが良好なだけでなく、ST判定も11レベルのキャラクターとして行うことができる。さらにチャームやホールド、即死呪文にも耐性がある。
移動速度はもちろん速い上に限定的かつ短距離ではあるが、瞬間移動を行うこともできるため、捕捉はかなり難しい。
また生態の項目では、天敵がグリフォンとレッドドラゴンであることと、ユニコーンの角について記述されている。