【生物】/フゥール

Last-modified: 2023-11-26 (日) 19:21:16

アルファベット表記:Foowl
漢字表記:精貍(しょうる)/風貍(ふうる)
分類:四肢乳生類牙獣目精貍亜目精貍科
危険度等級:E
生息地方・国家:九大州全域
生息域:森林部・山林部など
発案者:tocoma110
Tag: 生物 危険度等級E 危険度等級D 乳生類 発案:tocoma110


概要

リュンクル・クァッル(ヤマネコ)とテンを足して割ったような、小型の四足乳生類。
美しい毛並みと長い耳と尻尾、そして額に隠れる精素検知器官が特徴で、その見た目と高い知能から愛玩動物として親しまれている。
精素を含めた環境適応能力が高いことから、秘境・非秘境域を問わず生息し、目撃される動物である。

 

分布

エルネセトア大陸各地。
主だった生息域は森林・山林部で、木々のある場所を好んで生息する。そのほか、山岳部などで見かけられる種も存在する。

 

形態

ぱっと見は、前述の通りリュンクル・クァッルとテンを足して割ったような外見をしている。
顔立ちなどはだいぶ小振りで愛嬌に富んでおり、くりりとした大きな眼と相まって可愛らしい。
耳は兎などに通じるほど長く、ある程度動かすことが可能。
尻尾は本体・毛共に長いことから、全体を大きく見せる役割を持っている。構造的にはリスのそれなどに近いとされるが、それらよりももっと高度に動く。

  • そうした生活を営む故、地味に爪が鋭い。
    平時は指の中に隠しているが、必要に応じて鋭い爪が姿を覗かせる。これは武器になるが、それ以上に木々に我が身をぶら下げるためのツールとしての意味合いが強い。

そして、額には「隠された第三の目」、ともいうべきものがある。
必要に応じてにょきりと姿を見せる真っ赤なそれは、精素の流れを感じ取る器官であり、この手の生物の中でも屈指の精度を誇る。詳細は後述するが、本種が過酷な秘境でも何故か目撃出来る理由でもある。
また、真っ赤なのはそれだけ血液が通っているため。故に、額を触られることには強く敏感。


美しい体毛は多量の精素を含む故。
基本的には親和性の高い精素の色を強く反映しており、大半は環境ごとに合わせたものとなっている。
とはいえ、精素結晶・精合素材などになるほどの価値はないが、純粋な見た目の美しさは他の動物以上。そのことが後述の問題にもつながっている。

  • 最もよく見られるのは、純緑や緑がかったブルーなど。

本体大きさはイエネコの成体より二回りほど小振り。
ただし、尻尾まで含めると同等かそれ以上。
敵と遭遇した際は尻尾を立てることで自身を大きく見せる威嚇を行なう。


基本は四足歩行だが、上体を起こし二足立も可能。

 

生態

時間を選ばず活動し雑食性。
樹上での活動が多く、巣も岩陰や樹洞などに草枝を敷き詰めて作り、餌を求めて森林・山林部を歩き回る。
木の実や昆虫類・小動物など多岐にわたる。


行動的で好奇心旺盛な性質を強く持つ。
小動物故の警戒心もあるが、イヌネコ程度には知能も高く感情表現も豊か。
群れこそ形成しないが、家族単位での行動は長くなる傾向にあり、特につがいは死に別れなどがない限りは続けていく傾向にある。
そのためか、巣にコーディネートを行なうようなこともあり、他の種では見られない独特のアピールや趣味性を見せる。こうした特性は愛玩用に改良された飼育種ではより顕著で、自身を着飾るような行動にまで発展することがある。
中でも精素結晶を好む傾向にあり、コレクションから贈り物まで幅広く利用する。

  • そうした特性を持つように、コミュニケーション能力も高い。
    鳴き声、臭い、音、そして精素を用いて幅広いコミュニケーションを取るため、コンタクトのバリエーションが豊富。

繁殖は胎生で主に春~夏にかけて発情期が訪れる。
一度に2~4頭ほど出産し、3~4年で成体となり親元を離れていく。が、そのまま家族単位で生活を続けることもあるなど、ある程度個別ケースが存在する。


寿命は個体差はあれど、平均して8~15年程度。
ただし、飼育種は環境を整え健康に気を遣えば、20年近くまで生きることもあるという。

 

能力

運動能力などは一般的な動物程度。
開拓の民が追いかけても逃げられてしまう程度にはすばしっこく、また身軽。木々を自在に飛び交う姿はなかなかに美麗。
感覚器官も総じて優れており、視覚・嗅覚・聴覚・精覚のいずれも高い精度を誇る。


波音声帯などは有しておらず、自力での強力な波音操作能力は持っていない。
しかし、額にある眼球状の精素検知器官、通称『紅玉眼』を介することで、周辺の精素状況をいち早く察知することが出来る。
これによって、他の種が気づくよりも数段早く状況の変化を感じ取り、危機を脱することが出来る。さらに言えば、自衛のためにその感覚を駆使して、時に環境を武器にするような老獪な戦術を取ることもある。

  • その特性からか、精武術的な振る舞い・動作による疑似的な波音術を利用する。
    これは単独で起こしうるものではないが、通常の精術士ではなし得ない極めて高度な技術と言え、下手な精武術の使い手よりも巧みに精素を操れる。
    とはいえ、起こせる波音は微々たるものであり、精々が目くらましの閃光や破裂音、跳躍補助の小規模大気破裂程度。
  • また、精素耐性も高い。
    精素汚染に陥りにくいというほどではないが、急な精素バランスの変化にもある程度適応することが出来る。

同時に、高い精素感度は精素の変化に対して敏感であることも示す。あまりに急激な変化には強く怯えてしまう。


また、存外に口先・足先の動作が器用。
前述の巣の装飾などに見られる通り、ある程度の加工能力も備える。その器用さは上記の波音操作能力にも生きており、運動制御能力においても高い精度を持つ動物であると言える。

 

人類種とのかかわり

その優れた精素検知能力と、知能の高さから古くより家畜として飼育されてきた。
狩猟・採集のどちらにおいても優れた先駆けとして利用され、ファングの末裔たる猟犬と並んで多くの狩人・戦士たちが伴った。
また、精術士にとっても馴染み深い。
精素の流れの感知に優れた動物は優秀な助手であり、そのことから精術士の間での飼育も広く行われ、時には必須事項であるとすらした地域さえ存在する。

  • そうした特徴から、「幸運」「探索」の象徴として扱う文化圏は多い。

それらを抜きにしても、その身目の美しさ・愛くるしさは高い人気を得ている。
ペットとしてはもちろん、毛皮を用いた製品も人気が高く、古来よりフゥール製の毛皮品はいずれも高値で取引されてきた。
故に、古来より乱獲された地域も珍しくなく、絶滅してしまった種なども存在するとされている。


懐けば親身に接してくれるが、気紛れな面も多々ある。
そのため躾を間違えるととんでもない自由人気質に育ってしまうため、注意が必要。


また、直接的に関係はないが、風耳の民とは耳・尻尾の形状が酷似している。
こちらも精素に特有の強い感覚を持つ種故に、関連性を指摘する向きもあるが、風耳の民はそれを“音”として認識する点で異なる。また、第三の目も存在しない。
故に、両者に直接的関係性はないとされる。

 

特異な種類

大半の種は多少の地域差程度の特徴となるが、特定秘境に適応した種などは個性的な能力・外見を持つことがある。
下記はその中の代表例。

カチュール

雷雲峡にのみ生息する固有種。
黄色の毛並みに加え、耳先・尾先・足先が黒く染まり、眼が青く、頬が大きめな点が特徴。
環境に適応した結果、体毛に特殊な精素が組み込まれていることから、帯電しやすい性質を持っている。


固有の特性として、ある程度の発電・放電能力を備えている。
この能力は頬に備わる波音器官に鳴き声を通して発揮される。
これらは自衛の手段であり、自らに襲い掛かる生物への攻撃として活用されるほか、コミュニケーションなどにも用いられる。出力は人体をしびれさせる程度までで用いられることが多いが、最大観測例は放電範囲20m以上の波術級まであるとされる。


通常種よりも警戒心が強い傾向にあり、人に懐く例は少ない。
が、大陸秘境開拓時代に入ってからは家畜化を進めた秘境開拓者が存在し、流通が徐々に始まる。

エィール

悪獣高原狂王の迷宮などで目撃される、異質なフゥール亜種。
白銀色の毛並みと薄く鋭利な尾先を備えており、一目で通常のフゥールと異なることがわかる。体毛には白銀精素に加えて他の金属も含まれ、鋼皮類の一種でもある。
加えて、表情も薄く青の中に赤い色味が混じる異質な目も相まって、不気味に映ることが多い。


実際、通常フゥールとは趣が大きく異なる。
性格は物静かだが苛烈で、なわばりに侵入した相手に強烈な攻撃を仕掛けるてくるほど。
特にその鋭い尾先は極めて鋭利な刃であり、下手な鎖帷子を切り裂くほどの威力を備えている。しかも、そうした攻撃を精覚を通してはなってくるため、時に精術すらもかき消すことがある。
さらに、彼らは群れを成し組織的な活動を見せるため、それらの武器を高度な戦術と共に繰り出して来る。
これによってフゥールの中でも珍しい、危険度等級C-級の危険度を獲得している。


その特性から、一部では超古代文明の生物兵器の末裔ではないか、と囁かれている。

 

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