【物品・機械】/波響剣

Last-modified: 2024-03-20 (水) 15:19:23

アルファベット表記:Howling Weapons
読み:はきょうけん
分類:武具・波音剣
発案者:tocoma110
Tag: 物品機械 装備 武具 秘境開拓 波音剣 波響剣 精術 発案:tocoma110


概要

波音剣の一種だが、その中でも稀有な波音を直に叩き込む事を目的とした武装。
一般的な波音剣は「波音による精術で起きた現象を利用する」武装であるが、これは「対象に直接波音を浸透させることで、その対象の内部で精術を起こす」事を目的としている。そのため、想定通りの攻撃を仕掛けることが出来れば、極めて強力な効果を発揮出来る。
それ故に非常に強力な武器であるが、一方で波音適性と強度を両立しうる素材・構造の両立が難しく、それ故に通常の波音剣よりも稀少となっている。


なお、機構剣・波音剣同様に「剣とついているが、剣以外の武装も多い」武器である。
何なら、その起源は棍棒とされる。


人類種の武装以外にも同様の原理・用法を持つ波音器官を持つ生物は多数存在する。

 

特徴

多くの場合、『拡鳴石?』という素材を起用している。
それらを武器に組み込み、そこを起点として振動を叩きこむ・波音共鳴させる。
器具によって波音発生機構は異なるものも、波音を起こす部位は必ず存在する。そのため、単純な構造では純然たる武装よりデリケートなものが多い。
しかし、その上で強度・機構を両立させるため、技術者たちの努力が詰まった武具となっている。


「攻撃の際に波音を鳴らせる」必要があるため、それを実現する機構を備える。
その機構上、戦闘武装としては限りなく稀有な演奏式波音術の技術が求められることが多く、通常の波音術知識だけでは正しい運用が出来ない。そのため、これを使う戦士は専門の訓練を積み、その扱いに熟練する必要がある。

  • 専門の訓練なしで使えるものの多くは単調な効果のみで、殺傷力にまで引き上げられるような威力を発揮しない。
    そのため、一般用と専用のもので用法が異なる事が多い。

叩きこむ波音は武装などによって異なるが、大半は「精素汚染を引き起こす」タイプか「原始的な現象発現型の術」を起こすものである。とはいえ、殺傷力を伴うほどの大規模な物理現象を起こせる例は少なく、大半は精素汚染による一時的な生体機能低下・機能不全を誘発する物になる。


非戦闘用の類似品であれば、医療器具・加工器具などにも多数存在する。
そうした精具は『波響器』『波響具』などと呼ばれる。

 

種類

いくつかの種類が存在する。

響撃棍

きょうげきこん。Howling Mace。
最も原始的な波響剣の一種。
打撃武装の先端に波音放射機構を設け、それを叩きつけることで直接浸透させる事を目的としている。そのため、打撃部は堅牢な素材か、頑丈な構造をしており、純粋打撃具としても非常に強力。
また、他の波響剣と異なり「共鳴素材を叩きこむ」→「波音による攻撃」という2段階での攻撃をする必要がない、という点も大きな強みである。
しかし一方で「強力致命の一撃を単体で叩き込めない」という弱点を持つ。そのため、大抵は非殺傷型武装となるか、手数で削っていくか、精紋回路を生み出す陣などを用いるなどの用法で用いられる。


どちらかといえば鎮圧用に向いた武装といえるが、一方で波音放射準備が不要のため複数相手に用いやすく、またタフな相手にも地道な蓄積で効果を狙えるなど、適応力が高い。素材はともかく用法・製造のバランスもいいため、この系統の武器では最もユーザーが多い。
 
同時に、完全戦闘用はとどめの武装よりも牽制・ひきつけ役が使用することが多い。
だが、精紋回路等を使っての波音拡大・術式利用を組み合わせれば、必殺攻撃役としての運用も可能となる。この応用性の高さが響撃棍の強みと言える。


主だった用品としては、各国警邏組織で用いられる警棒『ショックメイス』などが広く知られる。
これは瞬間的な軽々度精素汚染を引き起こすことで、対象を酩酊させることを目的とした武器である。対人戦のみならず、対獣戦でも用いられる。

  • そのほか、実戦用では生体精素を体内で振動・究極的には爆裂させる『ボルケイン』、精素毒を体内で生み出させる『ポイズンスパイク』などが知られる。

爆響棍

ばくげきこん。Impact Mace。
共鳴させる波音を極大化した純戦闘用響撃棍の一種。
打撃武器としての性能はもちろん、波音武器としての特性も最大限強化し、一撃で小型種を確殺出来るだけの破壊力ある波音を響かせられる。
上述の『ボルケイン』の発展形であるが、その威力は文字通り桁違い。通常のものであれば精紋回路を用いなければ実現しえない威力を、一発の打撃で叩き込め、さらにそれを連撃可能としているように、波音武器としては破格の性能を誇る。


半面、大型化あるいは極めて高価な材料を用いることが必須であるため、製造自体にかかるコストが高い。
加えて、波音の制御が難しいために加減することも、適切な波音を響かせるにも技量が不可欠。故に、生中な使い手では活かしきれない、玄人向けの武器である。


基本的には対人戦ではなく退獣戦向きの武器。

龍鳴杖

りゅうめいじょう。Dragon Rod。
ある地方で用いられる戦闘用の響撃棍の一種。
長い棒の両端に高強度の精素結晶を収めた打突部位を設け、そこを対象に叩きつける。その際、独特の鈴の様な音が聞こえることから、このような名前が付けられている。
武器としては純粋な打撃武器なのだが、秘伝の製法により強力な波音を放ち、特に対象の生体精素の活動を狂わせる。
また、ものによってはこれを振るうことである程度の演奏式波音術を実現出来るようなものあったとされるほか、下記の唱撃棍の性質を併せ持つものも少なくない。


元々は伝説に語られるある戦士の武器を再現するためのものだった。

唱撃棍

しょうげきこん。Intone Rod。
疑似的に短音式波音詠唱を起こせるような、複数種の波音を放てる響撃棍の総称。
波音杖ほどの幅広さ・応用性を持ち合わせはしないが、武術の中で一定の波音術を行使出来るという独自のアドバンテージを持つ。一般的な精武術と比べ、使える技に幅を持たせやすく、前衛型精術士的な振る舞いも不可能ではないという、特殊な立ち位置を確立している。
特に、秘境開拓者の間では護傍導士の得物として認知される。

  • 詳細は護傍導士の項に譲るが、非殺傷性の都合から棒型のものが多い。

強力な武器であるが、一方で使いこなすには習熟が必要。
品種ごとに波音放射の構造が異なるため、「こういった技を使うにはどこでどう打てば/振ればいいか」が変わる。個々人のくせに合わせて調整されることも多いため、汎用的な量産品は意外と少ない。

 

響震剣

きょうしんけん。Howling Saber。
実験作的意味合いが強い、玄人向けの武器。
刃と波音発声機関が結合しており、持ち手のトリガーや引く・押すことで波音を発生させる。
用法としては響撃棍とほぼ同様のものであるが、斬撃という殺傷力の高い攻撃と共に利用出来る点が特徴。
ただし、「当たれば波音が叩き込まれる」響撃棍と異なり、「斬りつける瞬間に波音を発させる」必要があるため、使用者はそのタイミングを身体で理解し、完璧に実行しなくてはならない。そのため、難易度は響撃棍の比ではない。

 

響撃刃

きょうげきじん。Howling Blade。
その名の通り、獲物に突き刺した刃から体内へ直接波音を叩きこむ武具の総称。
後述の響伝刃と異なり、使用者が密接した状態で用いる事が前提となっている、極めてリスキーな武装。その仕様上、近接武装としても高い完成度を求められ、用法も相まって玄人向けの武器となっている。
しかし、その危険度を踏まえてなお、絶大な効力を発揮しやすい武器でもある。


直接的に波音を体内から発し、浸透させる。
そのため、外殻などによる防御力は無関係となり、刃さえ通してしまえば確実に波音術を叩きこめる優れもの。その仕様上、基本的には対人武装ではなく退獣武装で用いられる。


多くは大型の刀剣・斧で開発される。
理由として刃がしっかりと食い込み、なおかつその振動を全体が伝えるものであるため。

 

響伝刃

きょうでんじん。Howling Bunker。
獲物に食い込む攻撃部位・波音を伝導する縄・波音杖機関の三種の特徴を備える波響剣。
何らかの形で攻撃部位を獲物に食い込ませ、付随した縄を伝い、波音が発射される。


響撃刃に近い武器であるが、ある程度の距離を保って使用出来るという利点がある。
しかし、波音演奏を食い込み部位から直接放つわけではなく、素材を通して伝導させる仕組みであるため、波音の精度は減少してしまう。
多くは設置型の武装として開発開・運用されることが多い。

封槍

ふうそう。Sealing Spearhead。
装置型の響伝刃。
退獣士が捕獲した獲物の鎮静用に用いる道具で、槍型の攻撃部位を持つ珍しいものとなっている。
実は槍自体がすべて高波音伝導金属で出来ており、極めて高い効率で波音を叩きこめる。
用途として生体精素の鎮静化・安定化を行なうことで興奮状態を落ち着かせたり、強制的な睡眠状態を誘発したりする。基本的には高速用のツールであり、一定の大きさの波音を流せるようになっている。
用法次第では安楽死などにも用いることが可能だが、戦闘で使用するにはいささか時間がかかりすぎる。

 

響撃射

きょうげきしゃ。Howling Shooter。
響伝刃の発展形に近い、特殊な武器。
物としては詠唱剣に近いものであり、単体では単に「波音を促す音」を出す機構も備えた射撃武器に過ぎない。
しかし、使用する矢・弾丸に自体に波音発生機構(あるいは精素結晶など)を備えさせることで、強力な武器と化す。
対象に埋め込まれた矢弾を起点に、波音が発せられる。それにより、離れながらにして波音を自在に叩き込むことが可能となる。


応用次第では無数の弾を全身に打ち込み、それらを共鳴させ単品では叩き出せないほどの大きな現象を起こすことも可能。
しかし、矢・弾単品は大きさの都合からの波音放射・共鳴能力は決して高くないこと、距離が離れるごとに波音の影響は小さくなることから、複数の命中が必須となる。そのため、射撃の腕前は勿論、「どういう形で命中させていくか」も運用において重要となる。


大抵は狩猟用や遠距離狙撃用の武装となる。
退獣士の間では獲物(特に飛行種)の運動能力を奪う目的で用いられることが多い。

 

響撃矢

きょうげきし。Howling Bolt。
その名の通り、獲物に食らいついた瞬間に波音を発する、使い捨ての波響剣の総称。
「矢」とついているが、形態は様々。
基本的には何らかの射出機から発射委、獲物に着弾した瞬間に機構が稼働し、単波音~極短波音を放つ。それにより、一瞬だけ強力な精素干渉を引き起こす。
直接殺傷するほどの威力を実現したものは少ないが、獣相手にダメージを蓄積させる用途で広く用いられる。


響撃射のような回りくどい戦法を取らずとも良い点が利点だが、一方でコスト面としては響撃射を使うより割高になることもある。
特に小型になればなるほどその効能は縮小していくので、携行装備としては火薬弩レベルの大きさの武器でないと意味が薄くなってしまう。
そのため、対象や作戦に応じて使い分ける必要がある。

破竜の雷槍

はりゅうのらいそう。Thunderbolt。
「稲妻」の字の通り、雷の如き威力を発する対竜用響撃矢
矛先に雷鳴結晶を組み込んだ巨大な銛あるいは槍のような形状をした武装であり、これを専用砲台を用いて発射する。
尾部に波音器官による推進装置が設けられており、それによって射出の瞬間に音速を超え多足で飛翔、獲物に接近する。命中後、先端機構が起動し強烈な波音が雷鳴結晶を通し放たれ、文字通り天地に響き渡るほどの極大波音が放たれる。
物理的振動すら伴うその波音は、生体精素を完全に狂わせ、その一撃だけで物理的な精素現象を引き起こす。当然、体内で生まれた精素現象を防げる生物などまずおらず、この武器を受けた大半の生物は死に至る。*1


極めて強力な武器だが、当然そのコスト恐ろしく高い。
雷鳴結晶自体が稀少な資材であるだけでなく、音速飛翔とそれからの命中に耐えうる、しかし重すぎない素材の選定・形状バランスなどの問題から、製造も専用工房でのみ行われる。こうした事情から、使用出来る組織・機関は限られており、実際めにする機会は極めて少ない。


名前の由来は伝説に残る「光槍を用いて竜の群れを打ち倒した英雄」の伝説に由来する。

 

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*1 ただし、戴冠種に相当する体躯を持つ生物となると急所以外では致命傷足り得ることは少ない。当然、真竜類も同様である。