FFT
「オレたちに必要なのは思想じゃない!
食いものや寝るところなんだッ! それも今すぐになッ!!」
Chapter 1のゼクラス砂漠で、ギュスタヴ・マルゲリフが言い放った至極まっとうな台詞。
色々現実的なものがある作中の台詞のなかでもとても現実的、しかも世界中の人に当てはまる。
恐らく作中の台詞の中でもトップクラスの共感度を持つのでは無いかと思える
(ただ、出来る事なら言いたくない台詞でもある)。
日常では、政治家などが国民を無視して国レベルの大風呂敷を広げる時に使うとしっくり来る。
また思想、食い物などの部分を変えれば怒りを表現する時にも使える。
- ただ困った事に骸旅団のボスは追い詰められても逃げるより:
ゴラグロス「我々に“死ね”と命ずるのか?」
ウィーグラフ「ただでは死なぬ。一人でも多くの貴族を道連れに!」
と言っちゃうようなヤツだったりする。同じように理想に燃える連中にはウケそうだが『理想も大事だけど胃袋を満たすのも大事』もしくは『胃袋を満たす方が大事』と思うような部下にとってはかなり煙たい…もしくは普通にウザいボスだったろう。多分ウィーグラフ本人は食い物や寝床が無くても理想があれば満足だったのだろう。
- 骸旅団にとっての「オレたち」とは骸旅団のメンバーのことだが、ウィーグラフは平民全体を指して「オレたち」だった。「オレたち」が食い物や寝るところで困らないよう戦ってきたというのにこれではウィーグラフがあまりにも報われない。
- ゲーム中でもウィーグラフ(もしくは彼の理想)に心酔していて困窮をものともしない連中もいれば、終りの見えない革命に疲れギュスタヴの現実路線に期待しているメンバーもいたりと骸旅団内部にもかなり温度差があった事が見て取れる。
- 「それも今すぐになッ!!」からにじみ出る切羽詰まり感と俗っぽさが絶妙。
これがあるかないかでセリフの印象もグッと変わってくる。
このあたり、松野氏の台詞回しは上手いよなぁ、と感心させられる。
- 「それも今すぐになッ!!」からにじみ出る切羽詰まり感と俗っぽさが絶妙。
- 一度革命に身を投じた以上逃げたとしても追っ手を振り切れる保証は無く、たとえ振り切ったところで食事や寝床がある保証もない。ギュスタヴの方が現実が見えてるように感じるが、先が無いのはどちらも同じ。ウィーグラフはそれが解っていたから理想に殉じようとしたが残念ながらギュスタヴにはそれは見えてはいなかった。まあ追い詰められていては仕方の無いことだけれど。
これだけ見ればまともな台詞なのだが、
ギュスタヴがこういう台詞を吐く立場に転落したのは自業自得であったりする。
北天騎士団時代に悪事を働かなければ、左遷されることは(おそらく)なかっただろう。
- そもそも思想集団である骸旅団になんでついて来たんだ、と言う気がしないでもない。
- そりゃもちろん、ウィーグラフ直属の部下は女性だけだし、オレも…
- そのまま着いてくぐらいしか行き場所がなかったからじゃないかという気がしないでもない。
正規の騎士団で再雇用してもらえるような人材ではあるまいし。
左遷されたことを恨んでなんちゃって反体制になっていた可能性もあるが。
- ギュスタヴだけなら自業自得とも言えるが困窮していたのは骸旅団全体に言える事だったようだ。まぁ、反体制に走ってしまったんでそれも「自業自得」と言えなくもないが。
- とはいえ骸騎士団が骸旅団になった背景には恩賞が不十分だった点があり、それを自業自得と切って捨てるのは難しい。大人しく恩賞踏み倒しを受け入れたところで、大半の平民構成員は豆スープ人生に逆戻りである。ギュスタヴ個人は間違いなく自業自得であるが。
- ウィーグラフの「革命につかれたギュスタヴ」を鵜呑みにするなら、北天騎士団そのものにそういう一面があって、ギュスタヴが左遷されたのは上官の不興を買ったからとも解釈できなくはないが……
腹が減っては戦は出来ぬ。
腹が減っては革命も出来ぬのだ。
- ウィーグラフはここのところがよく分かっていなかったんだろうな。
- 腹が減って死にそうだったら、死ぬ前に貴族の誰かを道連れに自爆すればいい、ぐらいの感覚だろうしな…。
- ウィーグラフみたいに「なんなら自分が死ねば世界は変わるくらい」の覚悟が皆あるはずもないしな。「自分がいつか楽するために参加している」奴らの意見が項目のセリフなわけで。今まで分裂しなかったのはそれだけウィーグラフのカリスマか双方の意見に食い違いはあっても結局はテロリズムだったからなのか。
- 革命を止めたからといって腹は膨れない。向かう先が絶望でも戦い続けるしか道はなかったのだ。
細かいようだが、実際の表記を確認したら、
「オレたちに必要なのは思想じゃない。
食いものや寝るところなんだッ! それも今すぐになッ!!」
であった。(表題の部分が感嘆符じゃない)
段々語気が上がっているようだ。