システム/【スフィア盤】

Last-modified: 2024-04-26 (金) 12:51:15

FF10

概要

FF10の成長システム。スゴロク盤のようなもの。
いわゆるスキルツリー型成長システムの一種だが、ボードゲームのように各キャラの現在位置を移動させていくのが特徴。
敵を倒すことで経験値ではなくAPが手に入り、一定値たまるとスフィアレベルがアップする。
上がったスフィアレベルの分だけスフィア盤を進むことができる。
また一つ一つのマスには成長スフィアが配置されており、そこで消費アイテムのスフィアを使う事で、その場所の成長スフィアを発動してパラメータを強化したり、アビリティを覚える事が出来る。


全キャラで共通のスフィア盤を用いる。スタート地点はキャラによって異なる。
スフィア盤のルートはスフィアロックという壁によっておおまかに区切られており、各キャラはそれぞれ専用の、ほぼ一本道のルートを進めていくようになっている。
 
スフィアロックはLv○キーという特殊なアイテムで消すことができ、ゲームの途中から他のキャラのルートにも入れるようになる。
各マスのスフィアの発動状況はキャラごとに異なるので、「このキャラでこのマスの成長スフィアを発動させると、他のキャラでは発動できなくなる」といったことは無い。


どんなキャラでも同じルートを通れば殆ど同じパラメータになる。
なんか必要ないくらい強い召喚士」はよくネタにされる。


本作では、APを稼いでもスフィア盤を利用しなければ成長しないため、比較的容易に制限プレイに挑戦できる。
また、七曜の武器を使いたいがストーリー上の敵を瞬殺したくないという人は、ある程度まで育てたら成長を止める、という使い方も。


広大で見た目がごちゃごちゃしているので、一見するとどこにどう進めたらいいのか混乱するかもしれない。
しかし、よく見ると各キャラのルートはほぼ一本道になっているので、本編をクリアするだけならスフィア盤の進め方で迷うことはない。
キマリだけは特殊で、スタート地点付近のスフィアをある程度埋めた後は、任意のキャラのルートを辿っていくような配置になっており、自由度が高い。
 
キマリ以外のキャラまで途中で他のキャラのルートに進ませたりすると、中途半端なキャラ性能になって活躍しにくくなる、という事態に陥りやすい。
よほど計画的な育て方をするなら別だが、基本的にはそのキャラのルートだけを進ませて、特定の役割だけに特化させた方が活躍しやすい。


発動スフィアの中には、貴重なものがいくつか存在する。
一部の宝箱や敵から手に入る以外の物はわいろで手に入る場合が多い。

  • 貴重なスフィアをなかなか消費できなかった貧乏性なプレイヤーは俺だけでいい。
    その結果成長が遅れ、本来苦戦しない相手にまで苦戦していた。
    某ゲームの能力アップの種同様、やっぱりある程度は使ってこそ意味のあるものである。
    • ゲーム終盤になれば、その某ゲームの種に比べて容易に量産できる。
      貧乏性の人も安心して適宜使っていってもらいたい……のだが。
      そんなことは攻略サイト等で情報を集めなければ知る由も無いので、
      初回プレイではラストエリクサーよろしく温存されてしまいがちである。
      • マスタースフィア以外は無限に入手出来るので、コレクターの方も安心して使っていって下さい。

SELECTで拡大・縮小、R2・L2で盤を傾けることができる。
また、左スティックでマスを無視して移動することができる(スティックを離すと近くのマスに移動)。


各キャラのルート全体をおおまかに区切ると、スフィア盤全体で一つの渦巻きを形成しているような図に見える。
キマリ以外のキャラのルートは、大雑把に見れば、反時計周りに弧を描くように進んでいくようになっている。
インターナショナル版のスフィア盤も同様だが、こちらは各キャラのルート全体がより細長いものになっているので、渦巻きの形状もやや異なる。


―では、スフィア盤の狙いは?
土田:まずキャラクターの入れかえをやりたかったんですよ。
    で、入れかえをやるからには、同じようなキャラクターで入れかえてみてもおもしろくないだろうということで、
    それぞれに個性が欲しかった。
    だから基本的にはキャラクターを普通に成長させていくと、決められたタイプに育っていくんです。
    そのうえで、ある程度プレイヤーの自由にキャラクターを育てられるように作ったシステムが、
    スフィア盤なんです。
    スゴロクのような感覚で、人のところに入っていったら、
    その人の強さを取っていけたらいいんじゃないの、みたいな感じで。
    最初の予定では、もっとスゴロクっぽいものだったんですけどね。
    取りたいんだけど通りすぎちゃうとかいうのもいいかな、とかって。
    つまり、成長の効率の良い悪いは運に左右されるようなシステムだったんですね。
    でもあんまりそれをやりすぎちゃうと、もともとの狙いである戦略性の部分が大ざっぱになるんで、
    やめました。
    やっぱりそこに偶然性をおさえめに、というバランスで調整をとってあります。

このためか自由度が高くなるのは中盤からで、それまでは基本的に決められた一本道のルートを進んでいくことになる。
そのため、「面倒なだけ」「従来のレベル制の方がいい」という厳しい意見も多かった。


HD版では空きマスも含めて全て発動させると「スフィアマスター」「パーフェクトスフィアマスター」のトロフィーが手に入る。
今作のトロフィーの中でも特に手間のかかるものだが、最強育成をするなら自然にゲットできる。
面倒なら集めやすいMPスフィアや回避スフィアなどで空きマスを全部埋めて発動させるといい。


キャラ育成のポイント
スフィア盤に元々あるHPスフィアの上昇量は200で固定(アイテムで入手するものは300)。序盤でのHP+200はかなり大きい。なので出来るだけ序盤で発動させた方がバトルが楽になる。
MPスフィアの上昇量は20か40。最序盤で発動させればアビリティを使いやすくなるが、100程度あればどうにかなる。そこまで意識して上げる必要はないだろう。
それ以外は1~4上昇する。当然4が多いエリアの方がキャラが育つ。
みんながよく通るエリア(キマリエリアなど)には空のスフィアをHPスフィアなどに変えておくと効率が良い。
リターンスフィアやフレンドスフィアをうまく使うと序盤中盤のキャラ育成がやり易い。
テレポスフィアを改造用に温存したい場合、黒魔法スフィアや白魔法スフィアを使い、遠くのアビリティを発動させ、リターンスフィアで発動させたアビリティに飛ぶといい。

■おすすめのエリア

  • リュックエリア序盤
    序盤でありながらHPスフィアが5つも置いてある(ロックされている場所を除く)。
    しかも便利なアビリティである「盗む」「使う」があるのもポイント。
  • リュックエリア終盤
    ルールーエリアの「ファイア」から入り、「わいろ」辺りまですばやさが28上がる。
  • アーロンエリア中盤から終盤
    HPスフィアや攻撃力スフィアが置いてある。
  • ワッカエリア中盤から終盤
    中盤は攻撃力、終盤は命中が上がりやすい。
    中盤は入りづらいエリアだが、アーロンならリターンスフィアでアーロン序盤に戻り、そこから「スリプルバスター」辺りに入ることができる。
  • ユウナエリア中盤
    実はすばやさが結構上がる地域。周りには「使う」「クイックトリック」もあるのでついでに覚えると良い。
  • ティーダエリア終盤
    攻撃力やすばやさが上がる。ただし、最終盤あたりは空スフィアが多い。
    入りづらいエリアなのでフレンドスフィアなどで飛びたい。
  • ルールーエリア終盤
    魔力4、魔法防御4、回避4ととにかく上昇量が良い。でも一番の目的は連続魔法。
    こちらも入りづらいエリアなのでユウナ辺りをフレンドスフィアで飛ばしたい。
  • キマリエリア上辺
    HPがまあまあ上がる。アーロン以外は気軽に入れるし、「竜剣」を覚えさせておけばMP消費が気にならなくなる。
    リターンスフィアに余裕があるなら覚えさせておいて損はない。
    ここからリュックエリアに入り、更にHPを上げたいところだが、中継エリアは空スフィアが多いので他のスフィアに変えておきたい。

インターナショナル版

FF10インターナショナルでは全員が中央部分から出発する、インターナショナルバージョンのスフィア盤を使用することも可能。
オリジナル版よりも各ルートが複雑に繋がっており、スフィアロックによる区切りも緩いので、最初から色々なルートを自由に進むことができる。

  • 方向性をはっきりさせて育てないと、全員が半端なパラメータになって役立たずなんてことも有り得る。
    既に通常版をプレイしている経験者向けと言える。

ゲーム開始時にどちらを使うかを決める。
ゲーム中に変更できないのでよく考えて選ぼう。

  • 例としてユウナに黒魔法を簡単に覚えさせたり
    キマリを盗むと使うを覚えさせたルートの近くにユウナとルールールートがある。
  • やろうと思えば、物理攻撃特化や魔法攻撃特化パーティーにして遊ぶこともできる。
    FF10の戦闘形式の都合上、雑魚敵すらまともに倒せなくなるが。

インターナショナル版のスフィア盤はオリジナル版よりも複雑で迷いやすいが、よく見ると、オリジナル版同様に各キャラのルートというものが配置されていることが分かる。
そのルートだけを進んでいけば、オリジナル版に近いゲームバランスで遊ぶこともできる。

  • 各キャラのルートがかなり近いので、攻撃力スフィアや魔力スフィアなどを境目に配置して、一つのスフィアで二人を成長させるなんてこともできる。
    ワッカとアーロン、ルールーとユウナが特にやりやすい。

実は、通常のスフィア盤よりもインター版専用スフィア盤の方が総マス数が少ない。
そのため、キャラクター育成に心血を注ぐプレイヤーにも敬遠されたり…。

  • 通常版が775に対してこちらは720
  • とはいえ、スフィア盤を全て埋めることを前提とした場合での話である。
    普通にストーリーを進める場合や、訓練場を制覇するレベルなら気にするほどではない。
  • むしろインター盤を選ぶメリットはマス目が少ない事によるアビリティ習得の速さにある。
    通常プレイでも変に役割違いのルートに迷い込んだりしなければ、こちらの方が楽に進める。
  • RTAをやるならこちらが役に立つかもしれない。

インター版のスフィア盤は暖色系の明るい色になっている。
ちなみに、こちらを選んでいた場合でも、チュートリアルではオリジナル版のスフィア盤が使用される。


ちなみにHDリマスターではゲーム開始時に通常・上級者向け(INT版のもの)のどちらかを選択する。
ゲーム途中で変更することはできない。
後者の方が自由な分強いキャラが出来にくいのでHD版が初めての人はオリジナルの方がオススメ。
最強育成をする場合は、最終的にはほぼ差がない。


ルート取り次第ではあるものの、黒魔法や盗む・使う等を序盤から習得できザコ戦でも役割が持ちやすくなったユウナ、MP回復に使える竜剣が近くにある上にユウナルートを通ることで魔力やすばやさを大きく上げられるルールー、早々にティーダルートやユウナルートに寄り道して有用な白魔法や特技を覚えやすいリュックと、女性陣は軒並みオリジナル版より強くしやすい印象を受ける。

最強育成

最強育成のページも参照。


最強を目指す場合、優先的に成長させたいパラメータは、
まず攻撃力・物理防御・魔力・魔法防御、これらは最大の255まで上げたい所。
素早さは負荷が最小になる170以上で、運は大体100あれば充分(拘るなら255まで上げても良い)。
命中・回避は運の値が大きければ最悪初期値でも構わない。
MPは999で充分なので、残りはHPを上げていこう(大体30000~50000位が理想、拘るなら99999まで上げるのも良い)。
一応ノーマル版、インターナショナル版(オリジナル版のスフィア盤使用に限る)両方とも、
命中・回避は初期値、それ以外は255、HP99999、MP999といった育て方も可能(HPorMP+〇〇%のアビリティ未使用)。

  • すばやさを255ではなく170にすれば、インターナショナル版専用のスフィア盤でもギリギリ可能。
    空きマスは9個しかないが。
  • 命中を大きく回避を小さくしておけばパーティアタックが当たるようになる。
    当然対策はしてるだろうが、対策無しでモルボルグレートを相手にするつもりなら。
  • 命中計算は命中-回避の後に命中率+運-運で計算される。
    • その計算は正しくない。実際の計算はそんな簡単なものではない。
      詳しくは命中率参照。
  • 魔力は後回しでいい。
    魔力スフィアより攻撃力スフィアの方が集め易く、魔法より物理の方が強力な攻撃手段が遥かに多い。
    精々アニマの魔力が139に届く(=「ペイン」で99999ダメージが確定)までユウナの魔力を上げる程度。
    魔法防御も後回し気味でいい。
    強力な敵の攻撃手段で厄介なものの殆どは物理・特殊魔法・割合ダメージ・固定ダメージである。
    問題になる可能性があるとすれば、無属性全体魔法攻撃の「アルテマ」くらいだが、
    大半の敵は使われる前に倒すor使わせないように戦う等で対処可能なので大丈夫だろう。
    流石にアルテマバスターに挑む頃にはある程度の魔法防御が欲しいが、逆に言えばそれまでは何とでもなる。
  • ただし、不用意に魔力や魔法防御のパラメータスフィアを消しすぎるとジャンボプリンを倒せなくなる=魔力スフィア集めが出来なくなるので注意。

成長スフィアを設置できるマスは751個
そのうち設置されている成長スフィアは約500個
成長スフィアを綺麗に並べたい人は、クリアスフィアで消しつつ並べていくと良い。


MPは999として、命中・回避を含めて全能力値を255まで育てた場合でも、残りのマスを全てHP+300で埋めていけば、最大HPは80000以上にまで上がる。
ここまで来るならいっそ命中・回避を消してHPにつぎ込んで99999まで上げるか、あくまで全能力値255に拘るかはプレイヤー次第。

  • HPは333個、MPは4桁台必要でなければ25個。
    各ステータスに必要なのは63個(素早さは170で十分の場合42個)、運は60個埋めれば255に達するが、運を133以上(約30個)まで上げて回避と合わせて255にする手段も有効。
    (インターナショナル版は運を255まであげたほうがよい)
    • インターナショナル版でこのやり方を行うとスフィアマスが足りなくなるが
      素早さを170止めすればギリギリ埋まる。
      • ↑×2が言っている「インターナショナル版」とは、スフィア盤のことではなく、ゲーム本体の話だと思うが(運が230以上でヘレティック・ラグに100%クリティカル)。

スフィア盤上には攻撃力などは元から+4がそれなりに配置されているので、これらを残していけば成長スフィア集めの手間は多少減る。
ただしバラバラに配置されているため数が把握しにくいのが難点。
手間を惜しまないならいっそこれらも全部消して並べて配置した方が数も把握しやすい。
見た目綺麗に配置していくのもまた一興。
人によっては1本線で繋がるように配置したり、ティーダなら素早さ、アーロンなら攻撃力など、そのキャラの長所だった能力値の成長スフィアを配置したりと拘ったりする。

関連アイテム

余談

設定上、誰でも使えるのか、それともプレイヤーキャラクターのような限られた人間しか使えないのかは謎。
アルベド族が存在を知っていることから(チュートリアルでレクチャーしてくれる)、設定上ではその存在は知れ渡っているのだろうか?

  • 僧兵や討伐隊など一般人より明らかに「強い」人々がいる以上は知れてるはずだが、召喚士の旅を応援している割には「スフィア盤はこう進むと良い」とか、「こんな裏技があるよ」とかは教えてくれない。
    常識以前の当然すぎて教えるまでもないことなのか、無意識レベルで行っているのか。
    エボン老師級であれば金と人手に飽かせて成長スフィアを収集して超成長できそうである。
    • なお、冒頭のサルベージ船で「チラヤ コフミッアミ チチサミオア!?」と言っているアルベドに、「よろしくッス」と答えると…「もういっかい」長いチュートリアルを見るハメになる。
      チュートリアルのいわゆる「もう一度聞きますか?」を、意味不明な言葉で訊かれるのは問題だと思うのだが…。
      まあ適当な相槌はいけませんってことで。
  • 世界観的にどのような位置づけのものなのかはいっさい語られない。
    スフィア盤の形状やスフィアの配置が世界共通なのか、パーティごとに異なるのかが気になるところだが、人間の敵が敵専用魔法を用いることや、攻撃力スフィアなどでスフィア盤を自由に改造できることを考えると、おそらくパーティ固有なのだろう。
    召喚士1人につき、(召喚士とそのガードが共通で)1つのスフィア盤を授かるということだろうか。

スフィア盤は、ライトユーザーに優しくなかったFF8の育成システムの反省から導入された。

―作業中、常に心がけていたことは?
土田:ライトユーザーがどう遊ぶか、みたいな部分は常に意識してましたね。
    僕自身がRPGに限らず、戦闘は攻略してこそ楽しめるものだと思っているんですよ。
(中略)
―今回、レベルの概念はないんですよね?
土田:レベルという概念があると、どうしてもレベルが高いから強いはずだ、という考えにいってしまう。
    例えば、『VIII』のジャンクションシステムですが、強くするためにはジャンクションで、
    魔法をセッティングするというところのおもしろさがありましたよね。
    でもレベルっていうものも併用で入れちゃってるわけですね。
    そうするとレベルは高いけど、ジャンクションをきちっとしていないから弱いキャラクター
    というのが実際存在したわけです。
    それによって混乱をするプレイヤーもいたわけで。
    だったらもう、思いきってレベルというものを取っちゃって、あなたがスフィア盤で作ったものが強さである、と。
    わかりやすくしてしまおうという発想ですね。

当時としては珍しくかつ複雑な成長システムで賛否両論だったが、FF10以降のRPGはスフィア盤の亜種と言えるような成長システムを導入したものも増えており、昨今ではこの手の成長システムはそう珍しいものではなくなっている。
とはいえ、いずれもスフィア盤に比べると、シンプルで分かりやすい成長システムであることが多いが。
FF12のライセンスボードやFF13のクリスタリウム、FF15のアビリティコールも同様であり、迷路のようだったスフィア盤よりは分かりやすい成長システムとなっている。

  • とはいえ自由度を高くしたライセンスボードはオリジナル版ではキャラの育て方がわからないという事態を生み、ほぼ一本道のクリスタリウムはレベル制と変わらないという今作と同じ批判を受けることになっている。
    なかなかバランス感覚の難しい要素であると言えるだろう。