キャラクター/【ダイスダーグ・ベオルブ】

Last-modified: 2023-12-08 (金) 11:44:17

FFT

概要

言語別
日本語ダイスダーグ・ベオルブ
英語Dycedarg Beoulve
韓国語다이스다그 베올브
ロシア語Дайсдарг Беульв

FFTの登場人物。ジョブはルーンナイト
彼が「全魔法」でバイオガを使えるのは毒に詳しいから…だろうか?
ガリオンヌの領主でイヴァリース国の実力者の一人であるラーグ公に仕える軍師で、北天騎士団前団長でもある。
イヴァリース界貴族における騎士の名門ベオルブ家の長兄というエリート中のエリートで、ザルバッグ将軍の実兄。

  • 長男ダイスダーグ・次男ザルバッグは、三男である主人公ラムザ・長女アルマとは腹違い。

恐らく父バルバネスの性格を一番受け継がなかった人。
ヒゲも曲がっているが性格も曲がっている。背中も曲がってる。
ラーグ公とは幼馴染で、彼や骸旅団を利用して獅子戦争を引き起こす一端を担う。
偉大なる天騎士バルバネスの死因は病死とされているが、実子である彼がモスフングス茸の毒を利用して謀殺したのが真実。
この毒で死んだ者の墓からはモスフングス茸が直に生えてくるという特徴があり、
4章中盤にて、ザルバッグが庶民の薬士に依頼して調査させたことで発覚した。この後、ザルバッグの造反へとつながる。

  • しかし戦闘能力に関しては総合力ではベオルブ兄弟の中では最強であるため、性格は受け継がなかった一方で騎士としての才覚は一番受け継いでいると言える。

ベオルブ家によるイヴァリース支配のためにベスラ要塞でラーグ公を暗殺するが、
ラーグ公の今際の言葉で弟のザルバッグの不信を招き、最後はザルバッグとラムザによって父の仇として倒される。
直後に聖石カプリコーンによって憤怒の霊帝アドラメレクとして転生し、
ザルバッグを葬り去るが、その場でラムザによって倒されてしまった。

  • 最期まで父親の毒殺の件は認めなかった。ザルバッグだけなら丸めこめることができると思っていたのだろうか。
    しかし転生直後、霊帝さんに暴露される。

ウィーグラフはルカヴィになる際はベリアスと契約しているが此奴はアドラメレクと契約しているようには見えない。
もしかすると生きている者とは正式に契約しないといけないが、死んだものとは無理やり強制的に契約できるのだろうか?

  • ぎりぎり黄泉路の途中で契約したのかもしれない。どうでもいいがダイスダーグの曲がった髭は山羊を連想させる。
    それから考えれば聖石カプリコーンを贈られたのもアドラメレクが相応しき肉体として求めたのもその山羊っぽい髭があったからなのかもしれない。
    • 「憤怒」の霊帝とあるから、怒りや憤りこそが彼とアドラメレクの契約・融合の鍵だったのかもしれない。
    • 実際この戦いの議論戦闘では明らかに弟2人にブチギレているし、べオルブ家によるイヴァリース統治を完全に踏みにじられて憤りもMAXだったんだろう。
    • ウィーグラフとは別な意味で政治家に向いていないタイプ。彼にまともに従っていたのはそもそも逆らいようがないくらい低い身分の者だけでラムザ、ディリータはもとより、アルマにすら事実上反抗されているし
      ザルバッグにすら途中から反抗される。内輪をまとめられないのに国一つまとめられるなんて寝言をほざく時点で終わっていたのだ。嫌味ったらしすぎる性格は誰からも好かれず人が離れていく一方だった。
      たとえラムザにやられなくても暗殺されるタイミングが多少先送りされるだけの運命だったろう。
    • 内輪をまとめられるかと、政治家に向いていないかは決してイコールではない。世界的な聖人も家族不幸で恨まれたりもするものだ。
      普通は見られない裏側を見るストーリーということもあるし、確実に言えるのは(現代日本人の)理想とするような政治家像ではないというくらいだろう。
      卿の治世の様子を知ることは叶わないが、主人公に敵うはずはないので、ラムザのムーブを除いた要素から判断してあげるのが妥当。
      暗殺云々も天騎士バルバネスをも貶めかねない。
    • とはいえベオルブ家の場合、家族それぞれが軍を率いて各々に影響力を持つため、そこを統率できるかどうかはもはや内輪だけの話に留まらないのも事実。
      大局を見すぎて自分の足元を固めることが疎かだった部分があるのは否めない。
  • いや、ラムザ云々言っている限りたとえそれがなかったとしてやはり多少寿命が延びる程度だったと思う。滅亡した貴族の家系のほとんどは内輪もめにあることも事実(逆に現代でも存続している貴族の家庭はだいたい円満かそうまではいかなくても大きな問題はない)だしやはりうちわもまとめられないで国一つをまとめられるのは無理。家族という小集団をまとめられないで国家という大集団なんて統率できっこない。

最初から謀略を操るわ融通は利かないわで嫌な奴だったが、ストーリーを進めるごとに嫌らしさに磨きがかかっていき、
主君を裏切ったり、実の父親を病死に見せかけて謀殺した事実が次々と明らかになっていく。


一方でらしくない油断から敵の襲撃にあって大怪我を負ったり、
自分が散布した毒で弱ったり(これは正確にはダイスダーグと取引をした神殿騎士団による工作だったが)、
ザルバッグに追い詰められて尻餅をついたりと、中々情けない所を各所で見せ付けてくれる。
いざ戦ってみると「不動無明剣」を連発するなど意外と強敵…だが、
この時点で味方にオルランドゥがいるので問題なく倒せてしまう。
ルカヴィと同化した後も同様。つーかルカヴィになった後のほうが弱い気が…。

  • というか、本編中でルカヴィになる前・なった後の両方と戦う相手はみんな「前」の方が総合的に手強い。

ダメージを受けた時の顔が面白い。

  • ブレイブストーリー「ダイスダーグの姦計」においてガフガリオンに対し「貴公の首など簡単に切り離すことができる」といっていたが、
    最初は権力によって処断するという意味かと思ったが、実際は剣士としての実力によってだとわかるのはずいぶん後になってから。

余談

確かにダイ兄は簡単に倒せるが、ここのラムザとザルバッグの会話はFFT屈指の燃え場面だと思うから、
暫くナイトの相手でもしてやるのがお勧め。

  • 「正義だと?そんな言葉、口に出すのも恥ずかしいわッ!!」とかかなり燃えたな。

理想ばかりを追い求めるラムザよりも、現実的な手段で現実的な未来を勝ち取ろうと奮闘する彼に共感するファンも決して少なくない。
「ベオルブ家の繁栄」という私欲が前に立っていたとは言え、堕落し国を統治する力を失った王家に代わり、
力あるものが民を治めるべきという発言は決して間違ってはいないし、
そのために手段を選ばない、卑劣と取られがちな行動も人によっては魅力的に映るものだ。

  • 最も家族に完全に反抗されている時点で戦略的にほぼ負けがきまっているので事実上負け惜しみである。

それにイヴァリース世界の一庶民の気持ちになってみれば、何でもいいから早く平穏無事な日々が到来するのならば、
貴族同士のメンツ争いやその闘争手段なぞどうでもいいことに思えるだろう。
かえすがえすも、FFTがマルチシナリオでない事が悔やまれる。

  • ある意味、リアルな歴史上の人物としてみるなら、一番現実的なヒト。
    綺麗ごとばっか吐いてる青二才キャラに嫌気がさしたら、彼を信奉しよう。
    • リアリストな風を言っても結局は自分の私利私欲のため君主暗殺や父親殺しなど騎士の風上にも置けない暗躍をし、
      挙句、悪魔に魂を売り渡すという悪役らしい悪役であった。
      • 序盤の憎まれ役がアルガスなら、彼は終盤の憎まれ役である。

欲望のためなら手段を選ばない外道。権力を握ったら間違いなく圧政を布くだろう。
だいたい、こいつもラムザも極端。
清濁併せ持つのが為政者のあるべき姿なのに、どちらも片方が致命的に欠けている。
そういう意味では、後世まで名君として名を残したディリータが一番だったのではと思う。

  • 政敵がおらんようになったら圧政布く必要性あるか?
    早急に国を復興させねばまた鴎国に攻め込まれかねないことくらいダイスダーグもわかってるだろうし。
  • 政敵の有無以前にそもそも現段階で既に権力争いなんぞやってる場合ではなかったりする。
    執政者側が(たとえ仮初であっても)一丸とならなきゃいけない時に「のんきにケンカ」しているようではお察しである。
    • もっともそのおかげでディリータが「英雄王」になることができたわけだが、
      ディリータが間に合わなければ鴎国に滅ぼされていた可能性すらある。

一丸になろうにもオムドリアが死んだから橋渡しになれる王族がいない。
ゴルターナ公が歩み寄ろうにもルーヴェリアの専横を認めたらラーグ公陣営が自動的に勝利して自分の側は破滅しかない以上打って出る他にないし、
ラーグ公にしても自分の妹の非を認めたら自分も巻き添えくらいかねんしで引けない。

  • ↑という保身のために権力どころか国そのものを失いかねなかったわけだ。
    それを防いだディリータが「英雄王」と称せられる理由の一つでもあるだろう。
    • 保身とは言うが、権力どころか命すら失いかねない現状、「保身をするな」は「死ね」と一緒である。
      「平民のために貴族は死ね」と言っているような物で、「貴族のために平民は死ね」と言う腐敗貴族を全く笑えない。
      なお、「ノブレス・オブリージュ」は比較的革新的な考え方である。

それを含め、アトカーシャ王家がいかに末期だったかを物語る。
まあ、力のある王族が全滅してる以上、引いた方は自分に仕える臣下を巻き添えにした破滅しか待ってないのでやるしかないのだろう。
もっと言えばロマンダは黒死病のせいで衰退してるし、
オルダリーアもイヴァリースほどではないとはいえ五十年戦争の余波の影響を受けてるので、
隣国が動けないうちに国内の意思を統一しなきゃヤバいという危機感もあったのかなぁ。

  • ダイスダーグ等が指導した内乱のせいで、最も被害をこうむっているのはその庶民。
    • 私利私欲のためには多くの民草の犠牲も厭わないという意味で、ダイスダーグとゴルターナ公は同じ。
    • ダイスダーグがなにもしなくても王位継承に絡んだ貴族の対立は止まらないし、民が苦しむことは内心どうでも良いと思っていても、国が更に傾くのもたしかなので、さっさと終わらせるために謀略を巡らすというのはわかる話ではある
    • 最もそのせいで戦争がさらに泥沼化して終盤の惨状になったわけだが。ダイスターグにせよ、ラーグにせよ、所定の場所で破滅しなかったとして最後にはディリータに始末されていたろう(その場合は手を汚しすぎた彼を汚らわしく思ったオヴェリアに完全に避けられ最後のイベントでも例の悲劇は発生しなくなる。それがいいか悪いかは判断がつきかねるが)。

だが、五十年戦争で疲弊した畏国は総力を挙げて復興せねばならないはずの時期である。
にも関わらずゴルターナ公とラーグ公の間で権力争いが続いているのが作中の状況である。
そう考えると王女暗殺の策でゴルターナ公を王家に仇名す謀反人として処罰し、権力争いを早期終結させるのは間違いではない。
このケースで戦端が開かれるとするとゴルターナ公が治めるゼルテニアのみが戦場になって、
民草の犠牲も権力争いが延々と続いて一向に復興の兆しが見えないことに比べれば比較的少数ですむ。


あのゴルターナ公が謀反人として諾々と処罰されるはずがないし、戦争になればゼルテニアのみが戦場になるなどという保証はない。
ゴルターナ公サイドにはオルランドゥとエルムドア侯爵もおり、そう簡単に戦争を終結させられるとも限らないのだ。
権力争いを「早期終結」できると思ってる時点でかなり甘い。
そもそもダイスダーグは最終的に勝てるとは思っていても早期終結できるなどとは思っていないだろう。
できる限り早く終わらせたいというのは(自勢力の余力や国家戦力を考えて)事実だろうけど。

  • 大義名分が全くないゴルターナ公にエルムドアやランベリーの貴族が味方してくれるとは思えん。
    というかゼルテニア内部の貴族ですら保身に走って裏切りが続出しそうな気さえする。

ゴルターナ公よりはるかに人望のあるオルランドゥが「ゴルターナ公を信じる」と言えばついてくる貴族もけっこういるかもしれない。
もっとも、仮にそうだとしても忠義厚いオルランドゥとはいえ「証拠」を突き付けられてなお信じていられるか、という問題があるが。
更迭され牢獄に押し込められるまで離反を決意しなかった伯の判断や如何に……?

  • まあどっちにしろ彼が何もせずとも権力争いは起こっただろうし、彼が何をしても権力争いは止められなかっただろう。
    正しいかは別として現実的なのは間違いない。

理想主義者が多いベオルブ家では異質な性格。いったい誰に似たのだろうか。
それとも、こういう性格の彼がいたからこそ自ら泥を被り、弟たちは理想だけを追究することができたのか?

  • 日本史の人物になってしまうが大久保利通では?
    • やり口も性格も結末も(ルガウィ云々はさておき暗殺されたことは共通)他人とは思えないほどに通っている。
      もしかしたら開発スタッフがダイスターグのモデルを大久保利通にして作ったのかもしれないが。
  • 逆じゃないかな?理想ばかりを追い求める兄弟を見て嫌気がさした…とか。

ラムザやアルマの誕生が父バルバネスとの確執を生み、その反発から今の彼の性格になったのではないだろうか?
世間の言う完璧なはずの父が、実母を裏切り妾を作った挙句、子供まで作った事が許せず、父が信じられなくなった。
そんな風に考えると辻褄が合う気はする。
悪役繋がりでアルガスの断末魔の台詞も「助けて母さん」だったし、彼もマザコンだったのかも。

  • 1夫1婦制の現在と違い妾・側室・継室が当然の世の中では、そこまで潔癖な感性にはならないのでは。
  • むしろ男も女も浮気して当然。それが政治的(特に後継者問題)に問題にならなければ何をやっていいという風潮だったから潔癖どころかかなり淫乱な雰囲気が蔓延していた。
  • 浮気相手が一桁台なら潔癖で20人以内ならごく普通、100人以上でも養えて政治問題になりさえしなければ無問題というすさまじくカオスな時代だった。それどころかアレクサンダー大王やチンギスハーンなどは浮気相手が1万人以上いたと推定されている(現代との人口比で考えれば1000万人以上とやりまくっていたことになる)。
  • 愛情の独占を望む女性はいつの時代にもいるから、母親にネチネチ恨み言を吹き込まれていれば歪む可能性も微レ存。
    • でも本編でそんな描写は一切ないので、辻褄が合うどころかかなりの妄想。

父バルバネスはその圧倒的な理想を実現するに相応しい、他人の邪心や悪意の入る余地のない実力者だったのだろう。
しかしその力が全て子に継がれるわけにはいかず、
さらには幼い頃から権謀術数のド真ん中にいたとおぼしきラーグ公が幼馴染。
早い内から自身の実力に見切りをつけ、父とは違った形で力を手にすることを志向。
そして未だ挫折を知らず父の如く理想を追い求める弟達のための道も用意してやろうと思っていたが、
いつしか手段は目的とすり替わり権力の魔性にとりつかれた男がまた一人生まれただけであった…なんてストーリーかもしれない。

  • バルバネスも、ティータを何の配慮もなしに貴族学校に放り込んじゃったりする程度には配慮がない人だからなぁ……。
  • 配慮が無いとかではなく貴族社会に放り込まれると平民がどうなるかは差別を受けたことがない人間には想像することはできない。
    まして差別意識の無い清廉潔白な人物であるからなおさら。

実際彼を非難するザルバッグに対して
「私のおかげで今のお前があるのだから、感謝されることはあっても恨み言を言われる筋合いなどない」
と激昂しており、複雑な心境にさせられる。

  • 言わんとする事は分からんでもないが(クラリスに向かって自分の家系が如何に汚れ役を演じていたか語るカリオストロ伯爵に通じるものがあるけど)、
    親父を毒殺しといてこんな事言われてもなぁ…。
  • バルバネスが健在なら、健在な内に月日が経って、
    ザルバッグが全盛期を過ぎ、北天騎士団長の座は更に次の世代の後進に譲られたかも知れない。割と真理を突いてる。
  • ラムザ辺りが後進で、「正妻腹の兄なのに妾腹の弟に負けて団長になれなかった男」として嘲笑の対象になるかも。
    • 人事権を掌握できたという点では、この弾劾は正鵠。

バルバネスが本当にオルランドゥ並に現役が続くという前提であればそれも成り立つが、亡くなった以上それを証明する術はない。
よしんば長生きしたとしても、
跡取りが剣士にならなかったオルランドゥと違って騎士団を率いていける子供がいるのなら隠居してダイスダーグやザルバッグに騎士団を任せる可能性も低くはない。
第一、剣士としての全盛期が過ぎたとしても指揮官が出来れば騎士団長になるのになんら不都合はないので、
それこそ兄二人が死なない限りはラムザが北天騎士団長になる芽はない。
都合のいい感じに過程を重ねているのに正鵠を射てるとは言い難いのでは?

  • これって、逆に見ればザルバッグが騎士団を率いて武勲を挙げてるからこそ、
    ベオルブ家の面目が宮廷立つわけで(戦争中なんだから)。
    • そう考えると、ダイスダーグの世界観がいかに宮廷で閉じてるかってことを示唆してると思う。
      • 別に戦場で武勲を上げるだけが面目を立たせる手段ではないだろう。
        むしろ、宮廷での功績を面目を立たせる要素と考えない方が、戦場で世界観が閉じている。
  • 一応、ダイスダーグって先代北天騎士団団長として色々と功績をあげているんだが。
    ラーグ公の50年戦争における功績も半分以上がダイスダーグのおかげらしいし。

ダイスダーグってけっこう早い段階でザルバッグに団長のポジション譲ってなかったっけ?
多くの期間がバルバネス&ザルバッグだったような気が…。
まあ団長を辞めた後ラーグ公の軍師になってるので功績の半分どころかほとんどがダイスダーグのおかげだろうけど。

  • 確かザルバッグが団長になったのはバルバネスの遺言でダイスダーグがその座を譲ったとかいう内容だったので50年戦争後期~末期ぐらいだと思われる。
  • 実際、バルバネスの死の際の会話からこの時にはザルバッグが団長だったようだし。

政争に疎い(興味のない)傑出した武人が力と名声を恐れた宮廷側に、一族ごと失脚させられる例は歴史上いくらでもある。
ダイスダーグが宮廷を抑えていたからこそザルバッグが純然たる武人でいられた側面はある。
有史上、宮廷闘争は讒言の飛び交う汚泥での戦いだからね。戦争中でも平気で有力武将を排除する例も多い。

  • 実情はさて置き、実際にこんなことを言うと「逆ギレうぜえ」「誰もお前に頼んでねえし」と切って捨てられそうなセリフでもある。
    汚れ役の悲しいところ。
  • 弟たちを「綺麗な武人」として活躍させるためには実質こうするしかなかった、というのもダイスダーグのつらいところ。
    汚れ役を全て引っ被り、父を殺したせいもあってそれを弟妹には理解してもらえない。
    • ある意味ベオルブ家で一番の貧乏クジを引いてしまっている。
  • 父の暗殺以外の汚れ仕事は知られても「ベオルブ家のため」「弟妹のため」でなんとか説得できそうなんだけど、やっぱり父の暗殺が大きすぎたよなぁ…。

これを現実的って言うのは無理がある、てかこいつもあまり現実見えてない。
国内がボロボロで荒廃している中で国の政治中枢にいる人間を蹴落としたり、国の復興の象徴になりそうな父親を毒殺。
末期の王朝を簒奪したはいいが、即座につぶれる王朝の創始者とほぼ同じ行動をしている、先に待つのは高確率で破滅。
荒廃していて物も金もない中、政治の中枢を破壊して混乱を助長して人をさらに減らす、
恨みを買う、国をさらに疲弊させていく。
現実的にやるなら人をなるべく減らさないように根回しをして取りまとめて国の立て直し、棚ぼたで国を取れたらラッキーくらいのもんだ。

  • こんなボロボロの国をさらに疲弊させた上に簒奪して国王になるとか普通に考えたら罰ゲーム。
    実務者が減ったら減っただけ国は疲弊する。
    • だからオリナスを王として担ぎ上げ、自分たちが事実上の実権を握るという歴史上よくあるパターンにいったのだろう。貴族のメンツ的にベオルブ家に跪けなくても、王家には跪けるものはいようし、そのための根回しもしてたような節がある。問題はゴルターナ陣営は領地が五十年戦争の主戦場になったこともあって疲弊したこともあって絶対に引かないし、そいつらが担ぎ上げる恐れのある「余計な王女」が心底邪魔だったのだろう。
  • 仮に王族に求心力があったとしても、50年戦争の戦禍が直接あまり及ぶことがなかったガリオンヌですら骸騎士団を筆頭にろくなフォローもなく騎士団ごと解雇とかしなきゃいけないレベルで懐事情が苦しいので、大貴族同士で下手に妥協したら「相手陣営に大きな被害を出さないために自分たちの陣営の臣下の大規模リストラを更に敢行する」とかいう本末転倒なことになりかねないので、どちらにせよ詰んでるとしかいいようがない有様である。

ジョブコマンドの「剣技」は、暗黒剣が使えない事を除けば全剣技と同じ。
さらには「全魔法」までも持っている。
はっきりいって、最も剣聖に近い存在といえる。しかし彼の弟たちは、
ザルバッグ:アークナイトのくせにMPを20も消費するアビリティを使うナイト系ジョブ
ラムザ:汎用の見習い戦士に毛が生えたようなレベルのジョブ
アルマ:自称彼女だけの魔法を使う、プリンセスを殆ど流用したジョブ


ベオルブの兄妹は、性格と能力が反比例するようだ。

  • 例:ラムザ
    一章…汎用の見習いとほぼ変わらず。「話せばわかる」と思っている坊ちゃん。
    四章…反則的性能の「さけぶ」を覚え、さらに騎士剣を装備可能に。敵には「貴様のどこが人間だ!?」とまで言ってのける。
  • となるとバルバネスは…。
    • 「さけぶ」とルーイン系が使える「剣聖」なんじゃね?
      …すまん、想像したらあまりのバラブレっぷりに吐きそうだ。

戦闘になってしまったらメリア、剣聖殿、アグリアス、ラムザにボコられるからそういう印象を取られがちかもしれない。
だが、シナリオではかなりの策士。
というか、普通に考えて異端者認定を受けた自称見習い戦士が

  • 自国の姫君の「セイブザクィーン」を務めたこともある王家直属騎士団の若き俊英(?)アグリアスとその部下
  • 世に3人しかいない「神に忠誠を誓い、全てを捧げる聖騎士」にして神殿騎士団団長の実子メリアドール
  • 剣持つ者なら誰でも知っている「畏国最強の騎士」雷神オルランドゥ
  • 元ライオネル聖印騎士団の団長であり、ともすれば陰謀家にはその繋がりを疑われる好漢ベイオウーフと聖竜の血族(そもそも人間ではない)レーゼ
  • 大公直属の暗殺集団に連なる一族ラファマラーク
  • 実の弟でありもはや前評判だけで一種の戦術兵器と化した聖将軍ザルバッグ

他諸々と一緒に突っ込んでくる時点で、いくらダイスターグでも予想できるはずがないだろう。


その気になればイヴァリース王家・北天騎士団・神殿騎士団・ライオネル・フォボハム総出で潰しにきたとも取れるわけで。
そんな"異端者集団"にボロキレのようにぼてくりまわされたらそりゃ憤怒もするわな。

  • 弱いっていうか、戦闘開始の位置が悪い。いきなり聖剣技&剛剣の射程内で、こっちにはその使い手が三人もいる。
  • ウィーグラフみたく一騎打ちだったなら相当苦戦しただろう。

仮にも最終盤なのだから殲滅でもよかった気はする。
シド・算術や騎士剣・剛剣等こちらの戦力が整いすぎたのと、
位置取りや直接突っ込んでくるザルバッグ等向こうの条件が悪いのが評価に影響している。
のんびり進めようとすると、メンテナンスでもつけない限り
ドッカンドッカン剛剣技で即死させてきて鬱陶しいことこの上ない。
しかし本人ではないものの、アドラメレク自身は正直取り繕いようがない…。

  • グラフィックは柔らかそうな装備だしやや痩せてる感じなので強そうには見えないのもあるかな。
  • 大人になってくると彼の言い分も少しわかってくる。少々やりすぎかもしれないが。
    くそまじめな弟の前で陰謀を実行するのは賢い行動ではなかった。信頼してたのかな。

本来はバルバネス暗殺と同じ様に、ザルバッグにも気取られずに実行するはずだったと思う。
しかし、ラムザや神殿騎士達の行動で色々と予定外の事が起きて、最終的にはザルバッグの側で暗殺を実行する羽目になった。
バルバネス暗殺の露呈も、ラムザの進言やラーグ公暗殺がザルバッグに疑念を持たせ、
墓を調べるという行為に至らせたから。
これらがなければ糞真面目で陰謀嫌いのザルバッグが、長兄による実父暗殺なんて話を僅かでも信じる事はなかっただろう。

  • 正確にはバルバネスの墓を暴いたのはローファルとの会話が発端。
  • カプリコーンの受け渡しの際に散布された毒はモスフングスという話題になり、
    「初期症状は風邪に似ていて気付いた時には手遅れ、そういえばバルバネス様は風邪をこじらせてお亡くなりになったとか、
    そういえばモスフングスの毒で亡くなった死体からはモスフングスが生えるとか」とかいう内容を(おそらくザルバッグがいることに気付いている状態で)話したこと。
    • ただし、最初に疑念を抱かせたのは書いてある通りラーグ公殺害である。

仮にダイスダーグの王女暗殺の策謀が上手くいった場合、ゴルターナ公に反逆者の汚名を着せられる。
対するラーグ公陣営は『王家の敵』を討ち滅ぼすというとても強力な大義名分をえることになる。
この状況下では、ゴルターナ公を支持する貴族が何人いるか……。
エムルドア侯だって謀反などという汚名を被ってまでゴルターナ公に味方する義理はないから裏切るだろうし。
となると長きにわたる権力争いはあっという間に終結し、オリナスの摂政となったラーグ公の親政が始まる筈である。
これだけでも権力争いのせいで悪化し続ける国内情に辟易していた民衆は諸手をあげて歓迎するだろう。
あとはダイスダーグが父にやってのけたように徐々にラーグ公に毒を盛り、
病死に見せかけて暗殺すれば自然と権力はベオルブ家に転がってくる算段だったのだろう。


別にラーグ公暗殺する必要あるのか?という疑問は残るが。

  • ラーグ公が為政者として有能ならその通りだろうけど、
    親友という立場で近しく見てきたから「無能」だと思ってるんじゃない?
    トップが無能なら内乱発生が目に見えてるし、多少の無理をゴリ押しても自分が実権を握るほうがマシだと。
  • 自分(ベオルブ家)が権力を握ることが目的であるのなら、
    無能だからではなくむしろ有能だったからこそ暗殺されたのかもしれない。
    • 無能であれば操る算段などダイスダーグならいくらでもつけられるだろうから、
      特に事情がなければわざわざ危ない橋を渡る必要もない。

出奔したラムザの居所を素早く把握してお守り兼師匠役としてガフガリオンを付けていることから、彼なりにラムザのことを想ってはいた様子。
無論、ベオルブ家の家名を汚さないようにするためでもあっただろうが。
ゴルゴラルダ処刑場以降はラムザに敵意むき出しとなってしまうが、
作中で度々バルバネスに一番似ていると言われるラムザに、父と同じように愛憎入り混じった複雑な感情を抱いていたのだろうか。

  • ザルバッグが反乱を起こした時もダイスダーグは「殺せ」ではなく「捕えよ」と部下に命じている。
    このことから考えると兄弟には甘い部分があった模様。
  • ラムザに対しても(自分の謀略がバレるのが嫌だったのもあるだろうが)骸旅団討伐に関わらせたくはなかったようで、
    ラムザが勝手にドーターに行って侯爵救出という手柄を立て、ラーグ公にそのことを持ちあげられて妙な圧力をかけられて、
    骸旅団の砦攻略を命じた時はなんともいえない顔をしている。
    • これらを考えるにベオルブ家がイヴァリースを支配するという野望に勝ることはないだろうが、兄弟愛もそれなりに持ち合わせていたようにみえる。

ちなみにそんな彼の星座相性は、蟹座、山羊座と相性がいい。 つまり弟二人とは相性が良い同士である。
蠍座は愛と憎しみを司るらしく、信頼できる者を好む。
蟹座は集団行動を尊ぶため、蠍座にとっては信頼しやすいタイプ。
山羊座は他人に厳しく、自分にも厳しいタイプのため、蠍座にとってそこがいいらしい。
実際、彼は弟たちには甘い。 妹とは相性悪いが。

  • 相性はアレだが、描写がないだけで意外と大事にはしてたと思う。
  • あの世界じゃそろそろ結婚適齢期だろうアルマをさっさと嫁に出していないからシスコン…というのは冗談だけど、
    妹が嫁に行くにふさわしい相手をじっくり選んで、嫁ぐタイミングも考えていたんだろう。
    • おそらくは自分の野望が叶って安定した状況を作ってから何の心配もなく過ごせるであろう環境へ嫁がせるつもりだったのでは。

もっと言えばディリータ、ティータ兄妹のことも、少なくともディリータに対しては優しくしている。
ラムザを叱るときディリータもあくまで対等に叱っているし、ティータがさらわれたときも「妹のように思っているティータのことを~」と励ましている。
「妹のように~」はさすがに方便だろうが、ベッドに伏せるほどの怪我をさせられた怒り心頭のシーンにもかかわらず、
あくまでティータのことが頭に残っているのは確かである。

  • 妹のように~の発言をラムザもディリータも疑問に思わない辺り、ティータにも親身になって接していたのではなかろうか。
    • 大して親しくもない関係ならラムザ達はさすがに違和感を持つだろうし、
      ダイスダーグもそんな不自然なことは言わないだろう。

しかしティータが攫われたのはコイツの油断と采配ミスが原因である。
仮にラムザたちを邸宅の警備に配置しておけば何とかなった可能性が高い。
また必中の剣技を持っているにもかかわらず重傷を負うのは油断どころか愚鈍ともいえる。
望み通りの未来を得るために(主君殺しも含めて)努力したのにそれを潰したのが己の怠慢とは皮肉である。

  • ウィーグラフがギュスタヴを粛清するところまでは想定内だったと思われるが、
    まさかその後釜がギュスタヴと同じことをやらかすとは流石に予想しろという方が無理。
    • 何でつい先日誘拐やって粛清された奴がいるのにまた誘拐してくるんだよ、おい。

誘拐のために襲撃したのじゃなくて、ダイスダーグの暗殺に失敗して逃げやすくするためにやむなくティータを誘拐したんじゃなかったっけ?
どちらにしても時世が時世なだけにそういった襲撃も考慮に入れておかなければならなかったのは事実。
エルムドア誘拐事件の直後だけになおさら迂闊だったといえよう。
まさか城に直接襲撃しかけてくる奴がいるとは思わなかったって?それこそ油断というものである。

  • 自身が負傷している以上はダイスダーグに油断があったのは間違いないが、
    その後の北天騎士団の動きの速さを考えると自分に何かあった時のための策もしっかり用意していたと思われる。
  • ティータが連れ去られたことも、敢えて泳がせることで骸旅団の潜伏先を割り出すために利用した可能性すら有り得る。

すでに骸旅団殲滅作戦が動き出したあと(しかもダイスダーグ曰く大詰めの段階)なので、動きが速いのは当然だったりする。
バラバラになっている旅団部隊の各個撃破作戦(ラムザとミルウーダの最初の戦いはこれの一環)から生き延びた団員たちの逃亡先も
ほぼジークデン砦と当たりは付いてるので潜伏先の割り出しのために泳がせる必要もない。

  • ザルバッグもいたから警戒は充分にしていたのだろう。ただ奇襲にかけてはゴラグロスのほうが一枚上手だっただけのこと。
  • べオルブ邸襲撃の際にザルバッグにアルマは無事かと聞いているもののティータについては一言もなし。
    • ラムザたちがいるときにしかティータに言及していないので取り返せそうにないなら切り捨てることを決定していたのだろう。

彼の言動を見ていると目的はあくまで『ベオルブ家による畏国支配』で自分が王になりたいわけではないようだ。

  • 仮にダイスダーグの野望が結実した場合、新たなイヴァリース王は誰になるのか?
    • 恐らく自身は政治を行う宰相、ザルバッグは(政治能力は無さそうなので)引き続き北天騎士団長……と考えると、
      アルマとオリナス王子を結婚させてオリナス即位というのが一番現実的か。
  • 実はラムザと和解さえ出来れば(聖石を捨ててラムザと一緒にルカヴィを掃討することで)実現できていた可能性があるのが何とも……。
    • まぁそのためには自身のこれまでの所業をラムザとザルバッグに納得させなければならないが。

ティータの一件さえなければ、彼の目論見通りになっていた可能性は結構高い。
なんだかんだでラムザとディリータは優秀なわけだし、表の部分での大活躍が期待できる。
本編でラムザが歩んだ裏の部分はつながりのあるガフが背負って色々と暗躍しそうだ。…ルカヴィさえ出てこなければ。

  • システム的な話になるが、暗黒剣の使い手であるガフガリオンなら、
    恐怖対策さえ怠らなければルカヴィ相手でもタイマンで勝てる可能性は高い。
    ……普通になんとかなるなコレ。

まあシステム的な話をしてしまえば、
雷神やその養子というチートのいる南天騎士団がベオルブ兄弟がいる北天騎士団に勝てないのがおかしいのでそう言うのはナンセンスだろう。
……ただ今際の言葉を見る限り、キュクレインと戦う直前のラムザとの一騎打ちでかなり接戦していたようなので、
ある程度の練度を持つ部隊を率いていればガフガリオンはルカヴィとまともに戦えそうな気はする。

  • ダイスダーグと教会のパイプは意外と深そうなので、神殿騎士団が怪しい行動をしていれば気づく可能性がある。
  • 完全に復活していない状態のルカヴィは「強いモンスター」どまりなので北天騎士団を正面から相手取れるだけの実力がルカヴィにはないであろうと考えると、
    普通にどうにかなってしまいそうなのがなんとも……。

デフォルト年齢は39歳、中世技術世界ということを考えると十分に壮年から晩年に類する。

  • ただ大貴族の家長がこの年齢で子供を設けるどころか結婚すらしていない。
    貴族管理社会のために苦心と暗躍していた本人が、家をおざなりにしていたともとれる。
    • FFTではなぜか妻や母親の存在が殆ど描写されないので結婚していた可能性はある。
      ただしEDで三百年続いたベオルブ家もおしまいと言っているところをみると確実に子どもはいない。
  • 妻や子といった弱点・しがらみ作りたくなかったから自身は結婚しなかった…とするとザルバッグを早めに結婚させそうだし、
    単にスタッフがそこまで考えてなかったとすれば簡単だけど…。
  • FFT自体がオーランの書いたデュライ白書をアラズラムが読み解いているという体なので、デュライ白書に記載がないorアラズラムが本筋とは無関係として語っていないだけの可能性もある

ラムザという親子ほど年の差がある弟がいるから養子縁組でもしてラムザに当主を継がせるつもりだったのかもしれない。
厳しい現実を知って理想に走りがちなとこがマシになったら今までの問題行動全て不問にしてもよいと思う位にはラムザのことを評価していたみたいだし。

  • 現実の貴族階級をベースにしてるFFTで、妾腹を当主にすることなど絶対にありえない。
    ましてや300年続いた伝統のある一族ならなおさらである。
  • 西欧はどうかは知らんが日本なら側室の子や弟の子が当主になることなんてザラにある。
    • 戦国時代はもちろんのこと、徳川吉宗だって母親は低い身分だった。
      • 西欧は違ったとしてもそんなところまで完璧に再現する必要もない。

ちなみに、そういう例はザラにあったがそれは家を維持するためにそれしか手がないという場合。
最初から側室の子や弟の子を当主にするつもりでいる場合はまずなかったと思われる。
例に上がってる吉宗にしても上の兄たちが相次いで亡くなってしまったからという事情があった。
お家の相続自体はわりとゆるゆるではあってもやはり日本でも自分の子、特に正室の子が継ぐのが基本路線だったのである。
というわけで、ダイスダーグも最初からラムザを当主に据えるつもりなどおそらくなかったであろう。しかし自分に子供がいないのであれば仕方がない。
そしてもしザルバッグにも子供がいないのであればもはやラムザしか家を継げる男子はいないのだ。

  • なのでやむをえずという形であったとしてもラムザを当主に据える算段をしていた可能性はゼロではないと思われる。

しかしあのザルバッグですら「下賤の血」と口走ってしまうほど貴族と庶民の差がある世界観で
「ベオルブ家」を表舞台に立たせようとしたダイスダーグが2代目にしていきなり平民の血が入ることを許容するのは難しいだろうことを考えると
最低でもザルバッグに子供を作らせることにこだわりそうだが…そういう描写はない。
描写がないだけなのか、それともとりあえずまず自分が初代として権力を握れればよかったのだろうか…?

  • 現実の貴族家は他の継承権の持ち主が揃って死亡or継承権放棄してたら、家を守るために渋々妾腹の庶子を当主に据えることはあったようである。
    • それでべオルブ家は四人兄妹が死んでおしまいと言われたところから察するに他に継承権を持つ男が存在しないので、
      ダイスダーグとザルバッグの判断次第でラムザが当主になる可能性でてきかねない状況である。
  • 世界観的にもキャラ設定的にも単にダラダラと未婚だったとは思えないから、子供を授かる前に妻と死に別れたかなんかして、
    その絶望からせめてベオルブ家に輝かしい未来を…となってしまったのでは。
    • いい歳して仕事人間の弟に結婚を迫れなかったのも、自分が嫡男として家を継ぐ役目を果たせなかった負い目からとか。

  1. エルムドア侯爵誘拐の実行犯に、ウィーグラフという制御できないリーダーのいる骸旅団を使う。
    結果旅団全体を敵に回し、ティータが犠牲、自分とアルマを命の危機に。
  2. 王女暗殺を依頼したガフガリオンに、同時に実弟ラムザのお守も任せる。
    もしガフがへまをしたら、ラムザの存在から「王女暗殺はベオルブ家の策謀」と分かってしまう危険があった。
  3. 南天騎士団との決戦直前、誰の仕業か分からない毒で自軍が大混乱になっているさなかにラーグ公を暗殺する。
    この時点でゴルターナ公は生きており、教皇も動いていた。
    ラムザとディリータの暗躍がなければラーグ公という中心人物をなくしたことで戦争は教皇の仲裁で停戦。
    王位継承は公爵であるゴルターナに操られていた危険があった。

…などなど。毎度かなり危ない橋を渡っている。
政治的な手腕は言うまでもないし、あの猫背で聖剣技ブッパできるあたり戦闘も強そうだが、
別に策士というわけではなかったかもしれない。


1はともかく、2と3は別に問題ではないだろう。
ガフガリオンの任務は「自然な状況で王女が無事誘拐されるように指揮をする」ことなので王女の護衛側にラムザがいたところで不自然はない。
ただ誘拐グループが教会の横やりで全滅させられた上に、王女をさらったのがディリータだったのから、
ラムザが仕事抜きでも追いかける言い出したから結果的にお守のガフガリオンもついていかざるを得なくなったが、それは結果論だろう。
教会の横やりがなければ(究極誘拐役がディリータじゃなければ)ラムザは内心思うところがあってもガフガリオンに従っただろうし。


ラーグ公を暗殺したことについても、王位継承権があるのはラーグ公ではなく、
ラーグ公の甥のオリナス王子なのだから彼さえ手中に収めてるなら白獅子陣営が戦いをやめる理由にはならない。
それにラーグ公の事を「他人の力を借りなければ戦うことのできない奴」と罵っているので、
戦争の指揮は事実上ダイスダーグとザルバッグが握ってたみたいなので、ラーグ公亡き後にダイスダーグが「戦場に倒れた主君の遺志を継ぐ」とでも言ってしまえば、
白獅子陣営の中心人物が変わるだけで大した問題も起きないだろう。
……作中ザルバッグがそれで兄に疑念を抱いて、父の死の秘密を知って反逆してきたけど、それまでは大丈夫だったみたいだし。


1に関しても、本来ならば
I. ギュスタヴを唆してエルムドア侯爵を誘拐させる
II. 北天騎士団が侯爵を救出してゴルターナ陣営に恩を売る
という手筈であり、
用済みになったギュスタヴは潔癖症のリーダーが勝手に粛清するところまで計算の内(仮にギュスタヴが生き延びても骸旅団にとっては邪魔でしかない)のため、
むしろウィーグラフは完全にダイスダーグの掌の上である


またIIについてはラムザが勝手にやってくれて北天騎士団の人手を割く手間が省けたため幸運まで味方していた。
ダイスダーグの計算外だったのは新しい副団長がギュスタヴと同類かつギュスタヴ以下の人材だったこと。
(ウィーグラフがギュスタヴを粛清したばかりなのにベオルブ邸襲撃(=ギュスタヴがやったのと同類の誘拐&テロル)は骸旅団にとって完全な悪手
あと「骸旅団全体を敵に回した」とあるが、ギュスタヴを一時的に利用しただけで元々旅団は敵である)
このせいで自身が怪我をするという想定外の事態になったが、これを逆手に取ってすぐさま骸旅団殲滅作戦を発動させた
(騎士団の展開の速さを考えるとあらかじめ作戦の準備はさせていたとしか思えない)あたりやはりダイスダーグは相当な策士である。

  • エルムドア侯爵でウィーグラフの横槍は完全に予想外。
    エルムドア侯爵はどちらの陣営に着くか不明瞭だったので消えてもらう予定だった(ギュスタヴも)。
  • また骸旅団殲滅作戦は侯爵誘拐時点ですでに予定されていて、ダイスダーグが動けずとも予定通りに粛々と実行された。

物語では後半の悪役をさせられている彼だが、実際には現実主義者なだけで根っからの悪人ではない。
王家に代わり、ベオルブ家がイヴァリースの統一を実現するため、彼なりの理想や信念があった模様。
もしあのまま全ての策略&計画が成功していたら、恐らく彼は善政を敷いていたと思われる。
何故ならチャプター1で命令違反をしてゼクラス砂漠へ向かったラムザ達とのやり取りでこのような発言がある。
「…皆が勝手気ままに振る舞うとしたら何のために“法”が存在するのだ?」
「我々ベオルブ家の人間は“法”を順守する尊さを騎士の規範として示さねばならぬ」
「…甘やかされては他の者たちに対してけじめがつきませぬぞ、ラーグ閣下」


このようにダイスダーグは法律を遵守し、身内だからとてラムザを特別扱いせずに
他の者たちと同じよう、公平に処そうとしているのである。
タクティクスオウガで言えば、まさにアライメントはLと言えるだろう。
度々命令違反を起こし、勝手気ままに活動しているラムザを最後まで許そうとしていたし、なんだかんだで兄弟愛は深かったと思われる。
ガフガリオンも期待していたようだし、実に惜しい人物である。


根っからの悪人ではなくても維持する努力を怠るとたやすく悪に転がり落ちるのが善性であるし、
理想や信念があるからといって悪性が無いとは言えない。
そういう意味ではLowはLowでもタクティクスオウガではなく有名TRPGに倣い
「秩序(Low)にして悪(Evil)」といったところだろう。*1
上記のチャプター1の話も、この時点で父殺しをしていると考えると「ばれなければ罪ではない」と
法を蔑ろにしていて素知らぬ顔をしている可能性も疑ってしまう。

  • 自分の立てた計画を台無しにされて腹を立ててそれっぽいこと言って喚いているだけでしょ。
    その後のやりとりを見ても、父を毒殺するような人間がラムザのためを思って叱っているとは考えにくい。
    • ラムザのためを思ってるかどうかはともかく「それっぽいこと言って喚いているだけ」は解釈として無理があるかなぁ。
  • 放逐した後もラムザのお守りとしてガフガリオンを送り込むあたり、ラムザに対する兄弟愛は本物であるとは思われる。ガフガリオンに連れられて戻ってくるのであれば、それまで散々邪魔してくれたことも水に流すつもりだったらしいし

内乱を「保身」「私利私欲」と言うプレイヤーもおり、この記事にも散見されるが、「保身をやめて国の事を優先しろ」と言うのはつまり「国のためにお前は不幸になれ。むしろ死ね。それが出来ないなら悪!」と言う意味でしかない。
権力を守ると言えば聞こえは悪いが、つまり「自分の生活を、命を守るため」に戦っている訳で、その点は貴族であっても人間である以上変わらないし、それを否定するのは大分に身勝手な要求である。
そもそも国のために他者の失脚や死を願ってる時点で、権力争いやってる人を非難出来ないのでは。


*1 秩序は「ルールや法を守る」事だけの要素で、そこには善も悪もないため秩序と悪は矛盾しない。よく人気になる一本筋の通った悪役などがこれに当てはまる。