プロマシアの呪縛/第5章~第8章/メーガスの名は永遠に

Last-modified: 2012-06-17 (日) 18:46:06

■  第4節 第1小節 メーガスの名は永遠に

 後日談 スカリー3姉妹編


■ マウラ入り口
(スカリーXとスカリーYに呼び止められる)

Shikaree X:おーい!
 ちょっと待ってよー!

Shikaree X:……あれぇっ?
 姉さんは一緒じゃないの!?

Shikaree X:ってことは、もしかして、
 本国へ帰るために、姉さんが
 ここから船に乗るって話を聞きつけてきたの?

Shikaree Y:馬鹿ネエ。
 そんな一介の冒険者に、罪狩りの
 極秘情報が流されるわけないでしょう?

Shikaree Y:姉貴なら、
 ここの鍛冶屋に住み込んで働いている
 コゥ・レンバララコに会ってるところよ。

Shikaree X:えっ!?
 あの人は確か、母さんの……

Shikaree X:……あっ! 姉さん!

Shikaree Z:久しぶりだな、
 スカリーY、スカリーX。

Shikaree Z:それに、Your name。
 参ったな、ここに来るとは良い勘だ。
 おまえは狩人に向いている。

Shikaree Z:彼女たちから既に
 聞いたかもしれんが、私は本国に一度
 戻らねばならなくなった。

Shikaree Z:ここから途中の港まで行き、
 本国行きの大型船に乗り換える予定だ。
 これがおまえとの最後の別れとなるかも
 しれない。

Shikaree Z:……ふふ、不思議だな。
 自ら言葉にすると、二度と会えぬかもしれぬ
 この別れが辛くなるとは。

Shikaree Z:しかしおまえにとっては
 この別れは、喜ばしいはずだ。罪狩りとの別れは、
 獲物にとっての狩人との別れ。そうだろう?
 
別れが嬉しいか?
・はい
・いいえ
 
(・いいえを選択)

Shikaree Z:変わった男(女)だ。
 しかし別れは美しくありたい。

Shikaree Z:だから今、
 私が言うべきことは、美しく簡潔に語ろう。

Shikaree Z:これから私は本国へと帰り、
 男神プロマシア、女神アルタナ、人の罪を
 包み隠さず女王に報告する。

Shikaree Z:そして、その罪を知りながら
 足掻こうとした人々の戦いを示し、ミルドリオン、
 プリッシュ、真龍の罪を否定する。

Shikaree Z:そして……、
 私は罪狩りの名を捨てるつもりだ。

Shikaree X:ええっ!?

Shikaree Y:なんだって!?

Shikaree Z:私はずっと考えていた。
 30年前、我らをたぶらかしたミルドリオン、
 そしてプリッシュの罪を狩るべきか。

Shikaree Z:彼女らの側に身を置いた私に
 しかし、彼女らはそうせねばならなかった
 理由を示した。

Shikaree Z:彼女らが、罪を狩る我らを
 邪魔としたは、罪が生まれる前に
 片をつけるつもりだったからだ。

Shikaree Z:……
 「罪狩り」とは罪を狩ること。罪を探し出し、
 代償によって裁くことが己が任務……。

Shikaree Z:しかし、
 私が狩るべき罪とは、誰に対する罪だ?
 私が与えるべき罰とは、誰のための罰だ?

Shikaree Z:そうして惑い悩み、
 いつしかあの女が残した言葉が、耳元で
 繰り返されるようになってしまったのだ。

Shikaree Z:……
 「罪狩り」こそが罪を生む……。
 罪を「狩らぬ」選択肢もあると。

Shikaree Y:それは……

Shikaree X:……母さん、の……。

Shikaree Z:これは罪狩りとしては、
 決して辿り着いてはならぬ呪わしい結論だ。

Shikaree Z:男神プロマシアに
 戦いを挑んだのは、この迷いを断ち切る
 ためでもあった。そして……

Shikaree Z:私は知った。
 自らの中に眠る正義を。

Shikaree Z:罪狩りの名を失っても、
 いや失うからこそ、行える正義を行おうと。

Shikaree Z:言葉でいくら語ろうとも
 意味はない。これは人が生きていくうちに
 知りえる自分の本分のことだ。

Shikaree Z:おまえたちには
 まだわからぬことだと嘆く必要はない。
 ただ、それが私が知った私の生きる道だと
 それだけを知ってほしい。

Shikaree Y:……。

Shikaree X:……。

Shikaree Z:おまえとの旅は、
 私に多くの経験と時間をくれた。
 礼の言葉も意味はないが、言っておこう。
 ありがとう、Your name。

Shikaree Z:おまえが「虚ろなる闇」を
 狩るものになれば、また会うこともあるかもしれん。
 今度、会うときは、私を名で呼んでくれよ。
 
(立ち去るZ。Y、呆然としているXの頭を小突いて)
 
Shikaree Y:……なに、ぼーっとしてるのさ。
 いくよ、姉貴を見送りに。

Shikaree X:……うん。
 姉さんは、ボクらの姉さんだもんね。
 それだけは永遠に変わらない。

Shikaree Y:そうさ。
 アタシたちはただの罪狩りじゃない。
 憎むべき敵を狩り、愛する者を守る
 守人なのさ。
 
 

   (イベント終了後マウラ鍛冶ギルドでの会話)

Koh Lenbalalako:お懐かしいことです。
 20年前の、あのとき出会った罪狩り。
 彼女の娘さんたちもまた、罪狩りの
 道を歩んだのですね。

Koh Lenbalalako:願わくば、
 彼女たちも正義の道を歩みますように。

End


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