■ 第4節<暁>
真実の目覚めは、男神プロマシアの
目覚めでもあった。
世界と人に訪れる、黄昏の時。
暁の女神アルタナよ。
我らに勝利を。
■神都アル・タユ
(フゾイの王宮から駆け出してきたプリッシュが、
近くのQuasilumin2体に詰め寄る)
Prishe:おい、おまえたち!
男神はどこへ行った!?
Quasilumin:ああ皆、ひとつになったのですね……
Quasilumin:我が主人も、奥方も、
隣人も、その隣人もみな……
Quasilumin:ひとつの神に……
(チェブキー3兄弟も王宮から駆け出してくる)
Makki-Chebukki:あっ!
あすこにいるぞ!
(見上げると王宮の上空、赤い光の真下にプロマシアがいる)
Promathia:聞こえるか 女神よ
我が命を守りしもの よ
Promathia:我は「復活」する
そしておまえの望まぬ「死」へ と
虚ろなる闇の果てへ と
Promathia:永遠の沈黙を伴い
落ちるべく
Promathia:今度こそが
永劫の別れだ 女神よ
Prishe:女神が……
泣いている……?
Promathia:終わりをもたらすべく……
(プロマシアの身体がまばゆく輝き、
光の奔流となって王宮の中央エレベータを駆け降りていく)
Kukki-Chebukki:待っておくれー!
どうかおいらも連れていっておくれよー!
Cherukiki:ヴァナ・ディールに
連れていっておくれよー!
Prishe:なんだって!?
もしかしてあいつ、自力で
ヴァナ・ディールに降りてくつもりなのか!?
Cherukiki:そうだよ~!
Kukki-Chebukki:プロマシア様は、
子供たちみんなが、なんで迎えに来ないか、
やっとわかったんだよ~!
Makki-Chebukki:5つ目の母なるクリスタルを
割って、この都ごとスピーディーに
ヴァナ・ディールに降りるつもりなんだ~!
Cherukiki:呼んでるよ~!
みんな、戻ってこいって、呼んでるよ~!
(3兄弟、王宮に駆け戻っていく)
Prishe:……チクショウ。
そうか、ナグモラーダだな?
Prishe:あいつが取り込まれちまったから、
男神にあいつの知識が、余計なことが
伝わっちまったんだ。
Prishe:Your name、
それを返してくれ。
(アミュレットをプリッシュに返すPC)
Prishe:行かなきゃ!
城んなかのエレベータで地下に下りるんだ!
Prishe:Your name、ついてこい!
男神をとめなきゃなんねぇ!
■ ル・メトの庭 地階「天象の鎖」
(母なるクリスタルを囲む虚空に踏み入れたプリッシュ、
足下の様子に気づいて尻餅をつく)
Prishe:なんじゃこりゃー!?
Prishe:いったい、どーなってやがんだ!?
(眼下遠くに、シュ・メーヨ海とクフィムが見えている)
Prishe:あれは……、
クフィム島か?
Prishe:俺たちの
ヴァナ・ディールがすぐそこに!
(上空から赤い羽が舞い散るのに気づいたプリッシュが見上げると、
プロマシアとセルテウスが対峙している)
(力場を発生させプロマシアの力を中和したセルテウス、
光の投槍を作り出し、男神に投げ刺す)
(天象の鎖へ現れたチェブキー3兄弟、魔法詠唱)
Makki-Chebukki:め~!
Kukki-Chebukki:て~!
Cherukiki:お~☆
(3兄弟のメテオに撃たれたセルテウス、墜落する)
(PCも虚空に突入する)
(墜落し肩で息をするセルテウスに、駆け寄るプリッシュ)
Prishe:セルテウス!!!
Selh'teus:……ッ、大丈夫だ。
Selh'teus:それよりも
あれは、時間稼ぎに過ぎない。
Selh'teus:わが身を贄とすれば、
ここから引き離せるかと思ったが……
Selh'teus:私に封じられた「虚ろなる闇」は、
ヴァナ・ディールのすべての人を取り込んだ
その「終わり」まで取っておくつもりらしい。
Prishe:「終わり」か。
それは、男神が「死ぬ」ときのことだよな?
Prishe:俺はバカ野郎だったぜ。
男神の意志である「虚ろなる闇」とは、
再生なき完全なる「死」のこと。
Prishe:そんなものを集めたら、
いくら男神だって死んじまうんだ。
Prishe:だから、
「虚ろなる闇」を分けるため、
バラバラの器が必要とされた。
Prishe:そう、「人間」という器がよ。
Selh'teus:そうだ。
男神を生かすため、人間を生むため、
女神は母なるクリスタルから力を奪った。
Selh'teus:母なるクリスタルは
5つに砕け散り、世界は神の世界……
はるか高みからヴァナ・ディールへと
変質したのだ。
(雲海の遥か下にジュノの三つの大橋と海が見えている)
Selh'teus:再び神の世界へ至るため、
アル・タユの人々はクリスタルをひとつにした。
そして、人々はすべてを思い出し、元の姿……
あの男神の姿へと戻った。
Selh'teus:そして彼らは知ったのだ。
「虚ろなる闇」に満たされて
一度死んだ私には、それがよくわかる。
Selh'teus:「終わり」という切望。
Selh'teus:驕慢、嫉妬、怯懦、無知、憎悪。
そんな闇だけを抱えて生きる……ということを
終わらせたい、と。
(プロマシア、みじろぎして槍を引き抜き、衝撃波を放つ)
Prishe:おもしれぇ。
死にたがりの神様か。
Prishe:おい、男神さまよ!
わりぃが、俺もセルテウスも、もう人間じゃねぇ!
おまえの希望を、叶えてやるわけにはいかねぇ!
Prishe:でも、Your name。
おまえは人間だ。
Prishe:だから、おまえは
自分できめろ。人間として、神として、
「終わり」を迎えたいのかどうか!?
Prishe:おっしゃー!
いッくぜぇえーーーー!?
(戦闘開始)
戦闘中の各NPCのセリフ
プリッシュ戦闘開始
Prishe:俺たちが思い出させてやるぜ!
生きようとしているものが、どれくらい強いか!
崑崙八象脚
Prishe:爆っぜろぉお!!
人の想いは留まりゃしねぇ!!!
羅刹七星拳
Prishe:ひっらめけぇえ!!
馬鹿げた夢から目を覚まさせてやるっ!!!
(プロマシアが光輪を背負い2段階目戦闘に突入)
プリッシュ戦闘開始
Prishe:笑っちまうぜ!
さあ! 笑いながら勝とうぜ、Your name!
百烈拳
Prishe:5000万倍返しだ!!
生きることから逃げ出させはしねぇぜ!!!
女神の祝福
Prishe:暁の女神アルタナさま!
俺のすべてを差し上げますから、どうか、光を……!
戦闘不能
Prishe:ちくしょおぉ!
負けたくねえ……負けたくねえよ……!
プロマシア「あめのおきて」
Promathia:逆る 逆らえ 逆しまな お前 自身に
「まぼろしのわ」「たそがれのまほら」
Promathia:留め 留めよ 留まらん 我が身躯 よ
セルテウス 「ルミナスランス」
Selh'teus:母なるクリスタルの光よ!
我が手の平にて聖なる楔となりて死を砕け!
「リジュヴァネーション」
Selh'teus:フェニックスよ!
人の子らに、生きる意義を与えてくれ!
(戦闘終了 PCたちの前に膝をつく男神)
Makki-Chebukki:男神さまがー!
Kukki-Chebukki:プロマシアさまがー!
Cherukiki:やられちゃうよー!
Prishe:とどめだ!
(プロマシアに駆け寄るプリッシュ)
Selh'teus:まだだ!
行くなッ! プリッシュ!?
Prishe:!?
(プリッシュの虚ろなる闇を取り込もうとする男神)
Promathia:望め
Promathia:望もう
Promathia:望むらくは
Promathia:現身の終わり を
Makki-Chebukki:男神さまにスケダッチじゃー!
Makki-Chebukki:メー!
Kukki-Chebukki:テー!
Cherukiki:にょぉぉぉー★
(3兄弟のメテオ、何故か男神に直撃)
Cherukiki:……リキんじゃった……
Selh'teus:プリッシュ!!!
(プリッシュの胸が輝いている)
Prishe:……ゥグッ……!
Prishe:終わりなどない……!
Prishe:終わりなど、望むことはない……!
Prishe:俺たちは生きるために
生まれたんだッ!
(己の魔晶石を引き剥がし男神に投げ付けるプリッシュ、
同時にセルテウスも光鎗を投げ付ける)
(楔形の魔晶石と光槍が男神の顔部に吸い込まれ、
そこから新たに魔晶石が生まれる)
Selh'teus:魔晶石が生まれていく……!?
Prishe:クリスタルの光が
あいつの虚ろなる闇に届いたんだ!!!
(もがくプロマシア)
Promathia:誰が…… 誰から……
誰がために…… 我を呼ぶ か……!?
(プリッシュを振り払い、両手の間に巨大な力を漲らせる)
Promathia:要は 要らざる
要害の あくたなる魂 め……!!!
(倒れたプリッシュの前に立ちはだかるPCの胸が輝き、
光が上空に立ち上る。倒れこむPC)
Your nameの
ホラの輝き、デムの輝き
メアの輝き、ヴァズの輝き
アル・タユの輝きが放たれた!
(攻撃をとどめ、上空を見上げるプロマシア)
(上空から光の雫がこぼれ落ち、プロマシアを優しくうつ)
???:……私の声が……
……聞こえる……?
……プロマシア……
Promathia:……ああ……
……アル タナ…… よ……
(男神の躯がまばやく輝き崩れ、無数の光が
流星のように大クリスタルに向かって行く)
Selh'teus:命が……
母なるクリスタルに……還っていく……
Prishe:アル・タユの人々……。
そして……ナグモラーダも……、
これでやっと平穏に眠れるだろ……。
(輝く雫がプリッシュとPCの上にもこぼれおちてくる)
Prishe:……へへへ、キレイだな
女神の涙だ……
Prishe:……ずっと高いところで、
女神は泣いてんだ。男神のことを想ってな……。
Prishe:女神アルタナの想い……。
信頼、慈悲、正義、勇気、希望……。
Prishe:そして最後に
生まれたのが、「これ」……。
(少し照れくさそうに)
Prishe:「これ」さえ知っていれば、
人は生きていけるよ。
わかるだろ、Your name?
(テンゼン、ウルミアら5人が天象の鎖に現れる)
Ulmia:プリッシュ!!!
Prishe:みんなぁっ!!!
Tenzen:Your name殿、
プリッシュ殿、セルテウス殿!
遂に、遂に、やり遂げたのでござるな!
Prishe:えっへん。
Prishe:みんなも、元のみんなに
戻ってくれてよかったぜ!
Prishe:ヴァナ・ディールも、
ヴァナ・ディールで暮らす人も、
これでもう大丈夫だ。
Prishe:それに、みんなも。
人が男神の子だと知ってしまっても、
絶望する必要はないさ。
Prishe:ほら、耳をすませてみろよ。
今まで聞こえなかった声が、女神アルタナの声が
聞こえるだろ?
(女神の涙が一行の上にこぼれ落ちる)
Prishe:それは、人の中に
女神の一部があるってことなのさ。
Prishe:人が生まれるときに
女神が流した涙が、人には流れてるんだ!
(目もとを拭うウルミア)
Selh'teus:そして、
5つ目の母なるクリスタルも、もう大丈夫だ。
アル・タユの落下も止まった。
Selh'teus:アル・タユの人々の命が
母なるクリスタルを救ったのだ。
光となって還ることで。
Selh'teus:ありがとう。
Your name、プリッシュ、
そして試練を乗り越えた人々よ。
Selh'teus:私はここアル・タユの
守り人となり、君たち「人」の世界
ヴァナ・ディールをずっと見守っていこう。
(上空へと消えていくセルテウス)
Prishe:さぁ、俺たちも帰ろうぜ。
「世界の終わり」はこれで終わりだ。
???:終わりじゃないぞ~!!!
Makki-Chebukki:おいらたちの~
Kukki-Chebukki:おいらたちによる~
Cherukiki:おいらたちのための~
(クラッカーを鳴らし黒魔法を詠唱しはじめる3人)
旅の☆始まりだ~!
(3兄弟の放ったデジョンガII?が皆をそれぞれどこかへ飛ばし、
残された母なるクリスタルだけが静かに輝いている)
遠い遠いむかし、
おおきな美しき生ける石は
七色の輝きにて闇をはらい、世界を生命でみたし、
偉大なる神々を生んだ。
だがそこに、完全なる「死」が訪れ、
男神は死を迎え入れた。
完全なる「愛」に目覚めていた女神は、
死んだ神の復活を望んだ。
女神は真のクリスタルの「輝き」を、
死んだ神に与えた。
死んだ神は、バラバラに分かたれ、
無数の「人」として生を得た。
そのためにクリスタルは5つに砕け散り、
世界の中心の輝きは消え、
神の楽園は「ヴァナ・ディール」になったのだ。
称号:世界の終わりを繰る者
End