プロマシアの呪縛/第5章~第8章/選ばれし死

Last-modified: 2012-06-17 (日) 18:38:27

■  第2節<選ばれし死>

 ナグモラーダは「虚ろの器」を求めて
 王宮の地下を降りていったようだ。
 プリッシュと共に、彼を追おう。


■フ・ゾイの王宮の玄関ホール
(ホール脇の扉から、プリッシュが駆け出てくる)

Prishe:あっ!
 [Your name]!

Ulmia:プリッシュ!?

Prishe:みんな無事だったんだな。
 手を貸してくれ! 俺、ナグモラーダの
 野郎を追っかけてみたんだけどよ……

Prishe:途中にある扉が開かねぇ!
 どうやっても、ぶっち壊せねぇんだ!
 畜生、俺のアミュレットさえありゃ、
 簡単に開いただろうによ!

Prishe:このままじゃ、
 ナグモラーダの野郎、俺たちより先に
 「虚ろの器」にたどり着いちまうぜ!

Jabbos:……虚ろの、器……?
 いったい……、それはなんだ……?

Prishe:俺もよく知らねぇけどよ、
 その装置は、人の心の中にある
 「虚ろなる闇」を取り出してくれるもんらしい。

Ulmia:「虚ろなる闇」を……?

Prishe:[Your name]、覚えてるか?
 古代の人間が心の声をなくしたのは、
 心の中の「虚ろなる闇」が原因なんだ。

Prishe:心の中の「虚ろなる闇」が、
 でっかくなって、心の中の「光」を
 覆っちまったからなんだ。

Prishe:だからナグモラーダは、
 「虚ろの器」を使って、
 完全なジラート人に戻ろうと考えてる。

Prishe:だけど、ミルドリオン様は、
 「虚ろの器」は、危険なものだって言ってた。
 セルテウスも同じだ。

Prishe:だから止めなきゃなんねぇ!
 さぁ、ブッ飛ばして行こうぜ!

(フ・ゾイ王宮最下層の扉内部)
(「虚ろの器」を前に驚愕するナグモラーダ)

Nag'molada:そ、そんな……

Nag'molada:どうしてだ……?
 なぜあのお方が、この器の中に……?
(神器「虚ろの器」の中にイブノイルが眠っている)

Prishe:ナグモラーダ!

Nag'molada:明星の巫女様まで、
 「虚ろなる闇」に冒されたというのか?

Nag'molada:それでは、我ら人は
 とうとう、暁の女神さまに見捨てられた……?

???:そうではない。
 イブノイル様は、女神さまの意志を
 お継ぎになったのだ。

Nag'molada:セルテウス!?
(中空からセルテウス出現。背中には異形の翼を生やしている)

Selh'teus:それは
 生ける神々、クリューの者たちの抵抗が
 退けられたときの最後の手段。

Selh'teus:「虚ろの器」にあった
 「虚ろなる闇」を自らに封じこめ、
 イブノイル様は、ともに滅びようとした。

Nag'molada:何故、そのようなことを!?

Selh'teus:「世界の終わりに来る者」を
 受け入れるもの。「男神プロマシア」が
 蘇ったからだ。

Prishe:ちょっと待てよ?
 男神プロマシアは、ここアル・タユが落っこちたら
 復活するんじゃねぇのか? バハムートは
 そう言ってたぜ?

Selh'teus:……そうか、では訂正しよう。
 男神プロマシアの「器」が蘇ったからだと。

Prishe:「うつわ」、だって?

Selh'teus:「世界の終わりに来る者」とは、
 「男神プロマシアの意志」を継ぐもの。

Selh'teus:「男神プロマシアの意志」とは、
 「虚ろなる闇」。そしてそれを迎え入れるべく
 用意された器が蘇ったのだ。

Selh'teus:……器は、
 自らを満たす「虚ろなる闇」を求めた。

Selh'teus:その闇は、そこにあった。
 「虚ろの器」が完成するまで、何人もの
 クリューの者たちから汲み上げられた
 「虚ろなる闇」。

Selh'teus:いつか自然に生まれるとされた
 「世界の終わりに来る者」……
 それを超える膨大な量の闇が、
 ここに集められてしまっていたのだ。

Selh'teus:それを渡しては、
 男神プロマシアの復活に繋がる。
 そこで、イブノイル様は、
 闇と共に果てようとした。

Nag'molada:そんなことを!
 おまえは、そんなことをさせたのか!?

Nag'molada:イブノイル様に罪はない。
 愛ゆえに「虚ろの器」を作ろうとされたのだ!
 私たちクリューを救おうとされたのだ!

Selh'teus:そのとおりだ。
 すべての始まりは、私たちクリューだ。

Selh'teus:だから、私は
 「虚ろの器」から「虚ろなる闇」を……

Selh'teus:この身に封じ、死んだのだ。

Nag'molada:……死んだ……?
 し、しかし、おまえは……

Prishe:……フェニックスだな?
 フェニックスは、おまえといたんだろう?
 そして、一度は死んだおまえを生き返らせたんだ。

Prishe:ミルドリオン様が
 考えたことと同じだ。「虚ろなる闇」と
 一緒に死んじまったら、いつかまた、
 その闇が生まれちまう。

Prishe:だからおまえんなかに
 封じ込めたんだ。俺が魔晶石に封じたように。

Selh'teus:……そうだ。
 しかし、それは大きな賭けだった。

Selh'teus:真世界となったことで
 バハムートは力を失い、私は「虚ろなる闇」を
 宿すゆえに、男神の器から逃げるしかなかった。

Selh'teus:ヴァナ・ディールに下りることもできず、
 私は追い詰められた。

Selh'teus:そこでイブノイル様は
 自らの命の輝きをすべて放ち、
 「器」を「接見の間」に封じ込めた。

Selh'teus:……そして……
 イブノイル様は永い眠りに……。

Nag'molada:何故だ!?
 楽園とは、クリスタルの輝きに満ちた
 神々の世ではないのか!?

Nag'molada:人は、より高い次元の生命に、
 完全になるのではないのか!?

Selh'teus:増幅されているとはいえ
 ひとかけらの母なるクリスタルに支えられている
 この楽園は、完全なる楽園とはいえない。

Selh'teus:そしておまえたちも、
 完全なる「クリスタルの戦士」にはなっていない。
 互いに、クリスタルの輝きが足りないからだ。

Prishe:じゃあ、どうしろってんだ?

Selh'teus:「神の扉」を潜り、
 ル・メトの園より、5つの塔を登るといい。

Selh'teus:その塔には、
 母なるクリスタルの輝きが通わせてある。
 人の5つの闇を浄化する、この施設のために
 作られたものだ。

Selh'teus:おまえたちが最も
 深く宿している闇を、その輝きで照らせば、
 男神プロマシアの「器」と戦うことが
 できるかもしれない。

Prishe:やったぁ!
 セルテウス、おまえもとうとう
 「世界の終わりに来る者」と
 戦う気になってくれたんだな!?

Selh'teus:……わからない。
 もはや私は、なんの感情も持っていない。

Selh'teus:知りたくはないだろうが、
 教えておこう。「虚ろなる闇」というものは、
 5つの闇よりもずっと、深く静かなもの。

Selh'teus:言うなれば、
 完全なるものなのだ。

Selh'teus:……だから、
 おまえたちが本当に勝てるかどうか、
 その結果は誰にもわからない。

Selh'teus:ただ、これから
 おまえたちには真実を見せよう。
 王宮の最上階にある「接見の間」。
 そこですべてがわかるだろう。

Selh'teus:そのときになっても、
 おまえたちが勝利を、戦いを望むのならば、
 私も世界の終わりに抗おう。

Selh'teus:さぁ、
 「神の扉」を開くぞ。
(フ・ゾイ王宮玄関正面の「神の扉」が開かれ、セルテウスは消える)
 
Prishe:じゃあ、行こうぜ、[Your name]。

Prishe:……っと、待てよっ!

Prishe:おいっ!
 ナグモラーダぁっ!!!
(食って掛かるプリッシュにアミュレットを投げて寄越すナグモラーダ)

Nag'molada:それなら返してやる。
 おまえたちは、勝手に消えろ。

Nag'molada:私は、イブノイル様を
 ウ・パトの交霊塔にお納めしなくてはならない。
 ここでは、クリスタルに還ることもできない……。

Prishe:……。

Prishe:チクショウ!
 ぜってぇに俺は忘れねぇからな!!
 今までの恨みも、モブリンの仇も、
 ぜんぶ後でまとめてお見舞いしてやらぁ!!!

Prishe:先行くぞ、[Your name]!

End
 
 

※「フ・ゾイの王宮」エリアのNPCたちの台詞

Quasilumin: 警告する。
 今より 4789209-980…… ……前
 侵入者 に よって 「虚ろ の 器 」 が
 不用意 に 開閉 された。

Quasilumin:フ・ゾイ の 王宮
 ル・メト の 園 は 神都防衛体制下 に ある。
Quasilumin:防御扉 が 閉ざされ 特殊条件下 に おいて
 我らのみ が 扉 の 開閉 を 許されている。

Quasilumin:階下 に 降りるには
 各塔 に 存在 する 転送装置 を 使用 せよ。

Quasilumin:アル・タユ都市部 に
 配置された 補助員 は 守るべき 主人 が
 不在のため まだ 数十体 が 機能している
 ようだ。

Quasilumin:王宮 を 守るため
 侵入者 を 駆除する 要員 は 予備要員 まで
 すべて 機能停止。早急なる 対策 を 要請する。

Quasilumin:アル・タユ都市部 の 神都防衛体制
 は 解除されたが フ・ゾイ の 王宮
 ル・メト の 園 は 王族 の 認可なくして
 神都防衛体制 を 解除すること は できない。

Quasilumin:神都アル・タユ を 残し
 フェ・イン ロ・メーヴ ソ・ジヤ などは
 時空点移動 が 起きた際に 消滅 した。
 クリュー は ほとんど が 死滅したようだ。

Quasilumin:クリスタル から 王宮 へ
 最低限 の 動力 のみが 供給 されている。
 5つ の 塔 と 転送装置 を 動かす 程度だ。

Quasilumin:「虚ろ の 器」 より
 「虚ろなる闇」 が 漏出 した 可能性 あり。
 研究施設 への 出入り が 禁止されている。

Quasilumin:5つ の 塔 は
 真龍族 との 戦い を 前に 兵器として
 造りかえられた。クリスタル の 力 は 万能だ。

Quasilumin:対象者 の 調査終了。
 対象者 は 未登録。軽度 の クリュー分裂症 と
 判定。やや 危険。高慢*の 悪感情 に 傾く。
 地図 を 参考 にし 医療室 へ 向かえ。
(*はPCの種族に対応)


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