プロマシアの呪縛/第5章~第8章/望むはあらゆる答え

Last-modified: 2012-06-17 (日) 18:31:54

■  第3節<望むはあらゆる答え>

 エシャンタールがジュノ大公宮へ戻り、
 とうとう真龍討伐の軍が発つ。
 しかしそんな中、プリッシュとウルミアは
 あるひとつの出会いから、あるひとつの
 答えを導き出そうとしていた。


■ ジュノ大公宮・親衛隊詰所

Pherimociel:冒険者ならば耳が早かろう!
 エシャンタール様がお帰りになったぞ!

Pherimociel:これでやっと、ジュノ戦闘艇隊が
 真龍討伐のために発つことができる!

Pherimociel:現在、全船体の最終確認段階だ!
 邪魔にならないよう、大人しくしているんだぞ!

Makki-Chebukki:うぇーん!

Kukki-Chebukki:うぇーん!

Cherukiki:うぇーん!

(大公宮の廊下を泣きながら歩いていく3タルが見える)

Pherimociel:まったく騒がしいな。
 あのタルタルたちは、戦闘艇を盗み出し、
 ジュノから乗り出した罪で処分されたのだ。

Pherimociel:上官命令だったなどと言っているが、
 そのナグモラーダ様も、アルマター機関にて
 懲罰が検討されている。

Pherimociel:なんでも分別をなくし、
 やってはならない行為をしたとか……。

(廊下を駆けていくウルミアが見える)

Pherimociel:ん?
 あの女性は、おまえの知り合いではなかったか?

(大公私邸前で3タルに追いつくウルミア)

Ulmia:あなたたち!

Ulmia:どうしたの? いったいなにがあったの?

Ulmia:ほら、泣いてばかりじゃわからないわ。
 困っているのなら、私たちに相談してごらんなさい?

Cherukiki:おいらたち、
 もう、おしまいなんだ。

Kukki-Chebukki:おいらたち、
 もう、じえんどなんだ。

Makki-Chebukki:おいらたち、
 ジュノから出ていかなくちゃならないんだー!

Ulmia:まぁ、どうして?
 あなたたちのことは、彗星のごとく現れた
 実力あるタルタルたちだと噂されていたわ。

Ulmia:それなのに……
 なにか、大きな失敗をしでかしてしまったの?

Makki-Chebukki:ううん、
 おいらたち、ちゃんとアメとムチ、
 騙しと裏切りのテクニックを駆使して……

Kukki-Chebukki:地元の人に
 わいろを渡したり、上官を見限ったり……

Cherukiki:出世街道まっしぐらの
 将来有望な官僚の卵になれてたのに……

Prishe:俺がジュノに現れたから、
 ジュノから逃げださねぇとならねぇんだってさ。

Ulmia:プリッシュ!?

Prishe:なんだよ、だらしねぇなぁ!
 そんなんじゃ、おまえたちにタブナジアのことを
 頼もうと思った俺がバカみてぇじゃねぇかよ。

Prishe:しっかりしねぇとブッとばすぞ!
 タブナジアのみんなのこと、ウルミアのこと、
 よろしく頼むな!

Makki-Chebukki:お? おお?

Prishe:なんにもいわねぇで
 飛び出しちまって悪かったな、ウルミア。

Prishe:それに[Your name]、
 ありがとよ、俺の心配してくれてよ。

Prishe:あんまり時間がねぇけど、
 できるだけ説明してやる。謁見の間に来てくれ。

Ulmia:プリッシュ……?

・イベント終了後に話しかけると

Pherimociel:あのプリッシュという少女、
 先ほど、謁見の間に入っていったようだが……、
 もしや拘束されてはいないのか?

Pherimociel:ジュノ戦闘艇の準備で、
 ジュノ大公宮には、要人はほとんど残っては
 おられない。いったい誰が許可したのだろう?

 
 
■ ジュノ大公宮・謁見の間

(ウルミアとPCを迎えるエシャンタールとプリッシュ)

Esha'ntarl:お久しぶりです、ウルミア。
 これまで苦労をかけましたね。

Ulmia:ミ、ミルドリオン枢機卿さま!?

Ulmia:いったい、これは……?

Esha'ntarl:ウルミア。
 今は、多くを説明している時間がありません。

Esha'ntarl:けれども、どうしても今、
 あなたがたに伝えておかなくてはならない
 ことがあります。

Esha'ntarl:私の本当の名は、エシャンタール。

Esha'ntarl:1万年の昔、
 5つ目の母なるクリスタルを抱く都市……
 神都アル・タユに生まれた、古代の民です。

Esha'ntarl:タブナジアを訪れたナグモラーダ、
 そして今のジュノを統治しているアルマター機構。
 彼らもまた、永い眠りより覚めたばかりの古代の民。

Esha'ntarl:しかし私は、彼らとは違い、
 あるまがつみの結果として、永遠の命を
 授かっています。

Ulmia:!?

Esha'ntarl:私は、この永遠の命を使い、
 セルテウスと霊獣が交わしたある契約を
 果たすことを誓いました。

Esha'ntarl:それは、1万年の後に「定めの地」に
 生まれ落ちると予言された「定めの子」……
 ……「世界の終わりに来る者」を葬ること。

Esha'ntarl:そのときが来るまで
 私は、永い時をかけて準備をしてきました。

Esha'ntarl:それはとても永い旅でした。

Esha'ntarl:あらゆる地を巡り、
 あらゆる知識を求め……

Esha'ntarl:多くの出会いに慰められ、
 多くの情に励まされ……

Esha'ntarl:けれどもその後、
 私は、ある場所で教えられました。

Esha'ntarl:「世界の終わりに来る者」を
 ただ倒すだけでは、その者の闇はいつかふたたび、
 別の人間として生まれ落ちてしまう。

Esha'ntarl:その循環を断ち切るためには
 その闇そのものを断ち切らなくてはならない。

Esha'ntarl:人の命を生み出し、人の命が還る場所。
 母なるクリスタルの御許から……。

Esha'ntarl:そのために、
 「世界の終わりに来る者」は
 人として死をなすのではなく、
 神として死をなす必要があった。

Esha'ntarl:だからこそ私は「神の歌」を使い、
 男神の降臨を試みようと思いたったのです。

Ulmia:復活と……、
 そして、死……?

Prishe:でもな、
 結局、それはなされなかったんだ。

Prishe:なぜなら洗礼の儀式で、俺は……

(回想・タブナジア礼拝堂での洗礼の儀)

(洗礼の箱の輝きに撃たれ、プリッシュの胸から光が溢れ出る)

Prishe:……あの頃の俺は、
 もう俺の中にあった「虚ろなる闇」に
 操られていたんだと思う。

Prishe:俺は物心ついたときから、
 タブナジア大聖堂に入って、人に楽園の扉を
 開かせなくてはならないと思っていた。

Prishe:けれど、運がわりぃことに、
 あの洗礼の箱が、俺の中にあった「虚ろなる闇」に
 反応して、この魔晶石に封じ込めちまったんだ。

Prishe:俺の世界は大きく変わっちまったぜ。
 人の心も読めるようになって、ミルドリオン様と
 同じように不死身になっちまった。

Ulmia:そういうことだったのね。
 プリッシュは、「世界の終わりに来る者」
 だったけれど……

Ulmia:今は違うのね?
 「世界の終わりに来る者」ではないのね?

Esha'ntarl:……。

Ulmia:まさか……
 まだ、そうだというんですか? プリッシュは?

Esha'ntarl:霊獣バハムートの態度が示すは、
 「世界の終わりに来るもの」がいまだにある
 ということ。

Esha'ntarl:しかしこの20年、私はここより
 ヴァナ・ディール全土を監視してきましたが、
 プリッシュ以外に「世界の終わりに来るもの」
 がいるとは……。

Prishe:やっぱりバハムートは、
 俺が男神として完全に死ぬことを望んでるんだ。

Prishe:ディアボロスは、教えてくれた。
 俺は「世界の終わりに来る者」だったってこと。

Prishe:この魔晶石とともに死に、
 母なるクリスタルから解き放たれなくては
 ならねぇってことをな。

Ulmia:そんな!? そんなことって!?

Prishe:聞いてくれ、ウルミア。
 俺たちは、けっこういいとこまで来てるんだぜ?
 男神を降臨させるための歌も、4つまで聞いた。

Prishe:最後の5つ目の歌さえわかれば、
 バハムートの前で証明できる……!

Ulmia:やめて、プリッシュ!
 なにを言っているかわかっているの!?

Ulmia:男神にその身を捧げるだなんて、
 そんな恐ろしいこと、許されるはずがない!
 きっと他にも方法が……!

Esha'ntarl:安心しなさい、ウルミア。
  プリッシュは、連れていきませんよ。

Esha'ntarl:「石の記憶」の最後の歌。
 その旋律を知るものはもはやなく、
 男神を打ち滅ぼす武器もない。

Esha'ntarl:私たちは、
 ジュノの全勢力をかけて竜族と戦うのみ。

Esha'ntarl:人が生き残るためには、
 もはや、この選択を取るほかありません。

Prishe:でも、ミルドリオン様! 俺は!

Wolfgang:エシャンタール様!
 ジュノ戦闘艇隊全船、出発準備、完了しました!

Esha'ntarl:私は行かなくてはなりません。
 雲海の果て、天路の果てへ。

Ulmia:ミルドリオンさま!

Esha'ntarl:……ここもいつ
 火の海となるかわかりませんよ。
 プリッシュ、ウルミア。

Esha'ntarl:船を用意させましょう。
 タブナジアへ戻りなさい。

Esha'ntarl:そして、守るのです。
 あなたたちのいちばん大切なものを。

Prishe:ちくしょう!
 だめだ、だめだ、これじゃあ!
 ここで命をかけなきゃ、女がすたるってもんだ!

Ulmia:プリッシュ!?

Prishe:[Your name]! ウルミア!

Prishe:おまえたちなら
 ぜったいできるって俺にはわかってる!

Prishe:今のおまえなら、
 男神になったこの俺をぶっ倒せるし……

Prishe:5つ目の歌を知っているやつは
 記憶を失っちまってるけど、セルビナにいるんだ!

Prishe:だから、頼んだぜ!
 ウルミア! [Your name]!

Prishe:5つ目の歌を探してきてくれ!
 いいな! ぜったいだぞ!

Ulmia:……いやよ、プリッシュ!
 待って、プリッシュ!!!

Louverance:ウルミアさん、
 話はすべて聞かせていただきましたよ。

Ulmia:ルーヴランスさん!?

Louverance:これぞ女神のお導きでしょう。
 セルビナにいる記憶を失っている女性のこと。
 私はよく知っています。

Louverance:しかも、その記憶を
 蘇らせる方法も、我が手中に……。
 さぁ行きましょう、セルビナへ。

・イベント終了後に話しかけると

Pherimociel:ナグモラーダ様が連れてきた
 3人のタルタルたちは、エシャンタール様の
 お力あって、恩赦を受けることになったそうだ。

Pherimociel:ただ、一度、
 アルマター機関に目をつけられた者は、
 よほどのことがない限り、出世は望めん。

Pherimociel:ジュノ生まれでもない彼らが、
 もともと出世できるとは思えんがな。
 
 
Auchefort:なんですって?
 セルビナに記憶を失った女性がいるかと?

Auchefort:そう聞かれましても
 私にはわかりかねます。冒険者であるあなたの方が、
 よっぽど外の世界をお知りでしょう。

 
 
■ セルビナ織工ギルド

Mathilde:あら? あなたがたは?

Ulmia:もしかして……
 あなたは、エメリーヌ!?

Ulmia:私は、ウルミアよ!
 ほら、聖歌隊で一緒だった!

Mathilde:……?

Mathirlde:ごめんなさい。
 私、小さいときのことは覚えていないの。

Mathilde:でもきっと、人違いですね。
 私はエメリーヌではなくて、マチルド。
 ここ織工ギルドの娘なんです。

Ulmia:あ、ええ、そうなんですか。
 私こそ間違えてしまってごめんなさい。

Ulmia:昔、私と一緒に聖歌隊に通っていた
 エメリーヌに似ていたのでつい……。

Ulmia:……あの、ところで、
 あなたに弟さんは?

Mathilde:弟……。
 はい、いました。いましたけれど……
 あの戦争のために、離れ離れになってしまって。

Mathilde:でもきっとどこかで
 元気に生きている……。そんな気がします。

Ulmia:変なことを
 きいてしまってごめんなさい。
 では、私たちはこれで……

Louverance:いえ、
 最後にもうひとつだけ。

Louverance:あなたが知っているはずの、
 ある歌を聞かせていただけませんか?

Mathilde:え?
 歌、ですか?

Louverance:あなただけが知っている歌です。
 思い出してください。

Louverance:タブナジア大聖堂……
 ミルドリオン枢機卿……「神の歌」と呼ばれる歌……

Louverance:その5つ目の歌を……。

(フラッシュバックするマチルド=エメリーヌの記憶)

(オークとデーモンの居並ぶ中、闇のプロトクリスタルの前へと連れていかれる)

  伝説はこう終わる……。

  ……すべては……から始ま……のだ……

Ulmia:今のは……
 なにかの魔法だったのですか……?

Louverance:「再生の鏡」という
 盗賊なら誰でも知っている名器です。
 故あって、私の手元に戻ってまいりました。

Louverance:それよりも、
 ウルミアさん、今の曲、もう歌えますね?

Ulmia:でも私、まだあの歌を歌うつもりは!

Louverance:ウルミアさんは
 悪いことばかり考えがちのようですね。

Louverance:もしかしたら
 その歌を使う必要はないかもしれませんよ。

Ulmia:え!?
 それは、なぜですか!?

Louverance:プリッシュさんの封印の証、
 胸にあるという魔晶石を見たら、霊獣バハムートも
 納得するかもしれないということですよ。

Louverance:それに、タブナジアの魔石。
 あれを手放すは惜しい……

Ulmia:ルーヴランスさん?

Louverance:プリッシュさんに
 尋ねてみたいことがあります。ウルミアさん、
 プリッシュさんを迎えに、ジュノへ戻りましょう。

Louverance:[Your name]さんは、
 先にバストゥークへと戻っていてください。

End


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