■ 第4節 第2小節 呪縛ほどけるとき
後日談
■ ジュノ大公宮入り口
(駆け出てくる親衛隊とはち合わせる)
Wolfgang:おお、Your nameか!
エシャンタール様の船が戻られた!
Wolfgang:ちょうどよい。
エシャンタール様は、おまえを捜し、
ジュノ上層の酒場に来るように伝えよと
おっしゃられた。
Wolfgang:では、伝えたぞ。
俺たちはこれから、各国に報せを出しに行く。
真龍の王バハムートのことはもう心配する
必要はないとな。
Wolfgang:Your name、
これもすべて、おまえたちの働きが
あってのことなんだろう?
心から礼を言う。ありがとう。
■ ジュノ上層酒場マーブルブリッジ
Mildaurion:お待ちしていました、
Your name。
いったい、なにがあったのです?
Mildaurion:真龍の軍は、
我々と何度か手をあわせた後、
還るべき空の彼方へと消えていきました。
Mildaurion:戦意喪失した彼らを
追い滅ぼすべきだという意見もありますが、
ともかくは、戦局の検討、補充のために
我々は戻ってきたのです。
Mildaurion:そして今、
あなたの顔を目にし、確信することができました。
Mildaurion:その表情……
あなたがたはとうとう、「世界の終わりに
来る者」を討ち取ることができたのですね?
・はい
・いいえ
(・はいを選択)
Mildaurion:やはりそうでしたか!
真龍の王バハムートは、「世界の終わりに
来る者」が倒されたことを感じ取り、
きびすを返した……
Mildaurion:聞かせてください。
あなたがたが、神都アル・タユで
体験したことを?
Mildaurion:……タブナジアの岬で、
セルテウスに触れたとき、私の身の内に
流れ込んできた映像……
Mildaurion:やはりあれは、
楽園となりかけた神都アル・タユ
だったのですか……
Mildaurion:そして、1万年の昔、
神都アル・タユに在りし人々は、
神に戻った……。男神プロマシアに……。
Mildaurion:「楽園の扉を開く」
ということは、5つに分かたれた
母なるクリスタルを元に戻すということ。
つまり、世界を在りし姿に戻すということです。
Mildaurion:世界は楽園となり、
人は神となる。そのときの記憶を持つ
明星の巫女イブノイルは、女神アルタナの姿を
見たことがありました。
Mildaurion:しかし、私と別れるとき、
明星の巫女は確かにこう言っていました。
Mildaurion:「女神アルタナを
見ている自分は、女神アルタナでは
ありえない。ではいったい誰なのか」と。
Mildaurion:そこで明星の巫女は、
人間を調べようと考え……
Mildaurion:奇しくも現れ始めた
クリュー人という存在に目をつけ、そして
人間の内に封じ込められた闇を知ったのです。
Mildaurion:その後、明星の巫女は、
王と王子を裏切り、楽園の扉を
開くことを頑なに拒むようになりました。
Mildaurion:あのとき明星の巫女は
「私たちは男神の子である」という確信に
至ったのでしょう……。
Mildaurion:しかしもちろん、
すべてが終わったわけではありません。
Mildaurion:母なるクリスタルを
包み込んでいる「虚ろなる闇」は
いまだに晴れてはおりません。
Mildaurion:そして
ジラートの生き残りたちは、それしか
すがるものがないかのごとく、楽園へ
続く道を開こうと暗躍し続けています。
Mildaurion:およそ30年前……
私がタブナジアを捨てたは、
目覚めたジラートの生き残りたちに近づき、
いち早くその身の内に忍び入るため。
Mildaurion:しかし、私ひとりの力では、
強大な力持つ彼らを一息に打ち砕くことは
できませんでした。ですが……
Mildaurion:今や「虚ろなる闇」という
共通の敵が現れてしまった。しばらくは、
あなたがた現世人にも古代の力が必要でしょう。
Mildaurion:それはもちろん、
古代の人々にとってもそうです。
Mildaurion:ナグモラーダが失われ、
真龍との戦いに光明が見えた今、彼らには
本来の役目を思い出してもらわねばなりません。
Mildaurion:母なるクリスタルを
守るものとして、虚ろなる闇と戦おうと。
Mildaurion:そして私は、
今までのように彼らを監視しながら、
あなたがたが救ってくれた世界と人を
見守っていきましょう。
Mildaurion:最後に、Your name。
忘れないでください。
Mildaurion:あなたは
どんな犠牲も出さずに、
世界も人も救うことができたということを。
Mildaurion:そして
思い違いをしないように。
Mildaurion:そんな道は、
いつでもあるわけではないのです。
Mildaurion:あなたが、
多くの人の力を借りたから、多くの人が信じたから
そんな道を拓くことができたのだということを。
Mildaurion:この店の主人に、
これからのあなたの旅に役立ちそうなものを
3種類、預けておきました。どれかひとつを
お選びなさい。
Mildaurion:またお会いしましょうね。
Mildaurion:さようなら、
ありがとう、Your name。
■ タブナジア地下壕・プリッシュの部屋
Prishe:よぉ~!
Your name、元気そ~だな!
Ulmia:Your nameさん、
聞きました? タブナジアの上を
飛び回っていた真龍たちの姿が
消えたそうです。
Prishe:これで一件落着。
タブナジアもやぁ~っと、
平和な町になったってこった。
Prishe:ミルドリオン枢機卿様には
あれからずっと会ってねぇけど、さっき
使いのもんがやってきてな。これからも
ジュノ政府が援助してくれるってよ。
Prishe:ナグモラーダが
交わした約束よりもずっと、俺たち
タブナジアの人間が自治できるような
形でもってな。
Ulmia:デスパシエールおじいさまは、
これ以上ないほど、はりきっていますわ。
冒険者を雇って、魔物たちを一掃し、
ルフェーゼ野やミザレオ海岸に畑を作りたいと。
Ulmia:リヴェーヌ岬は
いまもあのような姿ですけれど、昔、
あそこにあったような羊飼いの村も
復興させたいって……
Ulmia:そして私たち
タブナジアの人々が強く逞しくなった頃、
タブナジア侯国の跡地に、あの美しい日々を
蘇らせるのです。
Ulmia:あの地に巣食う
魔物たちを討ち滅ぼして、家に帰ろうと
いうのです。
Prishe:平和になったと思ったら、
こりゃまた、何倍も忙しくなりそうだなぁ。
Prishe:おっと、ヒトゴトって
顔してるんじゃねぇぞ。おまえたち冒険者も
これから何倍も忙しくしてやるってこった!
Ulmia:駄目よ、プリッシュ。
プリッシュは、戦っている場合じゃありません。
Ulmia:ちゃんと勉強して、
タブナジア大聖堂の司祭となって、
いろんな仕事を司ってもらわないと。
Prishe:ッゲゲ!
俺はいつもの修行に行ってくるぜ!
Prishe:じゃあな!
(プリッシュ、部屋から駆け出ていく)
Ulmia:もう、プリッシュったら!
Ulmia:Your nameさん、
思えばずっと、あなたにはご迷惑ばかりかけて
しまいましたね。
Ulmia:それでもいつもあなたは、
私たちを助けてくださいました。
Ulmia:もしもあなたさえ
良ければ、あなたのお力を私たちのため、
タブナジアのために使っていただけたらと
思います。
Ulmia:けれど……
冒険者であるあなたには、まだまだ
あなたご自分の目で見なければならない
世界が広がっているのでしょうね。
Ulmia:いつか、あなたが
その翼を休めたいと思われたとき
ぜひタブナジアにお寄りください。
私たちはずっと待っています。
Ulmia:じゃあ、また
会いましょう。Your nameさん。
■ ルフェーゼ野・タブナジア侯都を見下ろす丘
Prishe:おっと、見つかっちまったようだな!?
Prishe:Your name。
ここに来たことはあるか?
ほら、こっからだとよーく見えるだろ。
Prishe:俺が生まれた街、
「世界の終わり」が生まれた街……
タブナジアがよ?
Prishe:俺はずっと、
世界の終わりってもんがどんなもんか
それだけを考えて生きてきた。
Prishe:このままずっと
永遠の命を生きていたら、必ず
世界の終わりを見れるはずだ。
Prishe:男神プロマシアの復活でも、
眠れる神々の目覚めでも、獣人どもの勝利でも、
人間たちの自滅でもいい。
Prishe:世界が終わる。
そのときになれば、いくらなんでも
俺の命も終わる。
Prishe:あんときさ、
あの扉の前で、男神プロマシアは、
それを俺に見せてくれるって言ってたんだ。
Prishe:そんとき、俺は気づいた。
世界の終わりを見たがっているのは、
世界の終わりを誰よりも待ち望んでいるのは、
ほかでもない。
Prishe:この俺だってことをな。
Prishe:……だから俺は、
あの黒い魔晶石を、男神プロマシアに
ぶっこんじまった。
Prishe:あれが母なるクリスタルに戻り、
再び「世界の終わりに来る者」がいつか
生まれ出てしまうことを望んじまったんだ。
Prishe:ミルドリオン様は、
こんな俺に、なにも言わなかったよ。
Prishe:ただ微笑んで、
おまえに会えって言ってくれた。
Prishe:なんでだろうな?
おまえに嫌われちまうことが、
俺への罰だとおもったのかな?
そう思うか?
・頷く
・首を振る
(・首を振るを選択)
Prishe:違うさ。
だって、ほら、胸がいてぇんだ。
Prishe:おかしいだろ?
今までいろんな人にいろいろ言われても、
人じゃねぇやつらに責めなじられても、
こんなことなんなかったんだ。
Prishe:けど、
なんにも言わねぇおまえは、そうやって
そこにいるだけで、胸がいてぇんだ。
Prishe:殴られたり、
蹴飛ばされたり、傷つけられたり、
刺されたり、そういった痛みじゃねぇ。
Prishe:わかんねぇんだ。
怖いんだ、不安なんだ。
なんだかすげぇ、気持ちわりぃんだ。
Prishe:もうおまえは
ただの人間なんだろ?
Prishe:なのになんで、
俺に心を閉ざすんだ?
Prishe:それが悲しいのか?
俺は悲しいのか?
Prishe:それが辛いのか?
俺は辛いのか?
(プリッシュの瞳から涙がこぼれはじめる)
Prishe:それが嫌なのか?
俺が嫌なのか?
Prishe:なんなんだろう。
これは、なんなんだろう……。
Prishe:……おまえと俺は、
同じ気持ちなんだ。心と心が一緒で、
だから俺は、おまえの心が読めない。
(PCの胸元が光っている)
Prishe:いや、読めないんじゃなくて、
俺もおまえと同じに、同じになった……?
Prishe:俺のここにあった、
胸にあった魔晶石が、なくなってる……?
Prishe:俺の魔晶石……
溶けて消えちまったのか……?
Prishe:そうか、俺は
取り戻したんだな……。
Prishe:人が人である証、
虚ろなる闇を……。
Prishe:そして俺も、
おまえと同じ、人間に戻ったんだ。
だから、こんな苦しくなったんだ。
Prishe:……畜生。
人間って、おもしれぇな。
Prishe:苦しいけど、
嬉しいんだな。
Prishe:辛いけど、
幸せなんだな。
Prishe:だから言えるんだ。
心から、身体の真ん中から。
Prishe:ありがとう、Your name。
Prishe:俺、生きていけるよ。
(PC、頷く。)
Prishe:終わりなんか待たずに、
みんなと同じ気持ちで……
Prishe:生きていける。
- ムービー---
ウルミアの歌に合わせて群島の景色と旅の仲間が写し出される
・天華崎で歌うウルミア、あぐらをかいて聞き入るプリッシュ
・曇天の下、橋上ですれ違う2人のルーヴランス
・ミザレオのエデレーネ瀑布の前、己の手を見つめるスカリーZ
・座してルフェーゼの海を見つめるジャボスとモブリン
・虚ろの渦からルフェーゼに降り立ち、天を仰ぐテンゼン
・再び天華崎、プリッシュが振り向くと、旅の仲間たちが歩いてくる
・ひとけのなくなった岬を独り訪れるミルドリオン
・故郷リヴェーヌを訪れるチェブキー父子
・侯都を見下ろす丘に、紅い羽がひとひら舞いおちる
称号:虚ろなる闇に涙する者
Fin