特に選球眼に定評のある強打者の打席において、際どいコースの球を球審がストライクと宣告しづらくなるとされる現象のこと。「○○ゾーン」と言う場合もある。「(○○専用の)ボール球」、「(○○専用の)ボールゾーン」という意味である。
概要
なんJができるより遥かに前から使用されていた表現であり、当初は選球眼に定評のあった強打者・王貞治や長嶋茂雄の打席で、「あの王や長嶋が見逃すのだからストライクではなくボールに違いない」と言う先入観から際どい球が尽くボールと判定されていた現象を「王ボール」「長嶋ボール」と呼んだことに由来する。
王ボール長嶋ボールについては、王や長嶋の選球眼の良さを語る際のエピソードとして肯定的に持ち出されることも多い。
現在では、誤審に対する風当たりも強くなり、一部の強打者の打席で判定が甘くなることに対して批判的な意味合いを込めて使われることが多い。
ただし、強打者と対する時には投手が際どいコースを攻めることも当然想定される。その結果四球が増えている側面もあり、「○○ボール」、「○○ゾーン」といった現象が必ず起こっていると一概に言うことはできない。
使用例
- 王ボール、長嶋ボール
前述したとおり、○○ボールの語源である。当時のジャイアンツの主軸・王貞治や長嶋茂雄の打席で発動していたと言われ、Wikipediaのスポーツに関する都市伝説という項目に記載があるほどである。ただし、当時審判員を務めていた田中俊幸は著書でこれを否定している。 - AJゾーン
2013年、東北楽天ゴールデンイーグルスに助っ人として加入したアンドリュー・ジョーンズに対して東京スポーツが用いた表現*1。記事が書かれた同年5月時点で四球数は両リーグトップの40。その後も順調に四球数を増やし在籍2年で合計223四球、2年ともリーグトップの四球数をマークしニコニコお散歩おじさんの異名もとったことから、こちらも「ゾーン」があるかどうかはともかく選球眼の高い打者であったことは事実である。
対義語
「○○ボール」とは逆に、実力のあるピッチャーの投球時にストライクゾーンが広くなっているのではないか、という推測から「○○ストライク」という単語も存在する。使用される例としては主に「ダルビッシュストライク」等が挙げられる*2。