打率や本塁打数などと比べて打点が多い打者のこと。
ランナーがいないと全くと言っていいほど打たないのにチャンスではきっちり仕事してランナーを返す様子が「打点を欲しがる乞食」のように見えることから呼ばれる。
乞食という単語の持つイメージから字面的には蔑称のようにも見えるが、大半の場合はチームに得点をもたらす(ありがたい)存在という意味で肯定的に用いられる。
代表的な打点乞食
- 今岡誠(元阪神→ロッテ)
2005年の打率2割台にもかかわらず147打点はあまりにも有名。また、2003年も1番打者で得点圏打率.427・打点72と勝負強かった。なお、2006年に怪我して以降は逆打点乞食化した模様。
- 森野将彦(元中日)
得点圏打率が高い上に、ホームランの3ラン率が非常に高く、「ミスター3ラン」の異名をもつ。
- ホセ・フェルナンデス(元ロッテ→西武→楽天→オリックス→西武→楽天→オリックス)
晩年は衰えから本塁打が減ったものの打点は高水準をキープする打点乞食ぶりを発揮した。
- 高須洋介(元近鉄→楽天)
非力かつ2番をメインで打つため上げた打点自体はそれほど多くないが得点圏打率が異様に高く、ついたあだ名が「必殺仕事人」。
- 新井貴浩(元広島→阪神→広島)
2011年には違反球の中で打点王を獲得し、2016年には40代での100打点を達成しMVPを受賞した。
- 中田翔(日本ハム→巨人→中日)
2017年や2021年以降は別として、日本ハム時代は基本的に打率.260・本塁打25本・打点100・OPS.750前後に収束する脅威の安定性を誇った。日本ハム時代は主軸打者としては物足りない打率・OPSにも関わらず毎年のように100打点を達成し続けており、「打点乞食界の帝王」と呼ばれるほど。2019年は80打点、得点圏打率も.219にとどまったが翌2020年は105安打108打点で打点王(打率は歴代打点王受賞者ワーストの.239)を獲得し、「安打より打点のほうが多い打点王」という打点乞食の真骨頂とも言える珍記録を叩き出した。
- マウロ・ゴメス(元阪神)
2014年には阪神助っ人外国人初の初年度100打点超え(109打点)で打点王を獲得。
- 金子誠(元日本ハム)
9番打者としての出場が多かったが、50打点以上が通算4回あり、特に2007年は4本塁打ながら53打点を稼いでいた。2009年は得点圏打率.360・打点66。
- 戸柱恭孝(DeNA)
2017年には打率.214・9本塁打ながら52打点を記録した。
- 中村剛也(西武)
かつては得点圏で弱かったが徐々に改善。2019年は特に満塁の場面にめっぽう強く、9月11日時点で35打席に対して49打点を記録、通算満塁本塁打21本はNPB最多、また2015・2019年とシーズン4満塁本塁打を記録。2019年パ・リーグ打点王獲得。2023年、色々な要因が重なって8月に40歳を迎える年に拘らず何度目か分からない4番返り咲きを果たしてしまったが、3~4月の月間MVPを獲得してしまう程チャンスに強かった。故障で交流戦は全試合休場したが、再度出場選手登録された後も好調で、選手間投票でオールスターに選出されるなど、そこそこ活躍した*1。
- ジェリー・サンズ(元阪神)
阪神時代の2年間は共に前半戦で得点圏打率5割超という驚異的な勝負強さだった。
- 安田尚憲(ロッテ)
高校時代はスラッガーだったものの、プロではホームランが少ないことや逆に得点圏以外であまりにも打たないことでネタにされることが多い。
- 森下翔太(阪神)
ルーキーイヤーの2023年に球団新人右打者としては岡田彰布以来となる2ケタ本塁打を記録。また打点も41打点を記録し、4倍打点ニキもご満悦の成績だった。日本シリーズでも7打点をあげ、シリーズの新人選手最多打点の記録を更新している。2024年シーズンもチャンスでの打撃が一際良く、ニュース等でも「いいところでしか打たない」等と評されている。
- 小園海斗(広島)
2024年にわずか2本塁打で61打点をあげ、2リーグ制以降では1950年の徳綱茂(当時大阪タイガース)以来2人目となる「2本塁打以下+60打点以上」という珍記録を樹立した。
- 武智修(元阪神→金星→阪急→広島→近鉄)
近鉄時代の1956年、当時極端に打線が弱かった近鉄にあって自身も.237・0本塁打に留まりながら*256打点を叩き出した。こちらの分析では打撃成績から予想される打点の倍率は2005年の今岡をも上回るとのこと。
逆打点乞食
どうでもいい場面ならソロアーチストもしくは安打製造機と化すが、得点圏ではひたすら弱く打点を稼げない打者のこと。こちらは字面の通り蔑称である。
- 山内一弘(元毎日・大毎→阪神→広島)
通算396本塁打・1286打点で打点王も4度獲得(1954年・1955年・1960年・1961年)とキャリアを通じてはむしろ打点乞食なのだが、広島時代の1969年には.274・21本塁打・38打点と2003年の古木に匹敵する成績を記録している。*3
- 原辰徳(元巨人)
現役時代はチャンスに弱い4番、かつ無意味な本塁打ばかり打つイメージが強かったが、特に顕著だったのが1986年であり、キャリアハイの36本塁打を放つもそのうちソロが26本で、また打点も80と本塁打数の割には少なかった。ただし、1983年にキャリア唯一獲得した打撃タイトルは打点王(103打点)。
- 山崎武司(元中日→オリックス→楽天→中日)
2001年に得点圏打率.184・25本塁打・51打点を記録したため逆打点乞食の代表格扱いされやすいが、1996年・2007年・2009年と3度100打点をマークしたことがある。
- アレックス・ゲレーロ(元中日→巨人)
- 白崎浩之(元DeNA→オリックス)
彼ら2人は当該項目参照の通りソロホームランが異様に多い。
- T-岡田(元オリックス)
2017年に31本塁打・68打点を記録。本塁打の割に打点を稼げないことに業を煮やした福良淳一監督が複数試合に渡り1番打者で起用した実績もある。実は得点圏打率は.250(打率.266)と極端に低い訳ではなかったが、この年は主に6番・7番を打っており、前を打つ打者が小谷野栄一・中島宏之・クリス・マレーロなど鈍足打者ばかりで、ヒットで帰って来れないことが多々あった他、後ろが安達了一や若月健矢など貧打の選手で勝負を避けられまくったため、打点には結びつかなかった模様。それだけなら鈍足打者の前に岡田を置けば済む話なのだが、上位に置くとプレッシャーで打てなくなり、また自らが鈍足ランナーと化すため、それも出来ないジレンマを抱えていた。
- 鳥谷敬(元阪神→ロッテ)
2016年までは打点乞食だったが、2017年以降逆打点乞食化した後のイメージが強いため、その後は専ら逆打点乞食として扱われている。2019年は9月11日にようやく初打点という有り様だった。
- ジェフリー・マルテ(元阪神)
選球眼も良く出塁率も悪くないが打点が少なく併殺が多い。同時期の阪神の助っ人に上述のサンズがいたため比較されより打点の少なさが際立った。ちなみに2019年の得点圏打率は.225。
- 植田海(阪神)
2018年に初打点を挙げるまで214打席連続無打点の世界記録を樹立。
- 田中広輔(広島)
特に2019年は得点圏打率.173という低さ。通算でも得点圏打率は.224。