中村勝の投げるストレートのこと。
概要 
発祥は日本ハム時代。なんJに立てられた「中村勝のストレートがさいてょよりも遅いという現実」というスレ。序盤は2012年に読売ジャイアンツと対戦した日本シリーズで、宮國椋丞と投げ合い共に好投した中村の投球について語る問キレ系統のありふれた内容のスレだった。
しかし、途中で割り込んできたID:Ai2ljNA1による「中村のストレートは加速しているから打ちにくい」という持論を含めたレスにより空気が一変。なんJ民はID:Ai2ljNA1への一斉攻撃を開始し、レスバトルのゴングが鳴る。しかしID:Ai2ljNA1はウキウキ状態のなんJ民からの質問に対し、マグヌス効果などの実在する物理法則を独自の解釈で応用したキテレツな論理を使い、
- 「素人さんは混乱してもしゃーないか」
- 「ここまでで疑問質問あれば」
- 「HOP-UPしてるからな」
- 「宗教裁判にかけられたガリレオの気持ちがわかった気がする」
- 「違う」
などなど数々の名言・迷言を残しながら淡々と応答。さらにこの応酬が終わった直後「実況スレで何事もなかったかのように実況に参加する」というオチも含め、言動・行動がなんJ民に強く印象付けられ、「マグヌスニキ」などの蔑称が与えられた。
また、それまでは日ハムファンの間で細々と語られる存在でしかなかった*1中村へ「マグヌス中村」の別称が付き、また投手の球速に関するスレが立つ度にマグヌスニキの残した名言・迷言が再放送されるのがお約束となった。その他にも「中村のストレートが加速するのは、捕手の鶴岡慎也がボールを吸引しているから」という説が出た事で、鶴岡にも「バキューム鶴岡」の別称が付けられている。
マグヌスニキの理論 
マグヌスニキの理論の概略を示すと以下のようになる。
- もしマウンドが遥か上空にあれば、上空から地上のキャッチャーミットに向かって投げ下ろすことになり、重力によってボールは加速するはずだ
- 実際にはマウンドはそこまで高い位置にはないので、素人が下に向かって投げ下ろすと、キャッチャーミットに辿り着く前に地面に落ちてしまう
- しかし、中村のストレートは、強いバックスピンを与えることで、強力なマグヌス効果によってHOP-UPしているので、下に投げ下ろして重力で加速しながら落ちずにキャッチャーミットまで届く
正しい物理法則 
マグヌス効果自体は、マグヌスニキが説明しているようなトンデモ説ではなく、「飛翔中の球体が軌道を変える現象」を説明するために、ドイツの科学者ハインリッヒ・グスタフ・マグヌスが提唱した流体力学理論であり、確固たる物理用語である。
詳細・マグヌスニキの誤り
野球の分野では、マグヌス効果によって、「投げられたボールは、本来は重力によって放物線を描きながら落ちていくが、ボールが回転している場合にはその回転方向に従って力が働き、軌道が変化する」という結論が導かれる。変化球が曲がる原理やストレートが重力ほど落ちない原理などを説明する際には、必ずと言っていいほどマグヌス効果への言及があるため、マグヌス効果という言葉だけは知っているという人も多いだろう。
投手が投げるストレートの場合には、進行方向に対して球にバックスピンがかかっているためにマグヌス効果で上向きの力が働き、重力の割には落下が少ないという効果がある*2。そして、中村勝のストレートは回転数が多くて他の投手よりも落下が少ないというのは事実と思われる。
とはいえボールにバックスピンをかければマグヌス効果で上向きの力が働くというだけの話であり、マグヌス効果にはボールを進行方向に加速させる効果は無い。マグヌス効果があったとしてもボールは空気抵抗によって徐々に減速し、ストレートであればミットに収まるまでに10km/h程度の減速は免れないのである*3。そのためボールが投手の手を離れてから水平方向に加速するのは物理学上100%あり得ない。なお、スピードガンの数値は基本的に初速である。
マグヌスニキの理論の最大の誤解は、下向きの重力と上向きのマグヌス効果が同時に働くことで、落ちずに前方向に加速できると説明している点にある。下向きの重力で得られる加速度はあくまで下向きの加速度に過ぎず、マグヌス効果によって上向きの加速度を与えれば、これらは互いに相殺して打ち消し合うだけであり、合わさって前進する加速度になることはないのである。
確かに上空からボールを投げおろせば重力によってボールは加速する。しかし重力はあくまで下向きにかかる力であり、加速するのはボールの落下スピードのみで前方向に加速する力は加わらない。むしろ前述の通り前方向には空気抵抗がかかるためボールは徐々に前方向への進む力を失い、いずれ自然落下するのみになるのが正しい。
力には方向があるという高校生ですら勉強する力学の基礎中の基礎を理解できていれば起こらなかった誤りと言えよう。さらに言えば中学生の時点で力と進行方向の形自体は習っているはずなのだから誤解もひどいところである。
ちなみに、もしマグヌスニキの持論が正しいとすれば、「中村勝のストレートには加速するためのエネルギーが与えられ続ける」ということになり、いわゆる「永久機関」ができてしまうので、マグヌスニキは世界の物理理論を覆す大発見でノーベル賞どころかニュートンやアインシュタインと並び世界の歴史に残る大物理学者だったという事になってしまう。
また、マグヌスニキはマーティン・ガードナーによる似非科学者の分類に余す所無く当てはまっていると話題になり、なんJでの爆笑を呼んだ。
・自分を天才だと考えている。
「アマで解説囓(かじ)ってる俺が来ましたよ。」
「必要なのは学であって食べ物は関係ないでしょ」*4
・仲間たちを例外なく無知な大馬鹿者と考えている。
「まあ素人さんにわかりやすく言えば、」
「ああそうか、素人云々って言い方が不和を産んだのか
他意は無いのであしからず。」・自分は不当にも迫害され差別されていると考え、そのような自分をガリレオ・ガリレイやジョルダーノ・ブルーノといった、異端であるとして不当に迫害された偉人になぞらえる。
「宗教裁判にかけられたガリレオの気持ちがわかった気がする」
・複雑な専門用語を使って書く傾向がよく見られ、多くの場合、自分が勝手に創った用語や表現を駆使している。
「空気抵抗がまさにそれだって
んでHOP-UP(マグヌス効果)でうまく乗ってるから加速する」
加速し続けた結果 
上述の通り、マグヌスニキの理論だと永久機関ができかねないのだが、なんJ民はこのネタを「中村から放たれたストレートは加速とHOP-UPを繰り返し、今この瞬間もなお加速し続けている」という超トンデモ理論に発展させる。
- 「中村勝の直球は加速とHOP-UPを繰り返し大気圏を突破
」
- 「中村勝は年末になっても加速を続けてる
」
- 「中村勝のストレートの加速を利用して発電すれば原発も必要なくなる
」
- 「中村勝って世界を滅ぼす力を持ってるよな
」
といったスレが立つなど、中村は飛躍した設定の超人キャラとしても人気を博した。
発祥スレ 
中村勝のストレートがさいてょよりも遅いという現実
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1351731890/ (過去ログ
)
103 : 風吹けば名無し 投稿日:2012/11/01 10:50:50 ID:Ai2ljNA1
アマで解説囓(かじ)ってる俺が来ましたよ。
確かにガンでは中村の速球は140km/h台だけど、
腕の振りが大きくて速く、初速から既にMAX近いスピードで
打者の前でも加速し続けてるから早い
距離が25mくらいあれば150後半は出てるよ彼
マグヌスニキの発言で打線 
1(中)宗教裁判にかけられたガリレオの気持ちがわかった気がする
2(遊)なんか嫌な人ばっかりだ
3(右)これらが有機的に絡みあって中村のボールは加速しているんだな
4(一)違う
5(指)落ちないぞ HOP-UPしてるからな
6(左)まあスピードガン自体物理法則を無視してる側面もあるから
7(三)マグヌス効果でググれ
8(捕)「加速し続けて手元で140h/km」
9(二)アマで解説囓(かじ)ってる俺が来ましたよ。
(投)距離が25mくらいあれば150後半は出てるよ彼
素材 
ギューン _______―――――――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゜ リリポ ―――――― ↓___―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄↑HOP-UP ○/゜ ○ / ↑↑↑ (⌒)┤←キャッチャー _/ ̄| マグヌス効果 く ↓150km到達 リリポ ――――――_______ ↓HOP-UP ↓___―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄↑HOP-UP ――――_____―――――――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゜ ○/゜ ↑位置エネルギー / ↑↑↑ ↑キャッチャー捕球位置 _/ ̄| マグヌス効果
「カリフォルニアサイコー」は、マグヌスニキが「HOP-UP」をサーフィンに例えた際、参考資料として挙げた動画がサーフィンの原理などが説明されているわけではなく、ただカリフォルニアで楽しそうに遊んでいるサーファーが写っているだけの内容だったことに由来する(マグヌスニキが貼ったYouTubeのアドレスは現在視聴不能)。