選手が様々なミス(主に怠慢プレーや文字通りプロとして「論外」なミス)を起こした際に監督やファン、そしてやきう民から浴びせられる批判のこと。
酷い有様の人や物事を斬って捨てる意味合いの言葉であり、その使い勝手からなんJ全体で広く使われる。
最近では「論値」と略して使われることが多い。
論値その1
2009年7月30日のヤクルト対広島戦で、ヤクルト・青木宣親の怠慢プレーに対する高田繁監督(当時)のコメント。
この頃、チームが失速していたため高田のコメントが特に荒れており、前日の「ファーストの男」、翌日の「頭を割って、中を見てみたい」と合わせて3日連続で名言が誕生した。
記事
高田監督激怒!青木のセンター“はく奪”された
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2009/07/31/07.html
ヤクルト・青木が中堅の守備位置を“はく奪”された。
2点を追う6回、東出の二ゴロを田中が後ろにはじく失策も、青木のカバーが遅れて打者を二塁に進めてしまった。これには高田監督も「論ずるに値しない。もともと守備に気持ちが入ってない人だけど…。やることはやってもらわないと」と31日からの中日戦(神宮)は、福地と入れ替えて左翼へ配置転換を決定。「僕のミス。油断してしまった」という青木に対し、飯田守備走塁コーチは「センターに戻りたければ、レフトでしっかりやれということ」と厳しい口調だった。
論値その2
2010年9月9日の巨人対横浜戦で、4回途中6失点KOされた巨人・内海哲也についてコメントを求められた原辰徳監督(当時)の発言。
記事
原6失点KO内海「論ずるに値しない」
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20100910-676541.html
巨人がV争いからまた1歩後退した。打線の援護をもらいながら、4回途中6失点でKOされた内海哲也投手(28)の乱調がすべてだった。最下位の横浜を相手に手痛い取りこぼし。1度は復活した自力Vも再び消滅した。試合後、内海についてのコメントを求められた原監督は怒りをあらわにし「論ずるに値しないね」と、バッサリと切り捨てた。
論値その3
2011年のオープン戦、一塁走者でショートライナーに帰塁できず併殺のボーンヘッドを犯した巨人・長野久義に対する、原監督のコメント。
記事
原監督は長野走塁「論ずるに値しない」
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20110227-741819.html
巨人原辰徳監督(52)が長野久義外野手(26)のボーンヘッドを「論ずるに値しない」と一刀両断した。7回だ。長野は1死一塁の一塁走者。松本の遊直で帰塁できずに併殺となった。試合後の原監督は「論ずるに値しない。本人が一番恥ずかしい思いをしているだろうが、チームの恥となる。目の前のプレーだからね。小学生でも注意されるプレーですよ」と手厳しかった。
論値その4
2013年6月12日の巨人対オリックス戦で、スクイズのサインを見落とし、三塁走者坂口智隆のボーンヘッドを誘発したオリックス・宮崎祐樹に対する、森脇浩司監督(当時)のコメント。森脇自身は「原監督の言葉を借りれば」と表現している*1。
記事
1プレーの大切さ痛感
https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=016-20130701-04
痛恨のサインミスで貯金ならず。6月12日の巨人戦(京セラドーム)。2点を追う5回裏に、坂口の適時三塁打で1点を返したが、続く宮崎祐樹外野手の打席で1ボールからの2球目に、三塁走者の坂口が飛び出して同点機がついえた。
大きなチャンスでスクイズのサインを見落とした宮崎は「ぼくのサインミスです」と謝罪。この日から一軍に昇格したばかりだが、1日で二軍落ちとなった。
森脇浩司監督は「(巨人の)原監督の言葉を借りるなら、論ずるに値しない」とバッサリと切り捨てた。「スクイズは一番明確なプレー。戦う集団として、あってはならない」と最後まで怒り心頭だった。
(参考)耳を疑った“2軍降格”「納得いきません」 謎の通告に大混乱…飛び込んだ監督室
論値その5
2020年8月6日の巨人対阪神戦で、クイックを怠った結果ダブルスチールを決められるなどして4回途中4失点で4敗目を喫した巨人・C.C.メルセデスに対する、宮本和知投手チーフコーチ(当時)のコメント。
記事
【巨人】宮本コーチ「論ずるに値しない。プロとして恥ずかしい」メルセデスにカミナリ
https://hochi.news/articles/20200806-OHT1T50266.html
巨人のメルセデスが4回途中4失点で4敗目を喫した。
0-1の4回1死一、二塁の場面。二塁走者の梅野、一塁走者の木浪に重盗を決められ、直後に植田に2点二塁打を許した。
宮本投手チーフコーチは試合後「投球以外で自分からリズムを崩すというのはね。一、二塁から(重盗)走られて。投手のエラーです。やってはいけない。防げる。プロとして恥ずかしい。左投手は二塁走者に背を向けてる。クイックを使わないと。論ずるに値しない。あれじゃいかん。しっかり彼に伝えました」と厳しくカミナリを落とした。
論値その6
2021年7月13日の巨人対東京ヤクルト戦で、先発のサンチェスが2回5被安打3被本塁打4失点、リリーフのデラロサが1回3被安打1被本塁打4失点の内容に対する、高橋由伸のコメント。
なお、高橋は前述の森脇と同じく「原監督の言葉を借りれば」と表現している。
記事
【巨人】高橋由伸氏、サンチェスとデラロサは「論ずるに値しない」
https://hochi.news/articles/20210713-OHT1T51266.html
巨人がヤクルトの一発攻勢で大敗した。先発のサンチェスと桜井が3発、デラロサも1発を浴びるなど今季ワースト14失点。1試合で7本塁打されるのは20年ぶりの屈辱となった。打線はキング争いのライバル・村上に眼前で2発を見せつけられた主砲・岡本が3安打2打点と奮闘も及ばず。首位・阪神も敗れゲーム差は2のまま。首位ターンは消滅したが、阪神1位、巨人2位で折り返した過去3度はいずれも巨人が逆転優勝している。
これだけホームランを打たれたら、守ってる野手は助けようがない。被安打14本中、11本が長打なのだから。先発サンチェスに関しては、原監督の言葉を借りれば「論ずるに値しない」―。ただ、一つだけ不満は残った。敗因の投手陣の中でも、デラロサが同じようではつらい。
論値その7
2022年7月16日の巨人対広島戦で、先発のアンドリースが2.1回6被安打1被本塁打6失点、リリーフの戸根が0.1回3被安打1被満塁本塁打5失点の内容に対する、原監督のコメント。
記事
【巨人】3回途中6失点KOのアンドリースに原監督「なかなか論ずることは難しい」
https://hochi.news/articles/20220716-OHT1T51152.html
巨人のマット・アンドリース投手が先発したが、3回途中7安打6失点と試合を作れず2敗目を喫した。
初回は3者凡退に打ち取ったが、2回に長野に先制ソロを許すと、続く3回にも広島打線につかまった。森下から5連打を食らいノックアウト。2番手の戸根も流れを断ちきれず、この回一挙9点を失った。
原監督は「やっぱり現実にああいうことが起きるということがね。やっぱり我々は目を背けることはできないということですね」と序盤の大量得点を悔いた。また、2敗目を喫した助っ人右腕について話題が及ぶと「まあ、やっぱりなかなか論ずることは難しいんじゃないかな」と振り返った。