デイリースポーツ

Last-modified: 2022-05-07 (土) 17:15:34

神戸新聞社から発行されているスポーツ新聞。
別名「阪神タイガース広報紙」


歴史

関西のスポーツ新聞では最古参の1948年創刊。戦後、新聞用紙確保のために神戸新聞社が独立した夕刊紙発行の神港新聞社を作ったものの、同社に独立されてしまったので、今度はスポーツ新聞を出そうと企画されたのが始まり。なお、神港新聞社もスポーツ新聞のオールスポーツを創刊したものの、同社の経営難により、オールスポーツは朝日新聞と日刊スポーツの傘下に入って日刊スポーツ西日本版となった。なお神港新聞社自体は1968年で発行を停止している。

スタンス

阪神贔屓のスタンスと独特な言語センスから、数々の香ばしいネタ・用語を提供し続けている*1
1面の記事には必ずといっていいほどタイガースのペットマークである「虎」が添えられ、最早フリー素材であると言わんばかりに喜怒哀楽を万遍なく表現している*2。タイガースが勝つとデイリーの「ー」が虎の尻尾になるという小ネタも*3*4
この尻尾は、1999年より始められた。基本的に虎の尻尾だが、沖縄キャンプ用にシーサー、広島版用に鯉のぼり(詳細は広島版の段落参照)、高校野球用に金属バット、さらに他競技用にスケート靴、サッカーボールと足、相撲の軍配、将棋の王将駒などバリエーションに富んだ尻尾(?)が用意されている*5。大型連敗から脱出した時は、尻尾が大きくなる*6。2022年、阪神がセ・リーグ記録の開幕9連敗から脱出した時は、通常の10倍の面積はあろうかという特大尻尾で祝福した*7

30年以上にわたって「何があろうと阪神関連のポジ記事を(シーズン中は毎日、オフでも極力)一面に持ってくる」スタイルを貫いており、下図の例のように2010年サッカーW杯で日本代表勝利が各紙一面だったのに対し、デイリーだけは当時阪神に所属していた下柳剛の入籍が一面だったりするなど、とにかく阪神関連報道が最重要事項という姿勢を取っている。特に2020年に中国から世界へ流行した新型コロナウイルスの影響で野球含め各種スポーツが開幕延期となる中、一面の8割をデカデカと使い「猛虎クロスワード」と題したクロスワードを載せたり*8、しかもトレンド1位を取ったのでセルフでネタにする前代未聞の行為に出てまで阪神をネタにする程であり、トラキチのバイブルと称されるゆえんである。

ただし、例外もあり2017年6月27日付の一面は他紙と同様に、将棋の藤井聡太四段(当時)がプロ昇進後の公式戦28連勝記録に並んだ時は一面に持って来ている*9。2022年は阪神が開幕から極度の不振に陥っているためか阪神が一面に来ないことも多く、4月11日付の一面も前日に阪神戦が開催されたものの、完封負けしたためか、同日に行われたオリックス戦で完全試合を達成した佐々木朗希(ロッテ)の記事が一面になっている。星野仙一は楽天に近い立場のまま亡くなったが、星野の訃報は星野が阪神をセ・リーグ優勝に導いたことからトップ記事だった*10

その阪神中心のスタンスはオフシーズンでも揺らぐ事は一切なく、阪神が狙っている(とされる)FA権保持選手を「虎の恋人」「阪神入り確実」と煽り立てては、交渉決裂・他球団への入団決定などで「虎激怒!」あるいは「怒りの撤退」に至るという「お約束」を毎年のように繰り広げ*11、オフの間でもネタの供給に全力を尽くしている。その結果サンケイスポーツ関西と共に、阪神を12球団ダントツのお笑い球団と称される功績を残している
意外にも阪神以外の情報*12は割と信憑性があり*13、またサンスポ関西版と違って他球団の選手を落としてまでの阪神上げはしないため、なんJからの評価も低くはないとされている。

ただし、政治系の記事に関しては親会社がリベラル左派系であるのと、場合によっては蓮舫のミスをかわいいと評したりと時たま訳の分からない記事を出す為か右派の人達の評判はあまりよろしくない。

 

サンスポ関西とのライバル関係

長年タイガースを追いかけているだけあってどん語の翻訳にも定評があり、その精度は日本一と言われていた。
しかし最近はライバルのサンケイスポーツ関西(通称サンスポ)などによって阪神機関紙としての独占状態を崩されかけている。またネガティブな記事に関してはスポーツ報知の方が正確だったりすることもしばしばある。メンチコピペなどの元ネタがサンスポ発祥である事を知らない人も多くなってきているほか、「虎将」「虎総帥」*14に至ってはサンスポが使い始めた後にデイリーが追随するという「屈辱」も味わっている。
さらに失地回復を狙いデイリーが考案した「ジョー・バズーカ」も城島健司の故障・引退によって僅か1年足らずで実質的に廃止となるなど踏んだり蹴ったりな状況が続いていたのだが、サンスポに関しては2018年の西勇輝が絡んだFA絡みでのやらかしなどで地位が低下したため、何だかんだで阪神大本営機関紙の座は健在である。


阪神にこだわるデイリー

他のスポーツ紙と、同日のデイリー一面(画像右下)を比較すると違いは歴然である。

 

日本W杯カメルーン戦を1-0で勝利より下柳の結婚を重視*15



みずから「ブレないデイリー」を謳っており、公式Twitterでは「今日の一面」で数々の阪神一面を見ることができる。なお、阪神以外が一面に来た場合、一面の投稿自体がされない。
実は前述のように、プロ野球以外が一面に来ることはたまにある*16。しかし、ことプロ野球の記事になると、阪神以外の一面は稀である。しかも、阪神以外の一面は、前日に阪神戦が無かった日がほとんどであり、阪神戦を差し置いて他のプロ野球が一面になることは極めて稀である。
具体例として、広島は広島版が存在するためか、リーグ優勝時は関西版でも広島一面になることがある。また、2021年のオリックス優勝時は(前年に阪神から移籍した能見篤史の扱いが大きいという点こそあれど)、さしものデイリーも一面掲載となった。

デイリーが阪神以外のプロ野球を1面にする場合、阪神OB・関西・広島というとっかかりがある例がほとんどである*17。その点でも、ロッテ・佐々木朗希投手の完全試合一面は(敗れたとは言え、裏に阪神戦があったことも相まって)異例中の異例であった。
ただし、ニュースの重要度によっては関西版では阪神が一面であるものの、関東版は他の話題となることもたまにある。

主な阪神以外のプロ野球一面

日付一面内容阪神歴前日*18の阪神試合備考
2018年1月7日さよなら仙さん 闘将死す元中日他・星野仙一氏死去なし元中日・阪神・東北楽天監督。死去時は楽天球団の副会長だったが、一面写真は阪神監督時代の物
2018年4月25日鉄人衣笠氏急逝元広島東洋・衣笠祥雄氏死去×なし京都市出身
2018年9月27日緒方カープ三連覇広島のセ・リーグ優勝-なし
2018年11月4日新井さらば日本シリーズで広島敗退、新井貴浩現役最後の試合なし過去に阪神への在籍経験あり。
2019年3月22日イチロー引退大リーグ・マリナーズのイチロー引退*19×なしNPB時代は当時デイリースポーツ本社と同じ神戸を本拠地としていたオリックス・ブルーウェーブに在籍
2020年2月12日ノムさん ありがとう天国でもサッチーと幸せに元南海他・野村克也氏死去*20なし京都府出身で元南海・ヤクルト・阪神・東北楽天監督
2021年10月28日パも下克上 オリ優勝決定オリックスのパ・リーグ優勝-なし
2021年11月17日古葉氏 逝く さらば赤ヘル名将元広島他・古葉竹識氏死去×なし元広島・横浜大洋監督、現役時代の末期とコーチ生活の初期に南海に在籍していた
2021年11月21日逆転サヨナラ オリ先勝オリックス、サヨナラ勝ちで日本シリーズ先勝-なし関東版では競馬一面
2021年11月26日神様!! AJ様 九回代打V弾オリックス、アダム・ジョーンズの決勝本塁打で日本シリーズ2勝目×なし
2022年4月11日M朗希 完全試合千葉ロッテ・佐々木朗希投手の完全試合×広島版では広島一面
2022年4月18日M朗希 連続完全目前で降板ロッテ・佐々木朗、8回まで完全継続のまま降板(試合は北海道日本ハムの勝利×

広島版

「虎の広報紙」というスタンスではなく、広島東洋カープや地元の高校野球の話題を取り上げている。「ー」が虎の尻尾の代わりに、鯉のぼりの尻尾になっている演出もある*21。かつて福岡県主要駅で販売されていたデイリーもこちらの即売。現在山口県の西部でも売られている。

関東版

かつてはジャイアンツを一面にした時代もあった。しかし1980年代に、経費節減などの理由で関西と共通の紙面にしたところ、東京の阪神ファンの支持を得て、むしろ部数を伸ばすことに成功した*22
また近年ではモバゲーニュースの監督語録に写真を提供するなどDeNAにも好意的であり、ファンからは「神奈川新聞*23より、デイリーや(現在の大本営とされる)サンケイスポーツの方が頼れる」と概ね好評を博している模様。

格闘技メディアとして

格闘技情報全般にも強いがプロレスとの関係も深い。2000年代半ばのプロレス冬の時代に『週刊ファイト』や『週刊ゴング』といった老舗メディアが消えたこともあり、今や東京スポーツや「週刊プロレス」などと並んで昭和時代から続く貴重なプロレスメディアである。特に全日本女子プロレス創生期から後援していた事もあってか必ず試合結果が掲載されていたほどで「朝のデイリー・夕方の東スポ」として格闘技ファンからの根強い支持も存在する。


関連項目


*1 2019年においては4月19日にルーキーの木浪聖也菅野智之から3ランを打ち、7回途中3失点で降板したことを菅野KOと記載、まるで阪神が勝ったように描かれた。なお4-12でボロ負けしたため案の定ネタにされた。しかし翌月、木浪の本塁打などもあり菅野から10点を奪い本当にKOしている。
*2 虎の恋人関連なら虎の目がハートだったり虎激怒!の場合は怒っていたりするが、当然のことながら阪神タイガース公式のペットマークにそのような表情は存在しない。
*3 Yahoo!ニュースに記事を提供した際の提供元ロゴも長音符が虎の尻尾になったバージョン。
*4 阪神優勝翌日は虎の尻尾が金色になった。
*5 マイ大阪ガス「トラのしっぽや〇〇に化ける!? デイリースポーツのロゴの怪
*6 『デイリースポーツ』「「アメトーーク!」でも話題!デイリースポーツ題字の謎に迫る
*7 『デイリースポーツ』Twitter https://twitter.com/Daily_Online/status/1511485532617916420
*8 2020年4月9日付。ちなみに他紙では報知(原辰徳のメッセージ)除き12日に阪神競馬場で行われた桜花賞に関するネタが殆どであった(一応デイリーもちゃっかり当該記事の右上に小さく見出しを付けている)。
*9 ただし、29連勝の新記録更新翌日は阪神一面であった。
*10 一方、2020年1月17日に高木守道が死去した際、翌日の関西の他紙一面は高木の訃報だったのに対しデイリーのみは復活を期す藤浪晋太郎の自主トレを一面に持って来ている。
*11 要するに飛ばし記事である。そのためデイリーの精度が一番悪い球団は阪神というオチになっている。
*12 阪神は飛ばしやネタ記事だらけだが、他球団も絡む場合は正確である。
*13 浅村栄斗のオリックス拒否、当時オリックスだった西勇輝のFA動向等。また、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督とソフトバンクの王貞治球団会長の現役時代のアベックホームラン・通称「ON砲」の名付け親でもある。
*14 それぞれ「阪神監督」「阪神球団オーナー」のこと。「虎将」は中国語では「勇将」「猛将」を意味し、新の王莽が、9人の将軍を「九虎将軍」に任命して反乱鎮圧に向かわせた(なお敗れた模様)故事や、前漢代に設けられた皇帝の親衛隊を「虎賁(虎のように勇猛という意味)」と名付けた故事に由来するという。日本でも稀に用例があるが、現代日本語では、阪神タイガース監督を指す以外の用法はほとんどない。ただ、カードゲーム『遊戯王』シリーズには「氷結界の虎将」という分類があり、「氷結界」の中でも強いモンスターを指して使われている。
*15 出典は『マツコ・有吉の怒り新党』より「新三大デイリースポーツのブレない一面記事」。残り2つは「なでしこJAPANがW杯優勝→阪神勝利、ブラゼルが決勝打」と「民主党が政権奪還→鳥谷敬が巨人戦で決勝HR」。
*16 主に競馬の一部G1レースなど。その場合は阪神記事が最終面になることが多い。また2020年日本シリーズの日本一決定の翌日となった11月26日付は、ソフトバンクでは無く、阪神でも無く、競馬のジャパンカップが一面だった。
*17 とはいえ、デイリーに限らないが、在阪メディアはパ・リーグが3球団(近鉄、南海、阪急)があった当時から、よほどのことがなければパ球団を特集せず、阪神を優先する傾向にある。こうした冷遇の影響で、関西のパ球団ファンは(関東のアンチ巨人と同様に)アンチ阪神が少なくない。その逆もまた然りで阪神ファンは元々アンチパ・リーグの傾向も強かったが交流戦が開始されるとさらに顕著になっている。
*18 新聞掲載されるのは、基本的に前日の試合であるため。
*19 デイリーを差し置いて東京中日スポーツの早版(一部地域にのみ、最新版ではないものが配達される)で高橋周平が一面になる珍事が発生し、物笑いの種になる事態が発生した。
*20 ちなみにスポーツニッポン大阪版では野村氏の訃報は最終面となり一面は近本になっていた。これは野村氏が阪神監督時代にスポニチで連日批判記事を載せるなど確執があったからと思われ記事の中で当時の記者が阪神球団を出禁にされてた事を明かしている。
*21 かつては中四国で分社化されていた他、広島大本営である中国新聞に印刷を委託、広島版専用スマホアプリもあるなど、独自色が強い。ちなみに中国新聞がかつてスポーツ紙を発行したことはあるものの、1年足らずで廃刊になった。
*22 『週刊ポスト』2015年10月16・23日合併号より抜粋「「地球が反対に回っても一面は阪神」とデイリーの元編集局長 2015.10.09 07:00
*23 地元神奈川が拠点の地方新聞。かつては「ベイスターズの大本営」といえばこの新聞のことを指す人が多かった。しかし、2002年にベイスターズの親会社がマルハニチロからTBSに交代したころから徐々に関係が悪化。2008年の三浦大輔FA時の記事などから徐々に飛ばし疑惑が出始め、2012年に親会社がDeNAに交代してからは更にエスカレート。やくみつるが(会社としての)DeNAを批判しファン休止宣言をしたにも関わらず、彼の連載を継続させる、オフシーズンにはほぼ必ずと言っていいほど歴代監督に対する批判記事を連載する(しかしこれ自体も後付けが多く、ファンから不評気味)などの失態を晒し続けたため、すっかり大本営扱いではなくなっている。