2018年、中島卓也(日本ハム)がチームメイトの石井一成に発したとされるコメント。
石井一久(元楽天監督)や石井琢朗(元大洋/横浜→広島)とは関係無い。
概要
2018年の日本ハムは大谷翔平がMLBのエンゼルスに移籍、増井浩俊・大野奨太がFAでそれぞれオリックスと中日へ移籍するなど、主力選手が抜けて苦しい戦いになると予想されていた。しかしシーズンが始まると、中島らスタメン主力が中心となって勝利に貢献し、若手や新助っ人たちの活躍もあり、一時は首位の西武とはゲーム差なしまで迫り首位争いに食い込んでいた。
石井内野手、痛恨のミス・そして中島の苦言
首位攻防戦となる8月3日の西武戦(メットライフドーム)で、石井は7回裏1点リードの場面から杉谷拳士の守備固めとして二塁手で出場するも、その石井が悪送球による逆転タイムリーエラーを犯してしまい試合はそのまま敗戦。これが日本ハムV逸の決定打となったのか、8月以降は投打の歯車が狂い、最終的にはソフトバンクにも追い抜かれて3位でシーズンを終えた。
そのシーズンオフ、道新スポーツ*1の一面で中島の発言として以下の記事が載せられた。
あのミスで優勝できなかった。あいつ(石井)には悪いけど、それぐらいのプレー。途中から出る難しさとかも分かったと思う。次に生かせるようにはしないといけない。
この頃の石井は打撃も守備もイマイチであったため、日本ハムファンも「V逸の戦犯は石井(とトンキン)」と考えており、この発言は妥当なものとされていたが…。
その後
2019年の日本ハムは7月に16勝6敗と大きく勝ち越しており、首位・ソフトバンクとのゲーム差も0.5にまで縮まっていた。
課題だった二塁手には、前年の終盤に存在感を見せていた渡邉諒(現阪神)が定着、田中賢介の引退表明や太田賢吾のトレード*2もあってその地位を盤石なものとしていた。一方で遊撃手には打撃が好調な石井のスタメン起用が増え、中島はベンチスタートが多くなっていた。
7月28日の西武戦(メットライフドーム)で9回表に抑えの増田達至から近藤健介が起死回生の同点3ランを放って7-7と追い付き延長戦へ。
しかし守備固めとして石井の代わりに遊撃に入った中島が、10回裏一死1塁の場面で秋山翔吾が放った併殺コースのゴロをまさかの後逸。さらにボールが外野を転々とする間に1塁走者の木村文紀が一気に生還、日本ハムはサヨナラ負けを喫した。
このサヨナラ負けが
- 「メラドでの西武戦」
- 「夏場の首位攻防戦」
- 「マウンドには宮西尚生*3」
- 「守備固めに送った選手がエラー」
- 「そのエラーが敗因になる」
と先述の石井を彷彿とさせた上、後逸したあとの打球の追い方が怠慢に見えたことや、前年の道スポでの発言も蒸し返されたことで、ファンのヘイトを一気に集めることになった。
さらに3日後の8月1日、対楽天戦で1-2とリードされた場面の5回裏に出塁、2塁まで進んだ中島が次打者・大田泰示の打席で牽制で飛び出してタッチアウト。その後、大田がヒットを打ったためもし中島が走塁死しなければ同点の可能性が高かったので、今までのことを棚にあげより一層怒りを買うハメになったのである。
自力V消滅
これが引き金になったのか、快進撃の7月とは一転して8月は5勝20敗1分*4と大きく負け越して超が付くほどの大失速。結局8月12日の敗戦で自力優勝が消滅した上、7月末に0.5ゲーム差の2位だったチームが僅か1ヶ月間で単独最下位に沈んでしまった。
この失速が7月28日の中島の怠慢守備の試合の後に起こったことから、怒りの矛先を都合よく中島に向ける者も多い。
ただし、直接的な大失速の原因としては
- 守備難の清宮幸太郎・王柏融・近藤の3人を常時守備に就かせたことによる守備崩壊
- 打の不調*5、更に開幕からショートスターターに頼らざるを得ない先発投手事情の厳しさ*6のしわ寄せが来たこと*7
- ホームでの勝率が悪すぎた*8こと
などが挙げられている。
その後もチームは調子が上向く事はなく、9月14日に優勝の可能性が完全消滅。また9月22日にCS進出の可能性も消滅しBクラスが決定、最終的には5位でシーズンを終えた。