有原式FA

Last-modified: 2026-03-24 (火) 17:09:00

有原航平の日本ハムからソフトバンクへの移籍の顛末のこと。


概要

有原は日本ハムに在籍していた2020年オフ、ポスティング制度を利用してのメジャー挑戦を表明。2015年に新人王、2019年に最多勝のタイトルを獲得していたとはいえ、NPBで圧倒的な成績を記録していたとは言い難い*1有原をポスティングで放出することに疑問を呈する者も少なくなかったが、1億5000万円という比較的安価な譲渡金でテキサス・レンジャーズに移籍した*2
渡米1年目の2021年、有原は開幕当初は好投するも5月に右肩動脈瘤が判明し手術。その後復帰するもメジャーでもマイナーでも打ち込まれてしまう。
翌2022年はマイナーでスタート。途中メジャー昇格し勝ち星を上げるも、のちの登板では4回途中11失点と打ち込まれ、オフにFAで放出。結局、MLBでの通算成績は15登板で3勝5敗、防御率7.57という結果に終わった。
その後、NPBにおいて巨人・阪神の2球団が獲得に動いていると報道があった中、2023年1月10日にこのオフ補強を活発に行っていたソフトバンクと3年12億円で契約した。

一連の流れについて

有原のソフトバンク入団はルール上問題ない行為だが、

  • 本来であれば国内FA権すら取得していない実働年数ながら、海外移籍を挟むことによりNPB他球団へ移籍*3
  • メジャーで実績を残せていないにもかかわらず、日本ハム時代はおろかTEX在籍時よりも大幅に年俸上昇*4
  • あくまで「日本ハムが自由契約にした選手」という扱いのため、ソフトバンクから日本ハムに対する補償なども発生しない。

以上を実現させたことで、一連の流れが「有原式FA」と言われるようになった。
また、下記のような経緯のため心情的に許せないファンも多い。

  • 在籍期間が(大卒とはいえ)わずか6年間、譲渡金も安価であり日本ハムに大きな利益を残していないこと。
  • メジャー挑戦前に綴った手記日本ハムへの愛着*5とメジャーで戦っていく覚悟を語っていたこと。
  • メジャーでは活躍ができずわずか2年でNPBに復帰するも、ポスティングを容認した古巣の日本ハムではなく同一リーグの他球団に移籍したこと*6
  • ソフトバンクの入団会見で「この強いチームでやりたいと思った」と発言したこと。
  • 同時期に古巣でNPB復帰した澤村拓一*7、マイナーから再昇格を目指し続けた筒香嘉智を引き合いに、「MLBで挑戦し続けるか古巣に復帰するのが筋」というムードが醸成されていたこと。

まさかの古巣復帰

3年契約を終えた2025年オフ、有原にメジャー再挑戦の意思があることが各紙で報じられる。
ソフトバンクはポスティングを認めておらず、海外FA権も未取得であることから球団の判断が注目されたが、契約満了時に自由契約になる条項を有原側が盛り込んでいたことが判明。制約なく移籍できる立場を再び手に入れる。

だが、その後もメジャー移籍にあたっての具体的な動きはないまま、12月に入り日本ハムが獲得に動いていると報じられ*8、28日に入団を正式発表。
古巣復帰とはいえ、「メジャー移籍を理由に自由契約となり補償を発生させず移籍」という流れを複数回にわたり実行した有原は、無敵の人的な扱いを受けるに至った。


過去の例

「ポスティング移籍からのNPB復帰に際し、古巣からのオファーを蹴って古巣以外の球団に入団する」というルート自体は、有原以前にも井川慶*9西岡剛*10牧田和久*11の3例が存在しており、当時のなんJでもルールや本人の選択に疑問を呈する意見は散見されていた。

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132 : 風吹けば名無し : 2012/11/19(月) 13:10:22.28 ID:TRZL2l/X
でも海外FAは一年じゃ保有権あるのに
ポスティングは契約破棄して戻ってくるの自由っておかしなシステムだよな
 
148 : 風吹けば名無し : 2012/11/19(月) 13:13:04.12 ID:YcbAExKB
あれだけロッテ愛とか言っておいて結局は金か
西岡の畜生度は相当なもんやで

特に牧田に関しては西武が譲渡金を半額に下げてまでメジャー移籍を後押ししていたにもかかわらずたった2年間で同一リーグ球団に流出したためなんJ外でも非難が見られたが、当時は西武と楽天の関係そのものがよりネタにされていたこともあり、有原ほどの騒動にはならなかった。


有原式FAの再来

2023年オフ、日本ハムの上沢直之がポスティングでメジャーに挑戦。マイナー契約でレイズに入団したのちレッドソックスでメジャーデビューも果たしたが、わずか2登板でマイナー落ちし、肘の故障もあってそのままシーズン終了となった。
2024年オフには再渡米と日本復帰の両面で検討するとされていたが、12月16日にはかねてよりオファーしていたソフトバンクが上沢と基本合意したことが各紙で報じられ、18日に正式発表*12。移籍の経緯が有原と共通しており、しかも有原より短いたった1年での他球団移籍となったことには、「有原式FAの再来」「上沢式FAにアップデート」などと揶揄する声が相次いだ。

また、以下の事情から有原以上に嫌悪感を示すファンも少なからずいた。

今後のポスティングへの影響

有原や上沢を景気良く叩く大義名分として批判する理由として主に挙げられるのが、「ポスティングへの不寛容化への懸念」である。時系列的にはほぼ関係ないとはいえ、海外FA権を行使しニューヨーク・メッツに移籍した千賀滉大の事例*15など不寛容な事例は存在しており、今後の動向に影響があると考えられる。

関連項目

Tag: ソフトバンク 日ハム 絶許


*1 2020年終了時点での通算成績は60勝50敗、防御率3.74。ただし大卒6年目での60勝は菅野智之則本昂大以来の数字であり、NPB基準では十分一流と言える成績であることには留意すべきである。
*2 同年オフはコロナ禍の影響もあり、多くのMLB球団がポスティング市場での大型契約に消極的だった。同時期には菅野智之西川遥輝もポスティングを認められていたが、条件が渋すぎて挑戦を断念している。
*3 国内FA権取得のためには大卒の場合一軍の登録日数が累計7年必要。有原はソフトバンク時代の2024年に取得している。
*4 日本ハム時代の最高年俸は2020年の1億4500万円、TEX時代は2年総額620万ドル(約6億8000万円)だった。
*5 ただし2022年の日本ハムは、有原の知る(2020年シーズン終了時の)日本ハムとは大きく様変わりしていることも事実である。
*6 なお、条件等は不明だが日本ハムも有原にオファーを出していたことが判明している。
*7 巨人からトレードされて数ヶ月間のみの在籍であったが、渡米前のロッテに復帰。さらに澤村の場合はポスティングではなく自らの海外FA権による移籍である。
*8 10月の段階では巨人が積極的に獲得調査をしていたが、徐々にトーンダウンする形となっていた。
*9 阪神からポスティング移籍し、日本復帰の際も阪神(と楽天)が手を挙げたが、阪神時代の監督であった岡田彰布の交渉もあってオリックスに入団。
*10 ロッテからポスティング移籍し、日本復帰の際もロッテ(とオリックス)が手を挙げたが、好条件を提示した阪神に入団。
*11 国内FA権取得のタイミングで西武からポスティング移籍し、日本復帰の際も西武(と阪神)が手を挙げたが、好条件を提示した楽天に入団。
*12 翌年、日本ハムなど複数球団がオファーを出しており、ソフトバンクが複数年契約を提示してきたことが決め手になったと本人の手記で明かしている。
*13 6250ドル。次点は大塚晶文の30万ドルであり、NPBからのポスティング移籍ではぶっちぎりの最安値であった。このことから、「92万」はそのまま上沢の蔑称となっている。なお翌年オフに青柳晃洋がマイナー契約で移籍した際の譲渡金がさらに下回っていると報じられたが、金額非公開のため実際のところは不明。
*14 この通訳は後に日本ハムに復帰した。
*15 「球団はもっとポスティングに寛容になってほしい」という趣旨の意見を述べていた。FA権は選手が自らの意思で行使できる権利であるのに対し、ポスティングはあくまで球団が認める権利である。千賀はかねてよりメジャー挑戦の意向を球団に伝えていたがフロントはそれを許さず、海外FA権の取得を待つことになった。但しソフトバンクはこの騒動より前からポスティングを認めていない。