石井一久が東北楽天ゴールデンイーグルスのゼネラルマネージャーに就任してからのチームの別称。
サンドウィッチマンの伊達みきお*1が、2019年シーズン前の新ユニフォーム発表会にて発した言葉が由来となっている。
概要
2018年オフ
2018年8月に石井が楽天のGMに就任すると、最初のストーブリーグではいきなりソフトバンクとの争奪戦を制して、浅村栄斗を獲得する働きを見せる。その他にも同年最下位に沈んだチームを立て直すべく、コーチ人事も大きくテコ入れすることとなった。
しかし、新しく入閣したコーチが西武に選手として、もしくはコーチとして在籍経験がある面々ばかりであったため、浅村獲得と併せて「石井は西武から戦力を引き抜くつもりなのでは」という噂が立ち始める。
2019年オフ
前述の補強などが功を奏して前年最下位から3位にチームの順位を上げることに成功。
しかし、平石洋介監督との監督契約を更新しないことを皮切りに再びチームの人事にテコを入れることになる。そして、またも新しく入閣したコーチが西武在籍経験がある面々ばかり。
戦力補強でもMLB帰りで他球団との争奪戦となった牧田和久を獲得したうえ、ロッテから金銭トレードで涌井秀章を獲得。結果、かつての2008年の日本一当時の西武の2枚看板である涌井と岸孝之が共に楽天で揃うという事態になった。
2020年~2022年
2020年は浅村が本塁打王、涌井が最多勝、牧田も中継ぎの軸としてフル回転、岸はシーズン後半に調子を上げて無傷の7勝を挙げるなど元西武組の面々が大活躍して石井GMの補強の手腕が評価されるものの接戦での弱さ、特にリーグ最多の逆転負けの多さを記録したリリーフの弱さを克服できずに前述の選手たちの活躍も虚しく4位に終わる。
2020年オフには石井がGM兼任で監督に就任。西武からの戦力補強は鳴りを潜めたかと思われたが、2021年7月には巨人から炭谷銀仁朗を金銭トレードで獲得。このトレードが明らかになった際にはこれまでの補強を踏まえてTwitterで「楽天ライオンズ」がトレンド入りすることとなった。
なお炭谷は岸の西武時代最後の登板時(2016年)にバッテリーを組んでおり、その試合でのヒーローインタビューで「今年は岸さんと組むことはこれが最後ですけど、来年以降も組ませていただければなと思います」と発言していた。岸は炭谷の想いも虚しくFAで楽天に移籍してしまったが、2021年7月8日の試合で再びバッテリーを組んで5年越しに想いを実現させた。
また、炭谷は6月3日(当時巨人在籍)に自身の人的補償である内海哲也との初対戦*2で初球ホームランを放っていたが、7月11日の西武戦でも佐々木健から3ランホームラン。「1シーズン中にセ・パ2球団でホームラン*3を古巣西武から放つ*4」という珍記録を残した。
ただ2021年は3位、2022年は4位とチーム成績は今一つ伸び悩み、同年オフに石井はGMを退任。その影響か補強そのものが鳴りをひそめ、石井が獲得した元西武の選手も浅村以外は2023年までに戦力外またはトレードとなった。
石井GM時代に在籍した楽天の元西武組
太字は現在在籍中の人物。2018年以前および2023年以降に在籍した選手は含まない。入団年度順に記載する。
選手
選手名 | 西武在籍年 | 入団経緯 | 備考 |
---|---|---|---|
岸孝之 | 2007~2016 | FA移籍 | |
渡辺直人*5 | 2013~2017 | 戦力外より獲得 | 2020年限りで引退 現在はコーチとして在籍 |
浅村栄斗 | 2009~2018 | FA移籍 | |
涌井秀章 | 2005~2013 | ロッテへFA移籍 →金銭トレードで獲得 | 2022年オフに中日へトレード |
牧田和久 | 2011~2017 | MLBへポスティング移籍 →自由契約より獲得 | 2021年限りで戦力外*6 |
炭谷銀仁朗 | 2006~2018 | 巨人へFA移籍 →金銭トレードで獲得 | 2023年限りで戦力外 その後西武へ復帰 |
コーチ
選手名 | 西武在籍年 (コーチ登録年) | 備考 |
---|---|---|
森山良二 | 1987~1992 (1998~2007) | 2019年限りで契約満了・退団 |
金森栄治 | 1982~1988 (2001~2002) | 2022年限りで契約満了・退団 |
光山英和 | (2011~2013) | 2022年限りで自主退団 |
笘篠誠治 | 1983~1997 (1998~2007) | 2020年限りで契約解除・退団 |
後藤武敏 | 2003~2011 | |
石井貴 | 1994~2007 (2008~2013) | |
奈良原浩 | 1991~1997 (2012~2016) | 2023年限りで自主退団 |
星孝典 | 2011~2016・2019*7 (2017~2019) | 2022年限りで契約満了・退団 |
垣内哲也 | 1989~2002 | 2022年限りで契約満了・退団 |
立花義家 | 1977~1991 (2004~2007) | 2022年限りで契約満了・退団 |
背景?
石井は選手時代の2007年オフにFAでヤクルトから西武へ移籍したが「新しい友達を作りたかった」という頓珍漢な理由であったため、石井のキャラを表すエピソードとしてネタにされていた。
しかし今では楽天の現状から「この時の為の伏線だったのではないか」と西武ファンを震え上がらせている。
なお石井本人はこの事に対し「別に西武だから取ってるわけじゃないので。正しく言うと(涌井は)ロッテなので」と話している。
備考
- 上記の通り石井GMが西武出身者中心に編成強化を図っていたことはもはや疑いようがないものの、選手のうち西武から直接獲得したのは浅村栄斗だけ*8であり、「石井が西武から主力を次々に強奪した」という風説は事実とは程遠いため、注意が必要である。
- コーチに関しては石井のもう一つの古巣であるヤクルトからの入閣者も多くを占めており、雄平など元生え抜き選手も複数引き入れている。こちらは「楽天スワローズ」ではなく球団名をもじった「ヤク天」などと呼ばれることが多い。
なお楽天黎明期に遡ると、2代目監督がヤクルトを優勝に導いた野村克也である。 - 2020年のオフには「○○様」と書かれた選手タオルをオンラインショップ限定で販売したが、その際の画像は浅村・涌井・岸と、なぜか全員西武出身の選手であった。
- 2020年のパ・リーグベストナインのベストDHに、西武一筋の栗山巧が選ばれたが、NPBの公式Twitterに栗山巧(E)と誤植された。
- 2021年のキャンプでは、ついに石井が「ほぼ西武だね」と
事実を述べたジョークを飛ばしたことがニュースになった。
関連項目
Tag: 楽天