死ね柳事件

Last-modified: 2024-04-02 (火) 01:58:29

2008年4月23日の中日vsソフトバンク(二軍戦)における出来事。

下柳剛氏及び柳裕也投手(中日)とは一切関係ない

解説

事件当日

中日は4回にノーアウト満塁のチャンスを作るも、打席に立った堂上剛裕は空振り三振に倒れる。2軍打撃コーチの高柳秀樹は激怒し、堂上に説教を展開する。その過程で発した言葉が下記である。

ここで出塁できないようならば、死ね!!

明白な暴言であり、横で聞いていた森岡良介が激昂。高柳に対し「僕達だって一生懸命にやっているんですよ。 それを選手に向かって“死ね!!”なんてひどくないですか!?」と抗議したところ、高柳は「何だと!それが目上に対して言うことか!」と逆ギレ。中日ベンチは一触即発の事態に陥る。
居合わせた他の選手・コーチ陣が仲裁に入りそれ以上の事態には進展しなかったが、一連の展開に観客達は凍りついた。


翌日

翌日に行われた二軍ミーティングで、辻発彦(当時の二軍監督)が前日の事件について下記の訓示を述べる。

・社会人として暴言を吐くことはあってはならない
・これが会社ならクビだ*1
・上司に逆らうようなことは何があっても許されない

森岡への一方的な非難に加え高柳を完全擁護する内容であり、処分についても森岡に対しては造反行為を行った罰として1週間の練習参加禁止を科す一方で、高柳はお咎めなしであった。


反応

一般社会において主流である「上司が間違っている場合は当然指摘すべきだし、場合によっては逆らうのもやむなし」という認識から乖離した、時代錯誤かつ体育会系的な裁定を下した中日球団に世間は呆れ果てる。高柳に対しては本事件を象徴する「死ね」発言から「死ね柳」という蔑称が名付けられた。

高柳の処分について「高柳コーチは口が悪くて、これまでも選手を傷つけるような事をたびたび言ってきた。そういったことの積み重ねが今回の出来事を引き起こした」「確かに、辻監督の言うことももっともだけど暴言を吐いたのはあくまでも高柳コーチの方。(暴言を吐く事があってはならないと言っておきながら、暴言を吐いていない)森岡だけが処分されるのは腑に落ちない」などとコメントした。(誰が?)

高柳が擁護された仮説として「高柳(及び辻)は中日の外様であったため、外様を重用した落合博満の庇護を受けていた」が挙げられるが定かではない。結果的に高柳を処断しなかった落合の評価を下げる一因となった*2


事件後の両者の経歴

  • 森岡は本事件が遠因となったためか同年オフに戦力外通告を受け、ヤクルトへ移籍。ユーティリティプレイヤーとして活躍し、2016年まで同球団で現役を続けた。
  • 高柳は落合の監督在任中(~2011)は一貫して中日コーチの地位を守り抜き、落合の監督辞任とともに契約終了。2013年オフ、落合のGM就任に伴いコーチに復帰。2017年までコーチを務め2019年に契約満了で退団。

関連項目


*1 上述の通り、暴言を吐いたのは森岡ではなく高柳であるため、本発言と1つ前の発言に則ればクビになる(もしくは減給、降格、左遷など何らかの処分を受ける)のは高柳の方である。
*2 体育会系に否定的な落合のスタンスと真逆の結果に終わったことも低評価を助長している。