2022年~2023年シーズンにおける福岡ソフトバンクホークスのシーズン恒例イベント「鷹の祭典」の惨状を揶揄した言葉。
概要
鷹の祭典は夏休みシーズンのホークス主催試合において毎年数試合設定され、対象試合ではホークスチーム全員が専用の特別ユニフォームを着用し、来場者にも同デザインのレプリカユニフォームが配布されるという一体型のイベントである。ダイエー時代の最終年である2004年からソフトバンクへ移行し現在に至るまで、年々規模を拡大しつつ恒例行事として行われている*1。
しかし、この鷹の祭典では、2019年までは負け越しは過去に4回(2006年・08年・16年・18年)のみとトータルではそれなりの勝率をマークしている一方、例年馬鹿試合が発生*2しやすく、「馬鹿の祭典」と呼ばれることもあった*3。しかし、2020年に2勝5敗1分と大きく負け越すと、8シーズンぶりのBクラスとなり工藤公康政権最終年となった2021年シーズンにおいても4勝5敗で負け越し。初めて2年連続での負け越しとなっていた状況であった。
そして藤本博史を新監督として迎えた2022年シーズンのソフトバンクは開幕から上位につけ、西武・楽天などと熾烈な首位争いを展開していた。しかし鷹の祭典の試合では何故か全く勝てず、最終的には歴代ワーストとなる1勝8敗、勝率.111という絶望的な成績をたたき出したことから「鷹の災典」と呼ばれるようになった。
このため2023年シーズンは鷹の祭典ユニフォーム出荷前に「必勝祈願」と称したお祓いをするという事態になったが、それでも鷹の祭典で勝てない状態は続き、開幕から8戦全敗(前年を含めると11連敗)と大苦戦。この惨状に、各種メディアも「鷹の災典」をたびたび取り上げる事態となった。最終戦で辛くも勝利したが、結局前年と同じ1勝8敗、勝率.111という散々な成績で終了した。
試合結果一覧
※全てソフトバンクの主催試合のため、スコアは「ソフトバンク-相手」の形で表記する。
2022年
開催日 | 球場 | スコア | 対戦 チーム | 試合概要 |
---|---|---|---|---|
6/27 | 東京ドーム | 1-8 | ロッテ | 先発の大竹耕太郎*4が4回につかまり4失点、救援陣も終盤に再び打たれる。 打線は相手先発・ロメロを前に7回まで無得点、8回に1点を返すのが精一杯で大敗。 |
7/8 | 福岡PayPay ドーム | 2-4 | 日本ハム | 初回に失点するも追いつき延長に突入するが、10回表に津森宥紀が石井一成に2ランを浴びそのまま敗戦。 |
7/9 | 2-7 | 初回に相手先発・伊藤大海から2点を奪うが結局得点はこれだけ、8回まで投げ切られた上に投手陣も3被本塁打で逆転負け。 | ||
7/10 | 0-2 | 投手戦になるも6回に2失点、そのまま相手の小刻みな継投策の前に完封負け。先発・石川柊太はムエンゴに泣いた。 | ||
7/12 | 2-4 | オリックス | 序盤からじわじわと加点され、中盤に反撃するも追いつかず敗戦。 | |
7/13 | 4-2 | 先発・千賀滉大が好投、打線も序盤に点を取り快勝。同年の鷹の祭典では唯一の勝利。 | ||
7/14 | 2-3 | 7回に2点差を追いつくも、直後に2番手・森唯斗が紅林弘太郎から被弾しそのまま敗戦。 | ||
7/20 | 北九州市民球場 | 3-17 | 楽天 | 初回だけで6点を失うなどワンサイドゲームとなり惨敗。詳細はこちら。 |
8/29 | 京セラドーム大阪 | 2-3 | ロッテ | 新型コロナウイルスによる離脱者が続出しほぼ筑後軍状態ながらこの試合までは好調だった*5。この試合ではプロ初先発の奥村政稔が5回1失点と好投し、打線も先制された直後に逆転に成功するも追加点は奪えず、中継ぎが打ち込まれ逆転負け。 |
2023年
開催日 | 球場 | スコア | 対戦 チーム | 試合概要 |
---|---|---|---|---|
6/26 | 東京ドーム | 1-3 | 楽天 | 序盤から小刻みに得点され、反撃も柳田のソロで1点を返すのみで敗戦*6。 |
7/10 | 京セラドーム大阪 | 1-2 | 西武 | 投手戦となり1回と5回に1失点、6回に1点を返し最終回を迎え、1死1・3塁の絶好機を作るも犠飛すらできず敗戦*7。 |
7/12 | 北九州市民球場 | 2-4 | 1回と2回に得点するが、どちらも走塁死により1点しか取れず。5回に同点に追いつかれると6・7回にも追加点を取られ逆転負け。 | |
7/15 | 福岡PayPayドーム | 2-3 | オリックス | 投手戦となり最終回に1点を返しなおも2死1・2塁の状況を作るが、代打・川瀬晃の打球は不運にも一塁正面への当たりとなりゲームセット。 |
7/16 | 1-2 | 連日の投手戦に。同点のまま延長戦に突入するも、10回表にセデーニョに勝ち越し弾を浴びそのまま敗戦。 | ||
7/17 | 0-3 | 3度投手戦になるも、6回に先発のスチュワートJr.がセデーニョに痛恨の3ランを被弾。攻撃では2塁を踏むこともできず完封負け。この敗戦により引き分け無しの9連敗となった*8。 | ||
7/28 | 5-8 | ロッテ | 先発の東浜巨が初回に5失点。その後3回までに打線が1点差まで追い上げるも、4回表に2番手・椎野新が角中勝也に3ランを浴びて万事休す。その後さらに1点を返したが追い付けず敗戦。 | |
7/29 | 1-4 | 初回にいきなり無死満塁のチャンスを作るも無得点に終わるなど、相手打線を上回る9安打ながら1得点止まりの拙攻。和田康士朗にNPB初ホームランを献上するなど失点を重ねて力負け。 | ||
7/30 | 6-5 | 今宮健太・甲斐拓也のHRなどで5点ビハインドを追い付くと、延長11回裏に相手6番手・澤村拓一から周東佑京がサヨナラヒットを放って勝利。鷹の祭典最終日にしてようやく初白星。 |
名称変更へ
以上の惨状からネガティブなイメージが定着してしまったこのイベントだったが、2023年オフ、球団は悪いイメージの払拭を図るかのように2024年の「鷹の祭典」から名称と内容の変更を予定していると発表。
同年から「鷹祭 SUMMER BOOST」へ名称変更され、試合数も9試合から6試合に減り、この年は5勝1敗と大幅勝ち越しを決め、改名の効果はあった模様。
また、例年鷹の祭典で開催していた京セラドーム大阪と東京ドームでの開催はその前身である「白のキセキ」というイベントを復活させることとなった。こちらは福岡開催を含めた3試合で2勝1分と危なげなく終えられている。