GG

Last-modified: 2024-01-01 (月) 06:23:56
  1. 「ゴールデングラブ賞」*1の略。守備に定評のある選手をプロ野球記者の投票で選出する賞。
  2. ジェレミー・ゴンザレス(元巨人)の登録名。同時期に在籍したジェレミー・パウエル*2およびルイス・ゴンザレスと被らないよう考案された。
  3. G.G.佐藤*3(本名:佐藤隆彦、独立リーグ、元西武→ロッテ)のこと。
  4. 簡単そうな打球のエラーを指す用語。

1.と4.は正反対の意味であるため使用する際は注意。
本項では4.を解説する。


概要

2008年、同シーズン好調のG.G.佐藤(当時西武)は同年の北京オリンピックの野球日本代表メンバーに選出される。
しかし五輪が始まると、佐藤は守り慣れない左翼手*4での起用となり、

  • レフト前のゴロを後逸、フェンス際のフライを落球(準決勝・対韓国戦)
  • 平凡なフライを落球(3位決定戦・対アメリカ戦)

失点に繋がる痛恨のミスを連発。両試合の敗戦およびメダルを逃す決定打となり、五輪敗退後にファンやメディアから佐藤は「北京五輪の戦犯」と認定され、佐藤へのバッシングが相次いだ。

以降、佐藤自身がエラーの代名詞として扱われたことから、登録名から「GG」が誕生。エラーを犯した選手、特にフライを落球した外野手に対し「GG○○wwwwwwww」と選手名を当てはめて書き込まれるようになった*5


画像

gg.jpg
手前がG.G.佐藤。奥は青木宣親


AA

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余談

  • 北京入り前の壮行会で「体は北京へ行きますが、魂は西武ドームに置いていきます」と発言しており、体は北京に行ったが魂は埼玉に置き去りにされた(抜け殻宣言)とネタにされる。
  • 準決勝の対戦相手であった韓国は佐藤のプレーを一因として決勝進出を決め、勢いそのままに金メダルを獲得したため現地では佐藤が英雄扱いされている。また、これが由来かは不明だが、彼の決め台詞「キモティー!」が現地で一時期流行語となっている。
  • 現役晩年のロッテ時代にて一塁守備ながら、北京五輪で日本代表の監督を務めた星野仙一(当時楽天監督)の目の前でイージーフライを落球している。


本人の回想

ロッテ退団後の2015年秋にテレビ番組『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演し、当時の3失策について自ら語った。

詳細

GG佐藤、北京五輪での落球原因は…
https://www.daily.co.jp/newsflash/baseball/2015/11/02/0008533892.shtml

 プロ野球の西武、ロッテなどで主に外野手として活躍したG・G・佐藤氏(37)が2日、テレビ朝日系のバラエティー番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に出演。星野ジャパンのメンバーとして参加した2008年北京五輪で犯した3つの失策原因について語った。
 
 「本番に超弱かった」という佐藤氏。もともとマイナス思考だったこと、08年はオールスターで目立つために7月にピークを合わせるなど、追加招集で準備不足だったこと、さらにはその年の本職・右翼ではなく五輪では左翼で起用されたことなどを要因として挙げ、一つ一つの失策を分析した。
 
 最初の失策は準決勝・韓国戦。まずは2-0とリードした四回、レフト線への打球をトンネルした。このエラーで「もうボール飛んでくんな!」と思ってしまったという。
 
 そして2-4と逆転されて迎えた八回。これ以上の失点は防ぎたかった場面で、左中間へ大飛球。打球を追いながら「センターの青木が捕ってくれないかな…」と思い、青木宣親外野手に向かって「アオキ!」と叫んだという。結局は自身が落下地点に入ったのだが痛恨の落球。適時失策となった。この後のことは「記憶が全くない」と振り返る。
 
 韓国戦に負けた日本は3位決定戦で米国と対戦。韓国戦で戦犯となった佐藤氏は「先発メンバーからは外されるだろうと思い、気持ちが切れていた」というが、星野監督はミスを取り返させてやろうと同じ左翼として先発起用。佐藤氏は「弱気はだめだ。強気にいこうと気持ちを切り替えた」と言うが…。
 
 気合が空回りし「どう見ても自分の守備範囲と違う場所のボールを強引に捕りにいって落としてしまった」。4-1とリードして迎えた三回、遊撃と左翼の間に上がった飛球に対し猛チャージ。最後は背走してきた遊撃の中島裕之内野手に対し「どけ!ショート」と叫び、結局は落球してしまった。
 「冷静に考えればショートに任せてもいいフライでした。大事にいきすぎて両手で捕りにいっているんですけど、通常時なら片手。(両手は)固まっちゃう」

(中略)

 「本番に強い人なんて、この世に一人もいない。不安があるからこそ、人は努力できるんだと思います。マイナスなことは口にせず、良いイメージを持って、自分を信じて、不安と仲良く付き合いながら自分自身に打ち勝っていってもらいたいなと思います」というのが佐藤氏の教訓。8日に開幕を控えた国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパンに対しては「フライは落とさずに捕ろう」と佐藤氏らしいエールを送っていた。


公式化

引退後は佐藤自身が本プレーを持ちネタとして扱う機会が増加。上記のようにテレビ番組等で回想する場合や、実際のプレーで(フライかどうかを問わず)意図的に落球を見せる場合など様々な形で触れられている。

  • 2018年及び2022年のサントリードリームマッチにてレフトで出場し、両試合とも落球
  • 2019年交流戦の試合前OB対決イベントでナイジャー・モーガンと3本勝負のフライキャッチ対決を行い、モーガンが全て捕球する横で空気を読み、3球中2球も落球。観客席は大いに盛り上がった。
  • 2020年1月24日放映のテレビ番組『爆報! THE フライデー』にて野村克也氏にドッキリ再会*6するロケを実施。野村の前でフライキャッチを行い、2回落球した*7
  • 2021年4月14日、メットライフドームでの始球式にて投球中に落球カメラに抜かれた中村剛也の表情が話題となった。
  • 2021年6月、スポーツナビ公式YouTubeにて森本稀哲と対談した際、森本より「外野フライは捕球寸前でイレギュラーする場合がある」と解説がなされ、イージーフライに見えても実際は気の抜けない打球も多い事が説明された。
    当該箇所は11:25頃~
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  • 2021年10月21日のオリックス対西武戦で4回裏、山野辺翔がレフトフライを落球*8、これに対し佐藤はTwitterでみんな、高校の後輩がGGしてすまんと発言した。
    • 山野辺の本職は二塁手ながら、出場機会を増やすべく外野守備に挑戦していた時期の出来事。佐藤と山野辺の共通点として「桐蔭学園高校出身」「西武時代のプレー」「慣れないレフトの守備に就いて犯したエラー」が挙げられる。
  • 2023年6月17日に横浜スタジアムで現地観戦した際、イニング間イベントである「ドッカーン!FLY CATCH」を眺めた際、「何この恐ろしいイベント…」と自らのトラウマが甦ったことをTwitterで動画を添えて発言した。
  • ロッテのイニング間イベントであるダッシュマンレースに自ら出たいと志願し、「ダッシュマン VS GGエラーマン」と言われてしまう(https://www.youtube.com/watch?v=rrC9zH0wOJk)。そしてその夢の対決が7月23日ソフトバンク戦にて実現した。なお結果
    G.G.エラーマン爆誕
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2021年東京五輪

北京以来13年振りに野球競技が復活したこともあり、自身の経験と絡めた言動を多く残す。


関連項目



Tag: 西武 ロッテ 国際試合 なんJ


*1 MLBの「ゴールドグラブ賞」を参考に創設されたが、投票の有資格者(ゴールドグラブ賞は監督やコーチの投票)などが異なる。またKBOにも同名の賞がある。
*2 ベネズエラ(スペイン語圏)出身のゴンザレスは「Geremi」、アメリカ出身のパウエルは「Jeremy」と、母国語による綴りの差は存在する。
*3 登録名は野村沙知代に「しゃきっとしろ!ジジイじゃないんだから」と怒鳴られたことから由来
*4 佐藤の本職は右翼手。
*5 特に同時期に「○○ンゴ」も流行していたこともあり、「GG○○ンゴwwwwwwww」という書き込みも散見された。
*6 中学時代の佐藤は沙知代夫人がオーナーの野球チームに所属しており、卒団時に野村から直筆サインをもらっていた。
*7 余談ではあるが、本放送の18日後に野村が逝去。本番組が氏の生前最後の映像となった。
*8 このエラーでオリックスが2点を先制、その後1点差で西武は敗戦。
*9 6回表にレフトの近藤健介が平凡な当たりをファンブルし、それを起点として同点に追い付かれる一幕があり、北京の再来を危惧されたが杞憂に終わった。
*10 さらに自分が泣いている動画や泣いている写真が掲載されたツイートを自分でリツイートしていた。
*11 彼のミスが命取りとなり韓国は敗戦。3位決定戦のドミニカ戦でも敗れ、メダルを逃すことになった。