18.ランニングゲーム << バックギャモンの戦略・戦術 >> 20.ベアオフのコツ
さて、いよいよ終盤講座に入ります。
終盤は、コマを自分の陣地に入れていく「ベアリングイン」(ベアイン)と、
自分の陣地のコマをゴールさせていく「ベアリングオフ」(ベオアフ)の技術がすべてでしょう。
ランニングゲームのベアイン
まずはベアインです。「ランニングゲーム」でコマがすれ違った後の終盤、
どのように自分の陣地へとコマを入れていけば良いのでしょうか。
たとえば、このような場面ですね。
結論から言うと、入れるものは入る!というのが原則です。
早く陣地にコマを入れたほうが、早くゴールし始められるのだから、まずはそれが優先です。
ですから上記の場面では、たとえば次のような手が良い手です。
この時、7ポイントや8ポイントのコマを動かしてもいいのですが、そのへんのコマは
今後「1」や「2」などの小さな目を振った時でも自分の陣地に入れることができますね。
今は、「4」や「3」でないと入れないコマを優先させた方が効率が良いわけです。
そうしていくと、必然的に6ポイントや5ポイントにコマが溜まってしまいますが、基本的にはそれでよいです。
ただ、あまりにも6ポイントだけにコマが積み重なってしまうと、次にベアオフするときに苦労するので
おおむね、次のような直角三角形のような形を狙っていくのが、総合的に見て最も効率が良いと言われています。
ギャモンセーブのときのベアイン
次に、ちょっと違った場面のベアインについてです。
次の場面をご覧ください。
この場面、もうあなたは勝つことは不可能と言って良いでしょう。
ただし、気を抜いてはいけません。まだ、ギャモン負けか、シングル負けかは確定していないからです。
もしこれが1ptマッチだったり、相手があと1点で勝利の場面だったりした場合は、どうでもいい話ですが、
そうでないならば、ここでギャモン負けを防ぐ(=ギャモンセーブ)できるかは、ものすごく重要なのです。
さて、こんな場面のベアインは、先ほどのような勝ちを目指すベアインとは少し違います。
今回は、1枚ゴールさえすれば目標達成だからです。つまり、ベアオフのことは考える必要がありません。
ただひたすら、素早く自分の陣地にコマを入れればよいのです。6ポイントにどんなに積み重なってもOKです。
そして、ここで重要な考え方は、とにかく「クロスオーバーすること」です!
クロスオーバーとは何かというと、まず、バックギャモンボードを、大きく4つのエリアに分割して考えます。
右上・左上・左下・右上の4つです。1つのエリアごとに、6つずつポイントがあるわけです。
そう考えた時に、コマを1つ先のエリアへと移動することをクロスオーバーといいます。
たとえば先ほどの場面では、このように動かしてみましょう。
この手は、2つのコマをクロスオーバーさせていますね。
それも、まさに「6」と「1」の目を使ってギリギリ、クロスオーバーできるコマを優先的に動かしています。
このような手が最も、サイコロの目をムダにせず、効率的にベアインへと向かう手なのです。
ギャモン負けを防ぐためのベアインの動きをまとめます。
- ①できるだけたくさんのコマをクロスオーバーさせる
- ②クロスオーバーできる手が複数ある時は、今振った目でギリギリクロスオーバーできるようなコマを動かす。
- ③(追加)クロスオーバーできない時は、一番後方にあるコマを動かすのが良いことが多い
以上を意識してみれば、いつもならギャモン負けしていた試合を
シングル負けに抑えられるようになるかもしれません。
これは、ポイントマッチの勝率を確実に上昇させることでしょう。