3.バックギャモンの応用ルール -ポイントマッチとダブル-

Last-modified: 2019-08-15 (木) 11:59:12

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さて、前回でいったん、バックギャモンの基本的ルールの説明は終わりました。
今回は、ゲームに慣れてきた人のための応用的な遊び方をご紹介しましょう。
これをマスターすれば、大きくバックギャモンの楽しみ方が広がっていきますよ!

 

ポイントマッチ

バックギャモンは、1ゲームだけなら10分程度で決着します。
ただし、それだと少し物足りないですね。それに、ちょっと「運の要素」が大きすぎます。

 

本来バックギャモンは、運よりも実力の方が重要な「スキルゲーム」だと言われているのですが、
1回勝負では、バックギャモン歴1週間の人が、世界チャンピオンに勝つことだって、十分あり得ます。
そこが面白さでもありますが、日本一を決める大会などでそのようなことが起きたら、ちょっと興冷めかも?

 

そこで、ポイントマッチという遊び方をご紹介しましょう。
ポイントマッチとは、何度も繰り返しゲームを行います。
そして、1ゲーム勝つごとに、勝った人に1ポイントが与えられます。

 

そして、どちらかが規定のポイントに達したら、その人の勝利、というわけです。
規定のポイントは、何ポイントでも構いませんが、奇数にするのが普通です。たとえば
3ポイントで勝ちというルールなら「3ポイントマッチ」、
5ポイントで勝ちというルールなら「5ポイントマッチ」などと言います。

 

気軽に遊ぶときは、5ポイントマッチぐらいが一般的です。これなら所要時間は、長くても1時間程度です。
ちなみに、日本バックギャモン協会のあるタイトル戦の決勝は、25ポイントマッチです。気が遠くなりますねw
でもここまで来ると、運だけの力で勝ち切ることは不可能でしょう。

 

ギャモン勝ちとバックギャモン勝ち

ところで、1ゲーム終わるごとに、必ず1ポイントしか入らないのでは、少しつまらないですね。
もし派手な勝ち方をすれば、たくさんポイントをもらえたりしないのでしょうか。

 

実は、「ギャモン勝ち」という圧勝をすれば、一気に2ポイント獲得することができます。
ギャモン勝ちとは、相手のコマが1コもゴールしていないうちに勝利することです。

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完封勝利ってわけですね。案外、頻繁に起こります。

 

また、「バックギャモン勝ち」という大楽勝をすれば、一気に3ポイント獲得することができます。
バックギャモン勝ちとは、ギャモン勝ちの条件を満たした上に、さらに、
自分の陣地、または場外に、相手のコマが1コ以上残っている状態で勝利することです。

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これは、なかなか起こらないです。かなり上手くプレーして、かつ、運もないと達成できません。

 

ちなみに、ギャモン勝ちやバックギャモン勝ちと比較して、
通常の1ポイントだけもらえる勝ち方のことは、「シングル勝ち」と呼びます。

 

ダブルのルール

最後に、少々複雑ながら、このゲームをもっとも飛躍的に面白くさせているという
「ダブル」のルールについてです。

 

みなさん、これまで表示してきたバックギャモンボードの左側に、常に
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こんな不思議なサイコロのようなものがあったのこと、気づかれていましたか?

 

これは「ダブリングキューブ」といって、6つの面にそれぞれ
「2」「4」「8」「16」「32」「64」と書かれています。
普段は初期状態として、「64」を上にして置いておきます。

 

このキューブを使った「ダブル」というルールは、1920年代のニューヨークで発明され、
それ以降、世界で爆発的にこのゲームが流行するきっかけになったと言われています。

 

バックギャモンではいつでも、自分の番が来た時、サイコロを振る前に、「ダブルの提案」ができます。
「ダブルの提案」とは何かというと、いわゆる倍プッシュ。つまり、

このゲームを勝った人は、通常の2倍、ポイントが貰えることにしませんか?

という提案です。

 

もしこの提案を相手が受け入れたならば、このゲームをシングル勝ちした人は2ポイント貰えます。
さらにギャモン勝ちなら4ポイント、バックギャモン勝ちなら6ポイントという大量得点になります。
当然、基本的には、自分が有利な時にするべき提案ですね。

 

ちなみに提案のやり方ですが、次の画像のように、
ダブリングキューブの「2」の面を上にして、相手に差し出すことによって意思表示をします。
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さて、提案された相手は、2つの選択肢の中から決断を迫られます。それは

テイク(提案を受諾) or パス(提案を拒否する)

です。相手は不利なのだから、普通はパスしたいですよね。でもね。
パスしてしまうと、その時点でゲームが強制終了し、提案した人に1ポイントが入ります。

 

ですから、相手はたとえ不利であっても、それなりに逆転の可能性があるのならば
リスクを承知でテイクするべきです。テイクするときは、差し出されたダブリングキューブを受け取り、
自身の側のボードの空いている場所へと置くことで意思表示します。
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※逆にパスする時は、すぐに次のゲームが初期状態から始まるわけなので、
単に「パスします」といって、元の場所に「64」の状態でダブリングキューブを戻せば良いだけです。

 

リダブル

さて、相手は逆転の可能性に賭けて、ダブルをテイクしたとしましょう。
ゲームが進んでいくうちに、本当に逆転し、今度は相手が有利になりました。
すると、相手は今度は、ダブリングキューブを4倍にして、こちらに差し出してきました!
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もうお分かりですね。これは

このゲームを勝った人は、通常の4倍、ポイントが貰えることにしませんか?

という提案です。これをリダブルの提案といいますが、これも単にダブルと呼んでも差支えありません。

 

今度は、悩むのはこちらの番ですね。
もしパス(拒否)すれば、ゲームは強制終了し、相手に2ポイントが入ります。
テイク(受諾)すれば、ゲームは続行し、勝者には通常の4倍のポイントが与えられます。

 

倍率はどこまでも上がる…

さて、先ほどの場面、私は決死の覚悟でリダブルをテイク(受諾)したとしましょう。

 

するとその後、再び逆転が起き、またしてもこちらが有利になった!とします。
そしたらどうしますか?そうです、今度はこちらが8倍の提案ができるのです!
(8倍以降はすべてリダブルと呼びます。)

 

このように、理論上は8、16、32・・・と無限に倍率が上がっていく可能性があります。

 

ただし忘れてはいけないのは、片方が連続してリダブルをかけることはできません。
最初の「2倍」の提案の時のみ、どちらにもダブルをかける権利がありますが、
一度2倍になってからは、必ず交互にリダブルをかける権利が与えられます。

 

よって、よほど目まぐるしく逆転を繰り返すゲームであれば
16倍や32倍まで倍率が上がることもありますが、それは、まれなことです。
多くのゲームは、いったとしても4倍までであることがほとんどです。

 

最後に

ダブルのルールは、上級者は感覚的に上手く使いこなす人が多いですが
初心者・初級者には非常に難しく、とっつきにくいルールです。それでも、
まずは正しい・正しくないを気にせず、使って遊んでみて、慣れることが大事だと思います。

 

まあ、まずはダブルのルールは採用せずに、
ギャモン勝ち・バックギャモン勝ちのルールのみ採用して、ポイントマッチを楽しんでみるのも手です。
これだけでも、十分面白いゲームだと私は思います。

 

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