RS2/RS2Rの世界
【北バレンヌ】—【南バレンヌ】—【ルドン】—【カンバーランド】—【ステップ地方】—【サバンナ地方】—【サラマット地方】—【北ロンギット】—【南ロンギット】—【コムルーン島】—【メルー】—【ヤウダ王国】—【ナゼール】—【氷海】—【アウストラス】—【トーレンス】
RS2
概要
世界の北部にある豊かな半島国家で、【ハロルド王】が治める【ダグラス】、【ゲオルグ】が治める【ネラック城】、【ソフィア】が治める【フォーファー】で構成され、南には長城が築かれており、【ステップ】からの魔物の流入を防いでいる。
【バレンヌ帝国】とは【オレオン海】を挟んで隣り合っており、東の【コムルーン海峡】を挟んだ先には【コムルーン島】があり、コムルーン島への海路を模索しているようだが、海峡を抜けられずにいるのが現状。
ゲーム開始直後は、【運河要塞】のせいでオレオン海が航海できなくなっているが、【運河要塞解放】をクリアすると、【ハロルド王】から帝国に書状が届くことになるため、この時点でカンバーランドを知るという可能性が高い。
運河要塞を無視した場合も、【南下政策】を駆使すれば、カンバーランドまで到達することが出来るが、その場合、最短でも【南バレンヌ】、【ルドン】、【ナゼール】、【南ロンギット】、【メルー砂漠】、【サバンナ地方】、【ステップ地方】を経由しなければならず、近くて遠い隣国ということになる。
完全陸路で到達しようとすると、ステップ地方を先に制圧することが必須となるため、かなり大変だが、【マイルズ】から【ダグラス】行きの船が出ているので、【ルドン高原】を出すためルドン地方さえ制圧してしまえばその他の地域のイベントはほとんど無視してもカンバーランドに到達できる。
カンバーランドのイベントとしては、ハロルド王からの書状で発生する【王位継承問題】が大型のイベントであり、その結果次第でカンバーランド地方を制圧できる。
王位継承問題は上記の通り、運河要塞解放をクリアすればハロルド王から書状が届き、強制的に開始してしまう。
【ジェラール】で【クジンシー】を撃破し、その後のメッセージに従い、ヴィクトール運河奪還を目標として運河要塞解放をクリアした場合、ゴブリンの穴さえ潰していればここで確定で【年代ジャンプ】となり次代はカンバーランドへ向かうことを求められる、という流れになりやすい。
このような形なので、序盤に関わることになることが多い国なのだが、その一方で、ゲーム内でもトップクラスに取扱いに注意を要する地方である。
というのも、王位継承問題の進行次第では、制圧失敗となってしまう可能性があり、一度制圧失敗で終わってしまった場合に救済措置は一切ない。
その他、王位継承問題の進行次第では国が滅亡することもあるが、国が滅亡すると制圧失敗というわけではなく、国の滅亡は王位継承問題における途中経過の一つに過ぎない。
この場合、帝国が滅亡したカンバーランドを救うという字面だけ見れば正義感あふれる展開でカンバーランド制圧を目指すことになる。
王位継承問題の詳細の流れは同ページを参照していただきたいが、イベント内の条件分岐の複雑さ、展開のバリエーションは作中イベントの中でも屈指といってよく、下手を打つと割とすぐ滅亡してしまう。
制圧失敗については、そうそう簡単に起きないが、一度制圧失敗に陥ってしまうと他の方法で制圧できるなどの救済措置は一切ない。
もちろん、本作がフリーシナリオである以上、制圧失敗で終わったからといってゲームが詰んでしまうことはないが、優秀なクラスである【ホーリーオーダー】が仲間にならないほか、カンバーランドは北バレンヌ、【ヤウダ王国】に次ぐ第3位の収入を持つため、帝国の財政に大打撃となるなど影響は決して少なくない。
王位継承問題は国が存続した状態でカンバーランドの内乱を目論んだ元凶を叩きのめしに行くか、国が滅亡した状態でカンバーランドを滅亡させた元凶を叩きのめしに行くかの2つの大きな流れがある。
選択肢次第で細かい展開の違いが生じるものの、大きな流れは上記のどちらかであり、進行中に国が滅亡する展開となった場合は滅亡後の流れを辿ることになる。
国を滅亡させたとしても、王位継承問題をクリアすれば、カンバーランドは問題なく制圧でき、滅亡させなかったときと比べてゲーム上大きなデメリットが生じることはない。
むしろ、制圧失敗に陥る可能性があるのは、カンバーランドを滅亡させずに王位継承問題を進めた場合のみであり、逆に言ってしまえば、カンバーランドを滅亡させた場合には制圧失敗してしまうことが絶対ない。
そのため、カンバーランドを攻略するのであれば敢えて滅亡させるという非情な選択が冗談でもなんでもなく割と一番の安全策であり、初心者には滅亡ルートが推奨されることが多い。
カンバーランドが滅亡しなかった場合は、カンバーランドの危機を救ってくれた帝国への御礼として、ハロルド王から王位を継いだ【トーマ】からカンバーランドの支配権を譲渡される形で制圧となる。
この際に皇帝はトーマに対し、皇帝の名代としてカンバーランドを守るよう申し付ける。
王位を継いだトーマに変わり、兄であるゲオルグと姉であるソフィアはホーリーオーダーを結成し、帝国の助けとなることを誓いホーリーオーダーを結成する。
カンバーランドが滅亡した場合は、カンバーランドの闇を晴らしてくれた帝国への御礼として、ソフィアからカンバーランド復興を任される形でしれっと制圧することになり、その後しっかりと再興される。実際には、トーマの魂を解放した時点でカンバーランドは本来の機能を取り戻すので、帝国が再興に努めたのかどうかは分からないが。
この時のソフィアは、ハロルド王の娘本人ではなく、ただのレジスタンスのリーダーである可能性もあるが、特に展開上の違いは何もない。
こちらの場合も、帝国に王国復興を託したソフィアが帝国の手伝いをするためレジスタンス「ホーリーオーダー」として加入することは変わらず。
この場合、ホーリーオーダー(男)は死亡しているのでは、と思われるが、問題なく加入してくれるので安心である。
上記の通り、王国が滅亡しようとしまいと制圧後の展開に大きな違いはないが、滅亡しなかった場合は、トーマとその子孫が皇帝の名代としてダグラスの【玉座】を守り続けていくのに対し、滅亡した場合は、トーマが死亡する都合上ダグラスの玉座は永遠に空位となってしまう。
そして、滅亡せずカンバーランドを領土にした場合に限り、エンディングでトーマの幻影が登場する。
この2点のみが滅亡したかどうかによるゲーム上の違いであり、他のイベントへの影響、仲間になるクラス、収入などには影響することがない。
ゲーム上で行き先がシステム側から示される場所としては、ここと武装商船団問題が事実上の最後であり、これ以降はプレイヤーが訪れた地域で問題を解決していくというスタンスになっていく。
ゲーム開始時点での帝国とカンバーランドの関係性についてはゲーム内では全く触れられていないが、ハロルド王が帝国に書状を送ってきた上で、誰を世継ぎにするか皇帝に相談する辺り、同盟国といえるほどかはさておき、友好国であることは確かである。
ただ、運河要塞のせいでオレオン海が封鎖されたとしても帝国側からカンバーランドについて気にする様子は一切ないため、どの程度の交友関係があったのかは甚だ疑問である。
というよりも、誰を世継ぎにするかを、他国の君主に相談したり、滅亡させずにクリアした場合は安直に自国の支配権を献上したりと王族の統治能力には疑問が浮かぶ点も多い。
世継ぎの相談については、正式な王族である【ジェラール】であればまだしも、【伝承法】の運用が開始された後であれば為政能力に甚だ疑問を呈する覆面レスラーやトーマを除く自分の子どもより年下の泥棒が相手である場合もある。
むしろ、運河要塞解放でシティシーフを仲間にしてそのまま年代ジャンプしたケースであれば、シティシーフ(女)の【ビーバー】が皇帝である可能性は比較的高く、そりゃ【よく解んないし、関係ないな】と言いたくもなるだろう。
とはいえ、南側以外は海に囲まれているという地形の利を活かし、南側には【長城】を築き、【ステップ】からの魔物の侵入を防ぎつつ、【ネラック城】で武勇に優れるゲオルグが守っていたり、帝国と水域が重複しないコムルーン海峡側の【フォーファー】を港町として発展させていたり(この勲功を強調するためか、リメイク版ではフォーファーの名物が海産物であるという設定が追加されている)といった具合に王国の発展と防衛はしっかりと行っている。
また、武勇に優れるゲオルグのみならず、知的で戦いと無縁そうなソフィアですら王国聖騎士団「ホーリーオーダー」として戦いをこなせる戦闘要員である。
【ロマンシング サ・ガ大全集】によれば「民の上に立つ者は相応の実力を持たねばならないという考えから、王家の者は男女問わず聖騎士団ホーリーオーダーとして戦う」とされており、【レオン】がジェラールに実戦経験を踏ませようと考えていたのと同様のことをカンバーランドの王族もまた実践していたことになる。
そして、その実力は、王位継承問題の進め方次第では、しっかりと兄妹で協力して皇帝の助けなしでダグラスを奪還するし、挙げ句の果てには元凶を自分たちで叩きのめして、自己解決してしまうという可能性すらある。
本作に登場するほとんどの人物がモンスターなどに手も足も出ないという描写がなされているため、帝国の助けなしで問題を解決などというのは作中屈指といっていい大活躍と言えるだろう。もっとも、その活躍のせいで制圧不可となってしまうため、帝国としてはそんなに頑張らないでほしいというのが本音だが……。
統治能力についても、ハロルド王が世継ぎを誰にするか皇帝に相談しているものの、自国の宰相であるサイフリートに相談していると思われる形跡はなく、また、サイフリートを怪しんで帝国の関与を求めたのだとすれば、世継ぎの話をダシとしつつ帝国に助けを求めたとも考えられる。
非滅亡時にトーマが支配権を委譲するというのも、【七英雄】が復活し動乱の時代となっている作中の背景を考えれば、帝国の庇護下に入るという選択は自国民を守るという意味では選択としては十分正しいものといえる。
そして、結果的には、名代としてカンバーランドの地方を治める権限を与えられているという意味ではかなり優遇されたポジションを得ることに成功したともいえる。
もっとも、そこまで頭が回るのであれば何故サイフリートをトーマの教育係にしていたのか、さっさとサイフリートを排除すれば内乱により国が滅ぶ危機は生じなかったのではないか、と疑問が浮かぶ。
この点についても、サイフリートは元々普通の人間であったが、七英雄の復活に伴い、七英雄に取り入ることを考えて変貌した可能性も考えられる。
この辺りは明確な答えは示されていないため、サイフリートが口八丁手八丁で中枢に入り込んだと見るのも、ハロルド王のお人好しな性格が災いしたと見るのも自由といえば自由である。
ゲーム内では、バレンヌ帝国、【ヤウダ王国】に並ぶ数少ない国家である。
仮に為政能力に疑問があるという結論に至ったとしても、アホ王【アト王】の対応のせいでどう転んでも最終的に王族が排除されるヤウダ王国と比べ、名代としてカンバーランドを治める権限を与えられたということでいえば帝国と関わった後の運命は雲泥の差である。
もっとも、それも帝国の対応次第で、どちらの王族もしっかりと滅ぼしてしまうこともできてしまうが。
カンバーランドのもう一つのイベントは【コムルーン海峡航路開拓】で、コムルーン海峡を抜け、コムルーン島への海路を切り開くというものがある。
クリアすれば収入を僅かに増やすことができるほか、カンバーランドからコムルーン島まで行けるようになるが、ゲーム内のイベントとしてはミニイベントといっていいポジションである。
名称の元ネタはイギリスにある「カンバーランド地方」だと思われる。
この地域は「カンブリア地方」の前身で独自の言語を持っていたが、12世紀頃からイギリスが介入して最終的に実質的にカンバーランド語が消滅することで滅亡してしまうという悲劇的な結末がどこか似ている……かもしれない。
また、静岡県民の方を中心に「蒲原」が語源説、長野県民の方を中心に長野市創業の「カンバーランド・ジャパン」語源説も出ており、説としては上記よりやや可能性が低いと思われるが、断言はできない。
街・ダンジョン
RS2R
全体的なイメージカラーは緑。
本作でもおおよその立ち位置は同様で、王位継承問題の展開次第で滅亡したり、制圧失敗したりする可能性があるのは同様(イベントについてはこちらのページを参照)。
ただ、全体的に滅亡条件、制圧失敗条件については緩和されているため、王国を存続させたままクリアしやすくなっている。
制圧失敗に伴うデメリットは原作版とほぼ同様(ただし、帝国試験のが登場しなくなる、地域制圧数の特典入手が遅れるといったデメリットはある)であり、救済措置もないのも変わらず。
一方で、王国滅亡に伴うデメリットがほとんどなかった原作版と異なり、みんなが原作版で王国をホイホイ滅亡させたためか本作では明確なデメリットがいくつか追加されており、滅亡させずにクリアする実益が増している。
- 先にステップで【ボクオーン】を撃破している場合を除き、滅亡した時点でボクオーンが強制的に第2段階に進化する
- 途中でトーマの亡霊を解放しに行く際にそれまでの展開に関わらず【スプリガン】を撃破する必要がある
- ただし、時期的に場違いといっていい強さを誇っていた原作版と異なり、強さがやや控えめになっている
- 滅亡させずにクリアすることで【狙われ率ダウン】のアビリティを得ることができる
もっとも、【エネミー図鑑】を埋める為にはカンバーランド滅亡中にのみ戦える【亡霊兵士】、ゲオルグの亡霊と戦う必要があるため、図鑑コンプリートを目指すなら絶対に一度は滅亡させる必要がある。
なお、滅亡した時点でネラック城がマップに出ておらず、かつゲオルグの亡霊と戦いたい場合は、トーマの魂を解放した後、ソフィアに報告する前にダグラスの酒場でネラック城の話を聞いて城に向かう必要がある。
3D化してトーマが幼い少年として描写されている都合上、自発的に滅亡させるのに罪悪感を覚えやすくなっているが、かといって無関係からの年代ジャンプで滅ぼした場合はゲオルグの亡霊と戦えるタイミングがかなり限られるので要注意。
細かい違いとして、運河要塞解放を伴わない王位継承問題の開始条件がハロルド王との会話ではなく、ダグラスへの到達になっているため、南下政策中にダグラスに立ち寄ると、その時点でハロルド王と面会せずとも王位継承問題が始まってしまい、年代ジャンプすると滅亡してしまう。
また、【イーリスと詩人の楽器】では本作では【詩人】の足取りを辿ることになるが、その道中にカンバーランドのフォーファーが含まれるのに対し、カンバーランドが滅亡している間はフォーファーで話を聞くべき女の子が登場しなくなるため、イーリスと詩人の楽器をカンバーランド滅亡後に開始した場合はまずカンバーランドを救わないとイベントが進められなくなってしまう。