AGF-12 アクルクス

Last-modified: 2023-10-31 (火) 00:53:00

名前:F-12 アクルクス(F-12 Akuruks)

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性能詳細

  備考備考
型番F-12分類戦闘機
用途制宙戦闘機現状全機退役済み
製造AG連合 Moon Engineer社ユニットコスト9800万シーク
運用AG連合宇宙軍/宇宙海軍正式採用AG.162.01.17
計画Omnipotent計画前クラスF-9ペガサス
乗員1名次クラスF-13アクルクスMk-2

概要

「F-12 アクルクス」とはMoon Engineer社が開発し、AG連合宇宙軍並びに宇宙海軍が運用した制宙戦闘機である。
AG.160年に第二次サイラム大戦が終結した後に開始された新型機プロジェクト「Omnipotent」計画で開発された。当初は大気圏内外戦闘機として設計されたが、
本機は最終的に「長距離攻撃遠征ドクトリン」の産物として運用された。そのため大気圏内飛行能力は有しておらず、専用の機体が用意されることになった。

AG.223年時点では全機が退役済み、爆撃機転用型のみ以前として運用中である。

合計生産数はMk-1型でおよそ3万機以上。詳細な数は不明とされている。
派生型として陸軍モデルのB型も存在する。

開発

前史

AG.160年に終戦した【第二次サイラム大戦】で運用された第1.5世代に相当する機体達の共通の弱点として「大気圏内外両用運用が出来ない」ということだった。
この弱点の解決には、新型の両用推力機関の開発や、それにふさわしい機体の開発が必要となり、AG連合軍部はそれらを兼ね備えた「万能新型機開発プロジェクト」「Omnipotent計画」をスタートさせた。
本計画には潤沢な予算や経験豊富な人員、更には第二次サイラム大戦で生き残ったエースパイロットらの意見も参考しながら、慎重に開発が進められた。当面の仮想敵は、併合したサイラム領内の反抗勢力であり、それらの勢力には現地配備の戦闘機類でも対応可能だった為
開発はそこまで急かされることもなく、エンジニア達や冷静に開発が行える環境が整えられていた。

開発

開発史

本機の設計/開発はMoon Engineer社が担当し、設計にあたって、まず最重要とされたのは「両用推力機関」の搭載であった。当時、AG連合では地表での艦艇建造を行っている造船所が複数存在し、それらは完成後、大型の水素式推力機関によって軌道上へ打ち上げられる工法が取られていたことから、
開発チームは「両用推力機関」をこの「水素式推力機関」とすることを早期に決定したものの、小型化や燃費の問題から、まず根本的な水素式推力機関の設計の見直しを図る必要があった。

両用推力機関の開発が進む中、機体そのものの設計は両用スラスターの燃料を多数搭載する必要があった為、必然として大型化していくことになった。主任設計士は本機を大型化することにより、万能機に課せられる様々な使用用途を満たそうと考えていたようで、開発チームもそれに追従していた。
結果、設計段階で全長は30mを超え、複数人が乗り込む爆撃機並の大きさとなった反面、十分なペイロードは本機による爆撃/雷撃任務にも就かせる事を可能にし、ドッグファイトでは内蔵された複数の両用推力機関で、小型機並の俊敏性を保つことが可能になった。
開発が開始されて2年が経過した段階で、機体設計は順調に進んでいたが、両用推力機関の開発は遅々として進まなかった。特に燃費問題の解決が難航し、仮に全ての推力機関を水素式に変更した場合、飛行可能時間はおよそ30~1時間程度しか確保できなかった。

そしてここで、ほぼ同時期にスタートしていた小型機への跳躍機関の搭載計画「ディビジョン計画」が完了し、小型機向けの安定した跳躍機関の搭載が可能となると、軍部は本機関の小型機への搭載に躍起になり始める。
しかしながら当時の1.5世代の搭載する機関では、跳躍機関を搭載できる余裕は無く、方向は開発中の試作機へと向けられることになる。

開発中だった試作機の内、この跳躍機関を搭載可能な積載容量があるのは、本来水素燃料を搭載するために大型化した本機のみであった事で、軍部は即座に「小型跳躍機関搭載の新型機」へのまさかの方針を切り替える旨を開発チームへ伝える。
この軍部からの要求変更は本機の開発現場を大きく混乱させるが、その混乱の最中でも軍部は「できる限り早期の完成と配備」を追加要求し、圧力を強めていった。

軍部からの要求に対して、当時の設計主任含む開発チームやプロジェクト責任者は「両用推力機関開発完成と小型跳躍機関搭載の両立は、現状の機体設計では不可能」と判断し、軍部に対して「どちらを優先するのか」を問いただした。
返答は「小型跳躍機関の機体開発を即時優先とすべし」であり、この打診を受けた開発チームは本機での両用推力機関の開発を一次的に凍結し、機体内部への小型跳躍機関搭載に方針を変更した。

結果本機の開発は途中から「ジャンプ機関内蔵機体」として開発が進められることになった。
両用推力機関の搭載を見送った事で機体内部に生じた空白スペースに小型跳躍機関充填用のリアクターが増設されたが、それでも「即時充電には足りない」という問題が発生した。開発チームは再三の「即時配備は現実的ではない」としたものの、軍部からは「即時配備を要求する」との要求が繰り返され。軋轢を生み出した。結局本機単独での跳躍機関の充填用はかなりの時間がかかる為、所属する防空基地などで提供される外部電源を主軸とするための設計に切り替えられた。また充電が完了した小型跳躍機関そのものを交換して搭載できるような方式も採用され、これは後に「ジャンプカートリッジ」と呼ばれるようになり、本機の運用の基本形態となっていく。

主推力機関は、両用推力機関の開発が間に合わなかった為、宇宙仕様の「V.V社製 IT-3750-700」が宇宙型に「V.V社製 AT-3220-500」が地上型に搭載され、仕様の異なる二機種を開発される事になった。
ただし地上型には不要なジャンプ機関は搭載されておらず、ただ巨大な機体を手に入れるだけだったが、セクショナリズムが激しい陸軍からの強い要望で開発された。

AG.164年11月12日、二転三転ありながらも本機はAG連合に制式採用され「AGF-12 アクルクス」と命名され、AG連合が開発した史上最初の「第2世代戦闘機」となった。が実際は両用推力機関を搭載していない為、1.8世代相当との評価の声もある。

なお本機の完成以降も「Omnipotent計画」は継続され、のちのアクルクスMk-2やMk-3、ペガサスⅡなどを生み出している。

配備

AG連合軍部が本機の完成を待って発表した「長距離攻撃/遠征ドクトリン」を実現するための基幹兵器として運用されるため、完成後はAG各方面の飛行隊に配備された。
本ドクトリンにおいて本機は「レーダー探知圏外から空間跳躍を開始し、攻撃目標へ肉薄する」事と「どのような距離に航空基地があろうとも、戦闘宙域へ迅速に移動することができる」存在として扱われる事になるが、実際そのような場面に遭遇することは稀であったと言う。

また搭載した跳躍機関には移動限界距離があり、無限に近い距離の移動ははじめから不可能であった。そのため配備された本機はそれぞれに割り当てられた防空圏を防衛する事を主任務としていた。

最も最初期に本機を配備された基地は、機外の専用の電源供給ユニットの受領が間に合わず、代理措置として共用の外部電源供給ユニットを使用したが、これは跳躍機関に著しい負荷をかける事が判明し、実際複数の跳躍機関が動作不良に陥った。
その後、中期以降の生産機体は共用外部電源供給ユニットにも対応するようになった。

また本機の巨大な体躯は、小規模な基地では運用がしづらく、離着陸へ大きな問題を抱えていた。
そのため、本機が配備されたいくつかの小規模基地は専用の加速カタパルトが配備され、それを使用して離陸を行い、着陸は専用のワイヤーネットで回収を行っていた。

戦歴

本機が配備されていた時代(AG164年~AG198年)はAG史上でも類を見ない程平和な時代であり、国家間戦争が発生していなかった。
そのため必然として本機は目覚ましい活躍を果たした事はなかったものの、配備宙域での戦闘活動や哨戒任務で大きな活躍を見せていた。
特にその巨体から長距離の哨戒任務には非常に適した機体であり、数回の改修を経て、AG.198年まで運用された。

本機を象徴とする活躍としては
AG.197年に発生した「第178方面基地所属第一護衛艦隊襲撃事件」の際に、残存した「SNC-117アルバート」をいち早く発見したのが、哨戒飛行中だった本機を装備する「AG連合宇宙海軍第899飛行隊」だった事が挙げられる。
同隊所属の3機のAGF-12(実際にはAGF-15相当の改修機)が漂流中だったアルバートを発見。そのまま警戒飛行状態で所属基地である【ナイサリス海軍基地】に誘導した。なお誘導中に近隣から緊急出港してきた病院船「アルテミア」が接舷しており、同隊は本艦の護衛も務めた。

本インシデント以外にも、宙族討伐や漂流船の発見等、哨戒機として様々な活躍を果たし、AG連合を影から守っていた。

退役後

AG.204年に第一次AG-クロノス大戦が勃発し、初戦で大きな損害を受けたAG連合は、退役していた本機種並びに実働可能な旧型機を現役に復帰させる。
しかし性能差が圧倒的なクロノス戦闘機との戦闘ではなく、爆撃等の任務に当てられた機体が多く、本機も雷撃仕様に改造された機種への緊急機種転換や、改修を受けた機体。そのままでミサイルを装備した機体等、戦中は様々なバリエーションとして運用された。

中盤以降は、戦況がAG有利に傾いて行き、戦闘機なども充足してきた為、素材となるべく解体される機体も多かったという。

その中でも解体されずに残った機体は、AG.223年現在、複数のミュージアムでその余生を過ごしており、時折フライトショーなども実施している。

派生機体

AGF-12 Btype

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AG連合陸軍(当時はAG連合宇宙軍地上部隊)に配備されたAGF-12。初期型の設計にエンジン部などを全て大気圏内仕様へ変更した機体。
一定数量産こそされたものの、配備当初から存在理由について問われる事が多く、跳躍機関を搭載していない為、そもそもの存在意義が薄く「地上部隊が意地になって頼んだだけ」と言われていた。
AG.170年頃から後継のAGF-20パンサーなどに置換され、緩やかに退役。残存した一部の機体はほぼ全てがMk-3相当の改修を受けた。
近年、惑星モラバンリの【ウィンザー陸軍基地】倉庫内に、納品されたままの姿のAGF-12 Btypeが発見され、大きなニュースにもなった。

配布情報

SteamWorkshop ※改造・二次配布共に可
[AGU] AKURUKUSU