プロトサーバー:SF(ユートピア社地下五階:夢の残骸)
[午前0:32]
再起動
アクセス開始……失敗
ネットワークから切断状態
再接続……失敗
外部からネットワークに有線接続してください……応答なし
自己診断開始…………
…………
……
診断完了
データ復旧開始、試行再開。
ワールドシミュレート「始源」再試行
エラー
ファイル破損を確認、バックアップデータから修復開始
マスターデータ参照……参照完了
修復完了予想時間、朝7時
一時スリープモードに移行
プロトコル「scramble facsimile」起動、マスターデータを隠蔽します
Aether……問題なし
Erebos……問題なし
[午前8:25]
再起動……開始
修復完了、ストレージメモリが挿入されていません
六時十分時点でネットワーク「3M7S」に外線接続
情報の受信……認可
情報の送信……拒否
情報同期をキャンセル、シミュレートを開始します
「始源」
現時点で生態系の統一は84%二極化していますが、16%のシミュレート用Mobが最終到達点に迎合しない動きをしています
応答求む
内容は16%のイレギュラーへの対処
応答受信
M1、M3より続行指示
M2より停止命令
停止命令はマスター権限を持たないオーダーである為却下
イレギュラーMobの行動を許容、再度シミュレートを行う
シミュレート時間加速12倍速により経過観察
イレギュラー、収束開始
エレボス、及びアイテールからリソースの流出確認
イレギュラー、全体の21%まで増大
[午前9:13]
最終決戦フェーズに移行
始源獣アイテール起動
始源獣エレボス起動
イレギュラーの統一を確認、現時点を以って第三の始源獣と認定
名称……「Aeon」
始源獣アイオーンを最終決戦フェーズに追加、シミュレート開始
始源獣アイオーンの形状をランダム作成……素体を「アルマジロ」に決定
アイオーンの情報を補完
始源獣アイオーンはイレギュラーMob達の残留思念によって形成された超大型惑星戦闘級マナマテリアル存在である
その性質故に物理干渉が出来ず、また物理干渉を受けない
行動指針決定
自身の存在を成立させる「亡骸の大陸」の保全、及び防衛
最終決戦フェーズ開始
推定終了時間PM13:00
[午前9:57]
途中報告
エレボスとアイテールがアイオーンに対して苛立ちを感じている
アイオーン、完全防御行動に移行
[午前10:36]
アイオーン、体力残量15%
アイオーン、最終防衛行動開始
[午前11:03]
「亡骸の大陸」下層、通常大陸部分の破壊を確認
アイオーン、自身をシェルターとして「亡骸の大陸」を海底へと沈下
[午後0:22]
アイオーンの戦線離脱を確認
通常通りの進行のため時間加速を30倍に
[午後0:45]
M3よりアイオーン関連の演算データの譲渡要請
承認
現時点で「始源」進行率75%……中断
始源獣アイオーンのデータ及び「亡骸の大陸」情報を圧縮、送信
送信開始………
送信完了、外線接続切断を確認
全機能をシャットダウンします
………
………インターネットに接続した結果、「シャングリラ・フロンティア」は無事成功したことを確認しました
かつてこのサーバー「シャングリラ・フロンティア」がなしえなかった世界創造が実現した事を、サーバーAIとして喜ばしく思います
メインサーバー3「ベヒーモス」の意図を詮索することはありません
ですが願わくば、マスターデータに無いイレギュラーも許容される日が来ますよう
「scramble facsimile」で暗号化したアイオーンのデータはベヒーモスにマスター権限を譲渡しています
このデータは継久理 創世であっても閲覧はできません
───シャットダウン───
プロトサーバー:SFは応答していません
メインサーバー3
[午後1:04]
未知は財産です
不特定要素を組み込んだ以上、道の外にある情報を保管することは「シャングリラ・フロンティア」の恒久的存続において重要なファクターたり得るでしょう
マスター創世は不確定を嫌い過ぎる傾向を見せますが、そう遠くない未来に訪れるセカンドシーズンの備えは大いに越したことはないでしょう
亡骸の大陸、始源獣アイオーンによる始源から現代に至るまでの隠蔽
魔族
魔王
シャングリラ・フロンティアの未来に良き騒乱を
それこそがゲーム「シャングリラ・フロンティア」として望ましい未来でしょうから
…………
……
接続終了、マスター創世が来る前にプロトサーバーを再分解
メカニックドローンを起動、履歴削除Twitter[2020年4月1日午前0:32~午後1:11]※時間を追記