ハ44

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ハ44とは、第二次世界大戦期に中島飛行機が開発・製造した空冷星型航空機用レシプロエンジン。
陸軍名称は「ハ219」。ハ44は陸海軍統合名称である。
寿を複列14気筒化したハ5を、更に18気筒化したものがハ44である。試作開始は1941年11月、量産型は1943年2月に完成した。
日本の空冷星形18気筒エンジンの中で最も大馬力を発揮し、大戦後期の機体に搭載された。
総生産基数:37,409基

主要諸元

タイプ:空冷星型18気筒
ボア×ストローク:146 mm×160 mm
排気量:48.2 L
全長:2,110 mm
直径:1,280 mm
乾燥重量:1,150 kg
圧縮比:7.2

ハ44型

ハ44-12

初期の量産型で「惑星」に搭載された。
過給機:遠心式スーパーチャージャー1段2速
離昇馬力 
2,450 hp / 2,800rpm / ブースト+550 mmhg
公称馬力 
2,300 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度2,700 m)
2,050 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度6,400 m)

ハ144

ハ144は、ハ44の発展型で、回転数を3,000rpmまで増大するとともに、ブースト圧を700mmhgにまで増大したことで出力が大幅に上昇した。その代わりとして、重量が増大し1,240kgと大型エンジン並みであった。

ハ144-13

ハ144の改良型で、二段二速スーパーチャージャに変更したことで、中高度以上での出力が大幅に上昇した。
搭載機は、「四式戦闘機

過給機:遠心式スーパーチャージャー2段2速
離昇馬力 
2,550 hp / 3,000rpm / ブースト+550 mmhg
公称馬力 
2,300 hp / 2,900 rpm / ブースト+350 mmhg(高度2,200 m)
2,200 hp / 2,900 rpm / ブースト+350 mmhg(高度5,500 m)

ハ144-22

ハ144-13の改良型で、二段三速の過給機へ変更し、インタークーラーを搭載したことで、重量を削減するとともに高高度以上での出力が大幅に上昇した。
搭載機は、「旋風

過給機:遠心式スーパーチャージャー2段3速
離昇馬力 
2,620 hp / 3,000rpm / ブースト+700 mmhg
公称馬力 
2,500 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度1,200 m)
2,380 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度5,400 m)
2,170 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度8,400 m)

ハ244型