Tier 10 中国 重戦車
スペック
車体装甲厚(mm) | 155/120/60 | 本体価格(シルバー) | 6,100,000 | |||
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最高速度(km/h) | 前進 | 50.0 | マッチング範囲(戦闘Tier) | 10~11 | ||
後退 | 15.0 | 派生元車輌 | WZ-111 1-4 | |||
発見可能範囲(m) | 静止時 | 400.37 | ||||
移動時 | 422.49 |
パッケージ
WZ-111 5A E:450,500 S:6,100,000 |
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E:必要経験値
S:購入シルバー
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
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出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 地形抵抗 | 旋回速度 | 視認範囲 | ||||
WZ-111 5A | V-2-54SC | 130 mm 59-130TA | WZ-111 model 5A | WZ-111 model 5A | 2,200 | A-220B | |
750 | 36 / [33.00] | 300/180/60 | 750 | ||||
15.00 | 1.1/1.2/2.5 | 26 | 400 |
※車体旋回速度の実質値は通常地形、操縦手熟練度100%で計算。スキル及び超信地旋回の可否は考慮していません。
砲性能
主砲性能 | ||||||||||||||
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名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 攻撃半径 | 砲弾速度 | 砲弾射程 | 発射速度 | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
130 mm 59-130TA | AP HEAT HE | 1,118 12G 978 | 250 340 65 | 490 490 640 | --- --- 2.78 | 930 930 930 | 720 720 720 | 5.56 | 2,724 | 2.50 | 0.38 | 40 | +23 -7 |
※先頭のセルの色は対応するパッケージの色となります。
解説
- 概要
Tier 10中国重戦車。
試作重戦車WZ-111の最終改良案である。
かつて、最も攻撃的でハイバランスなTier 10重戦車として君臨していた。 - 火力
仰角+23度/俯角-7度、他国と比べれば平均的だが中国戦車としては優秀な数値である。
緩い地形なら俯角を活かしたハルダウンも活用していこう。- 130 mm 59-130TA
単発火力490ダメージ。
貫通力は、通常弾(AP)250mm・砲弾速度930m/s、課金弾(HEAT)340mm・砲弾速度930m/s。
WZ-111 1-4の最終砲に似た名前の砲だが、各性能が強化されている。
似た砲を備えるIS-7と比較すると分間ダメージや照準時間で圧倒しており、他にも弾速や仰俯角、拡散といった全ての性能でこちらが優れている。
総弾数が多めなのも地味な長所であり、弾切れや弾種配分に悩まされにくい。
- 130 mm 59-130TA
- 装甲
操縦席ハッチはWZ-111 1-4よりも40mm薄くなっており、HEATであれば260mm相当となり貫通される可能性がある。
防楯は裏装甲のない部分が広がっており、、330mmを超えるような高貫通弾には抜かれる可能性アリ。
~厚表記以外の数値は、AP弾の標準化を加味した実質の防御力。
装甲モデルはtanks.ggより
砲塔装甲は順当に強化されており、最大装甲厚300mmを誇る。
防楯垂直部もおなじく300mmあり硬い。
キューポラ部分も増厚されており、もっとも薄い部分でも実質220~230mmほどの防御力を持つ。
車体正面上部は140mm、下部は155mmにまで増厚された。
上部楔形部は240~270mm相当、下部は220mm~240mm相当となるが、角度による擬似装甲厚の変異の幅はかなり大きい。
一方操縦席ハッチは120mmから80mmに薄くなっている。また側背面は据え置きな点にも注意。 - 機動性
接地抵抗がWZ-111 1-4からわずかに悪くなっているものの、出力重量比・旋回速度は大きく改善されている。
113に匹敵するほどではないが、重戦車としては良好な機動力を獲得している。 - 総論
WZ-111 model 1-4の純粋な強化版であり、前身を使いこなせていれば本車も問題なく扱えるだろう。
様々な部分に改善が見られるが平地での撃ち合いでは相変わらず車体を容易に貫通されてしまう。
しかし俯角の改善によって活用できる地形が増え、射撃の自由度も増したため、なるべくハルダウンで車体を隠しつつ戦いたい。
WZ-111 model 1-4と特性や各種性能はほぼ変化していないので、運用方法については特に変えなくてもよい。
113同様、素早い前線構築から撃ち合い、火消し、裏取り、中戦車に追従など様々な場面に対応することができる。
全体的に性能が高めながらもバランスの良い本車、Tier 10までたどりついたのならぜひ乗りこなしてほしい。
史実
WZ-111は合計5回の細かな改良が重ねられたと言われており、本ゲームでは最初期型が無印のWZ-111、改良案のmodel 1-4、最終改良案のmodel 5Aに分けられている。
もっとも中国の軍事アーカイブは秘匿されている部分がかなり多く、具体的にそれぞれの案にどういった違いがあったのかは詳細不明である。
・開発
1950年代初期、中国はソ連から輸入したIS-2型重型坦克を運用していた。
IS-2の修理に豊富な経験を持つ工場の中には、IS-2をベースに楔型装甲を採用した独自の試作車両を製作した所もあったようだ。
ただ、当時は主砲や駆動装置の研究が進んでいなかった事もあり、新型重戦車開発は先送りとなっていた。
1958年頃、PLA(People's Liberation Army=人民解放軍)は59式中型坦克(WZ-120)の生産が軌道に乗り始めると、老朽化が進んでいたIS-2の代替計画を開始した。
新型重戦車は、ソ連のT-10と互角以上の性能を有する事が目標とされ、111型重型坦克(model 111)と112型重型坦克(model 112)が提案された。
111型は楔型装甲、112型は通常の傾斜装甲を導入する計画案だったが、PLAは111型の開発を決定し、WZ-111と改称された。
開発目標から推定すると、T-10に近い形状の111型が好まれたのだと思われる。
なお、113型重型坦克(model 113)は112型の改良案であり、PLAが開発を検討した最後の重戦車とされている。
WZ-111とは開発系統の異なる車両であり、WoTのフォーラムでも
110→112(通常ツリー版)→113
110→WZ-111 1-4→5A
と中国の高Tier重戦車を分割すべきという意見もある。
・性能
- 攻撃面
主砲には122 mm Y-174が搭載予定とされており、 これは60式122mm野砲を戦車砲化したもの、つまり122 mm 60-122Tではないかと考えられている。
油圧式スタビライザー、電子測距装置、暗視装置、自動装填装置の搭載も行われていたらしい。
ただし、車体と別に製作された砲塔は写真も現物も残っておらず、試作車両用の主砲とその性能は不明である。
本ゲームでは架空と思われる130 mm 59-130T、つまり59式130mm野砲を戦車砲化したものを搭載している。
ただし、5回の改良過程で主砲が変遷していった可能性もあり、一概に架空とは言えない。
↑59-I式 130mm野砲 - 防御面
車体正面は楔型装甲であり、正面下部は130mmほどで垂直に近い。
また、不完全ながらNBC保護と地雷探知機が搭載されたと言われている。 - 機動性
V-54エンジンによる750馬力の高出力と46トンという重量の組合せにより、59式中型坦克よりも優れた機動性を発揮できる予定だった。
ただし、試作車両では開発の遅れから520馬力のエンジンを搭載していたようだ。
このWZ-111用に開発が進められたエンジンは、後発の主力戦車用エンジンのベースとなった。
なお、WZ-111は中国戦車で初めて車両の制御に油圧を用いた戦車とされている。
1960年10月19日、国防科工委員会によって開発が決定され、装甲兵技术部の改訂を加えて1960年12月24日から開発と研究が始まった。
1963年5月、国防科工委員会による再改訂が行われ、最終計画は1964年6月10日に装甲兵工程学院で作成された。
1965年、砲塔の無い車体のみの試作車両が製作された。
その後、同年に砲塔と主砲が試作されたが何かしらの不具合があったのか、車体に取り付けられる事はなかった。
WZ-111の開発計画は、技術的な問題や主力戦車の開発に加え、重戦車という存在自体の陳腐化に伴い中止された。
現在、ダミー砲塔を搭載した試作車両が北京の軍事博物館に展示されている。
ほぼ同期の121型中型坦克やWZ-132軽型坦克の試作車両が核実験で破壊された*1と言われている中、生き残れたWZ-111重型坦克は貴重な存在と言える。
おそらく砲塔の搭載されていない未完成の戦車だったがゆえに核実験には使われず、誰かしらが大切に保管した事で今日まで残存したのだろう。
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