テルミット・ヴィエルジュ

Last-modified: 2024-03-05 (火) 12:09:01

【キャラ一覧( 無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE / NEW / SUN / LUMINOUS )】【マップ一覧( SUN / LUMINOUS )】

※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。
・「限界突破の証」系統を除く、このページに記載されているすべてのスキルの効果ははCHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです。
 現在で該当スキルを使用することができません。
・CHUNITHM PARADISE LOSTまでのトランスフォーム対応キャラクター(専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター)は、
 RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。

通常白薔薇の咎人
テルミット・ヴィエルジュ.pngテルミット/白薔薇の咎人.png

Illustrator:白皙


名前テルミット・ヴィエルジュ
年齢14歳
職業貴族(子爵)・ヴァンパイアハンター
特技治療・剣術
  • 2017年12月21日追加?
  • STAR ep.IIIマップ2完走で入手。<終了済>
  • 入手方法:2022/10/13~ カードメイカーの「CHUNITHM STAR」ガチャで入手。
    カードメイカー再録歴
    • 入手方法:入手方法:2019/12/5~2020/1/8開催の「「ホーリーナイトダンスパーティー」ガチャ」<終了済>
    • 入手方法:入手方法:2020/7/16~8/5開催の「「和洋折衷、鬼哭啾々」ガチャ」<終了済>
    • 入手方法:入手方法:2022/1/6~2022/2/2開催の「「音闘気鍛錬の行」ガチャ」<終了済>
  • トランスフォーム*1することにより「テルミット・ヴィエルジュ/白薔薇の咎人」へと名前とグラフィックが変化する。
    PARADISE LOSTまでのトランスフォーム仕様
    • 専用スキル「ブラック・オア・ホワイト」を装備することで「テルミット・ヴィエルジュ/白薔薇の咎人」へと名前とグラフィックが変化する。
    • CRYSTAL PLUS以降、RANK25にすることで装備したスキルに関係なく上記のグラフィックを自由に選択可能に。
  • 対応楽曲は「EXECUTOR」。

医療を司る貴族・ヴィエルジュ家の現当主。
同時に、吸血鬼を狩るヴァンパイアハンターでもある。
テルミット・ヴィエルジュ【 通常 / マスカレイド

スキル

RANK獲得スキル
1時のしるし
5
10ブラック・オア・ホワイト
15


時のしるし [HARD]

  • 天使の笑顔のハイリスクハイリターン版と言えるスキルだが、ジャッジメントなどの方が6本はとりやすい。ただしこのスキルは、通常のゲージ上昇が無くなる分、MISSさえしなければATTACK多発でもゲージに影響はない。
  • ちなみに、勇気のしるし嘆きのしるしのように名前が~のしるしであるが、即死条件や効果はジャッジ系に近い。ノート数が多い譜面のほうが効果が大きいと思わないように。
  • 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
    • 筐体内では入手できない。
プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境最大
開始時期ガチャ
PARADISE×
(2021/8/5~)
無し×
あり+2
PARADISE
(~2021/8/4)
無し×
あり+8
CRYSTAL無し+3
あり+8
AMAZON+以前
GRADE効果
参考理論値:126150(7本+150/26k)[+2]
参考理論値:130500(7本+4500/26k)[+3]
参考理論値:152250(8本+500/28k)[+8]
[条件:絶対にチョコミントを食べる
アオイチャン[MASTER] ]
参考理論値Ω:129050(7本+3050/26k)[+2]
参考理論値Ω:133500(7本+7500/26k)[+3]
参考理論値Ω:155750(8本+3750/28k)[+8]
[条件:なるがちゃんなぎにいよいよ
えれー目にあわされる話]
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
共通ゲージが上昇しない
MISS判定30回で強制終了
初期値一定時間ごとに +1350
+1〃 +1400
+2〃 +1450
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(2021/8/5以降では未登場)
+3〃 +1500
+4〃 +1550
+5〃 +1600
+6〃 +1650
+7〃 +1700
+8〃 +1750

所有キャラ【 テルミット(1,5) / ワイズマン(1~10) / ディアナ(1,5) / Dr.テオ(1,5)

GRADE・ゲージ本数ごとの必要時間(発動回数)
  • 時間はメトロノームの1拍目が基準。1ノーツ目まで4秒以上ある場合は必要時間が増える。
  • 灰色の部分は到達不能。
  • 9本以上はGRADEを問わず到達不能。
    GRADE4本5本6本7本8本
    初期値1分30秒
    (45回)
    2分00秒
    (60回)
    2分32秒
    (76回)
    3分08秒
    (94回)
    3分46秒
    (113回)
    +11分26秒
    (43回)
    1分56秒
    (58回)
    2分26秒
    (73回)
    3分00秒
    (90回)
    3分38秒
    (109回)
    +21分24秒
    (42回)
    1分52秒
    (56回)
    2分22秒
    (71回)
    2分54秒
    (87回)
    3分30秒
    (105回)
    +31分20秒
    (40回)
    1分48秒
    (54回)
    2分16秒
    (68回)
    2分48秒
    (84回)
    3分24秒
    (102回)
    +41分18秒
    (39回)
    1分44秒
    (52回)
    2分12秒
    (66回)
    2分44秒
    (82回)
    3分18秒
    (99回)
    +51分16秒
    (38回)
    1分40秒
    (50回)
    2分08秒
    (64回)
    2分38秒
    (79回)
    3分10秒
    (95回)
    +61分14秒
    (37回)
    1分38秒
    (49回)
    2分04秒
    (62回)
    2分34秒
    (77回)
    3分06秒
    (93回)
    +71分12秒
    (36回)
    1分36秒
    (48回)
    2分00秒
    (60回)
    2分30秒
    (75回)
    3分00秒
    (90回)
    +81分10秒
    (35回)
    1分32秒
    (46回)
    1分58秒
    (59回)
    2分24秒
    (72回)
    2分54秒
    (87回)

ブラック・オア・ホワイト [HARD] ※専用スキル

  • 通常のゲージ上昇が-90%される上に、ボーナスも運次第と中々手厳しいスキル。その分1回あたりのボーナス量は高く、期待値換算で+100/JC。上昇率が1/10とはいえ、JCボーナス系列では群を抜いて高い。
  • 極端な運の持ち主であれば、譜面を問わずゲージ上限到達も、逆に1本すら到達不可も、共にありえないわけではない。
  • 「Memoirs of CHUNITHM」MAP8の攻略手段としても有効。+1であれば10本に到達できる可能性は十分にある。
    GRADE効果
    ゲージ10本必要条件(期待値):2100ノーツ
    共通ゲージ上昇DOWN (10%)
    JUSTICE以下100回で強制終了
    初期値J-CRITICAL判定時
    【1%】の確率でボーナス +8000
    +1〃 +10000
    他のJCボーナス系列との比較

    他のJCボーナス系列との比較)
    ブラック・オア・ホワイトのJCボーナスを期待値換算(+80/JC、+100/JC)した場合、右記のJC数(端数切り上げ)で左記スキルに追いつく。下段は該当ノーツ数における左記スキルのゲージ理論値、()内は100の倍数で切り上げたJC数。

    他スキル初期値+1
    ドS天使?+31228(1300)
    6本+2208/24k
    844(900)
    5本+10384/22k
    +36/JC, 250回
    嘆きのしるし+31318(1400)
    6本+9402/24
    886(900)
    5本+14554/22k
    +39/JC, 300回
    J以下上昇率0%
    ??+71688(1700)
    7本+15024/26k
    1039(1100)
    6本+7872/24k
    +48/JC, 200回
    勇気のしるし+51929(2000)
    8本+8308/28k
    1125(1200)
    6本+16500/24k
    +52/JC, 150回
    リバーシブル
    レクイエム
    +1
    2077(2100)
    8本+20158/28k
    1174(1200)
    6本+21396/24k
    +54/JC, 100回
    光吉のしるし+32121(2200)
    8本+23657/28k
    1218(1300)
    7本+1798/26k
    +53/JC, 100回
    終了時+3244
    しゅごい
    AWPレター
    2250(2300)
    9本+6000/30k
    1228(1300)
    7本+2768/26k
    +56/JC, 80回

ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
・・・50・・・・・・100
スキルスキル

STORY

ストーリーを展開

EPISODE1 ヴィエルジュ家の当主「『ヴィエルジュ』家は古き血統。ヴァンパイアハンターとして闇の住人を葬る使命を背負っている」


 ヴィエルジュ家はヴェガ地方を古くから治める貴族。歴代の当主は医療を司り、貧富の差もなく救いを求める者を癒してきたことから、領民にも慕われる名君と名を遺す者が多い。
 だが……ヴィエルジュ家にはもう1つの顔がある。彼らは法皇猊下より、闇の世界の住人『吸血鬼』を狩る使命を受けた誇り高き狩人なのだ。

 現当主『テルミット・ヴィエルジュ』もまた、先代からの意志を継ぎ、若干14歳ながらもヴァンパイア・ハンターとして、高い能力を持ち活躍をしていた。

 「……私はいつか必ず、あの『赤月の狂王』をこの手で裁く!」
 『赤月の狂王』……それは伝説的な吸血鬼だ。残忍極まりない性格、尽きることのない食欲、他の吸血鬼を圧倒するカリスマ性……過去、何人もの罪のない人々がこの吸血鬼の『食事』の犠牲となってきた。その犠牲者の中にはテルミットの両親も含まれる。彼女は幼い頃、先代当主である父と母を赤月の狂王によって殺されていた。テルミットはその時に誓ったのだ。

 『自分の全てを捧げ、全ての吸血鬼共を己が剣で貫く』と……。


EPISODE2 疑惑の辺境伯「とある地方の辺境伯。彼は吸血鬼に転化した疑いがあるらしい。私はすぐさま使命を果たしに向かう」


 「テルミットお嬢様。法皇猊下の書簡でございます」
 法皇の特別な印が押された書簡、それは『吸血鬼狩り』の命令書だ。
 「ルベリエ地方の辺境伯が吸血鬼に転化したという噂が立っているらしい」
 「なんと! ……ですが、ルベリエ辺境伯と言えば、名君と名高いお方。まさかそのような……」
 「……とにかく調査に行くぞ」
 ルベリエ地方に赴いたテルミットは、辺境伯の噂を集めるため、旅行者に扮し街を散策する。
 (辺境伯は領民からの信頼も厚いようだ……。だが、最近彼の周りが騒がしいというのも事実らしい)
 『若い後妻を娶ったばかりなので、浮かれているだけなのだ』と笑う者もいるようだが。
 (……直接彼に話を聞いてみるとしよう)
 テルミットの急な来訪も辺境伯は心から歓迎した。
 「おお! よくぞ参られました。ヴィエルジュ子爵」
 (辺境伯は自分より格下である子爵……それも年若い女子爵である私にも、偽りのない誠意をもって対応して下さっている……それならば)
 テルミットは単刀直入に、法皇猊下の命と、辺境伯に吸血鬼の疑いがかかっているということを伝えた。
 その言葉を聞いた辺境伯の変化は明らかだった。彼は顔を青く染め、震えている。
 「辺境伯。何かお気付きのことがあれば、教えていただきたい」
 「……済まない子爵。少し時間をいただきたい。明日、君を歓迎する宴を行おう。その時には全てを話す」
 テルミットは辺境伯の言葉を信じ、一旦その場を後にした。


EPISODE3 吸血鬼の宴「吸血鬼は彼の新妻の方だった。最期まで妻を庇った辺境伯は彼女に殺され、私は醜き吸血鬼を滅ぼした」


 テルミットは執事ロレンスと共に辺境伯の城へ向かった。彼はテルミットの父の代からヴィエルジュ家に仕えており、先代亡き後はテルミットに仕え、実質彼女の親代わりをしていたのだった。
 「……ロレンス、お前はここまでだ。後は頼んだ」
 「お嬢様……くれぐれもお気を付けて」
 テルミットが晩餐会を行う予定の広間に入ると、そこでは豪勢な宴の準備が整っていたが……床には全身の血を抜かれた参加者たちの亡骸が散乱していた。
 「そんな……辺境伯まで亡くなっている!」
 死体の検分を行っていたテルミットに階上から美しい声が投げられる。
 「ようこそ女子爵さま。私の宴へ」
 豪華なドレスを纏い優雅な足取りで階段から降りてくるのは、辺境伯の新妻シトリーだった。
 テルミットはシトリーの唇が口紅とは別の赤で染められている姿を見て、剣を構えた。
 「シトリー夫人……貴女が吸血鬼だったのだな。なぜ、夫である辺境伯まで殺したのだ」
 「利用価値が無くなったからよ……その男、私の正体にうっすらと気が付いていたみたい。最期まで私に改心するように説得してきたわ。愚かよね!」

 シトリーの元へ、血に飢えた蝙蝠が一斉に集まったかと思えば次の瞬間、そこには巨大な狼に変身したシトリーの姿があった。
 鋭い牙をぎらつかせた狼は、尋常ならざる俊敏さでテルミットに襲い掛かる!
 だがテルミットは動じることもなく、銀の剣を構え、狼の挙動1つ1つを確実に回避する。
 痺れを切らしたシトリーが、大きな口を開け飛びかかった瞬間、テルミットの剣はシトリーの勢いを利用し、開かれた口からその身体を真っ二つに切り裂く。
 シトリーは絶叫を上げながら灰となり消え去った。
 テルミットは広間に飾ってあった百合を抜くとそっと辺境伯の亡骸へと手向けた。
 「さようなら。辺境伯。貴方の愛は愚かでも美しかった……この百合のように」


EPISODE4 枢機卿からの待機命令「新たな吸血鬼の情報が。枢機卿は放っておけと言うが……私は悲劇の予兆を見過ごすわけにはいかない」


 テルミットはルベリエ辺境伯の一件を報告しに王都まで出向いた。そこで聞き捨てならない噂を耳にする。
 (ヴェルソーの大商人、ビフロンスが吸血鬼なのではないかという話だが……)
 テルミットはこのことを法皇に報告しようと、いつもの連絡係、エリゴス枢機卿にビフロンスの調査を申し出た。だが枢機卿からは意外な返事が返ってきた。
 「それには及びません。ヴィエルジュ子爵」
 「なぜです? ……吸血鬼か否かの判断には慎重にならなければなりません。そのためにも綿密な調査が必要なはずでは?」
 「ビフロンスの調査は必要ありません……この件についてはこれ以上は不問です。法の番人、法皇猊下の代理人である私がそう判断いたしました……不服ですか?」
 「いえ……決してそのようなことはありません」
 テルミットはそのように答えたが、心中では納得できていなかった。彼女は元からこのエリゴス枢機卿の考えに疑問を持つことが多かった。彼女は昨今増加を続ける吸血鬼の被害に対し、不自然に慎重すぎるのだ。
 (何よりもあのエリゴス枢機卿の目だ……)
 現法皇の懐刀として活躍するこの枢機卿は、どこか作り物めいた美貌をしていた。ガラス玉のような彼女の瞳はテルミットの心を妙にざわつかせるのだ。
 (吸血鬼は放っておけば大きな災いとなる。なのに調査もしないとは……このままでは吸血鬼に奪われる命が増えるかもしれない。そのことで悲しみに暮れる者が生まれる恐れもあるのだ。かつての私のように……)
 テルミットは独自にビフロンスの調査を開始する決意を固めた。


EPISODE5 美しき少女の集う館「問題の大商人の館に、召使いとして潜入した私は、そこで可憐な乙女たちが働いていることを知る」


 テルミットは枢機卿の命を無視して、ヴェルソー地方の大商人ビフロンスの調査を開始することにした。
 「お嬢様……本当に大丈夫なのですか?エリゴス枢機卿の命に逆らうような真似をなさって」
 「ロレンス……確かに枢機卿の命に逆らうのは、私の立場を危うくするやもしれない。だが、それでも私は悲劇の予兆を見過ごすことができない」
 「お嬢様……分かりました。どうかお気を付けて」
 テルミットは召使いとして雇われ、ビフロンスの屋敷に潜入することに成功する。そこでは彼女の他にも何人もの若い娘たちが働いていたのだが……。
 (なんと……全員、息を呑むような美貌の持ち主だ)
 屋敷に集められていた少女たちは互いに異なる輝きを持つ宝石のようだった。
 テルミットは少女たちから直接ビフロンスのことを聞きだすことにした。
 「旦那様? 良い方よ……私たち、全員孤児だけど、こうやって何不自由なく生活をさせてくれるし……劇団にも所属させてくれるのよ」
 「劇団? 君たちは召使いではないのか?」
 「お屋敷の細々としたお手伝いはしているわ。でも私たちは歌手や女優になる勉強が本分なの。この間も、私の友達が大きな劇団にスカウトされてお屋敷を卒業していったわ……その後、何も連絡がないのは、ちょっと気がかりだけれど」
 「……他に何か気になることはないだろうか?」
 「そうね……ああ、そういえば旦那様から『絶対に近付いてはいけない』と言われている地下室があるの。それが気になるくらいかしら?」
 「ありがとう。参考になったよ」


EPISODE6 ビフロンスとの闘い「大商人はやはり吸血鬼。美しき少女の血を吸い、その死骸を人形にするという外道を私は炎と共に葬った」


 辺りが深い闇に包まれる夜、主人により立ち入りが固く禁止されている地下室へ忍び込むテルミット。
 その薄暗い地下室に広がる景色に彼女は思わず驚愕の声を上げる。
 「なっ!? これは……!」
 そこには美しい人形たちがズラリと並んでいたが……。
 「この屋敷で働く娘たちの死骸で人形を作っているのか。なんと悍ましいことを……」
 娘たちの亡骸の首元には2つの赤い印が刻まれている。
 「吸血痕……やはりビフロンスは吸血鬼だったか」
 「……いけない娘だね。こんなところへやってきて」
 「お前はっ! ビフロンスッ!」
 音もなく現れたその吸血鬼は、テルミットの背後にゆっくりと忍び寄る。
 舌なめずりをしたビフロンスの目は赤く鈍い光を放つ。
 「私の屋敷で色々と嗅ぎまわっていたようだが……何かお探しかね? お嬢さん……?私も丁度探していたんだ……お前のような美しい身体を!……さあ、私のコレクションになってもらおうか!」
 「そうはさせるかっ!」
 テルミットが隠し持っていた銀の剣を抜く。
 暗がりで輝く白刃を目にし、ビフロンスは咄嗟に身構える。
 「貴様、ヴァンパイア・ハンターか! ならば!」
 ビフロンスは手の中に火花を纏った高温の火球を生み出し、幾つもの炎の球がテルミットを襲う。
 炎を自在に操る吸血鬼の攻撃に苦戦しながらも、テルミットは何とかビフロンスに一太刀を浴びせることに成功する。
 傷跡から噴き出る鮮血がテルミットに降りかかり、汚らわしい吸血鬼の血が頬を赤く染め上げた瞬間……。
 (な、なんだ? この力は!?)
 テルミットは自分の中から力が溢れてくるのを感じた。
 神速の一撃がビフロンスの正中線を突き抜けていく。
 ビフロンスは断末魔の悲鳴を上げることもできず、自らの手に宿った炎に焼かれ灰へと還っていく……。
 戦いの最中、館へ燃え移った炎は屋敷を包み込む。
 テルミットは生き残った少女たちを逃がすと、轟々と燃え上がる屋敷を見つめた。
 「哀れな魂たちよ……炎によって天へと還るがいい」


EPISODE7 不可解な謹慎処分「吸血鬼を討ち取った私に下ったのは『謹慎処分』……納得できない命令をただ受け入れるしかなかった」


 見事、悍ましき吸血鬼ビフロンスを討ち取ったテルミットだったが、そんな彼女にエリゴス枢機卿が下したのは『謹慎処分』だった。
 屋敷ではまさかの処分に多くの者が動揺していた。
 「お嬢様は吸血鬼を倒したというのに!」
 「仕方がない。命令違反をしたのだから」
 憤るロレンスをなだめるが、テルミット自身、内心では納得ができていなかった。
 (エリゴス枢機卿、いったい何をお考えなのだ?それにビフロンスを倒した時に生じたあの力の正体は……?)
 自身の置かれた状況にテルミットの気は塞ぐ。そんな主の様子を見たロレンスは彼女に提案をした。
 「お嬢様、気分転換に演劇でもご覧になって来たらいかがでしょうか?」
 テルミットは正直、そんな気分ではなかったのだが、ロレンスの心遣いを嬉しく思い、彼の提案を受け入れることにした。
 気丈に振る舞うテルミットを見るロレンス、親代わりとして彼女を傍で支え続けた男には、彼女が当主として全てを受け入れる器へと育った時に伝えるべき秘密があった。
 (お嬢様はご立派になられた。……そろそろ『あのこと』をお話しすべきだろうか?)
 テルミットが訪れた劇場では懐かしい顔が彼女を出迎えた。
 「君は……ビフロンスの屋敷で出会った!」
 ビフロンスの屋敷で働いていた娘たちが、紆余曲折あったものの、自分たちの道を歩みだしていたことを知り、素直にテルミットは喜んだ。
 だが娘たちは気になることを述べる。
 「私たちはこうして舞台に立っていますが……。中には偉い方のお屋敷に奉公に出た子もいて、その子たちと連絡が取れないんです」
 「その『偉い人』というのは……」
 「お名前はエリゴス様……エリゴス枢機卿様です」


EPISODE8 紅蓮の炎に包まれる屋敷「主の留守を狙われ屋敷に火が! 瀕死の執事ロレンスによると襲撃犯は枢機卿。奴も吸血鬼だったのだ」


 劇団の娘たちからエリゴス枢機卿の黒い噂を聞いたテルミットは、ますます彼女に対しての疑惑を強め、直接法皇に対面を求めることにした。
 (枢機卿の件を早く法皇猊下のお耳に入れねば)
 テルミットは支度を整えるために自分の屋敷に戻った。だが彼女を待っていたのは、劫火に包まれた屋敷だった。
 「なっ!? ……ロレンス! ロレンスはどこだ!」
 「お、お嬢様……」
 門にもたれかかるロレンス。
 掠れた息の主は瀕死の重傷を負い、顔は苦痛に歪む。
 「何があったのだ! ロレンス!」
 「エ、エリゴス枢機卿の騎士団が……!」
 ロレンスの言葉から屋敷を襲ったのがエリゴス枢機卿の直属の騎士・フルカスであるということが分かった。
 「おのれ……エリゴス! やはり裏があったのか!……ロレンス、とにかくここを離れ、治療を……」
 それでも尚ロレンスは言葉を続けようとする。
 「お、お嬢様……私はお嬢様にお伝えしなければならないことが……お嬢様のお母上は……」
 しかし、ロレンスが全てを語る前にその胸がダガーによって貫かれた。
 「ロレンスッ! ロレーーンスッ!」
 見開かれた目はゆっくりと光を失う。
 「……そう悲しむことはない。テルミット、貴様もすぐに同じ場所へ向かうのだからな」
 辺りに霧が立ち込め、その中から騎士・フルカスとエリゴス枢機卿の姿が突如現れる。
 毒気を放つ瘴気を纏った2人の瞳は、今まで狩り続けた者と同じ輝きをしていた。
 「エリゴス! フルカス!……その能力――貴様ァッ!」
 「ええ。ご察しの通り、私たちは吸血鬼。……テルミット子爵、最近の貴女の行動は目障りです。ここでその命、絶たせていただきましょう!」


EPISODE9 宝剣アルダマンウェ「絶体絶命の状況で、私は我が家に伝わりし宝剣に手を伸ばした。その瞬間、一陣の風が駆け抜ける!」


 フルカスはその身を霧に代え、攻撃の軌道が掴めない。そしてエリゴスはいくつもの幻影を生み出し、テルミットを翻弄させた。
 手持ちの武器で強力な吸血鬼を2体も相手にするのは無理だと判断したテルミットは、燃え盛る屋敷の中に飛び込んだ!
 「ほほほ。恐怖のあまり、狂いましたか?」
 もちろんテルミットは恐怖に屈してなどいなかった。彼女が向かったのは宝物庫……。そこに眠る、宝剣アルダマンウェを求めに向かったのだ。
 (ヴィエルジュ家初代が使っていたという宝剣アルダマンウェ。あれは選ばれし者しか抜けず、父すら使うことができなかった代物だ。だが、今は彼の宝剣に頼るしかない!)
 その時、テルミットの頭の中に声が響く……。
 (テルミット……こちらだ)
 声に導かれ、進むとそこには確かに宝剣アルダマンウェが炎を退けるように鎮座していた。
 テルミットが宝剣を手に取るのと、エリゴスとフルカスが彼女に追いついたのは、ほぼ同時だった。
 「……死ねッ! テルミットッ!」
 「頼む! アルダマンウェ! 私に力をッ!」
 テルミットが鞘から剣を抜くと、彼女の中に一気に力が流れ込んでくる。
 その宝剣は一薙しただけで、無数の真空の刃を発生させ、凄まじいまでの斬撃を一度に繰り出す。
 故にフルカスやエリゴスが霧や分身を生み出そうが、彼らの能力よりも早く、身体を切り刻むのだった。
 圧倒的な力で2体の吸血鬼を灰塵に変えた宝剣に、テルミットは喜びよりも驚きを覚える。
 「なぜ私がアルダマンウェを……この力は一体?」
 それはまさに風に祝福されたかのようだった。


EPISODE10 覚醒する血・黒幕の正体「私は枢機卿の顛末を報告するが、なんと法皇猊下は因縁浅からぬ吸血鬼だった。私は今こそ奴を討つ!」


 「……とにかく法皇猊下にご報告しなければ」
 法王庁の中心にいた枢機卿が吸血鬼だったという非常事態にすぐさま対応策を敷く必要がある。
 テルミットはそのまま法皇の元に向かった。
 謁見の許可を得た彼女が通されたのは、玉座ではなく、礼拝堂の奥深くにある旧聖堂と呼ばれる薄暗い儀式の場だった。
 事の次第をテルミットから聞いたザガン法皇は、深い溜息をついた。
 「そうか……まさかエリゴス枢機卿が吸血鬼だったとはな……この恐るべき危機をよくぞ打ち破ってくれたな。ヴィエルジュ子爵よ」
 「吸血鬼を討ち、民の平穏を守ることこそ我が家の務め、猊下のお言葉、誠にありがたき幸せ……」
 「うむ。貴殿は本当に良くやってくれている。だが今回ばかりは流石に疲れただろう。ゆっくりと休むがいい……そう、永遠になッ!」
 法皇は身を切り裂く殺気をテルミットにぶつけてきた。
 「法皇猊下!? どういうことですか!?」
 「まだ分からんのか……つまりこういうことだ」
 嗤う法皇の瞳は深紅に染まり、唇から長い牙が覗く。そして同時に彼の身体から無数の剣が現れた。
 よく見知った、幾度となく夢に見たその姿、テルミットの全身が怒りの炎に包まれる。
 「その瞳、その技……おのれっ!貴様が赤月の狂王だったのか! ザガンッ!」
 「ほう、その名を知っているとはな。いかにも私は赤月の狂王だ」
 しかしテルミットにはある疑問が頭を過る。
 「どうして貴様は私たちヴァンパイア・ハンターに吸血鬼を狩らせていたのだ!」
 「私は吸血鬼の長ではあるが……この世に私以外の吸血鬼は必要ないのだよ。だから私は法皇となり、お前たちに命じていたのだ。その秘密を知った以上、貴様は生かしてはおけぬ……ここで死んでもらうぞッ!」
 ザガンは千の剣とも言うべき刃を操り、テルミットに襲い掛かってきた。


EPISODE11 「私の正体は半吸血鬼。両親より受け継ぎし力で私は法皇を葬った。そしてこれからもこの手で闇を裁く」


 テルミットの周囲に様々な形をした剣が現れる。その主が合図を送ると、まるで生き物のように一斉に飛びかかってくるのだった。
 「……赤月の狂王ッ! 今こそ貴様を討つッ!」
 テルミットの叫びに呼応するように宝剣が光輝く。
 いかにアルダマンウェと言えどこの剣の檻から免れる術はない。そのため、テルミットはいくつかの刃をその身に受ける選択をした。
 鮮血が飛び交う中、ザガンの懐へ潜り込んだテルミットは思うままに宝剣を振り上げる。
 「悪しき魔を砕けっ! アルダマンウェッ!」
 それは幾重もの風の刃を巻き起こし、ザガンを貫いた。
 「うおおおぉぉぉーーッ!!」
 ……こうして、赤月の狂王と謳われた吸血鬼の長は、テルミットの放った渾身の一撃の元に敗れ去った。

 ザガンの正体がなんであれ、法皇を葬ったテルミットは大罪人の烙印を押され、追われる身となる。
 逃避行の途中、再び劇団の少女と再会を果たしたテルミットは、彼女から亡き執事、ロレンスが遺した手紙を受け取った。そこには彼女の出生の秘密が記されていた。
 (私の母が吸血鬼だっただと!?)
 『お嬢様、お嬢様の父上と母上は、真剣に愛し合っていたのです。例えそれが許されないことであっても……貴女はお2人の愛の結晶なのでございます』
 (そうか……私はヴァンパイアとのハーフだったのか。だから血を浴びた際に、力が湧き上がる衝動に駆られたのだな。アルダマンウェの強大な力を制御できたのもそのおかげか……真実を教えてくれて、ありがとう。ロレンス。私は最期までお前に世話をかけてばかりだったな……)
 テルミットは一筋の涙を零し、再び旅に出た。

 ――その後、『白薔薇の咎人』と呼ばれる伝説のヴァンパイア・ハンターが現れる。
 彼の狩人は諸国を巡り、悪しき吸血鬼から無辜な民を護った。その功績は長く語り継がれたという……。


チュウニズム大戦

レーベル難易度スコア
スキル名/効果/備考
●リレイADV0 / 210 / 420
スーパーリセット(上限点数900)
自分の場にMISSが4枚以上で発動。
全プレイヤーは上限点数が「900」になる。

■ 楽曲
┗ 全曲一覧(1 / 2) / ジャンル別 / 追加日順 / 定数順 / Lv順
WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN / LUMINOUS
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧


コメント


*1 RANK15で解放