月鈴 白奈／決意の夏合宿編

　イロドリミドリのヴァイオリン／チェロ担当。
　作曲を専攻していて、ステージはもちろん、オリジナル曲のデモ作りなどでも活躍する、イロドリミドリの隠れた名プロデューサー！
　口下手でおっちょこちょいなところもあるけど、端正なルックスと裏腹に、向かうべき目標には力強く進む、熱い内面の持ち主。

　イロドリミドリの七人目、「終身名誉メンバー」こと月鈴那知先輩の妹で、自主企画ライブや三送会でのライブを通して、姉共々芹菜たちと活動するように。
　また元軽音部長・七々瀬は姉の親友で、彼女を撫子と繋ぐのには、一際大きな役割を果たした。
　結成メンバーでこそないが、今ではイロドリミドリになくてはならないメンバーの一人。

　小さな頃から同じヴァイオリンを習い、横に並んで弾く仲のいい姉妹だった二人。
　幼い頃から才能を発揮した姉に対し、それを無意識にコンプレックスとしてしまった白奈は、ある時ヴァイオリンから離れてチェロを選ぶのだが、那知はそれを逆に距離感と受け取り、並んで弾く機会も失ってしまう。

　高校の学年が上がり、那知の元に演奏の仕事が舞い込むようになると、その無意識的なストレスもあってか、自分の殻に閉じこもるようにして、妹とは疎遠に。
　親友で同じ時期にトラブルを抱えていた七々瀬とも、仕事の都合ですれ違いが増え、言葉を交わせず。
　繊細な那知が落ち着ける時間は、徐々に減っていく。

　白奈が一年次の秋に企画した、生徒主催ライブ。
　その名、「Ｓｔｉｌｌ　Ｇｏｉｎｇ　Ｏｎ」が表すのは、そんなすれ違いを清算し、一歩を進むための決意。
　結果としてこのライブは、白奈がイロドリミドリに加入するきっかけとなり、そして…
　那知にとっても、大きな転換点となるのだった。

　新歓ライブも無事終わり…
　撫子ちゃんと七々瀬先輩の一件も、なんとか丸く収まったみたいです。
　今回は私、本当に何もできないっていうか、オロオロしてばっかりだったなあって思います…
　もちろん、ちょっと面識があったくらいで、七々瀬先輩を説得することはできなかったと思うんですけど。
　でもやっぱり、ひとりの人の、トラウマというか、心のしこりみたいなものを見て見ぬ振りするのは、なんとなく後味が悪くって。
　だから…本当に、本当の本当に偶然ですけど…
　お姉ちゃんが助けに来てくれて、嬉しかったです。
　…またお姉ちゃん頼みか！って感じですけど。

　撫子ちゃんのことも可愛がってくれて、なんか微笑ましかったですよね！
　本物のおばあちゃんかおじいちゃんみたいで。
　軽音の表札まで書いてくれたし…
　なんであんなに字、上手なんだろ。
　書道なんて、やったこともないはずなんだけどなぁ

　合宿！だそうです！
　ＨａＮａＭｉＮａちゃんと私たちイロドリミドリで、作曲合宿…みたいなノリ、になるんでしょうかね！
　作曲とか編曲って、どうしても机に向かって、ひとりでカリカリやらなきゃいけない、孤独な作業じゃないですか…
　愉快なメンバーが、隣でワイワイ口出ししてくれたりすれば、きっとステキなメロディが…
　いや、集中できない可能性もありますけど。

　学校では周りにいくらでも音楽やってる人もいますけど、バンドでの曲作りって、全っ然違いますもんねー。
　作曲の段階でイメージしてたものが、メンバーの手に渡ると全然違う曲になったり。
　一人では「いい曲にならないなぁ…」って思ってデモも、楽器が入ったら全然いい、ってことも…
　逆のケースもありますけど。
　そして…海に程近い別荘に、メンバーみんなお泊り。
　テンションが上がらないはずがありません…！
　待ち遠しいですねえ…うずうず…

　お姉ちゃんに写真を送ろうと思って、ご飯の後、夜の海を撮るのに外に出たら…
　七々瀬先輩が、先に写真を撮ってたんです！
　私はスマホのカメラで、あんまり詳しくないんですけど、先輩は本格的なデジカメを使ってるみたい。
　らしい趣味ですよねー。
　繊細な性格してそうと思ってたので、芸術的なところとか、イメージぴったりかもです。
　なんとなく無趣味そうな人だなあ、って思った時もあったんですけど、そっちか～って感じですね。
　…無趣味っていうのは余計、かな？

　結局私からお姉ちゃんには、みんなで撮った集合写真を送りました！
　あんまり既読はすぐつかないけど、前と違ってお姉ちゃんもスマホを持ってくれるようになったので、なんとなく消息も分かるし、本当にたまにだけど、あっちからも野良猫の写真とか飛んできます。
　向こうで新しいことをやってる、とは言いますけど…
　教えてくれないんです…気になりませんか！？