小仏 凪／決意の夏合宿編

　イロドリミドリのキーボード担当。
　クラシックピアノで養った音感と、先輩たちにも遠慮しない鋭い物言いでバンドの空気を引き締める、イロドリミドリのサブリーダー！
　学校生活では品行方正、人見知りな性格もあって普段は大人しめ…だけど、同級生やメンバーといる時はやっぱり少し振り回されがちな、バンド随一の苦労人。

　もともとの生真面目さからか、バンド加入時はちゃらんぽらんなメンバーたちと合わない部分も。
　ただ数回のライブを経て、今ではすっかりリハやライブの準備を仕切る役回りが板についている。
　軽音の復活を目指す撫子にも親身になって接し、その準備はほとんど凪の手によるもの…とも言えるくらい。
　二年生にして、バンドの屋台骨ともいうべき存在。

　イロドリミドリ、初めての顔合わせの日。
　いきなり仲良さげにふざけ合うメンバーを前にした凪は、今よりもきっとやりづらかったことだろう。
　面識があったり親戚だったりと、既に何かと繋がりのあった他のメンバーに比べ、なずなの紹介とはいえ凪は少し関係性が遠い、というのが本当のところだった。

　そんな凪をイロドリミドリに引き止めたのは、実はなるだったりする。
　クラスが同じの凪をスタジオに改めて誘い、芹菜とリズム隊だけのシンプルなセッションを披露したなる。
　その日が、凪とイロドリミドリとの事実上最初の接触だった、と言うのはきっと真実だろう。

　その後もあーりんとなずなによる曲作りや、芹菜の発言から急にもう一曲が形になったり…と、バンドメンバーとして未知の音楽体験をしていく凪。
　今年はその上、部活での行事も控えている。
　高校での音楽活動を最も満喫しているのは、ある意味凪なのかもしれない？

　部室に集まった何人かで、空き時間に談笑。
　居合わせた華ちゃんから、メンバー同士の呼び方、あだ名について、仲がいいですよね、と指摘が入る。
　確かに、パッと思いつくだけでも…
　あーりん、しろにゃ、なるるん。
　なるちゃんしか使わないが、ちゃんなぎ、芹菜マンあたりもそうか。
　七々瀬先輩も、メンバーのことはナデ、ハナと呼んでらっしゃるようだ。
　ちなみになぜか美苗ちゃんだけ、なぜか小野、小野ちゃん、などの苗字呼びなのだとか。

　あだ名呼びって、私はどうも習慣が定着しなくて。
　くすぐったいというか、ハードルがあるというか…
　なっち先輩、みたいな敬称つきなら呼べるのだけど…
　とはいえそんな仲の良さは、確かに自慢でもある。

　美苗ちゃんにも、華ちゃん発案の「みーにゃ」というあだ名がついたもよう。
　メンバーのあだ名、何かと「にゃ」がつきがち。

　軽音部として活動を開始して、初のビッグイベント…
　夏合宿の準備が、着々と進んでいる。

　合宿に係る準備にあたっては、私を委員長とする実行委員会を立ち上げた。
　準備のそれぞれの部門を担当する委員には、副委員長に撫子ちゃん、施設担当委員に華ちゃん、機材担当委員には白奈ちゃんを選出。
　各々、担当分野の準備にあたってもらっている。

　白奈ちゃんはもちろん、なるちゃんも思ったよりは協力をしてくれ、合宿所（別荘）での機材問題もクリア。
　ドラムセットは芹菜先輩のものを運搬する。
　竿モノのアンプは小型になってしまうが、各自持参。
　スタジオと同じような大きな音は出せないけど、持ち込み機材で、バンド一つ分のセッティングは可能だ。

　合宿中の目標も決まり、当日がとても楽しみ。
　あとは…遊びすぎなければ、いいくらいかな。
　…それが一番、難しい課題なのだけど…

【実施内容】
　・設備点検、及び現状確認、機材セッティング
　・海水浴
　・スイカ割り
　・花火
　・バーベキュー
　・その他、様々な遊び

【活動詳細】
　機材セッティングを済ませ、サウンドの確認…
　のはずが、夕方まで事実上の自由時間。
　夕食は予定通り浜辺でバーベキューを実施した。

【反省】
　ほぼ全員が水着を持参していた。
　合宿の趣旨を正しく把握しているか、疑わしい。

【２日目予定】
　各バンドに分かれてのリハ及び楽曲制作。
　今日は屈服したが、心を鬼にして引き締めたい。