天王洲 なずな／決意の夏合宿編

　イロドリミドリのリズムギター担当。
　包み込むように柔らかな雰囲気と暖かな演奏でみんなを支える、イロドリミドリの素敵なお母さん！
　ギタークラフトを営むおうちの影響で培った豊かな感受性の持ち主で、オリジナル曲の作詞などにも活躍。
　悩みや葛藤を抱えるメンバーには優しく寄り添ってその心を解きほぐす、みんなの心のオアシス的存在。

　クリエイティブな感性が豊かで、その対象は手芸・衣装作り・自作で愛用のうさギターのようなものづくりから、落語・コント・お茶の趣味と、至って多彩。
　一方運動は苦手で、動きもおっとりとしているけど、思慮深くて、相手を第一に思う性格の持ち主。
　初め七々瀬と対立してしまった時も真っ先に撫子をかばうなど、軽音全体のお母さんになりつつある？

　冬休みも明け、いよいよ迫る３年生の卒業式。
　卒業生を送る恒例行事・三送会ライブに出演を依頼されたイロドリミドリに、またもや単位の問題が発生。
　当事者・那知先輩は成績表すら見もしない強者だが、そのくせ「留年だけは嫌じゃ！」と泣きだす始末。
　見かねてメンバーも奔走し、なんとか事なきを得る。

　ますます信頼を深めた那知とイロドリミドリ。
　だが那知が卒業後海外に行くことを明かすと、今度はその思わぬ宣言に、芹菜が動揺してしまう。
　普段の演奏を見失った芹菜に、那知もついつい言い過ぎてしまい、リハスタは一触即発の事態に。
　一気に歯車を噛み違えたメンバーだったが、あーりんやなずなの執り成しもあって、芹菜と那知はお互いへの思いを伝え合う機会を得る。
　「イロドリミドリを帰ってくる場所に使って欲しい」という芹菜に応え、那知はイロドリミドリへの加入を決め、自身の卒業公演でもメンバーと共演。
　高校生活最後の演奏となる三送会でも素晴らしいステージを見せ、那知は旅立っていった。

　今日もうだるような暑さ。
　そとにいるのに、サウナのなかにいるみたいです。
　サウナのそとはこんなにも暑くて、むしむししているのに、どうして？
　とおくには、水ぶろが見えます。
　いや、あれは川でしたね…
　ごめんなさい…ちゃんと日本語喋れてるかな…？

　部活があるのにスタジオで行きました。
　学校に行くのになぜサウナをとおらなくては？？
　まい高校は温泉テーマパークになってしまったのでしょうか？
　わからないことだらけだね。
　すみません、今日は誤字脱字が多いと思います。

　合宿…行き先は、涼しいところがいいね…
　南極とか、北極とか…
　海は、あついんだっけ？　涼しいんだっけ？？
　今日の日記は、後で読み返してみて、おかしなところを直そうと思います。悪しからず…

　合宿、あっという間に終わり。
　写真も思い出もたくさんできちゃって、整理が大変。
　遊びも音楽も、とにかく楽しいことばっかりで、まとめきれそうにないなぁ…

　今回は軽音としてのイベントだから、他のバンドもいたし、それもすっごく楽しかった。
　素敵だよね、あの４人。
　本当は出会うこともなかったかもしれない、軽音を通して巡り合ったメンバー、なんだもんね。
　ちょっと分かりづらいけど、七々瀬さんも、楽しそうな時が増えた気がするし。

　七々瀬さんがなでちゃん達の面倒をみてる時なんか…
　まるで軽音の空白が埋まってく、というか、埋めるように、みんなの歯車が噛み合っていく様子がね、眼に浮かぶんだ。
　七々瀬さんにとってはそれが、ここに「遺していきたいもの」なのかなって。
　傍目で見てだけど、そんな風に思っちゃった。

　新歓ライブの舞台袖で、なでちゃんたちのライブを見ながら、芹菜ちゃんが小さな声で。
　私たちも、この学校に何かを遺していけるのかな、って。

　うーん、芹菜ちゃんは時々、なんだかとても意味深なことを言う気がするのね…
　後でそのこと聞いても、絶対覚えてないんだけど…
　そこは、芹菜ちゃんらしい。

　その言葉が私の心にはずーっと響いていて…
　その日から…今日もそうだけど、一人の時とか、ふとした拍子に、ついつい考えちゃう。
　３年間ていう限られた時間の終わりが、そろそろ来てるから、だとは思うけど。

　私たちも今年、ここに何かを遺していけるのかな。…なんて、芹菜ちゃんの言葉、そのまんまになっちゃった。