【短編】交戦記録CVN30-2024████

Last-modified: 2024-03-06 (水) 17:51:53

交戦記録CVN30-2024████

本記録は████████大陸跡地に派遣されていた隼公国国防海軍平和維持艦隊の記録である。

登場キャラ

航空母艦"ケストレルⅡ"

  • ケストレル・アンダーセン艦長
    航空母艦ケストレルⅡの艦長を務める女性で階級は大佐。
    隼公国国防海軍の中でもとくに有名なニコラス・A・アンダーセン提督の娘であり、彼女の名前は父親の乗艦であったホーネット級航空母艦"ケストレル"からとられている。
  • トバイアス副長 フルネームは未定
    航空母艦ケストレルⅡの復調を務める男性で階級は中佐。
    ケストレル艦長の父であるニコラス・A・アンダーセン提督とは長い付き合いであり、娘であるケストレル艦長のことは幼い頃から知っている。

第1027戦闘攻撃飛行隊"トウホク"

  • 北東 イタコ少佐
    トウホク隊の隊長。
    隼公国有数の海運企業である北東海運の創業者一族であり、国防海軍にも何人もの士官を輩出している北東家の長女。
  • 北東 じゅん子大尉
    トウホク隊二番機。
    隼公国有数の海運企業である北東海運の創業者一族であり、国防海軍にも何人もの士官を輩出している北東家の次女。
    ずんだ餅をこよなく愛し、過去にはずんだ餅を馬鹿にした国防陸軍兵士20人を叩きのめしたほど。
  • 北東 きりたん中尉
    トウホク隊三番機。
    隼公国有数の海運企業である北東海運の創業者一族であり、国防海軍にも何人もの士官を輩出している北東家の三女。
    姉と姉の太ももをこよなく愛する少女。最近新しく家族になったずんだもんに対しては、口では厳しく言いつつも気にかけている。
  • 北東 ずんだもん曹長
    トウホク隊四番機。
    少年のような容姿をしているが性別は女性で北東家の四女。
    彼女はかつて今は亡き大陸の紛争に巻き込まれ孤児となっていた。その後隼公国の戦災孤児保護プログラムによって保護され隼公国に入国。
    当時、戦災孤児の保護ボランティアに参加していた北東じゅん子に誘われて北東家の養子となった。

コメント

  • 初の本格?的SSなので助言をもらえるとありがたいです -- DD-183 2024-02-24 (土) 20:34:54

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Tag: 【SS】

本文

2024年█月█日 18時20分 大泉洋

日も落ち、暗く染まった大泉洋を9隻の艦艇が航行している。
その中でもひと際大きい艦、隼公国の誇る正規空母"ケストレルⅡ"は長きにわたる████████大陸跡地監視任務を終え、帰国の途についていた。

ケストレル艦長「ふぅ。ようやく帰国できるわね。」

トバイアス副長「去年から一度も本国へ帰還できませんでしたからね。先の紛争で難民救助をしたら、難民を空路で送って我々はそのまま監視任務。全く海軍司令部は人使いが荒い。」

ケストレル艦長「まあ、その難民救助は私たちの独断だし、処分がなかっただけましでしょ。それにしてもなんで突然帰国命令が届いたのでしょう?」

トバイアス副長「最近、またきな臭くなってますからな。単なる噂ですが、先日のラクロス島での戦いに我が国も関わっていたという話が...」

ケストレル艦長「えっ!? そのような話は聞いてないけど。」

トバイアス副長「あくまで噂です。ですが、その噂によると海軍の秘匿艦隊が支援にあたったとか...」

ケストレル艦長(Zが動いたの?)

トバイアス副長「まあ、噂がどうであれ、有事に備え海軍戦力を本国に集めているといったところでしょうか。」

ケストレル艦長は副長の話を聞きながら窓の外を見やる。
轟音と共に空に上がっていくFW-18、その機影は暗い空に消えていく。

ケストレル艦長(例の新人"君"は頑張ってるかしら。)

2024年█月█日 18時21分 大泉洋上空 ケストレルⅡより南東500マイル

隼公国の最新型ステルス戦闘機 FW-35 "マスタングⅡ"が4機編隊飛行をしている。

トウホク1 イタコ少佐「トウホク1より各機、問題ありません?」

トウホク2 じゅん子大尉「トウホク2、異常はないです。少し疲れたけどね。」

トウホク3 きりたん中尉「トウホク3、こっちも問題ないです。はあ、早く帰ってずん姉さまの太ももで寝たいです...」

トウホク4 ずんだもん曹長「またきりたんのキモイ太もも話が始まったのだ。」

トウホク3 きりたん中尉「はあ!? キモイって何ですか!? キモイって!! 私はずん姉さまの太もものすばらしさについて語ってるだけです!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「それがキモイのだ。」

トウホク2 じゅん子大尉「ムッキー!! この緑の悪魔め~!! 私の方が階級が上なんですよ!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「それがどうしたのだ。ずんだもんにとってはきりたんはきりたんなのだ。」

トウホク2 じゅん子大尉「二人ともいい加減にしなさい!! 静かにしてないと帰還後のずんだ餅はなしにしますよ。」

トウホク3 きりたん中尉「いや、流石にもういいっていうか、遠慮したいというか。」

トウホク2 じゅん子大尉「北東きりたん中尉。帰投後の膝枕はなしとします。」

トウホク3 きりたん中尉「えっ!! それだけは!! それだけはご勘弁を!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「ずんだもんはずんだ餅を食べたいから、おとなしくするのだ。」

AEW ストーンヘッド1「ストーンヘッド1よりトウホク隊、私語は慎んでください。イタコ少佐も部隊内の私語を止めてください。」

トウホク1 イタコ少佐「ちゅわ!?なぜ私も怒られるのですか!?」

AEW ストーンヘッド1「当然です。あなたはトウホク隊の隊長であり、部隊員を指導しなければいけません。大体..」

トウホク1 イタコ少佐「空で説教はいやですわ。セイカさん。」

AEW ストーンヘッド1「ストーンヘッド1です。作戦中はコールサインで読んでください。しかも...」

トウホク2 じゅん子大尉「長くなりそうだね...」

トウホク3、4「「うん。」」

トウホク1 イタコ少佐「ちゅわ~....! レーダー探知!! アンノウン8機!! 速度マッハ2!! 艦隊方面に向け飛行中!! IFF反応なし!!」

AEW ストーンヘッド1「ケストレルⅡに連絡!! トウホク隊は接近して目視で確認!! 敵対的行動をとった場合は各自の判断で反撃!!」

トウホク1 イタコ少佐「ウィルコ!! 各機、マスターアームオン!! ターンヘディングナウ!!」

トウホク隊各機「「「ウィルコ!!」」」」

トウホク隊のFW-35は一斉に旋回し、所属不明機に向けて進路を取った。

2024年█月█日 18時23分 大泉洋上空 ケストレルⅡより南東550マイル

トウホク隊の各機は警戒しつつ所属不明機に接近を続けていた。

トウホク1 イタコ少佐「こちらは隼公国国防海軍平和維持艦隊、貴機は現在我が艦隊に接近しつつある速やかに飛行の意図を明らかにせよ!!」

トウホク3 きりたん中尉「返事はなし。さっさと落としちゃいましょうよイタコ姉さま!!」

トウホク1 イタコ少佐「駄目ですわ。民間機や他国軍機の可能性がありますもの、誤って落としたら国際問題ですわ。」

トウホク3 きりたん中尉「ちぇ。」

トウホク2 じゅん子大尉「イタコ姉s トウホク1。そろそろ、相手が戦闘機だったら、ミサイルの射程に入るから警k っ!!」

トウホク隊の機体からロックオン警報が鳴り響く。

トウホク1 イタコ少佐「ミサイル!! ブレイクブレイク!!」

トウホク隊各機が散開する。

敵航空部隊「敵は4機だ。数で押せ!! 」

敵航空部隊「ミサイル発射!!」

トウホク1 イタコ少佐「トウホク1よりストーンヘッド1!! 敵機よりミサイル発射を確認!! 敵対の意図ありと認め交戦を開始する!!」

AEW ストーンヘッド1「ストーンヘッド1了解。現在ケストレルⅡよりスカイマーメイド隊が向かっている。それまで持ちこたえろ。」

トウホク1 イタコ少佐「ウィルコ!!」

ずんだもんのFW-35の後ろに敵機がつく。

敵航空部隊「もらっt。ロックオン警報!? 」

トウホク3 きりたん中尉「ずんだもんの後ろを取ったつもりでしょうが、背中ががら空きですよ。FOX2!!」

敵航空部隊「エンジンがやられた!! ベイルアウトする!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「ナイスキルなのだ!! ほらほらもっと僕を追いかけるのだ♪」

敵航空部隊「クソッ、こいつちょこまかと!!」

敵航空部隊「おい馬鹿、追いすぎるn....」

トウホク2 じゅん子大尉「4マルチロックずんだアロー発射!!」

トウホク1 イタコ少佐「ちょっとずんちゃん。ちゃんと言わないと味方に伝わりませんわ!!」

敵航空部隊「やられた!! イジェクト!! イジェk...」

敵航空部隊「あれだけ居た味方が俺一人だと!! クソせめてこいつだけでも!!」

トウホク1 イタコ少佐「もんちゃんその期待が最後ですわ。」

トウホク4 ずんだもん曹長「了解なのだ。これが僕の初戦果なのだ!!」

ずんだもんの乗るFW-35が鋭い機動でバレルロールをして、敵機の後ろに回る。

敵航空部隊「なんだこいつの機動h...」

トウホク4 ずんだもん曹長「トウホク4、ガンズガンズ!! スプラッシュワンなのだ!!」

AEW ストーンヘッド1「敵部隊全機撃墜を確認。だが新たな目標を確認。IFFより敵性と確認済み。数20以上。低空を飛行する攻撃機を含む。」

トウホク3 きりたん中尉「増援!? さすがにきついですよ!」

トウホク1 イタコ少佐「大丈夫ですわ。」

スカイマーメイド1 三倉大尉「スカイマーメイド隊参上!! 」

スカイマーメイド1 シンディ大尉「マキ、そんな戦隊みたいに..んん、スカイマーメイド隊到着したこれよりトウホク隊の援護を開始する。」

12機のFW-18Fが到着する。

スカイマーメイド1 三倉大尉「7から12は低空の攻撃機を落として、残りは私についてきて!!」

スカイマーメイド隊全機「「「ウィルコ!!」」」

2024年█月█日 18時28分 大泉洋上空 ケストレルⅡより南東550マイル

黒に染まる空をいくつもの炎が照らす。

トウホク4 ずんだもん曹長「スカイマーメイド5 後ろに敵機なのだ!!」

スカイマーメイド5「クソッ!! ミサイル警報!! フレアフレア!! 回避成功!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「スカイマーメイド5、合図で右旋回!! ... 今なのだ!!」

スカイマーメイド5「んぐ!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「FOX3!!」

スカイマーメイド5が右旋回した瞬間、ずんだもんのFW-35から発射された4AAMが敵機に命中する。

スカイマーメイド5「助かったよ、トウホク4。っ!トウホク4前だ!! 正面敵機!!」

ずんだもんは素早く敵機の方向に機首を向け機関砲を放つ。

トウホク4 ずんだもん曹長「撃墜!! これで3機目なのだ!!」

スカイマーメイド5「ひゅー。いい腕だ。」

スカイマーメイド5後席「今日のエースは"彼"かもしれませんね。」

トウホク4 ずんだもん曹長「やめるのだ僕は女の子なのだ!!」

激しい空戦が続いていたが、少しずつ敵機が減り...

トウホク2 じゅん子大尉「後ろに敵機! お願い!!」

トウホク3、4「「ずん姉さま(子)の後ろは私(僕)が守る(のだ)!!」」

二人がほぼ同時にミサイルを発射し、ほぼ同時に爆発する。

スカイマーメイド1 三倉大尉「どっちが先?」

スカイマーメイド1 シンディ大尉「うん~。ずんだもんだね。」

トウホク2 じゅん子大尉「ずんだもんありがとう。」

トウホク4 ずんだもん曹長「エッヘン。」

トウホク3 きりたん中尉「うぐぅ...ココデゲキツイシテヤロウカ」

トウホク1 イタコ少佐「落ち着きなさいきりちゃん。トウホク1よりストーンヘッド1全機撃墜を確認。ミッションコンプリートRT...」

AEW ストーンヘッド1「注意!! 新たな目標!! 急速接近!!」

スカイマーメイド11「ぐあぁ!!やられた!! ベイルアウトする!!」

突如射撃音と共に光が走ったと思うとスカイマーメイド11のFW-18Fを貫く。
幸い爆発前にスカイマーメイド11の乗員は脱出した。

トウホク1 イタコ少佐「あれは...」

AEW ストーンヘッド1「データ照合。あれは、RX-083及びIF-25「アルテミス」...機動兵器です!!」

2024年█月█日 18時32分 大泉洋上空 ケストレルⅡより南東550マイル

スカイマーメイド1 三倉大尉「機動兵器!? 周辺の武装勢力が保有している情報はなかったはず!?」

トウホク3 きりたん中尉「大方、皇親残党かイルネシアあたりから流れたんですよ!! 連中は管理ガバガバすぎるんです!!」

トウホク1 イタコ少佐「そんなこと言ってる場合じゃありませんわ。全機散開!!」

100mmの弾丸が放たれ、各機はすんでのところで回避するが、そのすきをついてIF-25「アルテミス」がケストレルⅡ艦隊に向けて飛行していく。

AEW ストーンヘッド1「レーダーの反応から推定するに敵"アルテミス"は対艦装備!! 艦隊に近づけるな!!」

スカイマーメイド6「クソッ!! 待ちやがれ!!」

スカイマーメイド1 シンディ大尉「まて、スカイマーメイド6!!」

追撃しようとしたスカイマーメイド6の機体をRX-083の100mmライフルが貫く。

スカイマーメイド6「なっ!?....」

スカイマーメイド1 三倉大尉「6!? スカイマーメイド6応答して!! 白露!! 村雨!!」

スカイマーメイド1 シンディ大尉「マキ、落ち着きなさい!! 二人とも無事よ。パラシュートの散開を確認してるわ。」

スカイマーメイド5「だが、やつがいると追跡できない...」

トウホク1 イタコ少佐「....三倉大尉。アルテミスの追跡をお願いします。RX-083は私たちが抑えます。」

スカイマーメイド1 三倉大尉「北東少佐!? 危険です!! 数の多い我々の方が!!」

トウホク1 イタコ少佐「私たちの隊は練度が低く、敵機を撃ち逃す可能性が高いです。それなら練度の高いスカイマーメイド隊が追撃する方が撃墜確率が上がります。」

スカイマーメイド1 三倉大尉「北東少佐...」

トウホク1 イタコ少佐「大丈夫です。所詮、あの機体は蜜蝋でできた羽で天使になったつもりの"イカロス"。そんな奴に空の狩人である"隼"が負けるはずありません。」

スカイマーメイド1 三倉大尉「....幸運を祈ります。」

スカイマーメイド隊が一斉にIF-25「アルテミス」の追撃に入る。その背中に向けてRX-083がライフルを向けるが...

トウホク2 じゅん子大尉「トウホク2 FOX2! FOX2!」

トウホク2から放たれた2発の通常ミサイルがRX-083の背中に突き刺さる。

トウホク2 じゅん子大尉「先輩たちの背中は私たちが守ります!!」

トウホク3 きりたん中尉「なんですかあの固さ!! 普通の戦闘機なら落ちてるはずなのに!! チート使ってますよチート!!」

トウホク1 イタコ少佐「みんな落ち着いて!! "ゴルトの巣"*1でやつを囲い込みますわよ!!」

トウホク4 ずんだもん曹長「ごるとのす? 何なのだそれは?」

トウホク2 じゅん子大尉「"ゴルトの巣"...」

トウホク3 きりたん中尉「本気ですかイタコ姉さま!? 練習も何もしてないんですよ!?」

トウホク1 イタコ少佐「それしかありませんわ!! 全機包囲開始!!」

三人「「「ウィルコ!!」」」


*1 アントン・カプチェンコ中佐が提唱した、単独で強い敵を変幻自在の包囲網によって消耗させ撃墜する戦法