モンスター/【バット】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 19:55:40

概要

原語は「Bat」。
蝙蝠と書き、コウモリと読む。
飛翔性哺乳類に分類される動物。音響による位置測定能力を持つことで有名だが、この反響定位と呼ばれる認識能力を持つのは小型の種であるココウモリ類。身体が比較的大きいオオコウモリ類は反響定位は有しておらず、視覚が発達している。ココウモリ類は基本的に虫食性で、オオコウモリ類は果実や花の蜜、ヤシの葉などを食べる。生息域は幅広く、現実世界では極地以外のだいたいの大陸、島にいる。
ファンタジー作品の元となった西洋世界では、吸血鬼の変身体、もしくはアンデッドや悪魔などに操られる手下というイメージがある。しかし、こうした認識は欧州圏が北米や南米大陸に進出した際に出くわしたチスイコウモリの影響のためとされる。東洋世界ではそういった印象は薄く、逆に中国などでは幸運の象徴とされる地域もある。
なおコウモリは狂犬病などの人獣共通の感染症の病原菌を媒介するので接触には注意を要する。
現実に存在する動物なのでフィクション作品でもたまに登場するが、たいていは背景同然か蹴散らされるザコ敵という扱い。しかしアクションゲーム『悪魔城ドラキュラ』シリーズではステージボスとして大コウモリや巨大コウモリが出てくることがあり、素早い動きでプレイヤーたちを苦しめる。もっともここまでまともに敵キャラとして扱われるのはかなり珍しいと言っていい。
メタルフィギュアなどの立体化もそれなりにされているが、基本的に動物種なのでそれほど種類は多くない。大群を表現した「Bat Swarm」や巨大種である「Giant Bat」や「Dire Bat」がいくつかのメーカーから出ていたりする。

クラシック・ダンジョンズアンドドラゴンズ

第4版ではベーシック・ルール・セットに登場。ルールサイクロペディア版では「バット(コウモリ)」と表記されている。
下記の通り、データ上はノーマル種とジャイアント種に分けられるが、ジャイアント種にはさらに亜種が存在する。

ノーマル

原語はNormal Bats。
他者にダメージを与えるわけではないが、最低10匹以上の群れが飛び回ることで、人間型生物は混乱してしまう。混乱した者は命中判定とST判定に-2のペナルティを負い、呪文が使えなくなる。士気は低い上に、毎ラウンド判定を行わねばならない。ただし、支配されていたり呼び寄せられたりしている個体、集団はその限りではない。
ヒットダイスは1/4でヒットポイントは1。アライメントはニュートラル。なお、出現数は1d100。
ルールサイクロペディア版では、種別は動物知力2、サイズSとなっている。

ジャイアント

原語はGiant Bats。
「肉食で、非常に空腹な時はグループを襲う事もある。」と記述。
ヒットダイスは2。アライメントはニュートラル。飛行速度は180’(60’)と速い。攻撃はかむ1回で、ダメージは1d4。
なお、5%の確率で吸血性を持つコウモリとなる。吸血性の場合は、噛まれた相手は対麻痺ST判定を行い、失敗すると1d10ラウンドの間、意識を失ってしまう。加えて、血を吸われて殺された者はアンデッドモンスターに変わる可能性がある。
ルールサイクロペディア版では種別は巨大動物知力2、サイズMとなっている。荷重は500cn/1000cn。

ジャイアント・ヴァンパイア・バット

原語はGiant Vampire Bats。
ベーシック・ルール・セットではジャイアントバット(新和版の表記)のおまけみたいな扱いだったが、ルールサイクロペディア版の解説文では独立した項目が設けられている。ただし基本能力はジャイアント・バットと同じため同一のデータを用いるし、特に追記された事項もない。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

MC1では3種が登場。

コウモリ

原語表記は「Common」。
クラシックD&Dのノーマル・バットに相当するが、わずかながらダメージを与えることがある点で異なる。
知性は動物並みであり、アライメントは「適用されない」となっている。
なお、注意として普通のコウモリと吸血コウモリの違いが記述されている。

大コウモリ

原語表記は「Large(Giant)」。
クラシックD&Dのジャイアント・バットに相当する。
体長3フィート、翼長5~6フィートの大きさで、通常の肉食性コウモリの大型種。
ヒットダイスは最大でも1でダメージも低いが、大量に出現する可能性がある。
また咬み付かれた際に低確率だが、感染症にかかる可能性がある。

モバット

原語表記は「Huge(Mobat)」。
翼長は12フィート以上にもなる超大型のコウモリ。
温血の獲物を好む性質があるだけでなく、低いながらも知性とアライメントを有している。
また無音飛行による不意打ち確率が高い上に、通常の耳に対して痛みを与える鳴き声を上げることで獲物の抵抗を抑える能力を持つ。
飛行能力に制限がかからない場所では回避能力が高い上に、ヒットダイスはそれなりにありしぶとい。