原語は「wrestling」。欧州発祥の格闘技の1つで、徒手での組み合いや投げなどにより相手を倒して両肩を押さえ付ける事を競う競技。
現実世界では古くから存在し、現代でも格闘技の競技種目となっている。
ファンタジー作品ではモンスターと素手で組みあう場面はそれほど多くない。もしレスリングのように組み合う場合でも、比較的人間に近い種族を相手にすることがほとんど。これは人間と非人間型生物の取っ組み合いの表現が難しい上に、非人間型生物は牙や爪などの自前の武器を持っている事が多く、わざわざ組み合う必要が薄いためと思われる。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ
コンパニオン・ルール・セットのプレイヤーズマニュアルに記載されている素手での戦闘ルールの1つ(もう1つは「ストライキング」)。
その名の通り、相手と組み合って押さえつけるという状況を表現する戦闘ルールで、そのために使用する特別の数値として「レスリングレート(略語はWR)」を算出する必要がある。
レスリングは特別な戦闘行動であり、イニシアチブを振る前にレスリングを仕掛けることを宣言する必要がある。爪や牙などの生来のものを含めて、武器を持った相手にレスリングを仕掛ける側は、自動的にイニシアチブを失う。
実体のないアンデッドやスライムなどの粘体状のクリーチャーはレスリングを無効化してしまうし、接触による攻撃手段を持つ相手にレスリングを仕掛けるとその接触攻撃に常にさらされることになる点に注意。
レスリングレート
新和版では「レスリング力」と訳されている。
基準は経験レベルの半分(端数切り上げ)で、ストレングスとデクスタリティの修正値を加算する。これに、装備する防具のアーマークラスを加える。この時、魔法の防具であっても、そのボーナスは加えない。
レスリングの判定は、1d20+WR値を比較するという形式となる。同じであれば何も起きないが、勝った方は相手の肉体の一部をつかむことが出来る。続くラウンドで相手をつかんだ側が勝つと相手を床や地面に引き倒したことになる。引き倒した相手にさらにレスリング判定で勝つと相手を押さえ込んでしまうことができる。この時、押さえ込んだ側が締め付けることで1d6ダメージを与えることも可能。締め付けのダメージを逃れるために押さえ込まれた側は対デスレイST判定を行える。成功すればダメージを免れる他、出目が20の時は押さえ込みから即座に脱出し、立ち上がる。
さらに、複数のレスラーで同じ相手を押さえ込むという行動も可能になる。この時はレスリングレートが変化する。
選択ルール
レスリングに関しても、以下の選択ルールが存在する。取捨選択はDMの判断による。