種族/【ドワーフ】

Last-modified: 2023-04-10 (月) 22:45:35

ドワーフ(英語: dwarf、ドイツ語: Zwerg、古ノルド語: dvergr)は、人間よりも少し背丈の小さい伝説上の種族。民話、神話、童話、ファンタジー作品などに登場することが多い。高度な鍛冶や工芸技能をもつとされており、外観は男女共に背丈が低いものの力強く屈強で、特に男性はその多くで長い髭をたくわえているとされる。
ドワーフ小人、矮人、侏儒、あるいは単に小人と訳されることもある。

出典「ウィキペディア」

童話の「白雪姫」に出てくる7人の小人や「指輪物語」など、ファンタジー作品では有名な種族。多くの作品で特徴的な設定として、人間より背が低いが体格は頑健で、豊かな髭を持つ。また戦士や職人、鉱夫として優秀とされる。
ファンタジー作品ではもっぱら主人公の仲間や脇役としての登場が多く、登場人物もほぼ男性のみで占められていた。しかし2000年代以降ではドイツの児童文学作品『怒矮夫風雲録』で3人組のドワーフが主人公の作品が刊行されたり、ライトノベルではロリ体型の女性ドワーフが登場するなど、それまでの作品には出てこないような、多様なドワーフ像が描写される作品が出てきている。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

身長120cm、体重70kgくらいの体格で、肌は土色、髪の毛は灰色か黒か暗い茶色とされる。頑固だが現実的で、飲食を好み、全員が工芸師としての腕を持っていて、金に愛着を示すという設定。
加えて、『男のドワーフは長い髭を、女は短い髭を生やしている』という記述がある。当時、新和が輸入販売していたシタデル社製のD&D公式メタルフィギュアでもドワーフの女性が見られなかったこともあって、当時のプレイヤーたちにとってドワーフの女性は非常に想像しにくかったかもしれない。


クラスとしての特徴はファイターとほぼ同じだが、強靭さが9以上でなければドワーフになれないという制限がある。
トゥハンドスォードロングボウは使えず、ポールアームは基本的に使えないと判断するDMが多い。他の武器は問題なく使用できる。特殊能力としてインフラヴィジョンと、追加言語4つ、採鉱のエキスパートとして一部の罠やスライドする扉、傾いた通路を見破るというものがある。
セービング・スローの数値もファイターより良好で、一部の武器制限と若干成長が遅い以外は低レベルでは優秀な前衛となる。ただし、レベル上限は12と低い。
その後も経験点を積むことで、コンパニオン・ルール・セットアタックランクが上昇することが明記され、経験点が660,000でファイターコンバットオプションが使用可能になり、1,400,000に達するとダメージをもたらす呪文や魔法効果によるダメージが自動的に半減するようになる。

ルールサイクロペディア

基本能力やチャートには変更がない。
レベル上限を36にする選択ルールのガイドラインが提示されている。
この選択ルールを採用した場合、命中判定表はファイターと同じになる。また10レベル以上で得られるヒットポイントの加算値はレベル毎に+3ではなく+2になる。
36レベル到達に必要な経験点は5,400,000。


原語版では「Male dwarves wears long beards.」(男のドワーフは長い髭が生えている)という一文があるが、女性の髭の有無には触れられていない。
日本語版ではドワーフの髭に関する文章が完全に抜けている。

GAZ6「The Dwarves of Rockhome」

未訳だが、ミスタラ世界のドワーフの国「ロックホーム」でのドワーフについて記されている。
このサプリメントでは、ドワーフの女性には髭が生えないこと、寿命は約200年以上であることが明記された。
さらに「Dwarf-Cleric」という新クラスが追加された。

  • Dwarf-Cleric(ドワーフ・クレリック)
    ロックホームで信仰されるドワーフの神「匠の神カグヤー」のクレリック。
    概要はこちらの項目を参照

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

コアルール(基本ルール)に明記されているドワーフの種族は以下の3つ。

  • ヒル
    3つのドワーフ族の内、プレイヤーキャラクターが演じるのは原則としてヒル・ドワーフになる。
    ドワーフの基本となる種族であり、丘に住むことが多い。他の2つのドワーフ族はDMの設定次第では存在すら無いかもしれない。アライメントは基本的にLG(ローフル・グッド)。
  • マウンテン
    丘に住むヒル・ドワーフに対し、山に住んでいる。丘ドワーフよりも屈強で体格に勝る者が多いらしい。詳細は不明。
  • デュルガー
    「ダークエルフ」のドワーフ版ともいうべき存在で、別名「グレイ・ドワーフ」。
    プレイングガイドVIの記事によると、ドロウ・エルフと同じく本来はモンスターとして設定されたものの、第1版の展開に行き詰まっていた頃にプレイヤーキャラクターを可能とする記事が発表されたことがある。もっとも、強力すぎてすぐにパワーダウンする追加記事が掲載されたらしい。

プレイングガイドII

1982年2月に発行されたDRAGON誌58号に掲載されたものの翻訳記事。著者はRoger Moore。原語版の題名は「The DWARVEN point of view」。
基本ルールブックでは解説が少ない、ドワーフという種族についての解説記事。AD&Dにおけるドワーフの社会や傾向など、人間とは異なる文化を持つ知的種族として記述されている。ただしあくまでもAD&D(第1版)のルールを基本とするガイドラインであってルールではないことが明記されている。
記事での解説はだいたい以下の通りとなる。
ドワーフの基本的なアライメントはローフル・グッドである。男女ともにヒゲが生えていると第1版のダンジョンマスターズガイドに記載されている。ドワーフ男性の好みがヒゲの有無に関わるかどうかは不明とされていることから、女性のドワーフに必ずしもヒゲが生えていないという見方もできる。
ドワーフ社会の人口の男女比は2:1であり、約半数の男性は結婚できない。男女問わず結婚することは相手や子供に尽くすことであり、配偶者は互いに嫉妬深くなり独占欲が強くなる。配偶者と子供への献身で束縛されてしまうため、結婚したドワーフは冒険からは引退することになる。また家庭を顧みないことは、配偶者や子供に対する最悪の侮辱とされる。独身のドワーフ男性は人生を冒険者や鉱夫、工芸師などに人生を費やすことになるが、独身者にとってはそれが当たり前になる。特に独身者の持つ職業への探求心は絶えることのないものであり、他の種族であれば投げ出すような地道で根気のいる作業を長年に渡って続けることができる。
ドワーフは物質主義者であり、物欲が強い。また自分自身の持ち物に執着しているため、ドワーフにとって強盗やスリへの罰は死罪しかない。このため、ドワーフのシーフは同族ではなく他種族から盗みをはたらくことが多い。
ドワーフは氏族、あるいは種族としての繋がりを大事にしており、他種族との協力をなかなかしない。ただし同族意識は強く、他のドワーフが奴隷状態にあることを知った途端に協力して「敵」を叩き潰そうとする。またドワーフは奴隷を作る習慣はなく、敵は追放するか討伐されるかの2拓になる。
ドワーフの主神は「モラディン」であり、鉄とミスリルを世界の中心の火で鍛えることでドワーフを作ったと伝わっている。そのためか、ドワーフが死亡した時にその遺体が葬られないことは不名誉とされる。ドワーフの葬式では遺体は儀式的な火葬にふされた後、石室に葬られる。これは肉体をモラディンの炉と大地に帰すことを象徴するとされる。

第2版プレイヤーズハンドブック

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズと似たような記述だが、髭の事に関しては触れられていない。戦闘技能や工作技術など、科学技術に多大な関心を持つが、逆にウィザードスペルを嫌うとされる。
能力値制限としては、ストレングス8以上とコンスティテューション11以上の2つ。選択できるクラスクレリックファイターシーフの3つ。マルチクラスはファイター/クレリック、ファイター/シーフのみ。
特殊能力クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズとほぼ同じだが、セーヴィング・スローコンスティテューション3.5ポイント毎に、毒と魔法に対して+1ボーナスという仕様になっている。
また、呪いを含めて、自身のクラスに関係のないマジックアイテムが故障することがある。


当時、ラルパーサ社から発売されたAD&Dのメタルフィギュアで男女一組のドワーフ・ファイターが販売されていた。顔の造形は、男性は髭がもじゃもじゃなのに対して、女性は髭が生えていない。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

肉体的特徴に関してはほぼ同じだが、髭の記述は男性のみで女性の髭に関しては有無を含めて記述がない。
ドワーフの大人は50歳ほどと明記された。
種族として、「頑丈でタフだが、ぶっきらぼうで無口なことが多い。」ことを表現して、能力値は【耐久力】+2、【魅力】-2となっている。
長所として、60フィートの暗視?能力、石工の勘、毒と呪文や疑似呪文能力に対するセーヴィング・スローに+2、オークゴブリン類への攻撃に+1、巨人に対する+4の回避ボーナス、石や金属に対する〈鑑定〉に+2といった複数の種族ボーナス?を持つ。
中型クリーチャーでありながら移動速度が若干低いことが難点。適性クラスファイター

関連項目

種族】【デミヒューマン