概要
【てんしのローブ】や【てんしのレオタード】など、アイテムにはその名を冠したものがあったものの、存在そのものについては、DQ9で登場するまで出てきそうで出てこなかった。
【天空人】や【リファ族】とは似て非なる種族であるようだ。
モンスターズで登場した【エンゼルスライム】もスライム界の天使らしい。
DQ9
本作のキーとなる存在であり、本作の【主人公】、そして本作のラスボスも天使の【エルギオス】である。
最初のチュートリアル戦闘の時に主人公の職業表示欄には「てん」と表示されているが、これは【守護天使】という職業の略称である。
特徴
天使は人間の男女とほぼ同じ外見をしているが、頭上に光の輪を持ち、背中に羽が生えている。
人間よりはるかに頑強な肉体と空を自在に飛ぶ能力を持ち、光輪の効力により人間の目には見ることができない。
寿命は非常に長いものの無限ではなく、やがては老いて死に、光と化して消えてしまう。
新たな天使がどのように誕生するのかは不明だがイザヤールとラヴィエルが双子の兄妹とされているので、親がいると思われる。天使の中にも老若があり、作中での最年長は長老【オムイ】で、主人公は比較的若い天使である。
ちなみに、オムイ以外の天使は皆一様に見た目が若く、【天使界】でもかなり年長であるはずの【イザヤール】、【ラフェット】、【ラヴィエル】も人間で言うところの20代の若者の容姿である。
さらに年長者であるエルギオスもやはり若者の見た目であるため、オムイだけが飛びぬけて年長者であるようにも見えるが、彼らの容姿と年齢の関係性が人間と同じとは限らないので、真相は定かではない。
ただし、エルギオスに師事していた当時のイザヤールが少年のような容姿であることから、少なくとも若い天使の容姿は人間に近い変化をたどるようである。
人間との差異である光輪や翼を何らかの事情で失ってしまうと、天使としての能力が一部失われてしまう。
例えば、光輪を失ったエルギオスは人間に見えるようになり、光輪と翼を失った主人公は飛行さえもできなくなってしまった。
ちなみに、主人公やエルギオスが光輪や翼を失った理由については、配信クエストでも語られることはなかった。配信で明らかになることを期待していたプレイヤーも多かったと思われるが……。
ちなみに、本作に登場する種族間で見える見えないの関係が結構ややこしいので、以下にまとめておく。
種属 | 視認対象 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
主人公(光輪なし) | 人間 | 天使 | 妖精 | 幽霊 | 魔物(死霊系含む) | 星のオーラ | 女神の果実 | 天の箱舟&世界樹 | |
主人公(光輪なし) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
人間 | ○ | ○ | × | ×※ | × | ○ | × | ○ | × |
天使 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
妖精 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
幽霊 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ? | ? | ○ | ? |
魔物 | ○ | ○ | ○ | ○ | ? | ○ | ? | ○ | ○ |
※クエスト【サンディようぎしゃ】ではサンディが【カラコタ橋】の少女に見えている。また、恐らく妖精と思われるアギロがカデスのろうごくの囚人に見えているので断定ではない。
※作中で明言されないものは「?」と表記している。
天使には上下関係があり、下位の天使は上位の天使に逆らうことができない。
逆らう意思を持つことは可能だが、傷つけようとすると体が動かなくなってしまう。
だがイザヤールが偽の女神の果実を使った戦略をオムイにも秘密にしていたように、欺くことは可能なようだ。
オムイは「もはやエルギオスを超える天使は居ない…このわしでさえもな」と言っており、見た目は若いエルギオスがオムイと同格以上である辺り単に年功序列というわけではないらしい。
後天的に力を付けて上位になれたり、あるいは老いで下位に落ちたりするのかもしれない。
ちなみに、公式ガイドブックの記載ではオムイが最上位の天使ということになっている。
単なる誤記の可能性もあるが、おそらく行方不明のエルギオスを含めない現存の天使の中で最上位という意味なのだろう。
天使の役割
天使の仕事は地上世界の人間たちを助け、【星のオーラ】を集めてそれを【世界樹】に捧げることである。
天使たちには後述する事情はほとんど伝えられておらず、彼らは「星のオーラを集めて世界樹を育て、【女神の果実】が実った時に【神の国】へ帰れる」とのみ知らされている。
天使は人々を襲おうとする魔物を退治したり、さまよえる【死者】を天へ導いたり、あるいは馬小屋の【うまのふん】を掃除したりといった地道な人助けを数千年、数万年続けていた。
町や村に1人ずつ【守護天使】が存在しており、その名は【守護天使像】に刻まれている。
人々は天使の存在を感知できないながらも、その存在を信じ日々彼らに感謝して暮らしてきた。
主人公は師匠である天使イザヤールから【ウォルロ村】の守護天使の仕事を受け着いたばかりの新米守護天使である。
物語の冒頭、ついに世界樹に女神の果実が実ったが、堕天使となったエルギオスによって奪われそうになる。
その際に地上に落ちた天使(主人公)は、同時に地上へと落下した女神の果実を探す旅に出ることとなるのである。
真実
DQ9における天使の正体は、【創造神グランゼニス】が産み出した存在である。
悪しき心を持った人間が多くなったのを嘆き、人間を滅ぼそうとした創造神グランゼニス。
それを止めたのは娘である【女神セレシア】。
彼女は自らの身を世界樹に変え、あくまで人間を守り続けるという意思を示した。
世界樹と化した彼女は、人々の感謝の結晶である星のオーラを集めることでしか元に戻る事はない。
娘の決意を見たグランゼニスは人間を滅ぼすのを止め、世界樹を守り育てセレシアの姿に戻すために天使界、そして人間を見守る天使を創ったのである。
最終的に主人公はエルギオスを倒し、ついにセレシアを完全に復活させることに成功。 役目を終えた天使たちは星となり、星空の守り人として地上を見守り続けることとなるのである。
ただ1人、ラヴィエルを除いて。
そして天使が空に昇っていったことで、生きた人間からは天使の存在及び信仰の記憶が消える事となった。
海外版
英語版でのDQ9における「天使」はangelではなく、女神セレシアの英名Celestriaにnを足したCelestrianとなっている。
「Celeste」には天国や天空といったニュアンスがあり、日本語表記にすれば「天上人」や「【天空人】」といった感じであろうか。
教会の【十字架】などもそうだが、実在の宗教を強く連想させるような要素はできるだけ排除しようとしたのだろう。
英語版での名前はラテン語での鳥の名前から付けられている。
【オムイ】がApus(アマツバメ)、イヤザールはAquila(鷲)、ラヴィエルはPavo(クジャク)、ラフェットがColumba(はと)、エルギオスがCorvus(カラス)と見事に鳥だらけ。
これらはいずれも鳥の星座名でもあり学名でもある。
星座の場合はApusはふうちょう座となるが、どっちにしろ鳥由来なのは間違いなさそうだ。
ちなみにスペイン語だとPavoは七面鳥を表す。
余談
【錬金釜】の【カマエル】は、光輪や羽のついた形をして、知性を持って話せるため、天使と何らかの関連性があるのかとも思える。
しかし、【リッカ】が見て触れたり、天使関係者から何の言及もなく、関連性は不明である。
DQ10オンライン
長編クエスト【破界篇】に登場したのち、Ver.6ではストーリーにおける中心的な種族として物語に関わってくる。
DQ9の天使と違い光輪がないが、そうなった理由と背景についてはVer.6.4で語られた。
モーモリーナ、デンデロベーといったモンスター姿の天使には光輪がある。
また、DQ9の天使たちも歴史上の存在として語られている。
Ver7.1では守護天使も登場し、ストーリーに関わった。
詳しくはこちらを参照。