【十字架】

Last-modified: 2021-05-28 (金) 17:50:19

概要

キリスト教の宗教シンボル(✞)。
DQ2~7において、死や宗教に関わるものを意味するデザインとして使用された。
ドラクエにはキリスト教そのものは登場しないが、【堀井雄二】曰く「分かりやすさ重視」で十字架を採用していたとのこと。
 
しかし、海外版では別デザインに差し替えられた。
欧米圏では信教の自由の観点から、ゲームに特定の宗教の意匠を使用することが忌避されていることが背景にある。
 
DQ8以降、国内版でも最初から十字架ではないデザインを使用するようになった。
これはローカライズ時のコストを抑えるためと考えられる。特に3Dモデルの場合、単に画像を差し替えるだけでは済まない話になる。
なおDQ8ではまだ十字架に近かったが、DQ9以降、より十字架から離れたデザインに改められた。
欧米圏において、前者では十字架そのものにまだ近い、あるいは鉤十字(後述)を想起させるためなお悪い、といった判断がされたものと考えられる。

DQ7以前、及び同時期のリメイク作(~PS2版DQ5まで)

神の象徴として【教会】【ほこら】の屋根の上や内部に設置されている他、DQ3の【僧侶】やDQ4の【クリフト】など、僧侶キャラの衣服にも意匠として取り入れられている。
DQ2では悪霊の神々を崇拝する邪教の大神官【ハーゴン】の居室やSFC版等の戦闘背景にも十字架のシンボルがあり、人間側と邪教のシンボルが同一になっている。
また、仲間が死んだ際の【棺桶】のフタや、作中あちこちで見かける【墓】もほとんどが十字架型である。
DQ4以降は【つよさ】【どうぐ】などを確認する際、【死亡】した味方キャラにこのマークが表示されるようになったため、プレイヤーには「死」を意味するマークとしても認識されている。
それ以外でもDQ3では【ぎんのロザリオ】なる十字架そのものをモチーフとしたアイテムも登場しており、DQ7では【コロプリースト】【プチプリースト】が十字架を持っていたりする。

海外版

海外のNES版【DRAGON WARRIOR】シリーズでは宗教上の問題を避けるために、こうしたキリスト教的要素は修正、あるいは削除されている。
例えば、墓の形やほこらの建物も修正され、教会のマークは魔法陣(五芒星)に、死亡した味方は【透明】のような状態になっている(恐らく幽霊と思われる)。
DQ2では【神父】のグラフィックが変更されており、【ハーゴンの神殿】の1階の十字架は、「回」の字のような模様に変わっている。
DQ3では【僧侶】の服のマークが変更されている他、王様が着ている服のデザイン(十字架をイメージした訳ではないと思われるが、白い線が十字に交差している部分がある)まで修正されている。
 
しかしながらDRAGON WARRIOR後期の作品であるPS版DW7やGB版DW1・2、GBC版DW3では変更されず、そのまま十字架が使用されている。

DQ8、DQ1~DQ7(DS時代以降のリメイク版)

日本国内版においても、DQ8以降の作品やリメイクでは十字架ではない独自のシンボルマークに差し替えられた。
 
DQ8では、横棒部分の両端が上に折れ曲がったデザインへと変更された。
施設としての教会を表すマークでは、下線が引かれ、先端は丸くなっており、教会にもよく置かれているロウソクを3本立てられるタイプの「燭台」をモチーフにしたようなものとなっている。
【金のロザリオ】などの意匠に用いられているものは、各先端が槍の穂先のようなひし形に尖ったデザインで、全体のデザインも「十」と言うより「|」と「W」が合わさった「Ψ」のような形状である。
こちらはその形状故に【アークデーモン】などの悪魔系モンスターの持っているピッチフォーク(もしくは三叉の槍)にもよく似ており、若干教会のイメージとはミスマッチな感が出てしまっている面もある。
 
DS版の天空シリーズ、3DS版DQ7、スマホ版以降でもDQ8のものとほぼ同じタイプのデザインのものが用いられており、教会や墓、棺桶などの十字架は全て同様のものに変更され、墓の一部は石碑に変更された。
FC・PS版では◯に十字が刻まれたマークが入っていた【クリフト】の帽子や【アリーナ】のベルトなども、五角形に縦線が入ったものに変更されている。
ただし変更のタイミングは一律ではない。例えば上記のプチコロプリーストの場合はDS版DQ5でも十字架のままで、その後3DS版DQ7にて修正されている。
死亡時にステータス欄等に表示されるマークも、DSまでは変わらず十字架のものが用いられていたが、3DSやスマホ版では「Ψ」型に変わった。
しかし、先述のDQ2のハーゴンの神殿1階の十字架は、スマホ版になっても「十」のままである(戦闘背景は修正)。
 
なお、アイテムのデザインなど一部では従来通りの十字架が用いられている。
元々十字架をモチーフにデザインされた【ゾンビキラー】や、デザインの一部に十字架が取り入れられているDQ7以降の【はじゃのつるぎ】【メガンテのうでわ】などでは、
特にデザインの変更は行われておらず、日本の公式ガイドブック内での設定の中にも「十字架」という言葉は登場している。

DQ9以降

上部が欠けた円に逆Y字のマークがくっ付き、逆Y字の上部が円の隙間から突き出たデザインになった。
実在する「平和」のシンボルマーク(☮)から、一部を欠いたようなデザインで、PCなどの電源マークの縦棒の部分が逆Y字になったようにも見える。
DQ8のものは比較的「十字架」に近い、それに手を加えたようなデザインだったが、DQ9ではその面影もなくなっている。
作品中に登場する教会のシンボルと棺桶のフタに描かれている模様、金のロザリオの形状などは、全て新デザインのものに変更されている。
また、墓石として石彫や木で作るのは難しいデザインのため、墓は全て石碑型になった。
神父の帽子や服、僧侶用の装備品には、円の部分を取った、逆Y字マークのみが描かれている。
 
DQ3の僧侶のコスプレ装備である【しんかんのぼうし】【しんかんのエプロン】には、元は大きく「十字架」が描かれていたが、これらにはDQ8と同じ三叉の槍に近いものが用いられている。
【クリフトのぼうし】【クリフトの服】のデザインはDS版DQ4に準拠している。
 
一方、【闇の溢る世界】の滅びの街には十字架の墓が幾つも建っている。

特技演出の変更

十字架を用いた特技の演出についても変更が見られる。
DQ6の【ゾンビぎり】の演出は、SFC版では十字架のエフェクトが出現したが、リメイク版で変更が加えられている。
また、「祈りを込めて十字を切る」という技である【グランドクロス】も、DQ8以降の作品では最後に聖なる光を降らせたり、「十字に斬る」ような演出になったりと、作品ごとに微妙な変化が与えられている。
海外版・移植版DQ8ではククールのグランドクロスは【Pearly Gates】および【天国への階段】へと差し替えられている。しかし、敵が使うグランドクロスは特に修正が行われていない。

トルネコ2

ダンジョン内に現れる【教会】を構成するオブジェとして登場。
教会地形の中央部分に十字架が立っている。
グラフィックはゾンビ系モンスターを倒すと出現する【お墓】と同じだが、こちらはアイテムではなく【水晶】などと同じ特殊な壁の一種である。
【大部屋の巻物】で壊れることのない地形の一つだが、【カギ】付きの宝物庫の壁などとは異なり【つるはし】、アリの壁掘り能力等で直接破壊することは可能。
ただし、それを行うと次の瞬間天罰が下る
 
PS版では【中断】ポイントで十字架に向かって中断する演出がある。
GBA版では画面が暗転したまま中断を行う。

ビルダーズ

最近のDQシリーズでは珍しく墓に十字架が用いられていたが、Switch版ではDQ8以降のデザインに準拠。
だが、DQB2では何故か十字架に戻っている。

ロトの紋章(完全版)

第4巻の197Pのルイーダの酒場の壁に飾られてある集合絵で、若い頃のカダルと女僧侶の衣装のデザインが十字架からDQ8以降に用いられてる例のシンボルに差し替えられている。
しかし、それ以外のページでは十字架のまま。

ダイの大冒険

新アニメ版では、【ずるぼん】の衣装の十字架がDQ9以降のデザインに変更されている。また、【レオナ】【ザオラル】を使用した際に光の十字を描く場面が、やはり逆Y字状に光が広がる演出になっている。
なお新アニメに合わせて刊行されている新装彩録版では、いずれも変更なし。
 
余談だが六芒星は、2003年刊行の文庫版までは無修正だったが、新アニメ及び新装彩録版ではデザイン変更され「六芒星」ではなく「六星」呼びになっている。

キリスト教以外の宗教シンボル

六芒星(✡)もイスラエル国旗に使用されるなど、ユダヤ民族のシンボルであるため、変更が加えられることがある。
(例:DQ6【聖なるほこら】ダイ大「邪悪の六芒星」→新アニメでは「邪悪の六星」・デザインも対角線を曲線に修正)
 
DQ3【ダーマの神殿】内に大きく描かれた「卍」も、海外のNES・GBC版では全削除、スマホ版では「田」に変更された。
卍は本来、仏教のシンボルだが、欧米圏ではハーケンクロイツとの類似性からの拒否感が強烈であったものと思われる(日本の地図記号で寺院を表す「卍」についても同じ議論がある)。
 
他方、DQ3【ジパング】・DQ11【ホムラの里】の鳥居については改変がない。
これは上述「卍」の削除理由が仏教ではないことの傍証とも言える。