【物品・機械】/オリハルク

Last-modified: 2023-09-19 (火) 08:09:01

アルファベット表記:Oliharc
漢字表記:気金
分類:金属-秘境資材
該当地方:主に綴州
発案者:tocoma110
Tag: 物品機械 金属 秘境資源 発案:tocoma110


概要

聖銀と並び著名である、特殊な金属の一つ。
別名に『気金』とあるように、通常は固体として存在しない稀有な特性を持っている。そのためその採集・加工は通常の手段では難しく、専門の技術や機材を必要とする。
そうした理由から、精術士による補佐なくして利用が出来ない代物となっている。

 

特徴

前述の通り、基本的には固体結晶で見つかる例は稀。
大抵の場合は視認レベルの濃度を持つ精流じみた、輝く気体に近い状態で発見される。一般的な鉱脈の概念とは異なる形で湧出地が存在するため、その発見には鉱物学的な見地よりも精素学的な視点の方が役立つことが多い。

  • 基本的に風に流されることはなく、特定の地点をたゆたう金色の炎のように映る。

自然界に存在するオリハルクは、そのままでは触れることも叶わぬ幻のようなものである。
しかし、特定の精素と干渉することで圧縮し、密度を高め結晶化することが出来る。そうして固体化まで落とし込んだものがいわゆる『オリハルク鉱石』(あるいはオリハルカイト)と呼ばれるものである。
一般的にはこの状態にまで整えたものを採集し、売買ないし利用される。

  • その他には気体状のまま持ち帰る手法もあるが、これは非常に高度な空間制御精術が求められ、おいそれと行えるものではない。
    基本的には在野の精術士においそれと出来る芸当ではない。

オリハルクはそれ単体ではそれほど役に立つ金属ではない。
夕焼けじみた金色は光沢と相まって黄金と同等の価値を持つとされるが、重量や強度は銅と同程度。触媒として使うには熱伝導なども半端で、固体化した時点で精素との親和性も大きく損なわれてしまう。そのため、単体では装飾に使われる程度が精々。
しかし、この金属の真の価値は他の金属と織り交ぜることに意味がある。


結晶化したオリハルク鉱石を特殊な機器で再度分解し気化、それを容器内にて他の金属・特定精素と密封し、定着させる。
そうした状態を一定期間(数日から数ヶ月)保った後、加工用に混ぜた精素を精脱することでオリハルクとの合金、いわゆる『オリハルク合金』を作り出すことが出来る。

  • オリハルク合金はオリハルクとの結合度合いによって、その光沢に差異が生じる。
    結合度合いが高いほどにその色はオリハルク鉱石に近くなり、また下記の性質も一段と強くなる。

 
こうして生み出されるオリハルク合金は、元となる金属と定着した精素によって多彩な性質を獲得し、他の金属では見られない様々な性質を獲得する。
大抵は元来の金属より様々な点で優秀さが増しており、用途に合わせて最適な素材となって利用される。オリハルク合金を使った製品はいずれも優秀な逸品として知られ、高額で取引される。

 

著名な合金例

オリハルコン

合成する金属:鉄ないし鋼
特性    :『強度の超絶強化

  • オリハルク合金の代名詞。
    鉄を中心とする合金類を含めて化合することで生まれるオリハルク合金。
    夕焼けのように眩い金色の光沢を持っている。
    その特性は高い硬度と強度、耐食性にあり、極めて錆びにくく頑丈。その強度はそれこそアダマイト?に準ずるほどであり、これで作られた武具は竜の爪牙にすら耐えうるという。
    その一方で、これほどありふれた資材との合金でありながら、実は作ることが極めて難しい合金でもある。
    生成には高純度の精素結晶を必要とし、また精錬作業においても高い精度とそれを実現しうる工房設備が必須となる。そのため、資金力のある大規模工房ですら請け負える例は少なく、華州ですら数えるほどしかない。
    そのため、オリハルコン製の物品は如何なるものでも高額で取引される。

偽オリハルコン/オロシウム

合成する金属:鉄ないし鋼
特性    :『強度の強化

  • オリハルコンの出来損ない。
    精素・鉄及び鋼の比率、加工温度、その他諸々を正しくそろえず、半端な状態で生成することで生まれるオリハルク合金。
    流通量だけで言えば真正のオリハルコンのを凌駕するが、性能はまるで比べ物にならない。
    強度としては平均的な鋼より頑丈といった程度で、オリハルコンは勿論、これ以外の強度向上型オリハルク合金からも見劣りする。しかし、通常の金属よりは高い強度を持ちやすいため、全く無意味というわけでもない。
    一般に出回るオリハルク合金加工物の25%ほどはこの合金によるものとされる。
    なお、オリハルコンと偽って売られる紛い物も多いが、あえてこれを使うことで、純正品と比較的して安価に強度のある製品を流通させる工房も存在する。
    • オリハルコンと限りなく色味などが近いが、こちらの方が光沢が安っぽく、金の色味も濃いだけで気品が感じられない傾向にある。

ミルディア合金/ミルディウム

合成する金属:聖銀
特性    :『形状記憶性の強化

  • 稀少金属と稀少金属をかけ合わせて作られる、世界的にも非常に稀有な合金。
    澄んだプラチナブロンドのような輝きから、オリハルク合金の中でも特に美しいと知られる。
    一般的に聖銀は銀の光社でのみ加工が可能であるが、それは本来の性質を100%活かす場合のみであり、そうでない場合はこうした形でも利用することが出来る。
    ただし、そのためにはまず聖銀の融解温度まで高められる炉が必要であり、それほどの設備を持っているのは三大州であっても極僅かな工房のみである。加工に伴う難易度が高いため、やはりこの合金を取り扱う工房は少ない。
    ミルディア合金は元来の軽量さもさることながら、元来聖銀が持つ形状記憶性を高めている。強度・耐食性などもオリジナルの聖銀に準じていることから、これで作られた製品は耐久性に優れ、かつ取り回しやすいものとなる。
    当然ながらその価格は高騰し、これによる装備を持つ者は極めて少ない。
    • その一方、聖銀が本来持つ多数の性質(情報記憶の蓄積や邪気を払うなど)は失われており、そういった意味での価値は大幅に下がる。

トリトリウム/トリトナイト

合成する金属:白金(プラチナ)?
特性    :『耐圧性及び圧力遮断の強化

  • 剛性もさることながら、「圧力に強い」という独特の性質を持つオリハルク合金。
    古代文明期の遺産からのみ見つかっている代物。現代で生成出来る白金とのオリハルク合金とは別種のものであり、厳密な合金素材は未だ不明。
    本来の白金が持つ性質から大幅に乖離した特性を獲得しているタイプであり、古代文明の技術の賜物と思われる。外圧・内圧どちらに対しても高い耐性を持ち、自身への干渉に滅法強いのみでなく、包んだものに対してもその影響を限りなく減らすことが出来る。発見例は少ないものも、巨人機の機関部や海中で活動するための機器などに利用されていたことで知られる。
    • オリハルク合金にしては珍しく、金の色合いが一切存在しない。
      白金のそれを通り越し塗料のように純白の輝きを見せる。
      それはまるで青空の浮かぶ白雲や波の泡立ちを連想させることから、『白雲金』『白波金』と呼ばれることもある。

オルク=ハルク

合成する金属:不明
特性    :『驚異的な強度・軽度の精素汚染誘発

  • 魔北種族以上に身近な危険非加盟種の代表、暗鬼の民が作る、未知のオリハルク合金。
    漆黒の中に金の光沢と異質な波紋が広がる独特のそれは、偽オリハルコンを凌駕する硬度・強度を備える。
    暗鬼の民の中でも優秀な戦士は必ずこれを持ち、巨大な集落ともなると正式な戦士の全員がこれによる武具を身に着けていることがある。そうした集団は並大抵の強さではなく、魔北種族とも対等に渡り合ったとされている。そのため、この金属を纏う暗鬼の民はまさに「精鋭」と見なされ、それだけで強く警戒されることとなる。
    加えて、これを加工した武器には軽度の精素汚染誘発特性が備わっている。
    防具はその規模が抑えられているだけで完全無害化されていないことから、本合金はそれだけで有害な性質を持つ可能性を秘めている。
    • 大陸秘境開拓時代でもこの合金の再現が出来ていないため、素材や加工法はいまだ不明である。
      一説には、黒性精素を強く含む素材か加工法が絡んでいると考えられているが、証明はなされていない。

 
 
(※随時追加予定)

 

一般的な認識・価値

庶民的な器具として用いられることはないが、それでも聖銀と並び知名度は極めて高い。
その特異な性質と、合金を用いた器具が華々しい活躍を見せることから、ある種の万能素材のようなものと語られている。そのため、実態を知らない人々はまるで伝説上の金属(緋鋼や煌鋼など)の一種のように扱われ、噂や誤情報が独り歩きすることもしばしば。
 
秘境開拓者冒険者にとってはある意味身近でありつつ、実際に縁があるかどうかは個人さの大きなお宝である。
見つけれることが出来れば、工房で加工し装備に利用したり、売買することで多額の資金に変えることが出来る。しかし、採集出来る場所は決して人里近くにはないうえ、そもそも採集行為自体にある程度の技術が求められることから、銀級終盤以上の腕前が最低限求められる。そのため、名前や性質は知っていても実物を知らない開拓者、というのも多数存在する。

 

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