アルファベット表記:Summon the Primals
読み:かみまねき
分類:古式精術
発案者:tocoma110
【Tag: 精術 秘儀 神召き 精素現象 実体精素現象 発案:tocoma110 】
「あれが本当に神様なのかは知らんが、敵わんのは確かだ」
~ベイル・ウォーケン~
概要
古来より伝わる、神の力、その化身をこの世に卸すとされる技法。
即ち、極大の精素による事象の顕現を人の手で起こし、御すという秘中の秘儀。
各地の古流精術の中でも数えるほどにしか伝わっていない。それらですら、長きにわたると人の世の変化の中で失伝しており、実際に残っているものは極僅か。
そしてそれを実践する者となれば皆無に等しく、開示するような人間も同様である。
それ故に、理論上は考えうるとしても実現する方法が不明瞭な、まさしく「失われた技術」である。
- これを受け継ぐ流派は、大抵が古い信仰と関係している。
それ故に「神」などという大仰な名がつけられている。
一部、この存在を知る秘境開拓者や冒険者の間ではこういった技法は『召喚術』、呼び出される(現れる)実体精素現象は『召喚獣』と称されている。
特徴
最大の特徴は、自律詠唱核を人の手で形成し、制御することにある。
これは通常考えられない事であり、如何なる形で行なうのかは不明。
ただし、起こせる実体精素現象の種類は術式によって明確に規定されている様子。そのため、複数の技術を持っている(と目される)流派ではその数だけ、固有の実体精素現象を引き起こす術式が伝わっている……と考えられる。
また、顕現する実体精素現象の多くは『幻影体』を纏う形で顕現するという。
興味深い点として、その幻影体は細部はともかく大まかな特徴が共通することが上げられる。
- 例えば、「羽衣を纏い矛を持った青白い肌人の女神」という形で現れる術があるとすれば、その形状自体は誰が召喚しても共通するのである。
纏う羽衣やその他の装飾品、髪形、顔つき、表情、矛の形状などには違いがあれど、大まかな形自体は常に一定を保つ。
これが何ゆえに起こるものなのかは、わかっていない。
そうした精術らしい性質がある一方、現れる幻影体の振る舞いはまるで意思を感じさせる、とも伝わっている。
それが宗教的な修辞に過ぎないとする声もある一方で、宗教的な色を排した古い文献にも「幻影体が語り掛けきた」「明確な意思(ないしそれに準ずる指針)を持って行動している」と記したものが残っている。また、「以前現れたものの認識・知識・記憶を引き継いでいるかのような振る舞い」をした例もあるとされ、そういった点でも異質さは際立つ。
実態の客観的観測例は長らく存在しないため、断言は難しいものも、通常の実体精素現象と明確に異なる特有の現象が起こることは、確実視されている。
歴史上で明確にこれが使用された記録が残るものは、『イルファ晶霊大戦?』と『魔霧の氾濫?』のみ。
前者では時の大国アフラメリア王国?がブレーミア王国?・ヴィルミウム公国?への侵略兵器として使用し、後者では魔霧?への対抗手段として用いられた。
畏技
えぎ。Egi。
これが伝わる流派における精術の特徴とされる、軽度の幻影体を伴って現象を起こす術の総称。
幻影体を伴う通り、通常の精術よりも強力な効果を発揮しやすい。それは動員する精素の量ではなく、動員した精素の扱いの効率の良さが関係しているとされる。
そのため、畏技による精術は他の精術と比べて精度が高く洗練されやすい。
ただし、幻影体を纏う精術は各流派で型が決まっていることが多い。
理由としてはそれらが単体の術ではなく、本来「神召きを習得するための試験技術」あるいは「神召きの構成要素の一部」だからである、とする説が上げられている。その説が支持されるように、畏技で生じる幻影体の大半は神召きで形成される幻影に一部が反映されたものが多く、全体を映し出す場合でも縮小・簡略・矮小化されたものになる。
- その中でも、限りなく完全顕現に近い全身像を伴い形成されるものを、『畏魏(エギ)』と呼ぶ。
この畏魏は一定時間の顕現を実現し、かつ半自律的に通常畏技の数倍の出力を維持し稼働する高等術式である。
効力・有効範囲共に通常畏技とは比べ物にならず、これの習得が神召きを実現するためには必須である。そのため、これの獲得が神召き継承者にとって最終試験と目される。
「畏れ多い技」という意味から名付けられる通り、神召き継承者や関連者が好んで使うことはあまりない。
有事の際に振るわれるのみで、また彼らもそうした心得を徹底して教え込まれる。
- ただし、後年ではその一部が解放される事態も現れている。
畏技方士
大陸秘境開拓時代に新たに生まれた精術士の一種。
大陸歴が刻まれて以降初の、畏技を用いる精術士である。
大陸歴1550年頃の『第一次断劾図書館調査?』にて大陸中に漏洩した(してしまった)断片的な知識を元に、畏技の一種と思しい精術形式が流通してしまう。
その中でファエフ流系統の研究者の間で急速に構築・確立されたものが『畏技方式』。
畏技方式は従来の神召きと異なり、明確に信仰に依存しない幻影体形成を行なう術である。そのため、ただの精術士であっても行使が可能となっており、その在り様どこか基礎形式に近い技法と言える。
- 形成される幻影体も信仰・術者による揺らぎはほぼなく、画一化されている。
また、固有の意志と思しいものはほとんど見せず、一般多岐な実体精素現象の幻影体のそれと同質である。
極めて画期的な術式に見える畏技方式であるが、実際のところは本流である神召きには及ばない。
術式の構成も神召きのそれと比べるとあまりに稚拙で、扱える精素や術式規模も限定的なものに留まる。そのため、技術としてはまだまだ発展の余地が大きい。
加えてその派手な見た目に魅了される術者は多く、大陸歴1600年頃には術者の数も増え研究も盛んとなった。
- それにより新たな精素技術発展に寄与するも、後述の問題の要因となってしまいもした。
主だった畏技方式についてはこちら?を参照。
神召きにまつわるトラブル
大抵このタイプの流派は秘密主義の傾向にあり、秘儀を開示するどころかその流派の習得者すらも厳選する。
基本的に地方の小規模信仰に伴うものであるため、開示された例は皆無。
むしろ、これを持つと目されるような団体は神職にまつわる技術・知識をひた隠そうとする傾向にある。
しかしながら、隠された秘儀を解明しようと暴走する過激な研究者も後を絶たず、トラブルとなるケースも珍しくない。
- 特に畏技方士という存在が確立されて以降、その問題は大きくなってしまった。
心ない畏技方士たちが自らの技を拡大するため、また研究のためにそうした地方信仰の聖地・寺院に押し入り、秘術の開示を求める事件が多数起きたためである。
そのため、大陸歴1600年代には秘境開拓組合・大陸精術士協会?は畏技方士に関しての規定を設け、管理を強めることとなる。
隠された真実
神召きとは、元来真精と交信する術?をベースに考案された、疑似的な精素ネットワーク体構築術だった。
人類種から見れば神にも等しい真精そのものでなくとも、その疑似的存在を形成することを目的として考案されたもので、おそらくは大帝国の源流に当たる国家で生まれたものと考えられている。
そのため、極一部の学者の間では「真精創製術」なる呼称も存在する。
- 究極的には、「完全新生の人類種によって制御される真精=理想の神格の創造」が目的であったのではないかと考えられているが、定かではなく、異説も多い。
しかし、長い歴史の中でその技術は分離し、やがて「真精の力そのものを再現するための人造実体神格」即ち『理造神』を作る一派と、あくまで「精素による真精の再現」にこだわる真精創製術系の技術に分裂していったと思しい。
その後は歴史・記録が語るように神召き系の技術は傍流となり、古代文明は理造神を中心としたものに切り替わっていく。
だが傍流となっても真精創製術の系譜は途絶えることなく存続していた。
その結果、各地に多彩な術式が残り神召きと呼ばれる技術が今に残っている……と考えられている。
現代に伝わる神召き(真精創製術)の多くは伝統的手法であるが、一方で大陸歴以降起こる一部の人為的な蛮神級実体精素現象の顕現などは、伝統的手法では本来起こり得るものではない。
それらには、とある謎めいた集団が流布する、異端の真精創製術が関連していると考えられている。
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