【組織・職業】/六凱将

Last-modified: 2022-11-03 (木) 20:38:35

アルファベット表記:6 Tellers
読み:ろくがいしょう
分類:役職・称号
該当地方:魔北地方
活動時期:第二次魔北大戦
発案者:tocoma110
Tag: 組織職業 組織 職業 役職 軍隊 将軍 魔北地方 魔北種族 魔北軍 発案:tocoma110


概要

第二次魔北大戦にて“魔王”?直属の最強部隊を率いた、六つの部隊の将たち。
他の部隊の将軍格とは明確に一線を引かれた別格の存在で、率いる精鋭がかすむほどの強さを誇ったとされる。
この6人がいなければ第二次魔北大戦も2年は短く終結したと言われるほどで、その強さは今もなお語り継がれており、またその爪痕も終戦から200年経てもなお残っている。そのため、かの大戦のすさまじさを語るうえでは、欠かせない存在とされる。

 

特徴

個々で異なる目的・役割を持つ部隊を持つが、いずれも精鋭揃い。

 

メンバーと部隊構成

6人はいずれも異なる人種で構成されており、率いる部隊も全く異なる。

魔道凱将“驕傲”のルヴィデ

蒼魔種族の六凱将。
六凱将では最も知略に長け、人心の隙をつく手法を好む性格の悪さで知られる男。
各地で絶妙な戦線を演出した後、同盟軍側が勝利を感じる頃合いに伏兵を用いて壊滅させる手法を好んだ。その中には「裏切りへの報酬」をちらつかせての造反誘導も確認されており、同盟軍の内部崩壊なども招くなど、狡猾な作戦が多い。

  • なお、造反者たちのほとんどは無惨な死体となり、後に発見されることとなる。

幾度か同盟種側と会談を行なったことでも知られ、故に詳細な性格の記録が残る。
傲岸不遜で慇懃無礼、そして自信家ぶりを隠さぬ男であったという。
また、人類種への嫌悪感の強さでも知られ、常に口元をヴェールで覆い、同じ空気は吸えないこともアピールしていた。言動も直接的・婉曲的問わず挑発的・侮蔑的な物言いも多く、好感を抱かせるどころか、真っ当な交渉をする気さえ皆無であったことが伺える。

  • 故に、彼はほとんど挑発目的で会談を行っていたと思われる。

金の装飾を施したローブを纏っており、戦場では目立つ。
が、そのローブこそが“魔王”の授けた宝具『ダゴガセンボソロ』*1。物理的な防御力は勿論、精素関係の干渉に特に強い。


率いる部隊『蒼の魔導軍』はそのあだ名の通り、蒼魔種族のみで構成されていた。
強力な術者がそろっており、真正面からの精術戦から工作活動まで、幅広く活躍したという。
そして、それらを率いたルヴィデ自身も、極めて強力な精術士であった。当時の記録が正しければ、単独で戦場一つを発生地点とする規模の殲滅攻撃精術を連発出来たとされる。


長らくその謀略で活躍したが、『マストゥーバ砦の決戦』にて“青蜻蛉”の手で討ち取られている。
その死により、六凱将はついに残す一人となる。

暴殺凱将“暴食”のオウガ

魔鬼種族の六凱将。
純粋戦闘力では六凱将最強と名高く、単身でファルニーアを蹂躙したという記録が残る唯一の魔北軍人。
「戦闘飢餓」と称する戦闘中毒であり、軍事的な勝利より近視眼的な自己の満足いく戦闘を優先する、問題児。しかし、その実力と“魔王”との関係性から独走を容認されており、六凱将の中でも更に特別な存在であった。

  • 使用する大斧『ギュグゲンンラバボ(終焉の眼)』*2も“魔王”直々に贈答したもの。
    “魔王”は彼と対等な関係を築いており、不敬気味な砕けた言動・意見すらも許容したという。
    一方、オウガも“魔王”へは忠義より友情を抱いたらしく、いくつかの言動から六凱将で最も“魔王”の覇道に助力しようとしていたことが覗える。

実力者との戦闘を何より好み、戦場にもかかわらず決闘を挑むことでも知られた。
その場合、相手と結んだ約束は破らなかったことから、武人的に見られることも多い。しかし、実力を認めなければ意見に耳を貸すこともないため、彼によって無惨に壊滅・虐殺された村落都市は数知れない。


純粋な戦闘力では六凱将一だった。
銃弾程度はものともせず、大砲クラスの攻撃さえも容易く弾き、無力化した。加えてファルニーアすら縊り殺す膂力は、如何な魔鬼種族といえど常識外。純粋な力比べでは強化を施した武芸者などであっても、太刀打ち出来るものではなかった。

  • 存在を確認されれば攻城兵器が持ち出されたという。
    戴冠種並みの頑丈さに、どれほど同盟軍が恐れていたかがわかる。

率いた部隊は通称『赤塗隊』。
その通り道に死の川が生まれる、と言われたほどの惨劇の数々に由来する。
所属メンバーも気性の荒いものが多く、また頭目に似て好戦的だった。有する魔獣兵器も大半が近接型であり、完全に近接戦にのみ特化した突撃部隊。
また、所属員も魔北種族が非常に多数混在しており、そういった点でもやや珍しい構成であった。


伍連隊の将たる“赤鷲”とのライバル関係で知られ、『シーヴェア雪原の決戦』は弾き語りの定番となるほどの名勝負。
その戦いが、六凱将最後の戦いでもあった。

権謀凱将“頽廃”のマ・フーレ

脳魔種族?の六凱将。
情報収集を取りまとめていたと思しい六凱将で、魔王軍情報の要として長らく行方を捜されていた。
“驕傲”のルヴィデと並ぶ頭脳派だが、こちらはより裏方に徹しており、表立って活躍することはすくない。だが、同時に魔王軍全体の作戦において欠かせぬ人材であり、彼の撃破は六凱将攻略においても最重要課題に位置付けられていたほど。


脳魔種族を筆頭に知略に長けた部下を率い、情報伝達・収集管理をしていた。
作戦は常に的確で最悪と言え、環境汚染を伴う作戦を特に採用している。そのことから、単に侵略作戦を考案・運用するのみならず、環境改変も使命の一つとしていたと思しい。
また、彼直下の行動部隊はあまり獲物を殺傷せず、活かして捕えることが多かったことでも知られる。
ただし、それは慈悲や交渉術などに基づくものではなく、彼らの種族特性を生かしての情報獲得のためである。脳魔種族の趣味嗜好・食性と噛み合うそれは、娯楽を兼ねた業務であったと推測される。*3


彼自身は極めて狡猾で用意周到、慎重な性格だった。
精術能力においてはルヴィデと同格の技量を誇るが、直接的戦闘能力は高くなかったため、自ら戦場に出ることは避けていた様子。
そのため、会敵した場合はもっぱら得意の感覚・認識操作の精術を駆使し、その場を切り抜けていたとされる。一方で、本気を出せば精神干渉・感覚干渉・精素汚染を駆使した、地味だが確実な攻撃能力で獲物を嬲り殺した。


六凱将の中では3番目に撃破されている。
大陸同盟の流したニセ情報に踊らされ、チュダン城を改造した基地に訪れていたところを伍連隊に襲撃され、討ち取られる。
彼の死は魔王軍にとっても衝撃であったようで、その勢いの減退に大きく役立った。如何な非戦闘型とはいえ、六凱将が特別であったことを示す、端的な事例である。

化獣凱将“淫情”のラーミャ

艶魔種族?の六凱将。
同盟種との肉体的接触を多用する艶魔種族の中でも抜きんでて異質な、見境なしの交配主義者
自ら下した戦士・生物の遺伝子とを取り込むことに貪欲で、それらを元に自らを強化し、また得た情報から独自の改造魔獣兵器の製造を行なう、熱心な研究者。そのため、その性状にもかかわらず優秀な頭脳を持つようで、作戦も極めて狡猾。


率いる部隊も艶魔種族が多く、河川を活用したことから『発情戦団』と呼ばれた。
ただし、その名に反して有する戦力はいずれも強力で、こと魔獣兵器たちは生物の快感を刺激し行動不能にするようなものや、精神崩壊を狙うようなものが多かった。そのため、これにより指揮系統が崩壊した部隊・国家の逸話は枚挙に暇がない。

  • 基本的には艶魔による魔獣兵器用情報・素材入手に重きを置き、それと合わせて各地の敵勢力壊滅を併せて行なう形だった。
    双方向の強烈すぎる快楽行為は、彼女らにとってはある種の慈悲深さも含むものだった。が、強烈すぎる快楽は同盟種のほとんどには耐えきれない刺激であり、悦楽と苦悶の混じった表情で横たわる遺体には尊厳の欠片もなかった。
  • また、艶魔種族らしい暗殺作戦も多かった。

不定形の艶魔種族だが、好んで這阿型の姿をしたという。
直接戦闘時には自在な変形で相手を翻弄したほか、六腕に魔剣を握り戦ったとも。様々な生物の姿を自在に再現するどころか、掛け合わせて独自の形態を創り出すことも可能。そのため“貪婪”を超えるほどの形態変化性を持つ。


伍連隊とは幾度か戦いを重ね、2番目に倒されている。
戦局が同盟種側に傾いていく中、状況改善を目論んでか強力な生物の巣窟である獣ヶ原へ向かい、『獣ヶ原大戦』で伍連隊に討ち取られる。

不死身凱将“貪婪”のヨクシャー

種族不詳の金属ボディを持った六凱将。
字名の通り、幾度敗れても甦り新たな姿・能力を得て戻ってくることから「不死身」と恐れられた、六凱将きっての特攻屋。
自らが傷つくことも恐れず突き進む故、“暴食”のオウガと並んで目撃情報・当人による直接的被害者が多い。好戦的な部下を引き連れていること、またオウガ以上に精力的かつ無差別な行動力から遭遇率も高く、各地に甚大な被害をもたらしている。
加えて、新兵器を活用する場面に好んでいたがるため、不死性も相まって大陸同盟の新兵器の情報を我が身で体験し、分析、報告する、ということも繰り返していた様子。
そのため、非常に厄介な相手であった。


率いる軍勢はいわゆる前衛を主とする能力に長けた種族が多い。
長の軽薄さに反して冷静かつ優秀な頭脳の前線技能者が多く、部下の方が隊を支える役割を果たしていた節がある。実際、隊長の役割が「囮兼戦力削減役、並びに新兵器を使用させること」であるため、そのサポートを行なえる人材が集められていたらしい。
特に、“黒騎士”の異名を誇る蹄魔種族のスライファルは冷静沈着なことで知られ、長が討たれた後はその穴を埋め、実質六凱将次席とも言える奮戦を務めた。*4


破られるごとに姿・能力を変えており、その総数は10回を超える。

  • 最もスタンダードな姿は『甲冑態』と呼ばれるもの。
    肌人人種系の有腕二足歩行型のもので、常に携行型精素活用武装などを携えて登場する。
    弓なりの角が特徴。
    撃破されるごとにヴァージョンアップを重ねているようで、撃破ごとにある程度デザインが変化する。その一方でベースとなるデザインには好みがあるようで、一貫したものがある。
    合計、10パターンほど存在する。
    伍連隊に敗れた回数は7回。
    初期3回は人類兵器に敗れているが、その敗北は半ば作戦であったとする説もある。
  • 基本形態強化のほか、幾度か周辺物質を取り込んでの強化形態というものも披露している。
    通称、『武装纏化態』。
    それらは多くの場合、その戦場に転がる武具や武装、装置、設備などを吸収して作るもので、状況によってその形態も能力も全く異なる。
    “淫情”と異なり有機物よりも無機物を好んで吸収しており、その中には超古代文明の遺産を含む場合もあった。そのため状況によって対処のしやすさが大きく異なり、特に最終決戦では第二次魔北大戦でも五指に入る規模の巨躯・質量・戦闘力を見せつけた。
    形状と能力は都度変化する。
    この姿を見せた回数は15回、内撃破された数は4回(いずれも伍連隊による)。

その一方、六凱将の割には撃破された数が多い。
伍連隊出撃以前から戦場で幾度か撃破されており、最初の撃破時は大陸同盟を大喜びさせた。
その迂闊あるいは慢心しきった態度故に倒すことは出来ても、死滅させることが叶わぬため、常に敵に兵器の情報を与えては戻らせるという、辛酸をなめ続けさせられることとなる。
“頽廃”に次いで早急な撃破を望まれていた六凱将だが、伍連隊結成後も5回もの会戦を経なければ、その不死身の謎は解明出来なかった。

 

その正体について

六凱将で唯一の非原生魔北種族
鉱物擬態型魔獣兵器『ミムス?』の突然変異体の極致。
非常に高い知性を獲得した唯一の個体であると共に、通常個体とは桁5つは違う量ミムス糸?を精製出来る異質な存在。故に、魔鬼種族と渡り合える程の剛力・運動性を発揮する疑似筋肉・神経を形成したり、古代兵器を取り込む・活用することが可能となっている。
あまりに高度な能力は、ミムス糸一つで多彩な加工を可能とした。そのため、ミムスだとは誰も思っていなかった。


誕生直後こそミムスとして活動していたが、すぐに彼は己の特異性に気付いた。
自分の特異性、孤立性、脆弱さ……それらを把握した彼は、強さを求めた。
獲得した知性と自我、そして魔獣兵器としての本能から「より強くなること、個性を獲得すること」に驚異的な執念を抱き、それを満たすために暗躍。他のミムスに紛れながら襲撃を繰り返し、敵味方問わず有溶液な情報を吸収し進化を続けた。
その末、規格外のミムス糸精製能力を獲得、それにより単なる擬態を超えた装着変身の技術を獲得する。
これにより、奇襲ではなく強襲・猛襲を行なえるまでの強さを持つ。

  • 彼の強みはミムス糸による電子的・記録的干渉能力である。
    要するに電子データなどにミムス糸で直接的干渉を行なうことが出来、また自らの力でネットワークを形成することも可能であった。

その後、基本形となる『甲冑態』を手にして“魔王”へ直訴、自らを売り込む。
そこからいくつかの試練を突破し、凱将へ加入、六凱将という存在を確立させた。
彼固有の不死性を活かすため、敵の武装情報獲得のため、幾度となく前線にて暴れまわる大役を承る。
その後各地で戦闘を繰り返し大陸同盟軍にダメージを与え続ける。


伍連隊とは六凱将で最も激突、7度も相まみえる。
最終決戦では最強の武装纏化態である『グレートヨクシャー』を打ち破られるが、自身は生存、遂に正体を見られてしまう。
絶体絶命のピンチだったが、伍連隊“黄熊”が機械を用いた生体であることに気づく。
かりそめのボディとして利用すべくミムス糸を接続、支配を試みるが、それが決め手となってしまった。


最初に撃破された六凱将。
幾度も戦いを繰り返し、7度目の会戦でついにその正体・能力が判明する。
魔獣兵器の活躍もあり伍連隊も壊滅寸前まで追い込むも、初代“黄熊”の命懸けの特攻により、炎竜山火口へと落下し運命を共にする。
それは伍連隊結成以来初の快挙であったが、伴う犠牲もまた大きかった……

  • 伍連隊の切り札である超古代文明の巨大戦闘機械?*5有志の協力者である上古竜?の共闘で撃破されているが、伍連王の修理・調整発生、エルファイアの負傷、そして何より“黄熊”の死……
    残す傷跡も大きかった。

碧鱗凱将“猜忌”のラグナール

猟魔種族?の六凱将。
奇襲部隊を率いての襲撃のほか、海洋部隊や空輸部隊の補助を担当しており、六凱将の中でもサポート的な役割が強い珍しい役どころの存在。戦闘力としては“暴食”・“強欲”と並ぶ強者でありながら、目立った闘いの記録がほとんど残っていない。そのため、実際に戦うまでほとんどその強さが判明していなかった。


そんなラグナールだが、実際の性格はかなり自己顕示欲が強かった。
彼らが奇襲を仕掛けたポイントには、必ずラグナールを示すマークが記されている。それ故に、本来裏方が主体のはずの彼の存在が知れ渡っている。
また、現在の役割には彼なりに不満もあったのか、日頃の鬱憤を晴らすかのように暴れ回ったという。実際、いくつか残る交戦記録では恐ろしいほどの残虐性と攻撃性を発揮、自分の存在を示すように相手を執拗に傷つけたという。


戦闘スタイルはスピードに優れた攪乱型。
加えて、奇襲部隊を率いていたこともあって、自身もそうした隠密や隠匿に優れた技量を備えていた。それらが合わさることで、地の利を活かした戦術を得意としたという。
猟魔種族でも珍しい水陸双方に適応した個体ゆえ、彼はどこでも自在な活躍を見せたという。地形や特性をいち早く理解し、相手の裏をかいて確実に力を削ぐ、姑息と言われることも辞さぬ手堅いスタイルはどんな相手も確実に仕留める手腕となり、同盟軍を苦しめ続けた。

  • ただし、それらは同時に真正面から打ち勝つことへの不安もあった様子。
    そのためか、“暴食”などと比較されることを嫌っていたらしい。

率いた専属部隊が複数ある点も、稀有。
海洋方面は『海魔軍団』と呼ばれ、文字通り海洋戦・海中戦を得意とした。他の魔北海軍と連携し、内海・外界問わず暴れまわったという。
もう一方は有翼飛行生物に騎乗する『飛空旅団』。こちらはどちらかと言えば奇襲・空襲をメインに活動しており、その神出鬼没さに手を焼いたという。


4番目に撃破された六凱将。
因縁の相手である蒼竜騎士の始祖・“蒼天”のアベル?との共同作戦で討ち取られている。

 

沿革

大陸歴1360年の『聖王庁の悲劇』にて、初めて存在が認知される。
だがこの時点は明確な種族・個人名については曖昧であり、「魔北軍には六人の強者がおり、それぞれが最強の部隊を率いている」程度の認識だった。しかし、それらによる被害の大きさは広く知られていた。


その後、各地で各六凱将部隊が活動し、徐々にその詳細が目に映るようになる。
神出鬼没の魔北軍の中でも特に高い脅威として知られ、1360年~64年初頭に掛けて同盟軍に大きな損害を与えた。彼らによって同盟軍は追いやられ、劣勢になっていく……が、“黄金三頭”?の出現による大打撃により魔北軍にも損害が現れると、2年間活動が小康化する。


魔北軍の活動が再開してからは再び猛威を振るう。
1367年~68年はその活動が顕著になり、再び人類同盟軍を追い詰めていく。だが、人類側も力を蓄えていたこともあり、徐々に抵抗も成功を見せるようになる。事実、“強欲”はこの時期に数度撃破されており、一度は六凱将討滅に沸いたこともあった。
しかし、“強欲”の初撃破を皮切りにその攻勢は激しさを増す。


だが、1369年にその情勢が変化する。
伍連隊の登場である。
彼らの活躍によりそれまで猛威を振るった魔北部隊がいくつも潰され、徐々に趨勢が変わっていく。それに脅威を覚えた魔北軍は、一度は六凱将を揃え伍連隊をつぶそうとすらしたほど。
しかしそれは叶わず、むしろ六凱将が撃破されていくこととなる。


“強欲”を皮切りに“情欲”、“頽廃”、“猜忌”、“驕傲”……そして『シーヴェア雪原の決戦』で“暴食”が打ち取られたことで、六凱将は壊滅する。
たくさんの英雄とそのたちの犠牲の上に。

 

評価

第二次魔北大戦における最大の障壁
彼らの存在がなければ、魔北大戦は後3年早く終結したと言われているほどである。
それほどまでに彼らが残した傷跡は大きく、被害は計り知れないものだった。
彼らを倒すためにどれだけの人命は失われ、国が滅び、民族が費えたか、大陸秘境開拓時代においてもわかっていない。大陸歴1600年に入っても復興が完了していない場所も決して珍しくないほどに。
故に、人々は彼らを恐れ、伝説の怪物と同一視した。


だが、逆の見方をすれば彼らの存在は人類同盟軍側に、多くの革新をもたらしてもしている。
 
彼らに立ち向かうため、人類同盟軍は数々の努力を重ねた。
精術利用の有用性が知られ研究が進み、華丹帝国は本来秘蔵の武装である龍武甲?の技術を開陳し身型鎧が発達、また各国・民族・種族間の交流が進み、大陸秘境開拓時代が可能となる国際的な連帯が固まったのだ。
その意味において、彼らという「わかりやすい魔北軍の脅威」が存在したことは、意義があった。
多くの犠牲の末の勝利が、ただ苦いだけで終わらなかった程度には。

 

関連するもの


相談コメント欄


*1 「黄昏の衣」の意。
*2 これのみ同盟語での意味が伝わっている名前。理由は彼が“赤鷲”との決闘内で話していたため。
*3 彼らのいたと思しい施設跡には、数えきれないほどの捕虜たちの無惨な肢体が転がっていた。大抵、それらは頭部に穴が開いており、またその表情はこの世ものとは思えぬほど無惨なものばかりである。
*4 挙句、大戦を生き延びたことが記録されている。
*5 この時点ではまだ調整段階であり、無理を推しての稼働であった。