セリフ/【歴史を人間の手に取り戻す】

Last-modified: 2021-12-14 (火) 07:07:40

FF12

本作のカギとなる重要なセリフの1つ。神と人間の戦いを表現する象徴的なセリフ。
劇中ではシドジャッジ・ベルガが口にし、ヴェーネスも「ゲルン王に歴史を導く資格はない」と言う。
6年前のギルヴェガンで影から歴史を導くオキューリアの存在を知ったシドは憤り、
同じ志を持つオキューリア族のヴェーネスと意気投合して人造破魔石を造り出す。


「(破魔石は)人間を飼い馴らす餌」「歴史を動かす自由」などと言うように、
シドは「オキューリアが人間の自由を奪っている」と考えており、
ヴェーネスの「歴史の主導者たる資格」という言い回しとはいくらかニュアンスが異なる。
シドに対してアーシェが「破魔石欲しさにダルマスカの自由を奪っておいて」と非難したように、
「歴史を動かす自由」という高尚な思想を掲げる反面、独善的な行動が多々見られる。
バルフレアはシドの言動について「破魔石に心を奪われている」と表現し、
大灯台では「オキューリアの石を猿真似して、あんたが次の神様か」と真っ向から非難している。
アーシェは帝国に侵略されたダルマスカの自由を取り戻すために戦っているわけであり、
「ある者の自由が他の者の不自由に成り代わって連鎖する」という状況を作り出しており、
そういう情勢を考慮すれば皮肉なセリフと見ることもできる。


しかし、かほどの犠牲を出さなければ壊せない世界の理ならば無理に壊す必要はないのではないか、と思ってしまう自分がいる。世界中のほとんどの人はそんなこと望んでないだろうし、突き詰めれば彼らの自己満足と言えなくも無い。

  • 覇権を争うアルケイディアからすれば、確かにオキューリアは目の上のこぶだろう。
    しかし平和に暮らす人々にとっては、オキューリアなどただの引きこもりでしかない。
    「歴史の主導者」とは聞こえはいいが、要するに勝てば官軍、エゴの塊である。
    • 人間が高度な文明を築いたら大災厄を起こす連中がただの引きこもりなわけがない。
      いや、あまりに戦乱続きで人間そのものが滅びそうになったら助けてくれるみたいだけど。

オキューリアが魔王のごとく世界を支配して人間を苦しめていれば、討伐する大義名分がある。
ところが、少なくともFF12の中では、討伐に値する理由は見当たらない。
オキューリアの態度は傲慢だが、これだけでは大義名分にはならない。
何万年も生きるヴェーネスなら色々知っているかもしれない。
だが物語中では、オキューリアの悪事や企みについて、特に追及していない。
結局オキューリアもヴェーネスもシドも、みんな傲慢で自分勝手なだけではないか、という結論に落ち着く。

  • オキューリアの過去の所業で言えば、精霊の解説にあるように大規模の災厄で人間の歴史を修正してきたようだから、
    ヴェーネスはいずれ次があると見越してたのかもしれない。
    アルティマニアでも、後世の歴史から見れば
    彼等の目的が遂げられずにアーシェ達に倒されたのはマズイ事だったという見方ができるのが書いてあるし。
    • 大災厄の実行に至るまでの過程を見落としてはいけない。
      • そこをよくよく見れば「嘆き悲しんだから大災厄」とか「草木や獣を狩ったから大災厄」とか「神に至ろうとしたから大災厄」とか、かなり独善的なことが多いのに気づくだろう。
        そのたびに神のいいように滅ぼされるというのは、例えるなら「ちょっとミスしたらゲームオーバー」というクソゲーそのもの。
        そんな傲慢かつ極端な神に何度もボコられている世界なので、オキューリアが引きこもりだとかまさに馬鹿げている。
        「歴史を人間の手に取り戻す」というよりは、「人類の生殺与奪の権を人間の手に取り戻す」と言ったほうが正しい。
        古臭い神話の時代は終わり、デウス・エクス・マキナは不要になったのだ。そのために人類がいかほど死のうが「大災厄」の比ではない。
        …とはいえ、そんな神との対決は一般の民衆には何ら影響を及ぼさないわけで。やはりシドもニーチェの説く「超人」には今ひとつ足りないようだ。
      • シドは元々イヴァリースにおいては際限なき欲望故に人間が歴史を動かしてきたことから「歴史は人間が築くもの」という誇りを持っていた。それがそうではないらしいと知ったのでオキューリアを潰すと決めたのである。なのでそもそも一般民衆のことなんぞに関心を持っているのかどうかすら怪しい。

毒の含ませ方というか、価値観の対比のさせ方が、いかにも松野っぽい。
その場にシドニーがいれば「独裁者の末路は哀れだぞ」と言ったことだろう。
しかし独裁者として孤独に死んだヴェインは、その境遇や経緯を振り返ると同情してしまう。


結果だけ見れば当のオーキュリア達の損害は殆ど無く、被害を受けたのは同じ人間達であり。その被害者達に理想を断たれることとなる。
「どんなに高い理想を掲げていても地に足がついていなければ意味が無い」を地で行ってしまった

  • オキューリアも人間を操る道具として扱ってきた天陽の繭を壊されるという被害を蒙ってるんだが。
    ヴェーネスの「破魔石の歴史は終わった」という発言を考えるとどうも簡単につくれるもんじゃなさそうだし。
    • ぶっちゃけ、オキューリアに直接的な被害を与えるなら異形者とかを揃えて戦争するとかくらいじゃないとキツそうである。ゲルン王も破魔石の所有が人間に渡るかもといっておきながら、意外なほどそこまで介入もしていない。本当にオキューリアが転覆するかも、と考えるなら歴史的にもっと大変なことになっていてもおかしくはない。

「取り戻す」とは言っているものの、イヴァリースの歴史が人間のものだったことは一度もない。のちに大破壊が起こっているのでオキューリアの手から離れてもいない。大破壊がクリスタル=グランデの超巨大破魔石によって引き起こされたと仮定するならば、破魔石の歴史すら終わっていない。

  • アーシェたちが打倒オキューリアを掲げるヴェインを倒したのは歴史的に見れば不味いこと、と公式スタッフが言及したようだが。
    これは世界の主体が人間にあると設定した場合に限る話である。「人間の歴史的に見れば」に過ぎない。
    人間よりも遥か昔から世界を管理維持してきたオキューリアこそ、世界の主体ではないだろうか。
    後から湧いてきて、世界を我が物に振舞う害虫。オキューリアは分不相応な欲望の徒を駆除しているだけ。
  • 超巨大破魔石による崩壊だとすれば明らかに歴史リセットレベルの大災害なので、よほどやばい存在がいたか、なんらかの事故を想定できる。この辺、気になるところではある。