作品/【Final Fantasy II】

Last-modified: 2023-11-24 (金) 16:01:59
フリオ初登場.jpg
この悲劇、忘れない。

関連項目:


FFシリーズ2作目。
ストーリー重視RPGの先駆け的存在である。
(キャラクターのフェイスグラフィックがあるのもFF2から)

遥か彼方の 世界に おいて‥‥
長く続いていた 平和が いま 終わりを告げた
パラメキア帝国の 皇帝は 魔界から 魔物を
呼び出し 世界征服に 乗り出したのである
 
これに対し 反乱軍は フィン王国で
立ち上がったが 帝国の 総攻撃に遭い
城を 奪われ 辺境の町 アルテアへと
撤退しなければ ならかった
 
ここ フィン王国に住む 4人の若者たちも
敵の攻撃によって 両親を 失い
執拗な敵の 追っ手から 逃げ続けていた‥‥

経験値を溜めてレベルアップするのではなく、戦闘中の行動によってキャラクターが自由に成長するという
珍しいシステムを採用している。

  • 歴代FFでも異色と呼べるシステムだが、この作品の特徴は後のサガシリーズに継承されていった。
  • 河津神の作風が全面に出た作品。挑戦的なゲームデザインや乾いた世界観、独特の台詞回しから「サガ0」と言われることも。
  • モンスターから一定のお金を稼げないシステムも当時としてはかなり独特である。

オープニングから「てったいしなければ ならかった」といきなり不安になる誤植をかましてくれる。
そして、ゲーム開始直後黒騎士に囲まれて……

FFのテーマ曲や地水火風のクリスタルといった
「自称」オールドファンがFFシリーズの象徴としてよく持ち出すものが
第二作目にして早速なくなっているような作品でもあったりする

  • ミシディアの塔(および封印の部屋)の宝玉4個が、それぞれ4属性のクリスタルになっている。
  • もし、次作のFF3が1ではなく2の路線で作られたら、また違った未来が生まれてたかもしれない。

イベント進行は一本道だが、序盤から地続きで移動できる場所は多い。
序盤にキャラクターを鍛えてさっさとミシディアで魔法や武器を購入するプレイが知られている。

しかし、地続き故に序盤にちょっと道を外れてアルテアの最南端をうろついていると強敵、ガテアから南西に行くと強敵、
フィンを北上すると強敵と言う強敵尽くしである。

  • ゲーム開始直後アルテアからフィンに初めて行く時、間違えて南にいって、エイやカマキリに瞬殺されたのは俺だけじゃない筈。

キャラクターの成長システムは上記の通り、経験値を溜めてレベルアップという形ではなく戦闘中に行動による。
HPが減ればHPの上限が上がり、MPが下がればMPの上限が上がる。
戦闘中に武器を使えば武器のレベルと共に「力」や「体力」が上がり、
魔法を使えば使用した魔法のレベルと「知性」「精神」が上がるという自由度の高いシステムを取っている。

後のサガシリーズのようにキャラクターを魔道士系にするか戦士系にするかは
プレイヤー次第で自由な育成ができる。魔道師と戦士の両特性を持った赤魔道師系も一応可能。

装備する武器もキャラクターごとに制限はないので、
剣を使わせるか、槍を使わせるか、または素手で行くかというのも自由。
 
ただし、力が上がれば知性が下がる等、相反する能力値は両立できないので、
赤魔道士系は作りにくいようになっており、育成の方向性は戦士系か魔道師系の
専門家を作ることが一番と半ば決められている(もちろん作れなくもない)。

  • FC版の取説には「強いキャラクターを早く作り出す為には
    赤魔術師的なキャラクターを作らないようにする事です」と書かれていた。

また、素手は盾を装備すると命中率が落ちるので盾を装備しないでいると
回避率が安定せず不利になりやすい(おそらく素手は意図した調整だろう)。

この発売当時でプレイヤーの嗜好に合わせてさまざまな遊び方ができるシステムは画期的だった。

  • 逆に考えると「万能最強キャラ」が作りにくいという意味ではバランスが取れているのかもしれない。
  • 時間をかければ個性はなくなるが全てを極めた最強キャラができる。
    100時間はかかりそうだけどね。
  • 盾を装備して普通に進めれば、ほどほどに回避などの能力値も上がり、やや難易度は高いけれどなんとかなるぐらいになる。
    しかし、このシステム上、一回の戦闘でたくさん行動する方が上がりやすい。
    結果、ストーリーは逃げまくって進め、鍛える時はわざと空振りしたり敵の攻撃を受け続けて回数を稼ぐというように分けた方が効率的。
    でもそれだと作業になってしまい楽しめない。
    初プレイは是非、稼ぎなしで攻略してほしい。

敵の攻撃対象にされると上昇する「回避率(詳しく書くと回避レベルと回避確率)」が
重要なゲームであり、回避確率が重装備(下に記述)によって低くなると敵からの攻撃を回避できず、
後半のダンジョンが異常に難しくなってしまう。


このゲームにはいわゆる隠しデータの「魔法干渉」「装備の重さ」がある。
「~のよろい」「~のかぶと」「~のこて」などが名に付く防具は「魔法干渉&重さ」が高い重装備品である。

これらの重装備は魔法干渉が高いために魔法の効果が十分に発揮されず、
重量も高いために敵の攻撃も回避できなくなってしまうという百害あって一利なしの装備品である。

また、「~のむねあて」などの「こて」「よろい」「かぶと」と名に付かない防具は軽装備であり、
魔法干渉も低く、重量も低い。おまけに防御力も比べてみると重装備と同等なので、
軽装備を利用すると難易度が大幅に変わる。

  • 回避率の情報が流布した後もお構いなしに終盤でも重装備を決行し、
    大ダメージを食らっても「体力やHPが上がるからいいや」と無視して突き進むドMなプレイヤーがここにいる。
    • 最大HP依存の割合攻撃とかその他もろもろ、そんなどえむさんをどん底に突き落とす敵も結構いるわけだが。
    • この成長システムのよくある誤解が「手っ取り早く成長させるには味方同士で殴り合う」というもの。
      盾も回避確率を安定させる重要装備である。
      目先の攻撃力につられて両手に武器を持たせていると、
      盾が装備できない(盾のレベルが上がらない)のでやめたほうがよい。
      (一応、ディフェンダーなどの一部の武器は盾代わりになる)

アイテムに関する制約が非常に厳しいのも特徴。
戦闘中にアイテムを使用するには、あらかじめ各キャラに装備しておく必要がある。
装備できる数は一人2個までで、それ以外のアイテムは戦闘中に一切使用できない。
例えばポーション2個を装備しているキャラは、そのわずか2個のポーションしか使えないということになる。
アークザラッドにもアイテム装備がある。奇しくもPlayStationクラシックで7インターと同時収録された

パーティ全体での制限も厳しく、所持限界はわずか32「個」である。
他の作品と違い、「ポーション:99」のように種類ごとにまとめて持つことができない。
仮にポーションを32個購入したとしたら、それだけでアイテム欄が完全に埋まってしまうということ。
捨てられないイベントアイテムもあるため、実際の所持限界はさらに少なくなる。

このように、アイテムに依存したプレイは難しい仕様である。
ただし、GBA版では他作品と同様のシステムに変更されている。

  • もっとも後半になればなるほど
    ・戦闘アイテムはビミョーな性能の物が多い
    ・全キャラが魔法を覚えられるので回復は魔法を使えば良い(移動中の使用に限れば戦士系キャラの力低下の心配も無いし)
    ・消費MPが少ないわりにシステム上MPが上げやすいのでMP回復アイテムを使うほどの状況になりにくい
    ・戦闘では回避率を上げておけば大した被害も受けない
    ・上げてないなら戦闘中にアイテムで回復してるほどの余裕が無い
    などの理由でアイテム使用の必要性自体が薄れていったりもするので個数制限もあまり気にならなくなったり

FF1・2に移植後、WSCでグラフィックなどが大幅にリメイクされ、以降さまざまなハードで遊べるようになっている。(基本的にリメイクされるごとに簡単になる傾向がある)

PS版のムービーはキャラが天野氏のデザインにもゲーム画面のデザインにも似ておらず、
別の作品のものにしか見えないと思う。

Wiiと3DSのバーチャルコンソールにてFCオリジナル版の配信が開始された。価格は500ポイント。
ゲームアーカイブスからはPS版が配信開始されており、こちらの価格は600円。

  • 初代FFとともにiPhone/iPod touch向けに配信予定。こちらもPSP版がベースの模様。

サガシリーズの名物バトルディレクター小泉今日治はかつてファミコンをバカにしていたが、この作品に感銘を受け、スクウェアへの入社を決めたと言う。
(サガフロンティア2 アルティマニアのインタビューより)


「究極魔法」アルテマは1ギルで売れる。


ファミ通800号記念で行われた、みんなの心に残るゲームベスト100ではランク落ちしてしまったが
ファミ通900号記念で行われた、みんなの心に残るゲームベスト100で60位にランクインしている。


登場するキャラクターは白魔道師ミンウ、モンク僧ヨーゼフ、竜騎士リチャードなど
多くは語らないものの、印象的な人々が多い。


瀕死になって成長する仕様は「サイヤ人システム」とも呼ばれる。


モルボルやボム、ベヒーモスに鉄巨人など今作から常連さんになったモンスターも多い。


戦闘のファンファーレ後、何故か4人が行進する
それ自体は違和感ないのだが、
死んだキャラは置いてきぼり、ボス戦など進む必要のないときでも行進するのがシュール
リメイク版でもやはり行進するのだった
この行進はFINAL FANTASY ALL THE BRAVESTにも引き継がれ、40人で大行進するのが何か笑える

  • シリアスな解釈をするなら、敵の死体を踏み越えて前に進軍しようとする、本作のストーリーを反映させた演出と言えなくもない。

キャラクターを極端なレベルまで強化できる可能性がある作品。
のちの作品と比べてもこれほどキャラクターを盤石にできるものはほかにないのではないだろうか。

  • 敵側との相対的な力比べでは、FF4もなかなか極端である。機種によってはゼロムスに一切攻撃させずに倒せたりするぐらい。
  • うひょひょピエロエイリアンBBAじじいも相対的には相当弱いけどな。

開発段階でデータ容量に不足が生じてしまい、町がひとつなくなってしまったことがFF3発売後にスタッフによって語られている。

  • 同じ容量不足により町が削られたというケースはドラクエ3でもあった。
    ファミコン時代のゲームの宿命か。
    • そして折角だからとリメイクで復活させないのも宿命か。
      ……いや、ホント見てみたいです、見せてくださいお願いしますマジでお願いします

PS版では、WSC版のころの解像度にあわせてサイズを小さく作った文字をそのまま戦闘画面に採用しているため、風景がかなり広く見せられている。ただし敵のサイズはWSC版のままなので、その広い風景を埋め尽くすほど巨大な敵はおらず、空がとても大きく広く見える。景色が広く見えれば気分も違ってくるだろう。これほど景色が広く見える2D作品のFFは他にほぼないかもしれない。

  • 文字だけでなく、キャラグラフィックも他作品と比べて小さ目。
    FF5やPS版FF1などをプレイした後に見ると違和感がすごい。
    • あくまで「頭が小さく、等身が高く描かれてるせいでそう見える」のであって
      PS版FF2もPS版FF1もバトルキャラグラフィックのサイズ自体は変わらない。
      FF1~FF6までと共通の16×24ドットフォーマットと同じ……というか、
      数えてみると小さいどころかむしろ横方向に1ドット多い17×24という妙なフォーマットで描かれているっぽい。
  • PS版は他機種版と比べて全体的な戦闘テンポが非常に良い。味方に補助魔法を使ったときが特に顕著で、ロードの長さは否めないもののそれでも屈指の快適さ。
    一方で魔法や特殊攻撃のエフェクトはWSC版をベースにしながらも派手にリファインされており、後のPSP版をも上回るほど。ちなみにこうていの撃破演出はリメイク版の中で唯一異なっている。

容量制限が厳しかったためか、ストーリー面では描写や説明の不足が感じられる。
帝国側についたレオンハルトの心情がよくわからなかったり、
戦火に巻き込まれる以前のフリオら4人の関係も、
ラストの「また4にんでくらしましょう」というマリアのセリフで少し想像できるくらいである。
ガイも何故片言で喋っていて動物の言葉がわかるのか説明がないので、
ゲーム本編の描写だけだと結構謎なキャラに見える。
セリフも「ついに ここまでやってきたな!だが わたしをたおすことはできん!しね!」
「わかったよ マリア」など山場でも簡素な会話が多い。
GBA版ではセリフの全体的な手直しが行われてはいるが、
語られなかった設定を盛り込んだ本格的なストーリー面のリメイクもして欲しいところ。


「ジョブ(個別アビリティ)、レベルの排除」「クリスタルがほぼない」など初期のシリーズから浮いたシステムであるため、
いわゆる「別物」的な評価を受けてしまう作品。
だがそもそもFFは、ジョブ、アビリティ、マテリア、ジャンクションと、
ナンバリングタイトルすべての戦闘システムが変化に富んでおり
シリーズでありながら新作が出るごとに新しいゲームとして遊べるのが特徴となっている。
それこそがライバルであるDQの根底部を貫いたシステムとの差を生み、
「ファイナルファンタジー」というコンテンツを確固たるものにした基盤であろう。
そう考えると、このIIにおけるIからの思い切ったシステム変更こそが
現在の日本が誇るコンテンツ、「ファイナルファンタジー」を生んだ原点といえるかも。


詳細はこちら参照


何気にFFシリーズでは主人公にセリフがついたのはこれが初となる。
西洋ファンタジーのロール・プレイング・ゲーム(役割を演じるゲーム)の流れを汲み、
プレイヤー自身を主人公とするために主人公を無個性とし、セリフをなくしたドラゴンクエストなどのゲームとは違い、
主人公が自らの意思をもって発言し、行動していくようになったのは事実上このゲームが初となり、これをもって無口主人公=ドラクエとは袂を分かち、能動主人公=FFという図式を構えてドラクエとの差別化を図っていくこととなった。


ちなみに、ストーリーにおいて映画『スター・ウォーズ』から影響を受けている部分が多く見られる。
悪の帝国軍と反乱軍の戦い、反乱軍のリーダーが高貴な身分の女性、捕らわれた女性リーダーを助けにいく展開、帝国軍の巨大兵器への潜入・破壊イベント、そして顔を隠した帝国軍の重要人物の意外な正体…などなど。
また、「はるかかなたの せかいに おいて」というOPの最初の文章も、SWの「遠い昔、はるかかなたの銀河系で」を真似したものだろう。

帝国軍とその侵略に抵抗するレジスタンスという構図はストーリーが作りやすいのか、以降のFF6やFF12でも使われている。