FF6
「テントバグ」とは、特定の条件下でパーティ内の隊列変更とテントの使用が重なることで発生するバグの総称。
2017年に発見された比較的新しいバグである。
- SFC版・PS版・GBA版で実行可能。Android・iOS版では不可。
発生条件は単純なものであり、以下の手順を行うことで起こすことができる。
- 1.ダンジョン内のセーブポイント上に立ち、セーブフラグを取得してテントが使用可能な状態にする
- 2.メニューを開き、隊形変更でパーティの先頭キャラを入れ替える
- 3.そのままメニューを閉じずにアイテム欄を開き、テントを使用する
以上、これだけである。
バグが発生すると、入れ替えられて既に先頭にいないはずのキャラが何故かまだ画面上に表示されており、そのキャラがテントを広げる。
テントの使用が終わった後も引き続き、元・先頭キャラを操作することが可能。
ただし、別のマップに移動するか改めてメニューを開くかすると、新しくパーティの先頭になったキャラクターが正常に画面に表示されるようになる。
…これだけだと単なるキャラの描画ミスに留まっているように思えるが、これは単独のパーティで実行した場合の話。
フェニックスの洞窟とがれきの塔の内部でパーティ分割状態のときだと、更なる複数の不具合が生じるのだ。
PT分割状態でテントバグを使用したあと、その状態から連続でPTチェンジしてテントを使用したPTに戻ってくると、操作できるキャラは変更後の先頭キャラになるのだが、それとは別にテントバグ実行前にPT先頭にいたキャラが画面に残り続けてしまう。(通称「置きキャラ」)
- 置きキャラの上は通行できないため、発生させた場所が悪いと置きキャラに進路を塞がれてしまう。
- 置きキャラを発生させたPTが隊列変更やPTチェンジをせずに別のマップに移動すると、置きキャラが移動先のマップの入口までついてくる。その状態でメニューを開くと、置きキャラもメニューを開いた地点に移動する。
さらに、テントバグを実行するPTと、チェンジ順でその1個前のPTとが同じマップ内に存在している場合、チェンジで1周させるとテントバグを起こしたPTがマップ中の別の地点にワープする現象が起こる。
このワープ先は、「新しく隊列の先頭になったキャラが保有していた座標」によって決まっている。
キャラクターが保有する座標は、以下の要因によって更新されている模様。
- 何らかのイベントを起こす
- ダンジョン内でランダムエンカウントする
- フィールド上でのランダムエンカウントは対象外
- パーティをチェンジする(PTの先頭キャラのみ更新される)
- メニュー画面でキャラを隊列の先頭から引っ込める
- 全滅する(PTの先頭キャラのみ更新される)
これらの条件の中では、「先頭から引っ込める」が最もコントロールしやすいだろう。
また、座標の保存はワープしたいマップ以外で実行しても構わない。
例えば「マップA」の「座標A」を保存した状態でマップBに移動してテントバグを起こせば、「マップB」における「座標A」に飛ぶ、ということである。
当然ながら、両方のマップで歩行可能な座標であることを事前に確認しておかないとワープ先が壁の中や空中になってしまい、ハマる。
上記のパーティ分割状態におけるテントバグでのワープと、別のバグであるセーブフラグ維持・イベントマススキップ(ベルトコンベア逆走)を組み合わせることにより、がれきの塔の内部における行動のみで三闘神をはじめとする全てのボスを回避してケフカの下に直行することが可能であると示されている。
また、パーティ分割ダンジョン内でセーブした後に一旦脱出し、他の地域で座標を保存した後に全滅することでセーブ地点に戻れることを活用して、ゾゾなどで保存した座標を使うことでがれきの塔のスタート地点から、ケフカまであと数歩の地点まで一気にワープすることも可能である。
本来であれば、テントバグによるワープを活用できるのはパーティ分割が発生しセーブポイントが使用可能であるフェニックスの洞窟およびがれきの塔に限られている。
ところが、テントバグを含む複数の大バグを駆使することで分割したパーティをフィールドに持ち出す手段が2019年に開発され、理論上はほぼ全ての地域でテントバグによるワープが実行可能となってしまった。
…と思われた矢先、持ち出しが完了した分割パーティは別にテントが無くてもワープできることが判明したため、世界中でテントによるワープが飛び交う、という事態にはならなかった。
なお、FF6のテントには「フィールド上でテントを使用した際にテントの就寝判定を回避して魔大陸を浮上させることができる」という別のバグも潜んでいるのだが、そちらは「テント回避」という別の名で呼ばれ、本項の「テントバグ」とは区別されている。
- テント回避に関する詳細は【タイマー持ち込み】を参照。