薬天

Last-modified: 2023-07-13 (木) 22:39:11

東北楽天ゴールデンイーグルスの蔑称。薬店や、楽天ドラッグマン投獄薬天イークスリ、投薬薬天イークスリとも。


由来

ジャフェット・アマダーがドーピング疑惑で解雇、セルジオ・ミトレが大麻所持(及び女児虐待・殺人容疑)で逮捕されたことから。

ジャフェット・アマダー

2018年6月13日の試合後にジャフェット・アマダーに対してドーピング検査が行われ、同年7月23日に前述の検査結果が陽性であったことが発覚し、楽天へと通達された。
アマダー本人はドーピングを否定していたので球団はアマダーへの制裁を特に行なわず、本人の要望で8月1日に6月に採取された別検体を検査をすると、翌2日に出た結果はまたも陽性だった。
そしてNPBは8月9日、アマダーに6ヶ月の出場停止処分を科したと発表。アマダーは異議申し立てを行うものの9月21日に処分が確定。10月30日には楽天から戦力外を通告された。
しかしNPBからドーピングの1回目の検査結果が通達されてから、2回目の検査結果が通達されるまでアマダーを試合出場させていた楽天には何の処罰もなかった。(下記詳細)

楽天式ドーピング方法

1回目のドーピング検査で陽性反応が出た場合、チーム及び本人に通達が来るもののこの時点で処分が科されるわけではなく、希望があれば別検体を検査し、別検体の検査結果も同じかつ異議申し立ても却下された時点で処分が確定する。その為、1回目の検査結果の通達が来てから別検体の結果が確定する間までに試合に出場することはルール上は何も問題は無く、罰則も一切規定されていない。
これはドーピングという事実が選手、その周辺関係の一生を左右すると言っても過言ではなく、検査自体も結果に誤りがあったという事例も少なくないため検査機関も慎重に事実確認をしなければならないという背景がある*1
しかし世論は「1回目の検査結果の通達が来た時点で謹慎させるべき」*2といった声も多く、野球ファンの間では楽天のモラルを問題視することとなった*3

 

また、翌2019年には広島東洋カープのサビエル・バティスタもアマダーと同様の過程でドーピングが公になったため「抜き打ち検査の対象となる確率がかなり低いことを利用し不振な選手にはドーピングをさせ、万が一検査で引っかかったとしても限界まで一軍に出場させ続け解雇させる」ことを楽天式ドーピング方法と呼ぶなんJ民も現れるようになった。

 


2018年の月別成績

2018年楽天は開幕してからずっと最下位であったが、監督を務めていた梨田昌孝が6月17日に辞任したのを起点として唐突に勝率が上がり、快進撃で借金を返済し続けていた。また、同時に打撃成績が急上昇したアマダーはその原動力にもなっていた。
一方、アマダーが成績を上げ始めた時期とドーピングに引っかかった時期(6月13日)が見事に一致しており、「いつの時期にドーピングをしだしたか露骨すぎる」と話題となった。

出場月打率打数安打打点HR通算打率
3月2.7504300.750
4月23.187751494.215
5月6.17617331.208
6月13.3644416134.257
7月17.30469211711.273
8月1.0003000.269

(※開幕一軍→5月13日抹消→6月12日再昇格→8月3日抹消)

セルジオ・ミトレ

2014年に所属したセルジオ・ミトレが2020年7月に大麻の不法所持で逮捕。
ミトレは複数の女性への暴行事件でも逮捕されており、更に内縁の妻の連れ子である1歳8か月の女児への虐待・殺人・性的暴行の容疑により、フェミサイドと法定強姦で起訴されたため、当時所属していたメキシカンリーグのチームから解雇され、規定によりメキシカンリーグ永久追放処分を受けた。

記事

元楽天育成右腕ミトレ、麻薬所持の疑いで2度目の逮捕 2歳女児虐待殺人の疑いも…
https://this.kiji.is/656028016070935649?c=44341039600582657


余談

アマダーから検出された禁止薬物は"クロルタリドン"と"フロセミド"の二種である。
いずれも単体で運動パフォーマンスを向上させる効果はないが、強力な利尿作用により他の薬物を排出することでドーピングの隠蔽が可能なので、禁止薬物に指定されている。
なお、フロセミドは一般的に処方される薬だが、クロルタリドンは日本では基本的に流通していない薬である。
球団は「アマダーを試合に出さなかった時期と再検査の時期が被るが、これはアマダーが脇腹の違和感を訴えたからで、ドーピングとは一切関係ない」と主張している。
アマダーは報道された当初、自身のtwitterアカウントで薬剤については「一つは日本のジムでもらったもの、もう一つはひげの発毛剤と釈明したが、フロセミドやクロルタリドンに発毛作用はない*4
仮にこれらの薬剤が陽性を示した原因であったとしても、プロスポーツ選手であれば風邪薬程度であれ自分の体に入るものであればドーピングの可能性を考えるのが常識であり*5、アマダーの行動に過失があったという事に変わりはない。



また2020年7月には、元楽天の内野手で引退後は球団職員に転じていた阿部俊人がオークション詐欺で逮捕され、新たに「詐欺天」*6という蔑称が加わる。このため少し前に問題になったサイン盗み疑惑ばかりか柿澤窃盗事件も蒸し返され、盗賊詐欺天ゴールデンイークスリという蔑称が誕生した。

関連項目


*1 別の競技界では検体のすり替えを行ったり、ライバル選手に禁止薬物が入った飲み物を故意に提供して飲ませ、ドーピング違反により失格にさせたという事例も起こっている。
*2 しかしNPBでこのような措置を取ったのは2008年のルイス・ゴンザレス(元巨人)の1例のみである。
*3 ただし、当時中日の井端弘和(元中日→巨人)のように球団の不手際でドーピングと認定されてしまったケースもあるため、1回の通達で謹慎させにくい意見もある。
*4 過去には育毛剤がドーピング検査で引っかかった事例もあり、2007年のリック・ガトームソン(元ヤクルト→ソフトバンク)の件がそれである。この時はソフトバンクの不手際が主な問題であったためガトームソンは20日間の出場停止処分に留まっている。なお、この時違反となっていた成分は現在では禁止薬物からは外れている。
*5 野球では基本的に薬剤はチームドクター、もしくはトレーナーから支給されるものを服用するのが普通である。
*6 楽天は2013年の優勝セール・日本一セール時に77%オフセールと称し通常販売時より高価な価格を設定した所謂「二重価格表示」の問題があったとされ炎上、「優勝詐欺セール」として話題となった。