この世の全てが同時にまわっている都市、この都市では常にどこかで円環が発生している、それは永遠に続く道路であったり、永遠に続く非常階段であったり、無限に広がり定期的に全く同じ島がある海であったり、しかしこれはおかしなことではない、この無限にループする円環の世界は過酷ではあるが、もう一つの現実世界の自分が幸せに暮らすためには必要な事なのだ。
人の幸福の裏側には常に他人の不幸があり、同じく不幸の裏側には幸福がある。幸運とは違い、誰かの犠牲の上に成り立っている自分の幸福。自分の不幸によって生み出される誰かの幸福。幸福と不幸は表裏一体。それが人の人生であり、抗えない運命であり、逃れられない因果である。
若い頃は幸福で、年とともに不幸になっていく人生というのはやや画一的すぎるような気もしますが、これもまたより大きな存在によって運命を掌握されているかもしれない我々の人生を象徴化するためである。
詰まることろ、我々に自由意志などというものは存在しないということなのだろうか?決められたレールを、抜け道のない一本道を、永遠に続く階段を上下運動することしかできない、鏡のなかのマリオネット。与えられた回し車を死ぬまで回し続けるだけのハムスター生活。
この都市での全ての存在は何かを35年間永遠に繰り返す、そして自分と一緒に入った年上が死ぬのと同時に、次の人生が用意され、世界のどこかに送り出され、それから一週間以内に次のループが始まる……20歳以下の若者を巻き込んで……。
この円環は永遠に続けなければいけない、そうしないと、生命の幸福という物が無くなるからである、その為、この円環は更に大きい円環の中にあるのである、この円環都市は、時間管理連邦共和国のどこにもないものの、存在しているという記載だけが存在している、文字どうりのゴーストタウンである。
この法則は必ずしもこの世界だけではなく、この外でも同じことなのかもしれない。
元ネタ
映画「パラドックス」と映画「ダークレイン」『イグナシオ』さん
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