舞ヶ原高校の新１年生で、撫子の同級生！
新歓ライブに出演するために撫子が集めたバンドメンバーの一人で、今は軽音同好会の会員として、彼女たちと一緒にバンドを組んでいる。
担当はドラムスで、ちょっとだけ打楽器の経験があって…と口が滑ったところを、釣られてしまったそう。

おとなしく穏やかな性格で、個性たっぷりの軽音メンバーと比べるとごくごく、ごく普通の高校一年生。
ただそんな濃いメンバーの中でも部活には意外と馴染んでいて、誰に対しても隔てなく接するため、厳し～い先輩である七々瀬にも気後れすることなくやりとりできる…という、意外な一面もあったりする。

舞ヶ原の夏休みは、なんのことはないスクールカレンダー通りの夏休みで、概ね７月の下旬から８月の下旬にかけ、途中何日か登校日を挟んで、ごくごく普通の夏休みが設定されている。
宿題もそれなりの量が出るため、計画性のない一部の生徒は、綿密に計画を立てておいた方がいいだろう。
また、一般大学への受験を控えた３年生を中心とする希望者のための夏期講習も開催されており、進学を志し夏休み返上で学校に通う生徒もいる。

部活動に勤しむ生徒たちにとっての夏休みは言わずもがな、目指す目標に向かう研鑽のための絶好機で、グラウンドにも毎日賑やかな声が響き渡る。
特に部によっては厳しい（楽しい）夏合宿が恒例となっているのもあり、一際大きな思い出が生まれる期間とも言えるだろう。
軽音同好会も事前に申請し、結構な頻度で夏休み中の活動を行なってはいる、のだが…
暑さに負けた一部メンバーの体たらくを見れば、七々瀬あたりの機嫌が悪くなるのは避けられなさそう。

小野家は、代々木に居を構える、両親に一人っ子のごくごく、ごく普通～の一般家庭。
父は一般企業のサラリーマン、母も一般家庭のごく普通な主婦、娘もごく普通の女子高校生で、強いて言えば最近娘が軽音同好会でバンドを始めたことが、特記事項になるくらい。

家族と言うと、厳密にはもう一匹、子供の頃からお家で「ポチ」という名前の柴犬を飼っている。
先代は小野ちゃんが物心つくより前から家におり、まだ生まれて間もない小野ちゃんをよく見守り、我が子同然に優しく接したとか。
長生きで、小野ちゃんが１０歳の時に家族に看取られながら息をひきとった時には、小野ちゃんもしばらくは落ち込んだままだったという。
この後少しして小野家は当代のポチを迎えるのだが、この時から小野家の飼い犬には代々ポチの名前が与えられることになり、今は２代目ポチと暮らしている。
柴犬デザインのヘアピンを常用するあたり根っからの犬好きという気が強く伺えるのも、一つの特記事項か。

小さい頃にマーチングバンドをやっていた関係で、音楽には早くから親しんでいた小野ちゃん。
特に担当していた小太鼓の流れか、打楽器に強い関心を持っていたため、小学校の頃にドラムを習う機会を家族が与えてくれ、以降中学まで続けることになる。

音楽への興味はさすがに多少人並み以上のものがあるようだが、何やらヒネった趣味がある…というわけでもなく、テレビなどのタイアップがあるＪＰＯＰや、クラスで話題になったものがその興味の多くを占めている。
楽器をやっているので演奏動画などはしょっちゅう見るようで、いわゆる「叩いてみた動画」などは、空き時間に特によく視聴している。

ちなみに家族は、そんな小野ちゃんの課外活動に関してほとんど全くと言っていいくらいに無関心なのだが、おとなしい娘に対する信頼や安心感の表れなのか、基本的には放任主義。
興味にも寛容で、ドラムや、家の近くにある音楽高校への進学にも、特に口を挟まなかったのだとか。

小野家の両親と一匹に見守られ、中学を卒業する年になった小野ちゃんが目指したのが、舞ヶ原高校だ。
その校舎は小野家から徒歩でも非常に近い所にあり、通学にはとても便利。
音楽高校という珍しい類ではあるが、小さな頃から間近に眺めていた学び舎でもあり、親しみもひとしおという所で、いつしか小野ちゃんはこの学校を目指すようになる。
両親からすれば多少の驚きはあったろうが、小野ちゃんにはドラムで培った音楽への興味という部分もあり、結局は本人の志望通りに受験を行い、入学の運びとなるのであった。

そんなこんなで入った舞ヶ原では、入学後すぐに撫子と仲良くなり、早速ライブのサポートに入るなど、いきなり立て続けのイベントが待ち受けていた。
地味で普通な生活を送ってきた小野ちゃんの高校デビューはだいぶ華々しい感じだったようだが、出会った軽音やイロドリミドリのメンバーを考えると、まだまだこんなものは序の口、となるのだろうか。

小野美苗です。
中学を卒業して、新しい生活が始まる、せっかくのいい機会なので、今日から日記をつけようと思います。
高校の入学式が終わって、もう一週間が経っちゃったけど、続けられたらいいな。

今日は、クラスのお友達のことを書きます。
名前は五十嵐撫子ちゃん、とても元気な女の子です。
同じクラスなんだけど、実は知り合ったのは教室の外で、なんと部活の勧誘をされたのが最初でした。
撫子ちゃんは一年生だけど、どうしてもこの学校の、有名な軽音部に入りたくて、入試を受けたそうです。
実は軽音部は事情でなくなっちゃってたみたいなんだけど、今は自分で新しい軽音部を作って、そこで活動を始めようとしてるんだって。
この学校の軽音部なら、なんでもいいのかな…？

私もドラムの経験が少しあるから、興味あるよ、って言ったら、すごく喜んでいました。
今度、遊びに行ってみようかな？

小野美苗です。
今日は、軽音部のことを書きます。

撫子ちゃんが誘ってくれた新歓ライブ、私も新入生なんだけどな…とは思ったけど、面白い機会だなって思って、引き受けることにしました。
準備する時間はあんまりないけれど、精一杯頑張ってみようと思います。
それで、今日は軽音部の部室？スタジオ？を見学してきました。
中学の音楽室とは違ってとっても綺麗で、ロビーには食べかけのおやつと、二年生の先輩が寝ていました。
高校はみんなが自主的に活動していて、すごいなって思いました。
ドラムの練習もいつでもできるみたいで、いつでもは言い過ぎでしょ？って思いました。

本番が迫ってる割に、曲とかはまだ決まってないみたいで、ちょっとだけ不安もあるけど、頑張ってみようと思います。

小野美苗です。
今日は、新歓ライブのことを書きます。

軽音部の新歓ライブ、正確にはまだ軽音部（仮）だけど、なんとか上手くいってよかったです。
撫子ちゃんに聞いたら、実は私が入った段階でまだ二人しかメンバーがいなかったみたいで、無事に済んで一安心。
練習中はミスの多い時もあったけど、本番での私と、撫子ちゃん、七々瀬先輩の３ピースは、息ぴったり。
準備の都合で１曲しか用意できなくて、七々瀬先輩が知っている軽音部の伝統の楽曲、を演奏したのですが、なんとか形になって、良かったと思いました。
思ったより曲が簡単だったのも助かった、かな。

七々瀬先輩は、いつも私たちの朝練に付き合ってくれた、とても優しい先輩です。
とても美人で少し怖い先輩だけど、朝は苦手なのか、朝練の最中たまに自転車でふらついたりしています。
危ないし、私も、朝練よりは夕方の方が嬉しいな。

小野美苗です。←これ、いらないですね？
今日は、部活のことを書きます。

新歓ライブが終わって、今日、無事に軽音部が立ち上がることになりました！
ぱちぱちぱち！
軽音部というか、正しくは軽音同好会です。
部費も３０００円もあるみたいで、なでちゃんは早速何に使おうか考えてるみたいです。
なでちゃんのお金じゃないけどね。

なでちゃんと、イロドリミドリの先輩たちは、部活の設立願いに名前が書いていたので、もう部員。
私も正式に入部…入会？届けを書いて、ちゃんと同好会の会員になるつもりです。
お母さんも「頑張ってね！」って言ってくれてるし、お父さんも「頑張れよ！」って言ってくれています。
私はこういう部活は初めてだけど、その分とても楽しみです！
夏のバンド甲子園とか、あったら出てみたいな～。

今日も、部活のことです。

軽音同好会の活動が始まって、かれこれ二ヶ月程。
今日はなんと、夏合宿の話が出ました！
華ちゃんのお家が、海に近い別荘を持っているそうなんですが、軽音部員くらいの数なら寝泊まりできるくらいの広さはあるそうで。
部員みんな、それ、いいね！っていう感じでした！
あ、でも華ちゃんのおうちの許可がとれないと、合宿はできないね。
渋そうな顔してたけど、大丈夫かな…？

最近は、ＨａＮａＭｉＮａだけじゃなく、イロドリミドリの先輩たちの性格もだんだんわかってきて、誰と話しても楽しくなってきました。
みんな音楽も詳しいし、特に芹菜先輩はドラムが上手くて、元気でかわいい先輩。
今度、ドラム教えて下さい！って、話してみようかな。
先輩みたいに、野獣みたいな強いドラムを叩けるようになりたいです！

今日は、放課後のお話です。
珍しく、華ちゃんと帰る時間が一緒だったので、ちょっと話し込んでしまいました。
華ちゃん、合宿のことで少し考え込んでいて、別荘のことどうしよう、って。

華ちゃんのおうちは両親が厳しいみたいで、音楽の学校に入るところまでは許してもらったけど、進路のこととか、将来のこととかをとても心配されてるって。
部活のことも、実はあんまり応援されてなくて、本来の勉強とか、音楽がおろそかになるようなら、途中でやめさせられちゃうかもしれない、とか。
私は、お父さんもお母さんも色んなことを応援してくれるから、どんなことでも頑張ろう！って思えるけど。

いつもテキパキしてて、頭のいい華ちゃんにそんな悩みがあるなんて、ちょっとびっくり。
華ちゃんは「みーにゃが聞いてくれたから、ちょっと楽になったよ！」って言ってくれたから、私はそれが嬉しかったです。