Illustrator:Tomatika
| 名前 | ラウレッタ |
|---|---|
| 年齢 | 15歳(外見年齢) |
| 職業 | アーベンハイド家の伯爵令嬢 |
- 2025年8月7日追加
- VERSE ep.AIRマップ2(進行度1/VERSE時点で205マス/累計360マス)課題曲「あの日、あの部屋で、あったこと」クリアで入手。
- トランスフォーム*1することにより「Lauretta/Blut Verbundener」へと名前とグラフィックが変化する。
吸血鬼の家系『アーベンハイド』の伯爵令嬢。
自らの洋館に訪れた、とあるオカルト記者を前に彼女は数百年前の〈昔話〉を語る――。
スキル
| RANK | 獲得スキルシード | 個数 |
|---|---|---|
| 1 | 【NORMAL】 コンボエクステンド(VRS) | ×5 |
| 10 | ×5 |
【NORMAL】コンボエクステンド(VRS)
- 一定コンボごとにボーナスがあるスキル。
- GRADE初期値はコンボエクステンド【LMN】と同じ。
- LUMINOUS PLUSまでに入手した同名のスキルシードからのGRADEの引き継ぎは無い。
- スキルシードは500個まで入手できるが、GRADE300で上昇率増加は打ち止めとなる。
効果 100コンボごとにボーナス (+????) GRADE 上昇率 1 +3500 6 +3525 11 +3550 21 +3600 41 +3700 61 +3800 81 +3900 101 +4000 141 +4200 181 +4400 221 +4600 261 +4800 300~ +4995 推定データ n
(1~300)+3495
+(n x 5)シード+5 +25
プレイ環境と最大GRADEの関係
| 開始時期 | 所有キャラ数 | 最大GRADE | ボーナス |
|---|---|---|---|
| 2025/12/18時点 | |||
| VERSE | 53 | 500 | +4995 |
| X-VERSE | 30 | 301 | +4995 |
| X-VERSE-X | 17 | 171 | +4350 |
GRADE・ゲージ本数ごとの必要発動回数
ノルマが変わるGRADEのみ抜粋して表記。
| GRADE | 5本 | 6本 | 7本 | 8本 | 9本 | 10本 | 11本 | 12本 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 6 | 11 | 16 | 21 | 28 | 35 | 43 | 52 |
| 7 | 6 | 11 | 16 | 21 | 28 | 34 | 43 | 51 |
| 13 | 6 | 11 | 16 | 21 | 27 | 34 | 43 | 51 |
| 16 | 6 | 11 | 16 | 21 | 27 | 34 | 42 | 51 |
| 21 | 5 | 10 | 15 | 20 | 27 | 34 | 42 | 50 |
| 29 | 5 | 10 | 15 | 20 | 27 | 33 | 42 | 50 |
| 33 | 5 | 10 | 15 | 20 | 27 | 33 | 41 | 50 |
| 36 | 5 | 10 | 15 | 20 | 27 | 33 | 41 | 49 |
| 40 | 5 | 10 | 15 | 20 | 26 | 33 | 41 | 49 |
| 51 | 5 | 10 | 15 | 20 | 26 | 32 | 40 | 48 |
| 59 | 5 | 10 | 15 | 19 | 26 | 32 | 40 | 48 |
| 67 | 5 | 10 | 15 | 19 | 26 | 32 | 40 | 47 |
| 69 | 5 | 10 | 15 | 19 | 25 | 32 | 40 | 47 |
| 71 | 5 | 10 | 15 | 19 | 25 | 32 | 39 | 47 |
| 73 | 5 | 10 | 14 | 19 | 25 | 32 | 39 | 47 |
| 76 | 5 | 10 | 14 | 19 | 25 | 31 | 39 | 47 |
| 84 | 5 | 10 | 14 | 19 | 25 | 31 | 39 | 46 |
| 91 | 5 | 10 | 14 | 19 | 25 | 31 | 38 | 46 |
| 101 | 5 | 9 | 14 | 18 | 24 | 30 | 38 | 45 |
| 112 | 5 | 9 | 14 | 18 | 24 | 30 | 37 | 45 |
| 120 | 5 | 9 | 14 | 18 | 24 | 30 | 37 | 44 |
| 129 | 5 | 9 | 14 | 18 | 24 | 29 | 37 | 44 |
| 132 | 5 | 9 | 13 | 18 | 24 | 29 | 37 | 44 |
| 135 | 5 | 9 | 13 | 18 | 24 | 29 | 36 | 44 |
| 136 | 5 | 9 | 13 | 18 | 23 | 29 | 36 | 44 |
| 139 | 5 | 9 | 13 | 18 | 23 | 29 | 36 | 43 |
| 149 | 5 | 9 | 13 | 17 | 23 | 29 | 36 | 43 |
| 159 | 5 | 9 | 13 | 17 | 23 | 28 | 35 | 42 |
| 174 | 5 | 9 | 13 | 17 | 22 | 28 | 35 | 42 |
| 180 | 5 | 9 | 13 | 17 | 22 | 28 | 35 | 41 |
| 184 | 5 | 9 | 13 | 17 | 22 | 28 | 34 | 41 |
| 190 | 5 | 9 | 13 | 17 | 22 | 27 | 34 | 41 |
| 201 | 4 | 8 | 12 | 16 | 22 | 27 | 34 | 40 |
| 211 | 4 | 8 | 12 | 16 | 22 | 27 | 33 | 40 |
| 216 | 4 | 8 | 12 | 16 | 21 | 27 | 33 | 40 |
| 225 | 4 | 8 | 12 | 16 | 21 | 26 | 33 | 39 |
| 239 | 4 | 8 | 12 | 16 | 21 | 26 | 32 | 39 |
| 249 | 4 | 8 | 12 | 16 | 21 | 26 | 32 | 38 |
| 261 | 4 | 8 | 12 | 15 | 20 | 25 | 32 | 38 |
| 269 | 4 | 8 | 12 | 15 | 20 | 25 | 31 | 38 |
| 274 | 4 | 8 | 12 | 15 | 20 | 25 | 31 | 37 |
| 283~ | 4 | 8 | 11 | 15 | 20 | 25 | 31 | 37 |
所有キャラ
- CHUNITHMマップで入手できるキャラクター
Ver マップ エリア
(マス数)累計*2
(短縮)キャラクター VERSE ep.Ⅰ 3
(105マス)165マス 法月 ぴこ X-VERSE ep.ORIGIN 2
(55マス)60マス 棗いつき ep.AIR 2
(205マス)360マス Lauretta ep.STAR 2
(255マス)460マス リーサ=ヴィルタネン ep.PARADISE 2
(910マス)455マス アンク/Whirlwind strike X-VERSE-X ep.NEW 2
(155マス)260マス ジナ=影紗=アンブロイド
- ゲキチュウマイマップで入手できるキャラクター
バージョン マップ キャラクター VERSE maimai でらっくす 白銅寺アズリ※3 オンゲキ
Chapter6早乙女 彩華
/サンタのお仕事桜井 春菜
/My precious holiday※1日向 千夏
/はつらつブーケトス※2X-VERSE 星咲 あかり
/Perfect Shining!!※3X-VERSE-X オンゲキ
Chapter7藍原 椿
/WakeUP MakeUP FEVER!※1:該当マップ進行度1~2の全てのエリアをクリアする必要がある。
※2:該当マップ進行度1~3の全てのエリアをクリアする必要がある。
※3:該当マップ進行度1~4の全てのエリアをクリアする必要がある。
- 期間限定で入手できる所有キャラ
カードメイカーやEVENTマップといった登場時に期間終了日が告知されているキャラ。
また、過去に筐体で入手できたが現在は筐体で入手ができなくなったキャラを含む。- EVENTマップで入手できるキャラクター
※1:同イベント進行度1の全てのエリアをクリアする必要がある。
※2:同イベント進行度1~2の全てのエリアをクリアする必要がある。
※3:同イベント進行度1~4の全てのエリアをクリアする必要がある。
- EVENTマップで入手できるキャラクター
STORY
ストーリーを展開
EPISODE1 良き夢と、良き現実を
そこに立った瞬間、遠い夢の中にいるような、そんな哀愁が私の身体を駆け巡った。
街外れの深い森を抜けた先、視界に入ってきた古めかしい洋館を前に私はしばし逡巡する。
この洋館を訪れるのは、今回が初めてのこと。
だから私には、自分の中に湧き上がったこの奇妙な感情への心当たりが全くない。
しかし――
「本当に、こんな場所に人が住んでるっていうの?」
陽は傾き始めているのに、見る限り洋館に明かりは灯っていないように見えた。
部屋によっては真っ暗になっているかもしれない。
そんなどうでもいいことを考えながら歩みを進める。
そんな私を迎えるかのように、館の扉が開いた。
「――っ――」
扉から現れたのは、女だった。
それはだんだんと、白く浮かび上がってくる。
比喩ではない。彼女の顔は異常なほど白かった。
黒の中に燦然と輝く白。まるで血が通ってなどいないかのような肌の色だ。
そして、幼さを残すも強い凛々しさを感じさせるその顔は、目を離すことを許さない……。
それを私は恐ろしくも、美しいと思った。
「ん……?」
彼女の口が小さく開いた。
『オ』
『カ』
『エ』
『リ』
文字の羅列が言葉として私の中に入ってきて、背筋が凍るような感覚が走る。
なんだか、とても息苦しい。
冷たくなった身体の中で、血液だけがぐつぐつと煮え立っているようで。
自分がちゃんと立てているかどうかさえわからない。
私は、ここに初めて来て。
私は、彼女を初めて目で。
でも――
私は、なにもわからない。
ふと、力が抜けるような感覚があった。
視界が黒い色に溶けていって。
美麗で醜悪な白さだけが、焼き付いていた。
EPISODE2 物語の始まり
微睡みから、意識が覚醒する。
最初に視界に入ってきたのは、薄暗い部屋だった。
まるで中世の貴族が住んでいたかのような煌びやかな装飾の中で、暖炉の炎がゆらゆらと揺れている。
覚醒しているのに、まるで夢の中にいるようだ。
「おや、目覚めたようだね」
暗がりから聞こえてきた声は心地良いアルトの音色。
あまりにも自然に身体の中へ入ってくることに、私自身が驚いていた。
「こ――ここは……あの館の、な、か?」
声が掠れて上手く発声できない。
ひどく喉が乾いていた。
「ええ。あなたはここに辿り着く前に倒れてしまった。でも見ず知らずかも知れない方をベッドに寝かせるのもよくないだろう?」
返答は、背後から聞こえてくる。
そこで私はようやく、自分が椅子に座っていることに気がついた。
何故今まで気に留めなかったのだろう。
自分の身体がどうなっているかということを。
「それで、申し訳ないのだがそこに置くことにした。 座り心地は保証する。まぁ、とても安らかに眠っていたようだけど」
背後からの声はだんだんと近づいていって――
「心地良かった記憶が根付いているということかな」
吐息が微かに耳の温度を上げて、身体がぞくりと震えた。
それでも私は、振り返らずにただ前を見ている。
いけない、とそんな予感が確かにあって。
「さて――」
次の言葉が聞こえた時には、目の前に彼女がいた。
恐ろしいほどに白く美しい、作り物のような彼女が。
「はじめまして、選ばれた人間よ。私の名は――」
――ラウレッタ。
彼女の目が、小さく揺れる。
頭に浮かんだその名は、自然に口からこぼれていた。
彼女は一瞬だけ俯くと、口元に小さく笑みを作る。
「では、はじめてしまおうか。これより私は、あなたにとって単なる語り部となる」
EPISODE3 人ならざるもの
ラウレッタ・アーベンハイド。
彼女が生まれたのは、この館だった。
今は館とそれを囲む深い森となっているここは、元々貴族の領地であったのだ。
それは特別な血と、連なる力を持つ一族が治める人の手の及ばぬ場所とされ、秘匿されていた。
その理由は、ひどく簡単なものだ。
――アーベンハイドは、吸血鬼の家系である。
このデジタルが溢れた現代ならば、鼻で笑うようなことかもしれない。
だが、吸血鬼は現実に存在している。
漆黒の帝王が導いた国も、血濡れの女王が存在した僻地もあった。彼らが持つ特殊な力は、諍いの火種にも手にした国の戦力ともなり得たのだ。
各地に残された歴史の影には、そういった存在が見え隠れしている。
「なるほど……」
彼女の話を聞いて、自分が呼ばれた意味を私はようやく理解できた。
記者として私の担当する記事は、俗にいうオカルトと言われる分野のものだ。
「どうした? もう飽きたか?」
そんなわけはないだろうと確信めいた言葉。
彼女はどういうわけか、私のことを――
〈わかっている〉
「これは確かに私が担当するべき案件ですね」
だから私は、強い意志を持ってそう返した。
自分の顔がどんな表情をしていたかまでは、知る由もないけれど。
「そうか。ならば人選は正解だったということだな」
小さく微笑った彼女を見て、胸が一瞬弾む。
威厳のある口調とアルトの声色のアンバランスさ。
そして人形のように美しい姿もはや恐ろしいという感情は消えていた。
「なんだ、随分と〈嬉しそう〉だな」
「え?」
それは純粋に出た疑問だった。
自分がそんな表情をしていたなんて、想像していなかったからだ。
「まぁ、興味があるのはこちらとしては嬉しいことだ。私が語る物語の価値が、認められているようなものだから」
「まるで――」
ふと湧いた疑問を口に出そうとして、止める。
だが、その続きは彼女の口から流れ出た。
「知人と話しているかのよう、かな?」
「……ッ!?」
「驚くことはない。その答えは、私の話の中にある」
そうだ。彼女が本当に人外の存在だというなら、想像の外にある超能力を持っていてもおかしくない。
「……続きを、聞かせてください」
「ああ」
真実はどこにあるかはわからない。
彼女の姿は確かに人ならざるモノを感じさせる。
こうして話を聞くために用意された状況も、まだはっきりとはわかっていない。
だが、心は踊っているのだ。
未知なるモノ――それをまたこの目で見られるかもしれない。
EPISODE4 ある少女
ラウレッタ・アーベンハイドは、吸血鬼の一族に生まれはした。
だが彼女は幼少期はまだ普通の人間だったと、そう語ったのだ。
「吸血鬼には極稀に後天的な覚醒をするモノがいる。 私はその極稀な例だった」
吸血鬼には血の覚醒という、まるでフィクションのような工程があるらしい。
ほとんどは胎児の時に覚醒し、吸血鬼として生まれてくる。しかし、中には覚醒が起こらないケースがあるらしい。
ラウレッタは吸血鬼に覚醒せず、普通の人間の子供として育てられたのだ。
「自分で言うのもなんだが、世間知らずの無垢なお嬢様だったんだ。あの日、その人と出会うまでは」
ラウレッタが10歳を迎える前日、彼女は初潮を迎えた。
それまで大きな怪我をしてこなかった彼女は、垂れ流される赤い液体でべっとり染められた手を見て、唇を紅く染めた時に初めて実感した。
血とは――なんて美しいんだろうと。
「血は、人の知らないことを知っている」
ラウレッタの言葉は、人間には理解しようがない。
血の味には、大抵の人間は忌避感を示す。それを口に含んだところで、何かを知ることはできない。
だが、彼女は違っていた。
自分の知らない自分を、知ることができたのだ。
「それでもまだ、私は吸血鬼足り得なかった」
自分の血では、彼女に覚醒は訪れなかった。
そして、彼女の親族もまた、それを望まない。
このまま人間であれば、異端になることもないのだ。
人間として生きていくことができる。
ラウレッタは利口な子供だった。
未知への探求よりも、大切な人たちの願いを選んだ。
この領地で、静かに人間としての生を歩む。
――そうできたなら、どれだけ幸せだっただろう。
EPISODE5 旅人さん
ラウレッタが14歳を迎えた頃。それは起きた。
アーベンハイドの領地に、飛行機が不時着したのだ。
飛行機のパイロットは、まだ16歳の子供だった。
「あなた、空からきたの?」
「そう、ずっと遠くから」
「それじゃあ、あなたは旅人さん?」
「似たようなものかも」
その子供を最初に見つけたのは、ラウレッタだ。
年の近い二人は何かと共感することが多かった。
花について。建物について。物語について。
そして――外の世界について。
旅人は多くのことを知らなかったけれど、ラウレッタにはそれで十分だった。
ラウレッタはとんでもない箱入り娘だったのだ。
本でしか領地の外のことを知らないし、誰も彼女に教えてくれやしない。
だけど、旅人さんだけは違った。
しかし、それも旅人さんの怪我が治り、帰るための飛行機が直るまでの少しの間。
ラウレッタは、聞き分けの良い、いい子だった。
時間の許す限り、旅人さんとの時間を楽しもうと割り切れる程度には自分の置かれている状況を理解していたのだ。
ただ、ラウレッタは旅人さんに秘密にしていることがあった。
自分が吸血鬼の一族であること。そして彼女が、気を失っていた旅人さんの血を舐めたこと。
――あれは、とてもとても、甘美な味わいだった。
心臓が跳ねるほどの、愛おしさ。
これが吸血鬼としての本能なのか、恋のはじまりなのかは無垢なラウレッタにはわかっていなかった。
「ラウレッタのことを、書いていい?」
「私のことを?」
旅人さんは物語を書くのが好きなのだと話した。
見たことのない世界を、文字の中では作り出すことができる。それが、とても楽しいのだと。
「いいけれど、ひとつだけ約束をしてくれる?」
「一番最初に読ませて欲しい、とか?」
「いいえ、いつか必ず読ませて欲しい。それだけ」
ラウレッタは気づいていた。 旅人さんが本当は書きたくて仕方がない人だって。
だって、彼の血がそう言っていたから。
「約束する。君から教えてもらった物語を、必ず紡いで届けるよ」
「ふふっ。とても良い台詞だわ、旅人さん。 それなら、もう一つお願いしても良いかしら?」
「ん?」
「その物語の少女は、いつか世界を巡るの。空の向こうがどこまで続いているのか、確かめるために」
夢を諦めないで、叶えて欲しい――ラウレッタは、至極自然で純粋な願いを他の願いへと重ねた。
――それは、最も最悪な形で裏切られることになる。
EPISODE6 おわり、と、はじまり
ラウレッタが素敵な約束をしてから、しばらく。
怪我が治った旅人さんは、ラウレッタの親族や領民に助けられながら、飛行機の修理をしていた。
操縦席の機械以外の修理が終わり、飛行機はもう少しで飛べるようになる――そんな時のこと。
空が、騒がしくなった。
「あれは、飛行機よね?」
「そう。この飛行機よりもずっと凄い戦闘機だ」
隊列を組んだ飛行機が、領地の空を染め上げている。
旅人さんの険しい表情はそれがラウレッタにとって、良くないことであると証明していた。
――それからすぐに、攻撃が始まった。
ラウレッタが好きだった美しい領地は、赤く染まっていく。
轟音と悲鳴と炎と血と――あらゆるものが混ざりあったそこは、まるで現実に現れた地獄のようで。
「逃げて!」
旅人さんの叫びがラウレッタの耳に届いた時には、もう遅かった。
空から降り注ぐ炎の矢がそこにあった全ての幸福を灼いていく。
――ああ、終わってしまうのね。
もはや絶望しかなかった。でも。それでも。
ラウレッタはまだ、生きていた。 腕の感覚も、足の感覚もない。
だが、自分を包む人肌の温かさが生を実感させる。
「た、び、び……と、さ、ん?」
返事はない。
旅人さんはラウレッタを守ってくれたのだ。
自分の命なんて考えないで、ただ一緒に笑ってくれた人を守ろうとした。
父や母はそうしてくれただろうか。
そんな考えがラウレッタを巡った。もうわからないけれど、そうだったらいいと希望を片隅に置いて。
旅人さんの額から血が流れてきて、ラウレッタの唇を濡らす。
それは、なんと甘美なことか。
いい子でいるのをやめようと、ラウレッタは決めた。
目の前にある魅力的な首筋に歯をそっと突き立てる。
皮の破れる感覚があって、すぐに熱い中身が脈打つようにラウレッタの中へと流れ込んで来た。
熱い。熱い。熱い。熱い。熱い。
身体が燃えるように熱くてたまらない。
感覚のなかった四肢が、いつの間にか自由だった。
苦痛は快楽となって、自らの形を変えていく。
――とても、気持ちがいい――
ラウレッタはそんな自分の心を共有するように、唇を噛むと旅人さんへ自らの血を注ぎ込んだ。
「あぁ……あ……」
旅人さんは苦しそうに喘いでいる。
死に体の中、無理矢理に喉を流れていく血液はひどく喉に絡みつく。
消えない喉の違和感は相当な苦痛だったろう。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。どうなってもいいと思えるなら、私たちはいつまでも生きれるの」
だから、そう知っているモノは、全て無くしてしまわないと。
EPISODE7 答え合わせ
激情が、彼女を支配していた。
そこら中に散らされた血が脈打って、彼女の元へ集まっていく。
空想でしかない吸血鬼の権能が、アーベンハイドの領地を灼いた戦闘機のパイロットに狙いを定めた。
赤い棘のようなものが細く伸び上がり、飛行機の前で破裂する。戦闘機は真っ赤に染まり、視界の狭まったパイロットは未知の敵に恐怖した。次第に戦闘機は墜落し、十分もかからないうちに地上へと墜ちる。
そして全ての命が失われ、全てが一色に染まった。
破壊された建物も、燃え上がる炎も、焼けた自然も、死んだ人間も、全てが等しくなる。
赤く。朱く。紅く。赤い。
それはまるで、胎児が見る光景のようで。
ラウレッタの心は穏やかだった。
その光景が心から美しいと思えたからだ。
――
――――
「話は、それで終わり?」
「さてな。区切りは良い。もう百年は前のことだ。 そこまで細かいことを覚えておらんよ」
そう言って小さく嘲笑うラウレッタを私は訝しんだ。
話の大筋は理解した。
「わかっていないことがあります」
「なんだ? 言ってみろ」
「まず、旅人と呼ばれていた人はどうなりました?」
「吸血鬼は、眷属とともに永劫を生きる」
「あなたが本当に吸血鬼で今までの話が真実だと仮定して……その人はどうしているんですか」
「聞かずとも、その答えはもう出ているだろう?」
ラウレッタの言葉に私は息を飲む。
確信めいた予感が、私にはあったからだ。
だからこそ、問わねばならない。
「旅人は、あなたの物語を覚えているの?」
「ハッ」
ラウレッタは本当に可笑しそうに声を漏らした。
質問の意味を理解しているのか、いないのか。
「知らない。だがきっと覚えていないだろう。生まれ直したモノは、同じにはなり得ないのだから」
それは答えだ。
私がここに来たことの、答え合わせ。
あと、ひとつだけ――
「あなたは本当に、私の知っているラウレッタなの?」
「ええ、私はあなたの知ってるラウレッタよ?」
今までの尊大な口調を捨てて、彼女はソプラノの声でそう答えた。
EPISODE8 約束
――ある文筆家——
ある森の奥にある洋館に、美しい少女が住んでいた。
彼女の姿はいつまでも変わらず、その年齢すら定かではない。
そんな彼女はある作家が書いた物語のモデルとされている。ドラマ、映画、舞台、漫画、ゲーム……あらゆる形でメディアミックスされ、聞いたことがない人は世界中探してもほとんどいないだろう物語だ。
その物語の主人公は人間離れした美しさを持つ、銀髪の吸血鬼。
だがモデルの彼女は美しいだけの、人間だった。
どうして彼女の姿を知っているのか。
それは、彼女はその物語を題材に何かを作る時、必ず姿を見せて、こう言うからだ。
――きっと、この記憶は血に刻まれるだろう――
その言葉の通り、彼女の物語は様々な人に刻まれている。さながら我々は彼女の眷属だ。
そんな彼女について、最近大きなニュースがあった。
彼女が住んでいた洋館が火事で焼失したのだ。
だが、不思議なことに焼け跡から死体は見つからなかった。伝承のように灰となり燃え尽きたのか、それとも誰も知らない場所へ姿を隠したのか。
個人的には後者であると信じたい。
いや、あの物語を読んだモノなら、みなそう思うに違いない。
おっと、当たり前のことすぎて、物語を知らないモノがいるということを忘れていた。
何故、私がそう思うのか。
あれは――箱庭から、少女が巣立つ物語。
読者はみんな、そう受け取っていると思うがね。
――
――――
どれだけ言葉を尽くしても、感謝はしきれない。
籠の中の鳥だったラウレッタ・アーベンハイドは、あの日初めて外に飛び立つ勇気をもらった。
それは現実ではあるけれど、真実ではない。
全て、偶然であり、必然だった。
旅人さんが乗ってきた飛行機には、元々通信機が積まれていた。元から吸血鬼の領地を調べに来たのは領地のモノはみんな理解していたのだ。
アーベンハイドは穏健派の吸血鬼だった。
人に道具として使われ、身を潜める生活に疲れた彼らは滅びを望んだ。
そんな彼らにとって、最後の子であるラウレッタが覚醒して生まれてこなかったことは幸いだった。
人として生きると選択をさせることができるからだ。
人ならざるものという業を背負うことなく、アーベンハイドの吸血鬼でない、一人のラウレッタとして。
幼いラウレッタはその希望を叶えたいと思った。
いや、思っていた。
旅人さんに、出会ってしまうまでは。
世界のあり方は様々で、そこに異形がいてもいい。
それが物語の始まりとなって、ずっと先に存在を残すのだ。
だからラウレッタは待った。待ち続けた。
約束をしたあの人が自分の元に導かれるその時を。
「未来は私のモノよ。永遠に、永劫に、悠久に」
その吸血鬼と眷属は、空を行き世界を回る。
いつかの約束の続きを、果たすために――
| ■ 楽曲 |
| ┗ ジャンル別 / 追加日順 / 定数順 / Lv順 |
| ┗ WORLD'S END |
| ■ キャラクター |
| ┗ 無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE |
| ┗ NEW / SUN / LUMINOUS / VERSE |
| ┗ マップボーナス・限界突破 |
| ■ スキル |
| ┗ スキル比較 |
| ■ 称号・マップ |
| ┗ 称号 / ネームプレート |
| ┗ マップ一覧 |



それにしてもかっこいいな……トランスフォームのイラスト…… -- 2025-08-11 (月) 20:20:47