【長編】はじまりの

Last-modified: 2023-08-09 (水) 20:58:45

無事完結しました!4700人ありがとう!
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4500人突破大感謝&人気100突入ありがとう!物語は軍師三人衆の乱へ突入。彰が辿り着いた道…


目次

プロローグ

シャングリア帝国の軍事司令官である諸星 彰。彼は部下たちからは頼れる上司として尊敬されている。
しかし、彼には悲惨な過去があったのだった…今、それが彼の手によって明かされる。

登場人物(回を重ねるごとに増える)

'ネタバレ注意

もっと見る

()は最新話(2015年)時の年齢

諸星家

  • 諸星 彰(24)
    主人公、なぜ自分はここまで冷静になれたのか、部下に尋ねられたことにより話す。
    彼は、藤早吾郎に拾われ、12年の時を彼の元で過ごし、2年の牢獄生活を経て、軍事隊に入隊した。
    軍事隊の隊員として生きる中、師匠である吾郎を失ってしまう…
    だがしかし澪に励まされたことで元気を取り戻す。*1
    だが、またしても軍師三人衆の謀略により、親友の悠馬を失う。
    そしてついには軍師三人衆を討伐することを決意する。
    しかし、それ以来変わったらしいが…
  • 諸星 景明(享年49)
    彰の父。反発派に逃げきれまいと悟ると彰にあとを託す
  • 諸星 美嘉子(享年45)
    彰の母。幼い彼に辛い経験を与えてしまい、後悔している。
  • 諸星 陽奈(30)
    彰の姉。父母と共に反発派に連れ去られてしまう。
    …が軍事隊で再会する。
  • 諸星 澪(25)
    吾郎の娘。小さい彰を兄弟だと思って生活している。
    一度彰と別れるも、入隊試験で再会する。*2
    そして彰と結ばれる。父の吾郎を失ったときは、彰を、父からの教えをとき、
    彰を立ち直らせた。
    2011年に彰と結婚し、諸星性に改めた。

藤早家

  • 藤早 吾郎(享年50)
    謎の中年男性。1人残った彰を世話することを決意する。実は軍事副司令官。
    彰の軍事隊入隊後も彰を支えるも、軍事演習の後始末で謀反の罪を着せられ、見せしめで殺害された。

シャングリア関係の人々

  • 牛島 信(23)
    部下であり、彰のバディ。諸星の過去について尋ねた
    彼は、10代後半から彰のバディとして支えてきた。
  • 高津 勇人(60)
    シャングリア帝国軍事総司令官。彰を地下施設に行くよう促す
    そして、軍事隊に入ったものを指導する
  • ヤマタノミコト(44)
    シャングリア帝国の帝王。謀反は許さない性格。
    吾郎も、悠馬も軍師三人衆と薮最による謀だということを知らない。
  • アマタ(22)
    ヤマタノミコトの嫡子。しかし、軍事能力は皆無である。
  • 薮最 海馬(享年48)
    副司令官。実は彼は彰に隠している秘密がある。それは、
    彰の両親を殺したこと。
    やがて軍師三人衆と仲が良いため、彰たちから敵認識され、ついには誅殺される
  • 平山 雅夢(享年24)
    シャングリア帝国大学の軍師三人衆のエース。
    何かと彰をライバル視している
    軍師三人衆の乱にて彰に討ち取られた
  • 平山 司(享年20)
    雅夢の弟。出張先で急死する。
  • 橘花 正樹(享年22)
    軍師三人衆の1人。情報屋
    軍師三人衆の乱にて牛島信に殺され戦死。
  • 阿立 剛(享年23)
    軍師三人衆の1人
    軍師三人衆の乱にて藤早澪に殺された。

畠山家

  • 畠山 悠馬(享年19)
    軍事隊入隊希望者。イケメンで評判。
    明るく、他人思いな性格。
    無実の罪をかけられるも、誇り高き最期を迎えた
  • 畠山麗奈(21)
    悠馬の妹。兄妹揃って見栄えがいい
    雅夢の弟、司の毒殺疑惑をかけられる。
    2009年、軍事隊を兄と共に追放された。

作者からのお知らせ(不定期更新)

今回の物語はシリアスな部分、現実味を多く入れたいなと思います
そして文章力はかなり低めです。温かい目でご覧ください。
あと1回です
第27回~最終回前半で起きていることは2010年3月30日の1日で起きています。

コメント

  • タイトルバックのパワポで作った感好きw -- Yukidekki 2023-06-09 (金) 20:56:37
  • なぜに、あんなものを書いてしまったのか...(11話を読んで) -- 超合金のスープ 2023-06-16 (金) 19:03:41
  • これ完結しても続編出すかも…はじまりの・2 ~the black planet~な感じが構想できてる。内容は今後のシャングリア帝国に大きく関係してくるんだ -- マグローン 2023-06-20 (火) 21:52:48
  • 復活してよかった…戻した人僕の恩人… -- マグローン 2023-06-23 (金) 19:49:28
  • 第18回は限定のタイトルバックですー -- マグローン 2023-06-25 (日) 16:56:01
  • 来訪者数3000人突破本当にありがとう!!!! -- マグローン 2023-07-09 (日) 19:15:41
  • 人気100突入本当にありがとう!! -- マグローン 2023-07-12 (水) 22:25:46
  • コメントで書いてるのが意味わかんなくて最高
    いちいちコメントに打つよりも編集で書き込んでる方がいいよ。-- 2023-07-14 (金) 08:26:17
  • これ明日には4500人行くのでは・・・? -- IMG_0329.jpegをつみ 2023-08-06 (日) 21:22:55
  • いきそうですね -- マグローン 2023-08-06 (日) 21:37:07
  • 4500人おめでとう! -- IMG_0329.jpegをつみ 2023-08-07 (月) 12:05:03
  • ありがとう! -- IMG_1429_1.jpegマグローン 2023-08-07 (月) 12:06:36

来訪者数

今日?
昨日?
合計?

目指せ5000人

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Tag: マグローン SS

本編

前編

第一章 (幼年期編)

第二章 (軍事隊入隊編)

後編

第三章(軍事演習編)

第四章(畠山悠馬の変編)

ここから→【長編】はじまりの 過去ログ

完結編

最終章(軍師三人衆の乱編)

第23回「不満」

  • 年が明け、2010年… -- 2023-07-10 (月) 21:35:20
  • 澪「…。」
    信「…変わりましたよね。諸星先輩」 -- 2023-07-10 (月) 22:28:26
  • 澪「…うん。」 -- 2023-07-11 (火) 07:21:25
  • 彰「…呼んだ?」
    澪「…ねぇ、なんでそんなに」 -- 2023-07-11 (火) 18:19:16
  • 彰「…これ(手紙を出す)」 -- 2023-07-11 (火) 18:39:16
  • 澪「…もしかして」
    彰「悠馬からだ」 -- 2023-07-11 (火) 19:01:46
  • 信「読んでみてください」 -- 2023-07-11 (火) 19:33:40
  • 手紙の内容「彰へ。この手紙を読んでる時は俺が死んだ時に読んでるに違いない。それはさておき、コレは遺書みたいなもんだ。俺は次の戦で必ず死ぬ。命を惜しむつもりはないからな。別に悔しいわけじゃない。お前に伝えたいのは、いつかお前がてっぺんに立ってる姿を見てみたい。大丈夫。きっとうまくいくさ。お前の親友悠馬より」 -- 2023-07-11 (火) 19:41:41
  • 彰「…俺は絶対に悠馬の死を無駄にしない」 -- 2023-07-11 (火) 19:50:42
  • 高津「おいお前たち。お知らせがある」 -- 2023-07-11 (火) 19:56:44
  • 彰・澪・信「わかりました」 -- 2023-07-11 (火) 21:17:28
  • 高津「この前の戦で孤児を見つけたから、お前らで世話をしてもらえないか?」 -- 2023-07-11 (火) 21:19:24
  • 高津「ほら名前」 -- 2023-07-11 (火) 21:20:19
  • ???「私、咲野八重って言います。12歳です」 -- 2023-07-11 (火) 21:26:39
  • 八重「…よろしくお願いします」 -- 2023-07-11 (火) 21:27:44
  • 彰「おう、よろしくな」 -- 2023-07-11 (火) 21:29:51
  • 信「…よろしく!うん!(なんか惚れてる?)」 -- 2023-07-11 (火) 21:32:35
  • 彰「ロリコン精神やめろ」
    信「アッハイ」 -- 2023-07-11 (火) 21:37:01
  • そして、1月10日。 -- 2023-07-11 (火) 21:40:36
  • 事態は大きく動く -- 2023-07-11 (火) 21:44:46
  • ユートピア議事堂軍事隊の彰の部屋am:0:12… -- 2023-07-11 (火) 21:58:58
  • 彰「うーんうるさいな」
    ドアがどんどんとうるさい -- 2023-07-11 (火) 22:09:32
  • 彰がドアを開けると… -- 2023-07-11 (火) 22:15:34
  • 陽奈「助けてよ!彰!」 -- 2023-07-11 (火) 22:21:36
  • 彰「どういうこと?」 -- 2023-07-11 (火) 22:24:37
  • 陽奈「さっき飲み会してたら、襲われたんだよ!」 -- 2023-07-11 (火) 22:37:48
  • 彰「…え?誰に」
    陽奈「軍師三人衆だよ!」 -- 2023-07-12 (水) 07:16:19
  • 彰「…なんで?」 -- 2023-07-12 (水) 18:09:22
  • 陽奈「さっきその三人の飲みあっていたら終わった後に…平山に押し倒されたんだよ!」 -- 2023-07-12 (水) 18:16:10
  • 彰「…えぇ!?」 -- 2023-07-12 (水) 18:52:21
  • 陽奈「…なんとか蹴って逃げてきたけど…」 -- 2023-07-12 (水) 19:41:03
  • 彰「…。とりあえず今日は俺の部屋に泊まってけよ」 -- 2023-07-12 (水) 19:56:06
  • 陽奈「本当!?ありがとう!」 -- 2023-07-12 (水) 19:57:23
  • そして夜が明けると… -- 2023-07-12 (水) 20:04:03
  • またドアの音がする -- 2023-07-12 (水) 20:08:29
  • 彰「誰?朝っぱらから…」 -- 2023-07-12 (水) 20:11:47
  • 隊員たち「諸星先輩!助けてくださいよ!」 -- 2023-07-12 (水) 20:20:02
  • 彰「なんだなんだ?そんなに押し寄せて」 -- 2023-07-12 (水) 20:28:52
  • 隊員1「あの軍師三人衆とかいう奴ら、畠山先輩とか、藤早総司令官を追い出した途端にやりたい放題だ」 -- 2023-07-12 (水) 20:40:48
  • 隊員2「私利私欲は許せねぇぜ!」 -- 2023-07-12 (水) 21:02:22
  • 彰「…そうか」 -- 2023-07-12 (水) 21:24:02
  • 信「きたぜ」 -- 2023-07-12 (水) 21:57:22
  • 隊員3「どうします?」 -- 2023-07-12 (水) 22:21:33
  • 彰「様子見だ」 -- 2023-07-12 (水) 22:34:00
  • 隊員2「なんで?」
    彰「やるならその機会をじっくり待とう。いくらでも手はある。焦りはしていない」 -- 2023-07-13 (木) 07:25:18
  • 信「それはそうですけど…」 -- 2023-07-13 (木) 17:37:36
  • しかし、20日経っても特に変化は見られなかった -- 2023-07-13 (木) 17:53:13
  • 隊員1「なんでだよ!」 -- 2023-07-13 (木) 18:10:57
  • 澪「ちょっと彰くんに聞いてくる!」 -- 2023-07-13 (木) 18:17:08
  • 数分後… -- 2023-07-13 (木) 18:40:25
  • 彰は座って夜空を見ている -- 2023-07-13 (木) 18:55:38
  • 澪「…ねぇ、20日何してたの?」 -- 2023-07-13 (木) 19:34:56
  • 彰「…ないんだよ」
    澪「何が?」
    彰「…自信が」 -- 2023-07-13 (木) 19:43:44
  • 澪「…なんで?」 -- 2023-07-13 (木) 20:52:11
  • 彰「…俺は軍を率いた経験がない。軍事演習の時も、悠馬との戦いの時も、俺より上の人がいたからこそ出きたんだ。俺1人で仕切れるかどうか…」 -- 2023-07-13 (木) 21:20:04
  • 澪「…そんなの、彰くんらしくない」 -- 2023-07-13 (木) 21:23:03
  • 彰「…ヘ?」. -- 2023-07-13 (木) 21:34:28
  • 澪「…明るくて、積極的に動いて、私の大好きだった彰くんはどこへ行ったの」 -- 2023-07-13 (木) 21:48:20
  • その瞬間、彰の脳裏に彼の大切な人物が蘇る -- 2023-07-13 (木) 21:52:14
  • 彰「…澪。お前はよく言ってくれた」 -- 2023-07-13 (木) 22:05:50
  • 澪「…え?」 -- 2023-07-13 (木) 22:16:11
  • 彰「…お前のおかげで自信がついたよ。俺は、あの人たちの思いを忘れてた」 -- 2023-07-13 (木) 22:26:18
  • 彰「…しっかり受け継がないと。」 -- 2023-07-13 (木) 22:31:35
  • 彰「…みんなを呼べ!」 -- 2023-07-14 (金) 07:22:24
    数分後

隊員たち「決心なさったのですか」
彰「ああ、一回しか言わないからよく聞いとけ」
信「はい」
彰「…軍師三人衆を殺す
隊員たち「!!!」
信「正気なのですか?」
彰「もちろん。お前たちはそれでいいんだろ?」
隊員たち「…はい!」
彰「…もう、後戻りはできない」
軍師三人衆の乱まで残り2ヶ月
第23回終わり、第24回へ続く

第24回「迫真」

2010年2月2日
高津「おい諸星。薮最から連絡だ」
彰「はい。(まさか企みがバレた…?)すぐ行きます。

数分後

彰「ただいま来ました」
薮最「よく来たな。お前には手伝って欲しいことがある。」
彰「なんでございましょう」
薮最「そろそろ整理しなくてはなぁ」
彰「…?」
薮最「今は、総司令官や三人衆、帝王様は出張だ。そこで我々が掃除をしないとな。そこでお前に付き合って欲しい」
彰「承知しました」

掃除中…

何かの紙が落ちた
彰「…なんだこれ」
それは、ユートピア建国宣言時の犠牲者リストだった
彰「ちょっと見てみるか…」
しばらく見ていくと
彰「ん?諸星景明。美嘉子夫妻…?俺の親じゃん!」
下を見ていくと、殺した人物が
彰「…薮最海馬?」
彰は本をその場に落とした
彰「…まさか」
本を見直す
しかし、彰の両親を殺したのは、薮最だった
彰「…!」

数時間後
薮最「今日は手伝いありがとな」
彰「…はい」

彼が戻ってきた
信「お疲れ様です。先輩…先輩?どうかしましたか?」
彰「(我に戻り)あ、ああ。なんでもない」
信「何かおかしいな…」
彰「いや、なんでもないから心配するな」
信「…。」
澪「嘘、絶対何かあったでしょ。」
彰「…、いや」
澪「正直に言って!」
彰「…俺の両親を殺した奴がわかった」
信・澪「誰?」
彰「…薮最だった
澪「!?」
信「それほんと?」
彰「…残念ながらそうだ。犠牲者リストには誰がやったか書かれてるからな…」
信「では、薮最も殺さなければ!」
彰「いや、ダメだ。あいつは軍師三人衆(あいつら)よりは信頼がある。何より副司令官だからな…」

3日後、隊員たちが集まってきた
隊員1「諸星さん。軍議を密かに建てませんか?」
彰「軍議?」
隊員2「はい。計画の詳細を話し合うのです。日にちは2月9日を予定しているのですが」
信「今何日でしたっけ」
澪「2月5日よ」
彰「…4日後か。いいだろう。何人を予定している?何時にやる?」
隊員3「午前0時。約三十人ほどが集まります」
彰「そんな夜中にやるの!?」
信「おそらくバレるのを防ぐためでしょう…」
澪「寝ないようにね!」
彰「…いや逆に、夜中でやった方がバレるんちゃう?」
隊員たち「それは言わないお約束。」
隊員2「では4日後。議事堂の地下にて」
去っていった

その夜
彰「…ふぅ」
信「何を悩んでるんすか。先輩」
彰「殺すは殺すでも、大義がないと殺せない。何より勝手に軍を出したら終わりだからな…」
信「…大義。ですか…」
彰「牛島。ここからは修羅の道になる可能性がある。ついてこれるな。(信の顔に近づく)」
信「…はいっ!」

3日後
軍師三人衆「はぁー。出張疲れたー」
彰「お疲れ様です。」
しかし、彰の表情は裏表があるような表情であった
高津「諸星。何かあったか?」
彰「あ、いやなんでも…」
高津「…ならいい」
雅夢「この後飲もうぜ!」
正樹・剛「いいね。」
薮最「はぁ…(ため息)」
彰「(いやー危ねぇ、危なかった…)」

その夜
彰「ただいまー…?」
中に入ると何故かこの前話した同志たちが待っていた
彰「…アレ?」
隊員たち「場所が取れなかったんで、ここでやることにしました!」
彰「…はあ。」
澪「始めよう!」
信「これは、シャングリアの今後の未来にかかる問題ですからね!
彰「…始めよう。これより、軍議を開始する
今、必勝を期し、彰たちの軍議が始まる
第24回終わり、第25回へ続く

第25回「軍略」

軍事隊室502号室pm:23:42…
隊員1「ちなみに今回の軍議には、親衛隊長や軍事隊探題部の人も駆けつけております。」
彰「探題部って?」
信「軍事隊で起きた問題や、治安の処理などを担当しています。しかし、最近は軍師三人衆に取られてばかりとのことです」
探題部長「もう、うんざりです!」
探題副部長「あの三人衆。俺は許さん」
彰「てか、軍議の割には人数多くね?」
信「それだけ、あいつらに恨みを持つ奴が多いんだと思います」

0:00の知らせをラジオが告げる

親衛隊長「始めましょう」
参加人数およそ九十人。
探題部長「まず、ここにきたのは軍師三人衆や薮最に恨みを持つものですよね?」
彰「まぁそうと言い切れるんじゃね?」
親衛隊長「すでに初期作戦は我々親衛隊と探題部で決めてあるのだ」
信「どんなものですか?」
探題部長「4人を誘き出し、そのまま殺す
彰「…何言ってるんですか?」
副部長「それは私のセリフだ。最高のプランだと思わんかね」
彰「私は不承知いたします。」
信・澪「!?」
親衛隊長「どういうことだ?」
彰「そもそもあの4人がすぐあなたたちの策になると思ってらっしゃるのですか」

彰の口調は強くなってきた

部長「では逆に聞こう。お前の策はどんなものなのだ」
彰「私の策は、まず、橘花か阿立、薮最をおびきたし、殺します」
親衛隊長「それで?」
彰「それを聞いた彼らは殺されるのを恐れ、軍を構えるでしょう」
副部長「そんな自信はどこから来るんだ?」
彰「私が今まで見てきた彼らの経験の中です。」

そう、彰は彼らの行いが原因となった事件の全てを見てきた。しかし…

探題部長「ダメだ。市街戦になれば、民まで被害が及ぶ。関係ない彼らにまで被害を被るわけにはいかない」
副部長「却下させてもらう」
彰「おい待てよ。真剣に検討してないくせに却下するのはどうかと思うんだが」
部長「当たり前だ。お前みたいな若造に何がわかる」
彰「あ?💢」
親衛隊長「そもそも、戦で解決する時点で、頭がイカれてんだよ!」
彰「お前らこそ、こっそり殺すという考えもイカれてるだろ!」

口論は激しくなっていく

彰「私の策を検討も満足にしてくれないなら、私は帰る!
ついにキレ、部屋を出ていってしまった
信「諸星先輩!」
部長「幸い防音機能つけてるから漏れない(はず)ぜ」

時刻は、0:23…
澪「…戻ってこないよ」
信「続けましょう」

その頃、彰は1人で溜息をついている

彰「…くそっ。あいつらは何もわかってない」
高津「何をそんなにキレてるんだ?」
彰「…高津総司令官!?」
高津「巡回していたらなんかどんどんうるさいなと思ってきたら…」
彰「…すみません!こんな企てを…」
高津「まぁ良い。わしも参戦して良いかな?」
彰「もちろんいいですが…」

0:36…

信「大丈夫かな…」
ドアの音が鳴る
澪「彰くん!?」
彰「よぉ、この人のおかげだ」
高津「話は聞いた」
親衛隊長「高津総司令官!?」
部長「お許しください!」
高津「いやいや、あやつらには前から嫌な印象的持ってたしな」
彰「というわけで、俺たちに味方するみたいだ」
高津「ちなみに、俺は彰の意見に賛成だ」
部長「な、なんでですか?」

高津はユートピアシティの地図をみせる

高津「まず、吾郎の件があってから、急の呼び出しは死につながる可能性があるとあいつらは信じている。だから4人だけ呼び出したら、あいつらも身の危険を感じるのではないだろうか」
副部長「そ、そうですが」
高津「残念ながら、市街戦になる可能性は十分にあり得る」
部長「そ、そうですか…」
高津「そこでだ。具体的な作戦を彰が考えてくれた」
彰「これから説明する。この地図を見ろ、おそらくあいつらはここら辺に陣を構える。*3そこにはここからの死角がある。そこを攻めれば良い」
高津「どうだ?彰の作戦は」
親衛隊長「スケールがでかいじゃないか。私は賛成する。」
部長・副部長「何っ!?」
副部長「はぁ…今日は眠いから今回の軍議は一回保留だ!寝るぞ!ちなみに俺らはまだ反対中だからな!」
彰「えーいいところだったのに」

時刻は、am:1:02…信や澪は寝そうであった

彰「ええい。もう寝よう!」
高津「そうだな。軍議は一時休戦だ。」

こうして、夜中の会議は終わった。そして、夜が明けた

信「諸星先輩。もう一踏ん張りですな。」
彰「ああ。2回戦目は今夜になるらしいからな」
親衛隊長「諸星君。少しいいかい?」
彰「はい。いいですよ」
親衛隊長「私と探題部の人たちとは長い付き合いだからわかる。彼らは君を恐れているんだ
彰「…え?」
親衛隊長「お前は、藤早元副司令官の死、悠馬の乱の中心人物とはいえ、何も地位がないからな
彰「(💢)」
親衛隊長「だから、そんなお前が、仕切るのを彼らは恐れてるんだ。だから、納得させるにはそれなりの理由が…」
彰「おけ。やってやるさ」
親衛隊長「やる気に満ちてるな…」

そして、夜21:06…

高津「それでは、軍議の続きだ」
彰「…探題部の人たち。初めに言っておく。奴らを滅ぼすには打って出るしかない。
部長「不承知」
彰「…そうか。死にたくないだけだろ?」
副部長「どういう事だ。」
彰「俺は、軍師三人衆を滅ぼせるなら死んでもいい。俺は…」
部長「ふん。齢18にしてそんなことを…」
彰「そんなことなどではない!我らは死ぬ気であいつらを滅ぼす!そういう望みがある限り、我等は決して負けない。俺が引っ張っていくんだ!死ぬのが嫌なら、軍師三人衆につけぇ!
部長・副部長「っ…」
黙り込んでしまった
澪・信「(トゥンク…)」
高津「…着いたな。」
高津「では私が、この軍略を帝王様に伝えておこう。」
彰たち「え!?」
高津「やるからには帝王様の許可が下らなければできない。では、これで軍議は終わりだ。」

数分後

信「すげぇっす!先輩!正直惚れちゃいました!」
彰「…そう。」
彰「…勘違いしてほしくないのは、俺がこのことを本気で思っているんだ。」
澪「…。」

そして3日後、2月12日…

高津「呼び出してすまないな。諸星」
彰「でも決まったんでしょ?」
高津「ああ。」
彰「…よし」

軍師三人衆の乱まで残り46日
第25回終わり、第26回へ続く

第26回「完封」

3月に入った。ユートピアシティも雪が溶け始め、人の動きも活発になってきた

彰「決行日は、3月30日よ」

2回目の軍議で最後に彰が言った

信「はぁ…本当にうまくいくかな…」
信は手袋に息を吐いている。3月に入ったとはいえ、気温はまだ15℃前後
彰「おい、独り言バレバレだぞ?」
彰が横に入る
信「先輩!なんでここに!?」
彰「当たり前だろ。今はお昼休憩だから」
彰「(信の方を見て)怖いのか?」
信「いやっ、そんなこと!」
嘘をついてるように見える
彰「まぁいい。俺が導いてやる。お前はついて来い。そして死ぬな」
信「…はい!」
彰「そうそう、お前にやってもらいたいことがあるのだが…
信「なんですか?」

彰は信に耳元に伝えた

信「…わかりました。」
彰「頼むぞ」

3月4日。会議にて

ヤマタノミコト「最近、街の整備が劣っているとワシは思うんだが」
雅夢「どういう意味ですか?」
高津「万が一事件が起きた時、対策施設が何もないのだ」
正樹「それは設置した方がいいと思います」
薮最「今後のためにも」
剛「我らは賛成します」
ヤマタノミコト「実はこの計画を提案してくれたのは諸星だ」
彰「みなさん、ありがとうございます」
ヤマタノミコト「では、明日から建設に取り掛かろう」
軍師三人衆・薮最「承知!」

会議後

ヤマタノミコト「これでいいんだろ?」
高津「全く恐ろしいほどうまくいっております」
彰「…。そうですね」
彰の顔は少し険しかった

翌日から、砦などの建設に取り掛かり始めた
彰「何日ぐらいで完成しそうだ?」
薮最「ざっと2週間かな?」
彰「(今3月5日。ちょうど良い…)」

計画は順調に進んだーはずだった

3月6日早朝

部下「大変です諸星さん!」
彰「なんだ」
部下「…裏切りです!」
彰「…誰が」
部下「牛島です。今日は会議がある予定なのに、無断で欠席したのです!
彰「…なぜそれだけで」
部下「あなたの真面目な後輩が無断で欠席するはずがありません!前日の夜には薮最のところに話をしにいったとの情報が」
彰「…!(やってくれたな的な顔)」
彰「…様子を見れば良い」
部下「そうですか…」
去っていった。彰は少し下を向いてにやけた

その頃、信は…

信「薮最副司令官」
薮最「なんだ?」
信「少々時間をいただけないでしょうか」
薮最「もちろんいいぞ」
信「3月30日…」
薮最「30日がどうした」
信「気をつけた方がいいですよ…」
薮最「どういうことだ!教えろ!」

薮最は信の肩を叩いた

信「…近頃、諸星彰などの人物がとある画作をしていてですね…」
薮最「!?」

意味がわからないような顔をした

薮最「あ?あいつが?」
信「…まぁ軍師三人衆とあなたを狙っていたですね…くれぐれも気をつけて」
薮最「おい待て、なぜあいつらが?」

信は無言でさっていった

薮最「…!」

そして3月8日

隊員1「おい知ってるか。牛島っていう仲間の人が三人衆側に裏切ったらしいぜ」
隊員2「恩はどこへいったのやら。まじこれはありえねぇだろ」
澪「本当なの?彰くん」
彰「まぁな」
澪「うそ。ほんとのこと言って!」
彰「何が嘘だよ。」
澪「あなたが仕組んだんでしょ?」
口調は強くなっていく
彰「…。」
澪「信じられない!」
彰をビンタする
彰「…!」
澪「大っ嫌い!」去ってしまった

しばらく彰は佇んだ

彰「俺はただ…信をスパイとして潜入させただけなんだが…仕方ない」

3月10日。彰は自分の部屋に隊員を集めた

隊員1「牛島さんのことですか?」
彰「ああそうだ」
隊員2「裏切った理由ですか」
彰「…いきなり言わせて貰えば、あいつら裏切ってない
隊員3「はい?」
隊員1「何を証拠にそんなこと」
彰はため息を一息すると
彰「…俺が仕組んだ。俺は、信が裏切ったとあいつら(軍師三人衆と薮最)に思わせようとしただけだった。でもこんなことになるとは予想してなかった…」
隊員たち「!?」
彰「それだけ勘違いしてくれなければいい。はい解散」

隊員たちは少し騒ぎながら去っていった

彰「はぁー…」
ため息ついた
親衛隊長「何をそんなに落ち込んでいる」
彰「そのー。牛島の件で澪と喧嘩?してしまってな…どうやって説明するか」
親衛隊長「はぁはぁ」
彰「電話しても出ないし声かけては無視されるわ…」
肩を落としたような顔をしている
親衛隊長「まぁ、話し合ってみろよ」
彰「そうだな…」

その夜

彰「インターフォンでねぇな…」
信「先輩。こんな夜に何やってんすか?」
彰「あっ、…そのー…牛島、すまなかった」
信「…別に謝ってくれなんて言ってませんよ。ただ…」
彰「…ただ?」
信は彰に抱きついた
信「…ほんとは俺、苦しかったんすからね?陰口聞こえて、ずっとずっと…」
彰「…そうか、心配かけてごめんな。俺の責任だ」
彰は空を見上げて何かを決心したような顔をした

そして3月30日。ユートピア議事堂やミーティングルームam:7:23…

彰は座って待っている。
そこに牛島や親衛隊、探題部の者たちがやってくる
信「行きましょう」
彼らは武装していた
彰「ああ」
立ち上がり、廊下を歩き出した
軍師三人衆の乱が始まる

第26回終わり、第27回へ続く

第27回「眼差」

2日前

彰「3月30日。午前8時に薮最を呼び出して殺す」
隊員たち「承知!」

時は戻り3月30日

彰は廊下を歩いている
信「いよいよですな」
彰「…あくまでこれからやるのは儀式だ。」
信「儀式?」
彰「ああ。これで軍師三人衆(あいつら)に知らしめてやる」
信「はぁ…」
彰「そうだ。お前は薮最がこちらについたとバレないようにこの場所に隠れていろ」
彰は信に隠れる場所を見せた
信「…わかりました」
彰「あとは薮最を誘き出すのみ。俺が帝王様に伝えてくる」

ユートピア議事堂帝王室…am:7:31

彰「失礼します」
ヤマタノミコト「…ついにこの日が来てしまったな」
ヤマタノミコトは彰に背を向けている
彰「もう、覚悟はお済みですね?」
少し沈黙が続くが
ヤマタノミコト「…もちろんだ」
彰「…行きましょう」
ヤマタノミコト「まずは薮最に連絡を出さないと」
ヤマタノミコトは薮最に通知を出した

薮最「なんだ?帝王様からの通知か」
薮最は帝王室に向かって歩き出す
雅夢「ちょっと薮最副司令官!」
正樹「今日は3月30日。以前気をつけた方がいいと言われていたのでは?」
剛「…なのでここは」
薮最「何を言ってる。帝王様の連絡を受けないわけにはいかないだろう」

彼らの言葉も虚しく、薮最は歩き続ける。これから起こることがなんなのかも知らずに…

しばらく歩き続けると、陽奈が薮最の前に現れた。
陽奈「ここからは私が案内いたします」

陽奈に連れられ、薮最は歩く

彰「…来たな」
陽奈「こちらです」
薮最「ご苦労様」
薮最が帝王室の扉を開く

しかし、薮最の目に映ったのは衝撃の光景だった
ヤマタノミコト「よく来てくれたな」

そこには、武装しているヤマタノミコトや彰たちの姿があった

薮最「こ、これはどういうことですか?」
高津「何って…みてわかれよ

高津はにやけた

薮最「…おい!」
高津「一つ伝えておこう。お前はここで死ぬ」

薮最は唖然とした

薮最「…なぜ!」
彰「お前は、2008年、藤早吾郎にら無実の罪を着せた虚偽告訴罪、そして軍師三人衆と協力し、この国を脅かそうとした」
薮最「待て!後者は言いがかりだ!」

薮最は必死に伝えている
…が、次の瞬間彰に向かって
薮最「…残念だったな。俺を殺して戦を起こす気ならまだいい。だがこっちにはお前のたーいせつな部下の牛島を落としてんだ」

すると彰は帝王室の勝手口を開ける。

bgm:~天命の時~:http://Youtu.be/jOOWxRa10xw
薮最「…何!?」
そこには信がいた
信「俺と諸星先輩は水魚の交わりよ。いくらあなたが副司令官でも罪人どもにつくとでも思ったか?」
彰「薮最海馬。お前を誅殺する」
薮最「こうなれば!」

薮最は次の瞬間、勝手口についていた陽奈を蹴り飛ばした
陽奈はその場に倒れた
彰「姉さん!」
高津「逃すな!」
薮最は勝手口から逃げ出した

薮最は廊下に出るも、銃と刀を構えた隊員に挟み撃ちにされた
1人の隊員が薮最に突っ込むも手刀で気絶させ、刀を奪い取る
彰「チッ」
薮最は刀を振り回し、隊員たちをどかす

高津「逃げるな!」
薮最「こんなところで死ぬわけには…」

しかし、一弾の弾丸が薮最の腹を貫く

薮最は吐血し、その場に崩れ落ちた
信「諦めの悪い男だな」
撃ったのは牛島であった
彰「…。」
倒れそうな薮最に近づく
彰「何か言い残すことは?」
薮最は手で口から出てくる血をおさえている
薮最「…ハハハ…まさかお前に殺られるとはな」
口から多量の血を吐きながらにやけている
薮最「…伝えたいことはただ一つ、清らかな世にするためには、心を鬼にすることも必要だと…!」
彰「…そうか」
薮最の首元に銃を構える
薮最「…お前も変わったな。気づいていないかもしれないが、お前のその風貌は平山に似てきている」

高津が合図を出す
銃弾が廊下に響き渡った
彰や高津たちは地面に倒れ込んだ薮最の死体を見つめた
ヤマタノミコト「…さて、このことを軍師三人衆に伝えなければ。ほれ、急ぐぞ」
彰「…そうだな」
1人で去っていく
信「さっさと死体を片付けましょう」
高津「…まぁな。隊員たちに任せよう」
隊員たちは薮最の死体を取り除いた
高津「諸星のやつ…」

彰は1人で廊下を歩いている

午前8時2分。軍師三人衆に一つの連絡が届く
「先ほどの銃声は儀式だ。これからお前たちを、自らの頭脳を使い、私欲に走ったという罪で誅殺する
雅夢「…な、なんだこれは!」
正樹「これは脱出するしかない!」
剛「逃げるぞ!」

軍師三人衆は15分も満たないうちに、ユートピア議事堂を脱出した

場面は戻り、彰が廊下を歩いている中、先に死んでいった者たちの面影が脳裏に浮かぶ
彰「(父さん母さん、師匠、悠馬…)」
悠馬の手紙「いつかお前がてっぺんに立ってる姿を見せてくれ
彰「見ててくれ…」
1人でボソッと喋り、下を向く
しかし、次の瞬間鋭い目つきで目を上げる

しかし、目の光は消えようとしていた

第27回終わり、第28回へ続く

第28回「引鉄」

アマタがユートピア議事堂のミーティングルームに向かう途中、彰と会う

アマタ「…諸星。いいところに来たな」
彰「なんでございましょう」
アマタは箱の中から銃を取り出す
彰「こ、これは…!」
箱の中には光沢のあるマスケット銃が入っていた
アマタ「これは我が帝室に代々伝わるもの。これをお前に預ける。これであいつらを討ち取れ」
彰「ありがたきお言葉」
彰はフリントロック式銃を腰に構えた

午前8時16分。ミーティングルームに軍師三人衆征伐軍(仮)の各々が集う

彰「どうやら、三人は五百人ほどの隊員を連れて、挙兵したみたいだな」
高津「我らは4000人ほどあれば制圧できるかな?」
信「しかし、三人衆についた隊員たちは必死に抵抗するほどの覚悟はあるのでしょうか…」
ヤマタノミコト「それでいいだろう。あやつらにつくのは、そういうことだ。そうだ、この戦の総大将なのだが…」
一同はざわ目ついた
ヤマタノミコト「…私は、諸星にしようと思っている」
彰「!!」
高津「…いいだろう。薮最がいなくなって、いよいよ諸星と三人衆の決戦みたいなものだからなぁ
ヤマタノミコト「頼んだぞ」
彰「承知いたしました。それでは、戦略を説明する」

彰はユートピアシティの地図を出した

彰「おそらく、彼らは見晴らしの良いユートピアシティ第一スクランブル交差点に陣を構えるでしょう」
信「見晴らしが良ければ長期戦になりそうですけど…」
彰「だがこれを1日で鎮めることができる」
一同は本気でできるのかざわついている
彰「交差点の東方向に少し先に行き、さらに左に曲がると狭い道に出る。そこから少人数で攻めれば確実に落とせる」
高津「…それは確かなのか?」
彰「もちろん。九割九分成功する」

沈黙が続く

彰「どうした、急ごう。」
高津「誰が行くのだ」
彰「…まぁ、俺が行くよ。本人がいったほうがいいしな」
そこにヤマタノミコトが割り込む
ヤマタノミコト「待て。諸星は総大将だ、奇襲とかには危険がつきものだ。大丈夫なのか?」
彰「…本音を言う。この戦は俺と軍師三人衆の戦だ。大丈夫」
信「死なないでくださいよ!」

一方その頃、軍師三人衆の軍は…

雅夢「この交差点に陣を構えておけば、どこから攻めてくるかわかる。死角はない」
自信満々気に言っている
正樹「まさか…諸星が本当に俺らのことを狙ってくるとはな…」
剛「俺たちの軍は500人、政府軍は4000人って聞いたぞ。勝算はあるのか?」

雅夢はしばらく悩んだ

雅夢「断言しよう。勝算はない
正樹・剛「!!!」
雅夢「…簡単なことだ、8倍の政府軍に勝てっこないだろ。」
正樹「だが、俺は最後の最後まで戦ってみせる!」
剛「華々しい最期…」

時刻は午前8:23…ユートピア議事堂前

階段の下には軍が集まっている。階段の上にある扉からヤマタノミコトが出てくる
ヤマタノミコト「諸君、覚悟はできているな?これから戦が始まろうとしている。これから我々は賊である軍師三人衆を討つ!皆の者、心して進軍せよ!」
隊員たち「おおっ~~!!!」
士気が高まった
ヤマタノミコト「行軍は8時45分から開始する。それまで自由時間とする」
高津「一時解散!

8時34分ごろ、彰は射撃場でフリントロック式銃の試し撃ちをしている

信「どうですか?銃の調子は」
彰「一発の威力がでかい代わりに連射には向いてない感じだな」
彰はフリントロック銃を腰に構え
彰「そろそろ行かないとな。8時45分だろ?」
信「そうですね」
彰と信が歩いている途中、澪とすれ違う
彰「あっ…澪…話したいことが…」
澪は無視して歩き去っていく
彰「…。」
信「仕方ないですよ」
彰「なんとか和解できねぇかな…」

午前8時41分ごろ、政府軍がユートピア議事堂階段下に集結する

彰は総大将だが、装飾は紺色である。そこに信がやってくる
信「紺色お似合いですね!」
彰「そうか。ありがとな」
彰が前に出ると武装していた兵士たちが目の前に
彰「…!!」
高津「この軍をお前が仕切るんだ。期待してるぞ」
彰「すげぇ…」
隊員たち「諸星さん。下知を」
「ふー」
大きく息を吸い込むと
これより、我らは軍師三人衆を討つために行軍する!進めぇぇ!!
隊員たち「おお~~ー!」
軍が進み始めた
彰はゴウラム(メカ馬)を起動し、乗る

午前8時46分。政府軍は約2km離れた軍師三人衆の陣があるユートピアシティ交差点へ進軍した!

彰「そういや、市民の避難は完了したのか?」
高津「もちろん。午前8時の時点で避難指示を出している。申し訳ないが…」
ヤマタノミコト「だが今回の戦は戦車とかは使わず、銃や刀くらいの戦であると聞いている。そこまで街には被害は出ないと思っているが…」
高津「大丈夫でしょ…ゲホッゲホッ」
高津は激しい咳をした
ヤマタノミコト「大丈夫か?」
高津「ほんの軽い喘息です。進みましょう」
高津は咳をしながら行軍した

午前9:01…ユートピアシティ交差点…
信「見えましたな…」
彼らの目と鼻の先には軍師三人衆の陣が
ヤマタノミコト「降伏は今からでも遅くはない!主要人物の逮捕だけで済むぞ!」
彰「(交渉しても無駄だろうと思うけど…)」
しかし呼応する気配は全くなく、兵が出てきた
高津「覚悟は決まったようだな」
ヤマタノミコト「諸星、合図を」
彰は銃を取り出し
彰「全軍、かかれぇー‼︎

かくして、軍師三人衆の乱が始まる

第28回終わり、第29回へ続く

第29回「決戦」

2010年3月30日午前9時4分…

彰「かかれぇー!
それを合図に、戦闘が始まった
両軍の兵士が剣や刀を用いて向かう
そして交差点の真ん中辺りで斬り合い撃ち合う
信「先輩!俺も行ってきます!」
高津「おい!死ぬなよ!」
牛島は戦場に飛び出して行った
信「さぁかかってこい!」
兵士を斬っていく
信「悪いな諸星先輩。三人を討ち取るのは俺だ…」
信の目の前には銃を構えた兵士たちが
信「あっ、すみませ」
しかし銃弾が放たれる
信「死んだ…」
しかし親衛隊長が防弾盾で防ぐ
親衛隊長「何してんだ牛島!お前が死んだら悲しむ奴がいるだろ!」
信「すみません!一旦引きます!」

戦闘開始から10分が経った

彰「今のところ戦況は?」
高津「ほぼ互角か?」
ヤマタノミコト「まだ彼は動かないのか…」
その頃、軍師三人衆の陣地付近では
雅夢「片っ端から撃ち落とせ!防弾チョッキをつけてる可能性がある!」
高津「(見破られたか…)」
両軍は接戦を繰り広げている
ヤマタノミコト「諸星、お前はいつになったら出る」
彰「まだ出ない」
彰は戦いを見守っている
高津「(奴の行動の意味が掴めない…)」

そして戦闘開始から20分

信「くそっ!まだ諸星先輩は動かないのか!」
親衛隊長「でも数ではこっちが勝ってる!ジリ貧でやるぞ!」
その頃、三人衆は…
正樹「雅夢。そろそろアリゲーター作戦、実行するか?」
雅夢「今しかないな。実行しよう」
剛「説明しよう。アリゲーター作戦とはワニの口の開きのように二手に分かれてその間に相手を挟み徐々に迫っていくのだ。」

午前9:36分,軍師三人衆の軍が二手に分かれ、信たちの軍を挟み撃ちにする

信「な、なんだこれは?」
親衛隊長「挟み撃ちにされたな」
そして次の瞬間、刃が信の腕を切り裂く
信「あぐっ…」
親衛隊長「離れろ!」
信にとどめの一太刀が降ろされそうになったその時
探題部長「何やってんだ牛島!」
副部長「ここは俺らが止める。お前は一回休め!」
信「すみません!」
親衛隊長が信をつれて一時退却した
雅夢「いけいけ!奴らを閉じ込めろ!」
雅夢たちの軍勢は挟み撃ちのまま、合間を狭くする
探題部長「くそっ…」
それを見ていた高津たちは…
高津「まだ動かないのか!諸星!」
彰「…。」
高津「仕方ない、わしがいく!ついてまいれ!」
高津は少数の兵を連れて駆け出して行った
ヤマタノミコト「諸星。お前はいつになったら動く?」
彰「…散ればよい」
ヤマタノミコト「…散る?」

午前9時42分。高津の援軍が到着する

高津「探題部の者を救え!」
挟み撃ちしている軍のうち、一方を攻撃する
高津「(トランシーバーで)藤早!もう片方頼んだぞ!」
澪「もちろんです」
澪の軍ももう一方の軍を攻撃する
正樹「まずいな…逆に挟み撃ちにされたな」
剛「ここは一旦退こう!」
軍師三人衆の軍が退き始める
高津「追撃するか…」
しかし、高津に突如彰からのトランシーバーが入る
高津「なんだ?」
彰「軍師三人衆を散らしてくれ」
高津「散らすって…三人を散らすことか?」
彰「そういうことだ」
高津が澪にトランシーバーで
「藤早!お前は正樹を追え!俺は剛を追う!」
澪「わかりました!」

撤退しようとする正樹と剛の軍を澪と高津が追撃する

正樹「くそが…」
剛「逃げ切るぞ」
彰「…ようやく散らばったか」
高津「まだだ!」
しかし、次の瞬間高津は吐血してしまった
高津「ゲホッゲホッ…くっ…」
そこに復帰してきた信がやってくる
信「ここから先は俺がやります!」
信は斬られた腕を包帯で巻いて止血していた
親衛隊長「高津総司令官、あとはお任せを!」
高津「…ゲホッ、無茶するなよ」
信は再び勢いよく飛び出し、正樹の軍を追撃する
親衛隊長「相変わらず無鉄砲だな」
場所は変わり、雅夢たちの陣
雅夢「しまったな…アリゲーター作戦は失敗したし、正樹と剛の軍が追撃されてる。これでは三人まとまって行動できない…」

アリゲーター作戦が失敗し始めた頃から戦況は政府軍側に逆転
逃げ遅れた軍師三人衆の者たちは拘束されるものもいれば、最後まで拘束に反対して抵抗し続け、討ち死する者もいた
そして午前10時1分。ついに彰が動く

彰「…時は今
急いで武装し、ゴウラムに乗る
ヤマタノミコト「!?諸星…まさか」
彰「決まってるでしょう?その時が来たのです。ついてこい!
わずかな手勢を連れ、走り出した
ヤマタノミコト「(これを待ってたのか…)」
彰のわずかな軍勢は戦場から大きく遠回りした狭い道を進む
彰「(みんな今までよく耐えてくれた。あとはまかせろ!)」
彰の手勢の隊員「(速すぎる!ものすごいスピードだ)」
彰「(今三人が散らばってて雅夢の陣はガラ空きなんだ。狙うなら今しかない)」

狭い道を進み、ついに雅夢たちの陣の裏側に出た

彰は手勢の方を向き「皆、準備はいいな?」
手勢の者たち「おぉ~~!」
彰は刀を振り上げて降ろし
彰「目指すは!平山雅夢の首ただひとーつ!

その叫びが戦場に響き渡る

信「うおっ?」
親衛隊長「ついにきたか…」
雅夢「…何!?」
彰「全軍、まっすぐ進めー!」
彰の手勢の軍が雅夢の陣に突撃する
雅夢「…みんな、逃げるぞ!
隊員たち「!?」
瞬く間に雅夢は陣を脱出した
隊員「雅夢様を守れ!」
隊員たちも続く
抵抗する隊員「雅夢様を守れ!」
銃を放つ
彰「チッ」
顔を逸らし弾丸を防ぐ
しかし額からは血が流れていた
隊員「おい、陣に着かれるぞ!」
隊員2「逃げるぞ!」
銃を放っていた隊員は逃げ出してしまった

彰の手勢はついに陣に到着した

彰「攻めいれ!雅夢を見つけ出せ!」
雅夢の陣に侵入する
侵入した彰の手勢は雅夢の陣に残っていた兵と戦い、斬っていく
手勢の人「雅夢は!雅夢はどこだ!」

その頃、雅夢は…

雅夢「はぁ、はぁ…正樹、剛。すまん。でもいつか…復讐を…」
少数の兵と共に逃亡していた
彰が雅夢の陣に侵入する
彰「雅夢は?」
手勢の人「逃げられました!」
彰「平山ァァァ!!!

彰の参戦により軍師三人衆の軍は壊滅状態となった

信「追い詰めたぞ!橘花!」
正樹「くそっ…ここまで来りゃ、一騎打ちだ!」
刀を構える
信「正々堂々とね」
刀を取り出す
正樹「…こい!」
すると信の刃が正樹の刀に斬りかかる
正樹は振り払う
信「ガラ空きだぜ?」
剣を振り上げようとしている正樹の腹部を斬る
正樹「くっ…服のおかげで浅い…」
信「もっとこいよ!」
剣を振っていく。正樹はそれを受け止めるだけで精一杯
正樹「畜生…」
信「お前はここで終わりだ
その瞬間、正樹の脇腹は斬られ、致命傷となった
正樹はその場に倒れた
信「じゃあな」

そして澪のところも…

剛「きやがれ!彰の女!」
澪「…。」
短刀を手にし、一瞬で近づく
剛「ふん!」
切り裂こうとするもまんまと避けられ、後ろから刺される
剛「この野郎!」
蹴り飛ばそうとするも押し倒される
剛「…ふっ、それにしても…あんな牢人出の奴に負けるとはな…」
澪「…これ以上、彰君の戯言を言うな」
剛「あ?」
突き刺された

10時12分、2人の死の知らせがヤマタノミコトに届く

隊員「橘花正樹、牛島信に阿立剛、藤早澪に討ち取られた模様です!」
ヤマタノミコト「…あとは平山のみ。頼んだぞ諸星…」

その頃、彰は…
彰「平山の場所はわかったか?」
手勢の人「はい。ユートピアシティセントラル公園です」
すると彰はすぐ様ゴウラムに乗り、駆け出す
彰「ついてくるな!俺が解決する!」
手勢の人「大丈夫かな…」

10時16分。ユートピアシティセントラル公園…

雅夢「ここを陣とし、体勢を立て直す」
雅夢の兵士1「しかし残ったものは約40人…ここからどう抵抗するのか…」
そこに遠くから人影が
雅夢「…(よく目を凝らす)諸星!?」
ゴウラムに乗ってきた彰が雅夢の陣に近づく
雅夢の隊員は銃を構えようとする。しかし
雅夢「手を出すな!」
彰「見つけたぞ…平山」

ユートピアシティセントラル公園についに彰は雅夢と対峙した

彰はフリントロックピストルを左手で持ち、右手に乗せ構えている
雅夢「…最期と話せる相手はお前か…」
深く息を吸うと
雅夢「俺が言いたいことはただ一つ。貴様らみたいな、戦でしか物事を解決できない奴なんて、生きていくとこなんてどこにもないわ!
彰「そのようなことは百も承知ー!だが、俺はお前を殺さねばならない!先に死んでいった、大切な仲間たちのために!

一発の弾丸が放たれた

第29回終わり。最終回へ続く

最終回「踏襲」

予告

軍師三人衆の乱。ついに終結
彰「…これで」
そして時が経ち
高津「私はもう長くは生きられない」
ー数多の修羅を見てー
高津「新しいシャングリア、軍事隊を作るのはお前だ」
軍を継ぐもの
高津「頼んだ」
彰「…もちろんです」
最終回「踏襲」


戦場に一発の弾丸が放たれた

信「まさか⁉︎」
高津「我らもユートピアシティセントラル公園に行こう」
澪「いきましょう!」

10時20分。交差点に集結した政府軍がセントラル公園に向かって出発した

その頃、セントラル公園…
彰「…?」
彰は脇腹を見る
雅夢はにやけた
彰の脇腹は銃弾で出血していた
彰の背後から銃を撃っていたものがいたのだ
彰はそのままゴウラムから落ちてしまった
雅夢「残念だったな」
雅夢は彰に近づく
雅夢「…殺されるとしたらお前じゃなく…」
その瞬間、彰は銃を構え雅夢の首元を撃ち抜いた
雅夢「…な、に」
その場に倒れた
彰はフラフラと脇腹を抑えながら立った。しかし
雅夢の残党たち「よくも雅夢さんを殺してくれたな!覚悟!」

その時

高津「そこまでだ!
彰が後ろを向くと高津の軍が
高津「この戦はもう終わりだ!降伏するものはこちらに来い!拘束する。抵抗するものはことごとく処する!」
すると残党は武器を捨てた
彰「ようやく終わった…」
しかし貧血で倒れそうになる
その信が支える
信「無茶して…」
彰「ハハ…」
彰の目と鼻の先には澪の姿が
澪は駆け出し彰に抱きつく
澪「…バカ」
彰「…すまんな。心配かけて」
高津「まだ終わりじゃないぞ、戦後処理があるからひとまず2人は彰を病院へ連れていってくれ」
信・澪「承知!」

4月3日。入院している彰のもとに2人が戦後処理のことを伝える

彰「…どうだった?」
信「まずは功績です。諸星先輩は副司令官に、澪さんは親衛隊長。私は参謀への出世が入ったとのことです
澪「そして軍師三人衆側についた者たちは強制的に軍事隊を脱退させられた上、地下牢送りになりました。」
彰「と言っても生き残ったのは60人ぐらいなんだろ?」
信「伝えるべきことは伝えたのでこれにて」
2人は個室を出た
彰「おいちょっと待て、牛島。話が…」
信「なんですか?」
彰はあることを信に話した

4月9日。退院した彰は任命式に出る

彰「高津総司令官は?」
ヤマタノミコト「結核が進行していて闘病中だ」
ユートピア議事堂の中央広間にて任命式が行なわれた
その帰りにて
信「そういや明日から復興作業が始まるなぁ」
彰「いくら軍事隊内輪での紛争とはいえ、街の被害も尋常じゃないからな」
すると
アマタ「安心しろ。復興資金はジェネレン地方のムーブタウン、ブラフ地方のソランボムラが援助してくれる。うまくいけば10日で終わり見積もりだそうだ」
彰・信「アマタ様!?」
アマタ「いやいや。タメ口でいいよ」
そこにヤマタノミコトがやってくる
ヤマタノミコト「ダメだアマタ。お前は今後シャングリアを継ぐ身。上下をしっかり格別させておかねばならぬのだ」
アマタ「そうですよね父上。すみません」
父と共に去っていった
彰「さぁ明日から頑張るか」

そして翌日

彰たちはボロボロになったら交差点を見る
信「こりゃひどい」
澪「弾丸も残されてる…」
彰「よーし!やるぞー!」
弾丸の回収、道路の整備、建物の改修など10日間はあっという間に終わった

4月20日夕刻…

ヤマタノミコト「皆、ご苦労であった!おかげでユートピアシティは完全に復興した!明日から住民が戻ってくる予定だ。これにて解散!」
その帰りで彰は悠馬と吾郎の墓に寄った
彰は手を合わせ終えると
彰「師匠、悠馬。俺ここまで来たぜ。齢18で副司令官になれたぜ。これからも見ててくれよ。俺の…」
信「1人で墓の前で何言ってるんすか?」
彰「///っせーな!なんでもねーよ!」
信「冗談ですよ。挨拶してたんでしょ?」
彰「わかってんじゃねーか」
彰はため息をついた
信「さぁ6時までには個室に戻らなきゃいけないんでいきますよ!」
彰「あいよ」
彰たちは個室に入っていった

しかし5年後、彰にとって運命の日がくる
2015年10月半ば…

藤早改め諸星 澪「彰。高津総司令官が呼んでるわよ」
彼女は2011年4月に彰と結婚し、諸星性に苗字を改めていた
信「あの時僕に話したの(病室で話したの)ってプロポーズの話だったんすね」
彰「ま、まぁな…」
2012年には第一子が、2014年には第二子を出産している
???「パパ、いってらっしゃい!」
この子は諸星 泰樹(3)。引き取る場所がないので直接軍事隊で育ててる
彰「おう、いってくるぜ」

数分後
高津は病の床についていた

彰「失礼します。体調はどうですか」
高津「…すまんな、諸星。この前来た医者から余命宣告されてしまった」
彰「っ!!それで余命は…」
彰は驚愕した表情で言った
すると高津は下を向き
高津「…一ヶ月だ
彰「そうですか…」
彰は無念があるかのように目を閉じた
高津はゆっくりと起き上がり
高津「本題はここからだ。私が死ぬと後継者が必要となる」
彰「はて…後継者は決まってるのですか?」
高津「もちろん決まっておる。それは…」
彰は息を飲んだ
高津「諸星、お前だ
彰「い⁉︎」
高津「俺は本気だ」
高津のその目は本気の眼差しだった
彰「…しかし私はまだ24」
高津「歳などは関係ない。私はお前を頼りにしているんだ」
彰「…。」
すると高津は彰に近づき
高津「新しいシャングリアを作るのはお前だ
彰の肩を叩き
高津「頼んだぞ
彰はしばらく沈黙するも
彰「…わかりました!」
高津「ちなみにこのことは帝王様は知っている」

そして一カ月後、高津総司令官は息を引き取った

11月8日。高津の葬儀が行われた
国民は100万人が参列した

その夜、ユートピア議事堂会議室
ヤマタノミコト「明日、新しい総司令官が発表される。その時お前は前に出る。覚悟はいいな?」
ヤマタノミコトは彰に真っ黒な洋風柄の服を渡した
ヤマタノミコト「明日この服を着て前に出るんだ」
彰「…はい!」

そして翌日(11月9日)…

彰は先日渡された洋風柄の真っ黒な服を着た
澪「似合ってるよ!いってらっしゃい!」
澪はわずか2歳の次男を抱き抱えている
彰「ああ。いってくる」
彰は意気揚々と個室を出た
会議室にて
成長した咲野 八重(18)「ねぇ牛島さん。今日新しい総司令官が発表されるんですよね?誰か知ってます?」
信「(顔を赤らめる)えっと…知ってるよ。名前は…」
諸星彰
ヤマタノミコト「今日から新しい総司令官が軍事隊を仕切っていく。前に出てこい」
彰が前に出てくる
彰「皆のもの。これより、この諸星彰が高津総司令官に代わって軍事隊を指揮する!
彰「(俺はこのシャングリアを変えてみせる。二度とあのようなことをしないために…)」
大勢の隊員が見守る中、彰はそう思った
彼の目は希望に満ちている目だった
彼の軍事隊総司令官としての物語はここから始まったのだった


*1 そしてはじめてを澪にする
*2 その想いは恋心へ…
*3 どの場所に設置するかはネタバレのため秘密